先日「【2018年】僕が買った機材を振り返ってみたい、こわい」という記事を書きました。タイトルでこわいとか言ってるくせに、舌の根も乾かぬうちに新しいカメラを購入してしまいました。今年購入したカメラはこれで10台となりましたが、たぶん細々したやつは忘れているだけでもっと買ってるかもしれません・・・こわい。
購入したカメラは富士フイルムのX-H1です。X-T3と入れ替えという形での購入になりました。そこで「X-T3とX-H1を比較しながら入れ替えした理由」を書いてみたいと思います。両機使ってみての感想なので参考になるかと思います。
目次
X-T3を売ってX-H1を購入しました
様々な気持ちがうずまいていることかと思いますが、粛々と進めてまいりますね。
2018年の締めくくりとして僕が購入したのはX-H1です。誤字ではありませんのでご安心ください!一眼レフスタイルのミラーレスカメラが複数台あっても仕方ないのでX-T3は売却しました。手放してもやっていけるという判断があってのことで、理由は後々解説します。
富士フイルムX-H1開封の様子
Tシリーズと比較すると一回りボディが大きくなっています。手振れ補正ユニットの影響でしょうね。グリップも大型化しており、XF16-55mmを取り付けてもバランスを崩すことはありません。重たいのは重たいのですが、最近ジム通いもはじめたので、そのうち楽々ぶん回せるようになるはずです。(←脳筋?)
X-H1はサブ液晶搭載、露出ダイヤルは無し
X-H1にはサブ液晶が搭載されているので、瞬時に今の設定を確認することができます。ちゃんと見る癖をつけてやれば、変な失敗は減るでしょうね。またSDカードやバッテリーが入っているかも確認できるので、忘れ物防止にも効果があります。カメラをただの箱として持ち歩くような悲しさにグッバイ・・・
これにより露出補正ダイヤルは排除されています。Fnボタンを押しながらリアダイヤルをグリグリする仕組みに変更されています。僕はマニュアルで露出を決めることが多く、ほとんど使っていなかったので問題ないかな。
シャッターボタンが軽く、フェザータッチで撮影できます。ボタンを押し込まなくてよいので、ブレる可能性も減りますし、姿勢をホールドしたままで次のショットをどんどん撮影することも可能。
富士フイルムのX-H1とX-T3を徹底比較
ではここからは細かく違いを見ていきましょう。ちょっと長い記事になってしまったので、時間のない人はブックマークして再度読んでもらえればありがたいです。
X-H1とX-T3の外観を比較
X-T3のほうが軽いので携帯性重視の人にはおすすめ
両機を前面から見た場合、X-H1のほうがX-T3よりも一回り大きくなっている程度。重量はX-H1が623g、X-T3が489gです。XF35mm F1.4 Rの重さが187gなので、130gの差は小さくはないでしょう。
X-H1とX-T3の厚みはかなりちがう
厚みにかなりちがいがあるので両機の印象を大きく決定づける要素だと思います。携帯性を優先するならX-T3、大きなレンズとの相性や剛性を求めるならX-H1ということになります。とは言え、実際にカバンに入れたり、肩にかけて歩くと「カメラの存在自体が消えるわけではない」ので持ち出した印象に大差は感じません。
ただX-H1を購入してからしばらくして、X-T3を使う機会があったのですがその軽さに感動したのも事実です。長時間持ち歩いても疲れないという点はX-T3の大きなメリットでしょう。疲れてしまうと撮影意欲の減少にもつながりますし、女性にはX-T3のほうが気楽だと思います。
ちょっと意味不明になっていますが「X-T3のほうが軽いけど、カメラ持ち出すならどっちでも一緒じゃね」とい感じです。実際両機が手元にあったときにも「軽い」「小さい」とかで選択はしませんでした。使うレンズや、被写体に合わせてどちらを持ち出すか決めます。
X-H1のグリップが大きくて大型レンズとの相性もばっちり
X-H1の特徴はこの大きなグリップです。先にも書きましたがXF16-55やXF50-140などの大きなレンズを使うなら圧倒的にX-H1が取り回しやすいです。実際の重量よりもグリップの握りやすさで手の負担も変わりますので、大きなレンズを使う予定ならX-H1がおすすめです。
USB Type-Cに対応するのはX-T3
X-H1とX-T3はモバイルバッテリーによる給電が可能で、いざという時に便利です。ただしX-T3はUSB Type-Cに対応していますが、X-H1はマイクロUSBになります。
X-T3とX-H1の液晶モニター側、操作性は同等
X-H1の背面上部にはAF-ONボタンが搭載されていますので、親指AFが可能。Qボタンの位置も違います。露出ダイヤルなどの変更点はあるものの、操作性に関してはどちらを使っても不便を感じたことはありません。X-H1だろうとX-T3だろうと任意の設定をすぐに行えます。
富士フイルムX-H1とX-T3の性能比較表
名前 | X-H1 | X-T3 |
発売日 | 2018/3/1 | 2018/9/20 |
画素数 | 有効2430万画素 | 有効2610万画素 |
センサー | X-Trans CMOS III | X-Trans CMOS Ⅳ |
画像処理エンジン | X-Processor PRO | X-Processor Ⅳ |
ISO | 200~12800 | 160~12800 |
シャッタースピード | 900秒~1/3200秒 | |
連写性能 | 14コマ/秒 | 30コマ/秒 |
手ぶれ補正 | あり | なし |
メディア | SD(UHS-II) デュアルスロット | |
Wi-Fi/Bluetooth | Wi-Fi/Bluetooth | |
ファインダー | 約369万ドット | |
液晶モニター | 3インチ 104万ドット チルト式 | |
撮影可能枚数 | 300枚 | 370枚 |
重さ | 623g | 457g |
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- X-T3のほうが画素数が多く解像感がアップ
- X-T3はスポーツファインダーモードがあり最速30コマ/秒の連射が可能
- X-T3は像面位相差AFが約100%に対し、X-H1は横50%、縦75%
- X-T3の低照度限界はEV-3、X-H1はEV-1
- X-T3は4K60p、10bit対応でより高い動画性能を搭載
- X-T3はカラークロームエフェクトを搭載
- X-H1には大きなグリップと強力な手振れ補正が搭載
- X-H1にはサブ液晶モニターが搭載
X-T3のほうが最新機種というだけあって、使いきれる気がしないくらい性能てんこ盛りです。もはやこれ買っておけばOKじゃない?という気さえします。小さいは正義です。
一方のX-H1にはボディ内手振れ補正という強力な飛び道具があります。手振れしたゆるい写真が防げますし、富士フイルム優秀なレンズ性能をフルに発揮できる気がします。ブレないは正義です。
富士フイルムX-H1とX-T3の描写を比較
もうすでにX-T3は手放してしまっているので厳密な描写テストはできませんが、X-H1との写りの傾向は違うように感じます。
こちらはX-T3で撮影したディズニーランドの様子。(また行きたい)富士フイルムは感性に刺さる色が特徴です。この時はASTIAを使って撮影しましたが、川がとても青く印象的になりました。以前のカメラではこういった色にはなりませんでしたし、撮影している中でも解像感がアップしていることにも気づきます。X-T3は暗所にも強いしAFも速いので、室内で子どもを撮りたい時には重宝しました。
同じ被写体ではないので一概には言えないという前提のもとですが、撮っている人間は同じだから撮影意識は同じです。
ASTIAを使ってやわらかさを強調する撮影をしましたが、どちらの写真が撮影意図を組んでいるのか?そう考えると2枚目のような気もします。僕からするとX-T3の描写は「写りすぎる」・・・もちろんカッチリ写したい場合もあるので、好みの問題もあるかと思います。
作例
富士フイルムX-H1とX-T3で使いたいレンズを比較
ちょっとお遊び的な要素ですが、ボディがこれならレンズはどれを選ぶ?というリストを作成してみました。「そうじゃないよなー」とか、「自分ならこうだな」という感じで遊んでもらえると良いかと思います。ここではX-Pro2にも参加してもらいましょう(笑)ないレンズがあったらごめんなさい・・・
名前 | X-H1 | X-T3 | X-Pro2 |
オールマイティ |
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ズームレンズ |
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単焦点レンズ |
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僕の独断と偏見で決めているので、正解がコレという訳ではなくあくまで参考です。個人的にはX-Pro2に50-140とかをつけるのもカッコよくて好きです(笑)こうしてご自身の使いたいレンズにあわせてボディを購入するのも判断材料の1つになると思います。
X-H1は大型のグリップのおかげで大きなレンズをつけてもバランスを崩しませんし、ボディ内手振れ補正のおかげで繊細な単焦点レンズを使うときの安心感がちがいます。X-T3はバランス感覚にすぐれているのが特徴的ですね。
富士フイルムX-H1とX-T3の価格を比較
記事執筆時点(2019/3月半ば)の販売価格を見てみましょう。
機種 | FUJIFILM X-H1 | FUJIFILM X-T3 |
価格 | 約20万円 | 約16万円 |
商品リンク | 価格を見る | 価格を見る |
新品のボディだけの価格で4万円の差になっています。この差と、これまで紹介してきた性能をはかりにかけていく必要があります。X-T3のバッテリーグリップVG-XT3の価格が約4万円ですので、グリップつきでX-H1と同じくらいの価格になりますね。レンズ1本分くらいの差はあるので慎重に決めたいところ。
中古だと両機の差は小さくなりますが、X-H1のほうがやや相場が安い印象。
X-H1にしようと思ったポイント・メリット
今の僕に必要なのはX-T3ではなくX-H1なのでは?という結論に至って購入に至ったわけですが、その主な理由は以下の通り。
- X-T3ほどの高機能に必要性を感じなかった
- X-H1のボディ内手振れ補正が魅力的だった
- サイズ感、持ち出しの負担はどちらもあまり変わらない
- 使いたいレンズがX-H1のほうが相性が良さそうだった
X-T3は最新のセンサー、画像処理エンジンを搭載し、あらゆる面でのレスポンスを向上させたカメラです。特にAFに関しては、これまでのことが嘘だったかのように気持ちよくピントが合います。鈍足のXF35mmF1.4が俊足になる様子に感動すら覚えました。X-T3は間違いなく富士フイルムユーザーにとって歓迎されるべき進化を遂げた名機です。
ただ、僕の撮影スタイルは基本的にのんびりしているので、進化ポイントに魅力を感じるもののオーバースペック感もありました。X-T3では動画も撮影したかったので使用頻度が高いレンズは、防塵防滴、手振れ補正つきのXF18-135mmでした。
ならば「ボディ内手振れ補正搭載機種を買えば良いのでは?」ということでX-H1が候補にあがります。その効果は最大5.5段分、5軸センサーシフト方式のデキる子ちゃんです。最近ファームアップもあり、ほぼすべてのレンズの補正効果がアップしていました。タイミング的も完璧だし今行かなくていついくの?
ボディ内手振れ補正があれば、富士フイルムで定評のあるXF16-55mmも、XF35mmF1.4も、XF56mmF1.2も全部ブレ知らずで撮影できるんですよね。これは眠っていた虎たちを起こしてやりたい気分。
X-H1にちょっとした不満もあった
良いことばかり上げてきましたがイマイチだなと感じたポイントもありました。
- 設定が初期化される不具合が確認されている
- XF35mmF1.4のAFをたまに外す
- 手振れ補正ユニットの暴走
- バッテリー消費が早い
まずは「設定が初期化される不具合」が確認されていること。僕は経験していませんが、これがあるということは心配材料として頭に入れておきます。次に僕の大好きなレンズXF35mmF1.4を使うと、なかなかな確率でピントを外してくれました。特に立ち上げ時の一発目におこりやすかったですね。あと1度だけ電源を入れたときに画面が暴れたことがありました。手振れ補正ユニットが暴走しているのか?画面が上下左右に激しく動いていました・・・電源オンオフで現象は消えましたが中古購入なので「これのせいで売却したのかな?」なんて勘繰りたくなります。
まだそれほど使いこんでいないのに、こうしたことが確認されるあたりは「安定感にやや欠ける」という印象を持ってしまいました。そしてミラーレスカメラの中でもトップクラスいバッテリー消費が早い機種だということも断っておきたいところ。予備が2-3個ないと安心して撮影に出れません。
まとめ
X-T3がおすすめな人
- 最新のカメラを使いたい人
- AFや連射速度重視の人
- 女性や携帯性重視の方
- 重たいレンズは使わないって人
X-H1がおすすめな人
- ボディ内手振れ補正が必要な人
- 大きいレンズを使いたい人
- 動画も撮りたい人
僕は最初は大きい、重たいとX-H1を敬遠していましたが結局購入してしまいました。使ってみるとわかるのですが、大きいおかげでヘビーなレンズを取り付けたときでも撮影者の負担を小さくするというメリットにつながっていることに気づきます。これは数字の比較だけでは測れない部分でしたね。手ブレ補正の効果をあきらかに感じますので、これまでよりも安心してシャッターを切れるようになりました。
X-H1も初値は23~25万円程だったと記憶していますが、今では少し落ち着きました。キャッシュバックキャンペーンもあるので、上手くポイントなどを絡めたらかなりお得に買えることはまちがいありません。僕のように実質無料で手に入れましょう!