アークテリクスのレジェンドアイテム「アトムベスト」(旧Atom SL Vest)をレビューします。
中綿を使って保温力を持たせながらも、軽量コンパクトなベストになります。綿の量はそこまで多くないのでオーバーヒートしにくく、1枚でも重ね着でもオールシーズンで使いやすいアイテムとなっています。キャンプやサイクリングなどで体の中心を冷やしたくないシーンにも活躍してくれますし、コーデにプラスしたい時や、サッと羽織ってポケットを増やす(サコッシュ代わり)なんて使い方も可能。かゆいところに手が届く絶妙なアイテムとなっています
実際に使ってみた感想や気づいたこと、弱点なんかをふくめて書いていきますので参考にして下さい。
目次
アークテリクスとは?
「地球上にある最高の素材、最高の技術、革新的なデザインで製品を作る」ことをコンセプトとして掲げる、ARC’TERYX(アークテリクス)は、カナダ生まれのアウトドアブランドです。
その優れたデザイン性と、防水性や透湿性、防風性などの高機能性は、登山愛好家だけならず広く愛されています。ロゴには始祖鳥があしらわれており、街に出かけると見かけない日はないほどの人気ぶり。感度の高い人なら一度は目にしたことがあるはずです。
アトムベスト(Atom Vest)レビュー
アトムベスト(Atom SL Vest)は、保温性、透湿性、防風性をもたせたベストです。アトムSLシリーズの袖がないバージョンと言えばそれまでですが、レイヤリングのしやすさでは群を抜いています。
カラーはBlack、Revel(オレンジ系)、Solitude(ホワイト系)などが用意されています。保温力はありながら、そこまで厚手の製品ではないため、着ぶくれすることもなくスッキリ着用できるのがアトムSLベストの良いところです。どちらかと言うと「寒さ取り」という意味合いで使うほうがしっくりくるかもしれません。
高い対候性と耐久性を備えながら、軽量で持ち運びもしやすいためコンパクトに畳んでカバンに押し込んでおくのも良いでしょう。絶対に必要という訳じゃなくても、あれば有難いという思うシーンは意外と多くあります。
自分はアークテリクスの製品が好きで沢山購入していますが、ゴアテックスシェルやウインドシェルなどの保温力をもたないアイテムの下に着込むことが多いです。もちろん部屋で寒いときにサッと気軽に羽織れるのもポイントですね。
アトムベスト(Atom Vest)特徴
コンパクトで超軽量。アークテリクスで最も軽いアトムベストは、バックパックに入れて手軽に持ち運べるため、夏の急な気温の低下に対応することができます。重ね着のミッドレイヤーとしてだけでなく、単独でも利用できる優れもの。適度な保温性が得られるため、早朝ランニングはもちろん、澄んだ空気を感じながらピークバギングを楽しむのにも最適です。Tyono™ 20 シェルは透湿性と防風性をバランスよく実現し、コアロフト™インサレーションは軽量性と効率的な断熱性を発揮するだけでなく、圧縮収納も可能にします。フリースを使用した軽量で伸縮性に富んだサイドパネルにより通気性が向上し、フィットを維持します。※出典:アークテリクス
モデル名 | Atom SL Vest |
素材 | Tyono™ 20 デニール シェル - 100% ナイロン bluesign®認定ストレッチフリースサイドパネル |
タイプ | ベスト |
機能 | 汎用、軽量、防風性、保温性、透湿性 |
重さ | 179g |
価格 | ¥18,700 |
アトムSLベスト(Atom SL Vest)は、Coreloft コンパクト 40 インシュレーションを採用したベストになります。中綿が化繊ですので透湿性に優れ、ダウンベストとちがって自宅で簡単に洗濯ができるなどメンテナンス性にも優れています。
天候が急転して気温が下がったときや、風が思ったよりも冷たいなんて時にはお守り替わりにもなってくれます。また透湿性にも優れているので、運動時の着用でも不快感が小さいのもメリットになるでしょう。アウターとして着るのも良し、インナーとして入れるのも良しで、保温力の足し算、引き算がしやすいアイテムになっています。
ダウンベストを使った人がある方なら、その利便性の高さは説明不要かもしれませんね。メインに使うことは少ないかもしれませんが、1枚あるだけで保温力を補えるバランサー的な役割を担ってくれます。
同社からは「アトムLTベスト」という似たアイテムがありますが、240gとアトムSLベストよりもやや重たくなっています。
アトムSLベスト(Atom SL Vest)デザイン
生地
アトム SL ベスト(Atom SL Vest)は、中綿にコアロフト素材を利用したインサレーションになります。ベストタイプですので体の動きを阻害することなく、アクティブなシーンにも最適と言えるでしょう。暑がりな人や、着ぶくれするのが苦手という人にも使いやすいです。
同じ中綿を利用した大人気アイテム「アトムLTフーディー」の設計思想のまま、よりライトな感覚で扱えるようになったアイテムという印象です。
大き目のポケットに中綿が少量入っています。また脇下のラインには伸縮性のあるフリース素材となっており、通気性を確保しながらもフィット感をもたせてあります。
襟回り
よくあるダウンベストとはちがって、襟元はしっかりと高さがあります。こうしたアイテムを使うとアウトドア感が強くなるケースもありますが、アークテリクスの場合は不思議とスタイリッシュにまとまります。ちょっとしたフォーマルの場にも全然着ていけそうなイメージです!
襟元もフリース素材なのでチャックを閉めた時に温かさが伝わってくるようです。スーツの下に着るのは難しいかもしれませんが、単体で保温力をもたないゴアテックスシェルなどに着込むと抜群の相性となります。
肩周り
肩周りは単純に袖がないので動きやすいです。約180gなので重さはほぼ感じませんし、それでいてうっすら温かさで包まれるような感覚があります。これがまためちゃくちゃ安心感を生むんですよね(笑)
脇下はベンチレーション的な役割もかねたストレッチフリース。異なる素材を1つにまとめるのは単純に大変だし、コストも上がりそうなのに妥協しない姿勢がカッコいいです。
肩周りにも裏地がしっかりあてられており、耐久性もそこそこありそうです。
裾まわり
アトム SL ベスト(Atom SL Vest)はトリムフィットですので、余裕をもって1サイズあげるのが個人的にはおすすめです。
裾もしっかりと長さがあるので、寒くなりがちな腰回りもしっかりと守ってくれます。
裾にはドローコードが1個所ついているので、寒さを感じる時など必要に応じて調整が可能です。
ポケット
ハンドポケットが2つあり、収納力もしっかり確保されています。
このポケットがやや曲者で、開いたままにするとパックリと口をあけたようになってしまいます。直線的な美しさというか、ダボつくような感じになるのが嫌なのでいつもチャックは閉じたままにしています。
コンパクトに持ち歩ける
折りたたむと500mlのペットボトルくらいの大きさになります。ハンドポケットにグイグイと押し込む形でも畳めますが、シワになるのとチャックが締められるような作りになっていないのがチョットだけ残念かも…
アトム SL ベスト(Atom SL Vest)サイズ感・コーデ
身長168cmでMサイズを購入しました。僕は普段ならSサイズ(アークテリクスは海外規格のため日本ならMサイズくらい)を購入するのですが、モデル的に細い仕上がりなのでMでちょうど良かったです。シャツにサッと羽織るだけでサマになります。
チャックを閉めると全身をほんのり温かさが包んでくれます。その安心感と、締め付けのなさが病みつきになってしまいそう。
背中側もすっきりとしたシルエットです。
半袖の黒Tと合わせてみましたが、どこが境目なのかわからないくらいしっくりきています。
保温力をプラスできる
ベータSLジャケット+アトムSLベスト
アークテリクスには単体で保温力をもたない製品もいくつかあります。例えば雨風に強いゴアテックスシェルの「ベータLTジャケット」なんかがそうです。
「着たいけど寒いからなぁ…」と敬遠するような日でも、アトムSLベストを中に入れることで保温力をもたせることができます。
薄手なのでジャケット本来のシルエットを壊しません!
アトムLTフーディー+アトムSLベスト
アークテリクスで最も有名(人気)?と言っても過言ではない、アトムLTフーディーのインナーとして入れてみました。0℃に近いような真冬にアトムLTフーディーをアウターとして使うのは辛いのですが、ベストの保温力を足すことで乗り切れる日も出てきます。
ベータLTジャケットと同じようにモコモコにならないので、ミッドレイヤーとして非常に使いやすいです。暑くなればサッと脱いで畳んでカバンにしまえるので負担に感じません。
アトムSLベスト(Atom SL Vest)のデメリット
- 襟が高めである
- ハンドポケットが開きっぱなしはダサい?
- 保温力に過度な期待は禁物
アトムSLベスト(Atom SL Vest)は単体としても高い評価ができるアイテムですが、やはり組み合わせでこそ真価を発揮するアイテムな気がします。アクティブインサレーテッドとして必要な機能を最低限持たせて、大幹を冷やさずに過ごせるのはありがたいです。
襟が高いのでスーツや一部のファッションアイテムと相性が悪いのはネックでしょうか。首元をしっかり温められるのは良いのですが、街着との相性面で言うとデメリットにもなりやすいと感じました。襟のないタイプも使ってみたいですね。あとは単体での保温力が高くないので、真冬にこれ1枚あれば安心なんてこともありません。優先度としては2番手、3番手となってもおかしくないでしょうね。便利なんですけど必須でもないという難しい立ち位置は否めない…
スコーミッシュフーディーのようなウインドシェルの中に入れるのも良さそうな気はしますよね!
まとめ:アトムSLベスト(Atom SL Vest)は万能な調整着!
アトムSLベスト(Atom SL Vest)は、組み合わせ次第で化ける調整着です。
ダウンベスト的な役割をもたせながら、透湿性や家庭で洗えるなど利便性をプラスしてあるのが特徴です。単純に羽織っているだけでもカッコいいですが、保温力が足りないアイテムの弱点を補えるので重宝しています。
ゴアテックスシェルだけでなく「ガンマLTフーディー」や「ソラノフーディー」などのお気に入りアイテムのブーストによく使います。ちょっと荒業ですがトレーナー(フーディー)の下に着込んでしまったりすることもあって、意外と着用できるシーンが多いというのはありますね。
薄手で合わせるアイテムのシルエットを崩さないのに保温力をわずかにプラスしてくれる夢のようなアイテムです(笑)こういう痒い所に手が届く製品って決して多い訳ではないので、そうしたアイテムを求めている人には良い選択になると思います!
購入の参考にしてもらえたらうれしいです。