※2023年4月11日より新筐体を採用した「DAIV FXシリーズ」へと変更になりました。
この記事では「DAIV Z9」をレビューします。(製品貸出元:株式会社マウスコンピューター)
DAIVのデスクトップパソコンでもハイエンドに位置するモデルです。CPUやGPUには最高クラスのパーツが採用されており、圧巻の処理能力を有しています!RAW現像や動画編集といった作業に適性があり高解像・高画素な写真や動画の編集におすすめです。
各ベンチマークテストの結果や感想、RAW現像、動画編集の処理時間なども掲載しているので参考にしてください。ラインナップが複数存在しているため、搭載されそうなパーツのスコアも可能な限り掲載するようにしています。
※同社別モデルのスコアを掲載する場合もあります
目次
DAIV Z9の特徴とスペック
マウスコンピューターが展開するクリエイターモデルが「DAIV」です。
負荷のかかる作業にも耐えられるパフォーマンスを前提に作られています。また利便性やメンテナンス性、冷却性能という面でもテストを重ねており「安心して使えるパソコン」というのが特徴です。
ハイエンドパーツばかりを採用しているのもあって、値段が高いのも特徴の1つです…高いから売れていないのかと思いきや、公式サイトの売れ筋ランキングにもたびたび登場するほど人気のあるモデルだったりもします。
DAIV Z9の特徴をまとめるとこんな感じです。
- Core i9-12900を搭載!
- GeForce RTX3070で高解像データ処理も快適!
- 本格性能を備えたクリエイターPC
価格面よりも性能を求めているパソコンなので、日常的にクリエイティブな作業をするユーザーにおすすめです!
「こんなに高性能なパソコンが必要なの?」と思えなくもないのですが、クリエイト向けパソコンですので性能を求めるユーザーが少なからず存在するという証拠でしょう。そうでなければランキングに食い込んだりはしませんから。
記事執筆時点では第12世代Core i9が採用されていますが、パーツ供給が不安定なこともありパーツ構成は頻繁に変更される可能性もあります。Core i7やRadeon RX6700XTなどが採用されたケースもあり、同じDAIV Z9でも10万円近く差がついたこともありました。希望のパーツ構成ならば早めの決断をすることも大切かもしれません。
DAIV Z9の性能(スペック)
CPU: Core i9-12900
GPU:GeForce RTX 3070
メモリ:64GB
ストレージ:1TB NVMe SSD+2TB HDD
電源:700W【80PLUS BRONZE】
サイズ:190×490×490 mm
重量:約11.9kg
写真 | 動画編集(4K) | ゲーム |
◎ | ◎ | ◎ |
DAIV Z9はあらゆる作業を快適に行えることを最優先に作られています。写真編集、動画編集、ゲーム、音楽、イラストといった作業に快適性を求めるユーザーの強い味方となってくれます。
それもそのはずで一般消費者向けとしては最強クラスのCPUですし、最新技術に対応したGPUも採用しています。決して安いパソコンではありませんが、作業の短縮化やノンストレスな環境を提供してくれるという意味では変えられない価値を感じます。
無骨な筐体もカッコいいですし、内部にはスペースがまだまだあります。メンテナンス性だけでなく、冷却性、拡張性も不満のないレベルになっています。ただし高性能なのでファン音はそれなりにします。
CPU:Core i9-12900の性能比較
今回お借りした「DAIV Z9」には第12世代Core i9-12900を採用。重量級の並列処理も行えるほど強力なパフォーマンスを発揮するCPUです。
このほかにも、内臓GPUなしのCore i7-11700Fを採用したモデルや、第11世代Core i9-11900Kを採用したモデルなど複数のラインナップが存在しています。選ぶのに悩みますよね…
参考までに、一部のCPUと比較した例をご覧ください。(PASSMARKの公開スコアを掲載)
CPU | スコア |
core i9-12900 | 39749 |
Core i7-12700 | 32016 |
Core i7-11700K | 25001 |
Core i7-10700K | 19686 |
Core i9-9900K | 18879 |
Ryzen 7 5800X | 28495 |
Ryzen 5 5600X | 22168 |
DAIV Z9に搭載されているCore i9-12900をチェックすると、スコアは約40000というふざけた数字になっています(笑)
インテルのCPUは、第12世代で一気に性能が伸びました。第11世代以前も決して悪くはありませんが、数字を見てしまうとパッとしない印象がぬぐえません…
これから選ぶならCore i9…最低でもCore i7-12700などを搭載したモデルを選ぶことを強くおすすめします。
下位モデルのDAIV Z5/DAIV Z7でも、早々に第12世代Core i7-12700が採用されてました。普通はハイエンドから強くしていかない?とツッコミたくなる気持ちをグッと抑えて記事を書いています(言っとるがな笑)
ライバルのRyzenと比較しても高い数字をマークしていますし、編集アプリの相性を考えてもインテルを選ぶほうが無難という印象がします。
RAW現像でCPUをテスト
実行速度をチェックするために「RawTherapee」を使って100枚のRAW現像にかかった時間を計測します。(設定はJPEG品質は90%、高画質です)
モデル | CPU | 時間 |
DAIV Z9 | Core i9-12900 | 2分13秒 |
DAIV Z7 | Core i7-12700 | 2分16秒 |
DAIV Z9 | Core i7-11700 | 2分58秒 |
raytrek ZF | Core i9-10900K | 2分58秒 |
G-Tune XM-Z | Core i7-10700K | 2分55秒 |
G-Tune EP-A | Ryzen 7 5800X | 2分39秒 |
DAIV A5 | Ryzen 5 5600X | 2分43秒 |
G-Tune EP-A(旧) | Ryzen 7 3700X | 3分12秒 |
Core i9-12900の処理時間は2分13秒で、これまでのテストでは最速となりました。
ただしCore i7-12700との差は数秒しかありません。DAIV Z9はメモリ容量が64GBと余裕があることを考慮しても、もう少し速い時間で処理を終えてほしかった気がします。
この結果だけを見ると、第12世代Intel CPUなら、RAW現像処理時間に大きな差がないとも受け取れます。案外下位モデルの「DAIV Z5」や「DAIV Z7」で事足りるかもしれません。
とは言え、このようなハイエンドモデルを検討する人達は性能にもとことんこだわるはず。ロマンを求めてCore i9-12900にぜひ手を伸ばしてもらいたいです(笑)
GPU:GeForce RTX3070の性能
DAIV Z9には、GeForce RTX3070が搭載されています。高解像データ編集も快適に行える強いGPUです。
FF15のゲームスコア
モデル(GPU) | 設定 | スコア |
DAIV Z9 (RTX3070) | 1920×1080(標準品質) | 16934(非常に快適) |
3840×2160(標準品質) | 6444(快適) | |
DAIV Z9 (RX6700XT) | 1920×1080(標準品質) | 15430(非常に快適) |
3840×2160(標準品質) | 5477(やや快適) | |
G -Tune EP-Z (RTX3080) | 1920×1080(標準品質) | 18538(非常に快適) |
3840×2160(標準品質) | 8564(快適) | |
XA7R-R36 (RTX3060) | 1920×1080(標準品質) | 11387(とても快適) |
3840×2160(標準品質) | 4249(普通) |
FF15でチェックしたところ、4K標準品質で快適という結果になりました。性能的にはRTX3060よりも約50%ほど高いスコアになります。
ただしRadeon GPUは伝統的にレイトレーシング系の処理が苦手と言われていますし、複合的に考えるとRTX3070が選べるのはメリットになると思います。
シャーシの問題なのか?熱がネックなのか?DAIVにはこのクラスのGPUの採用は見送られているイメージがありました。そういう意味では、最新ゲームを高設定で遊びたい人にとって「DAIV Z9は待望のモデル」と言えるかもしれません。
動画編集
Resolveを使って動画編集のテストを行いました。ミラーレスカメラで撮影した5分程度の4Kデータをレンダリング(フルHD)の時間を測定しています。
モデル | 構成 | 処理時間 |
DAIV Z9 | Core i9-12900×RTX3070 | 1分09秒 |
DAIV Z7(新) | Core i7-12700×RTX3060 | 1分12秒 |
DAIV Z7(旧) | Core i7-11700×RTX3060 | 2分05秒 |
G-Tune XM-Z | Core i7-10700K×RTX3070 | 1分35秒 |
raytrek ZF | Core i9-10900K×RTX3070 | 1分15秒 |
G-Tune EP-A | Ryzen 7 5800X×RX6700XT | 1分25秒 |
GALLERIA XA7R-R36 | Ryzen 7 3700X×RTX3060 | 1分36秒 |
ここでは各モデルの参考データをあげていますが、フルHDクラスなら大きな差はないというのが正直なところです。Core i7-12700×RTX3060のDAIV Z7とも3秒差しかありません。一般レベルならミドルクラスでも十分な気がしますよね。
同じテストで4Kに書き出しても3分程度で、高解像データ編集でこそ性能が生きると言えるかもしれません。
SSDの転送速度も爆速!
DAIV Z9に採用されているSSDは、NVMe Gen4×4 です。読み込み速度が実測で7000MB/sを超えており、爆速仕様となっています。データのやりとりが多いクリエイターにとって、これほどありがたいことはありませんよね。
【転送(読み込み)速度理論値】
- HDD→200MB/s
- SATA SSD→600MB/s
- 一般的なNVMe SSD→2000MB/s
- 高性能なNVMe SSD→3500MB/s
- Gen4×4→7000MB/s
SSDの速度が速くなることで動画の書き出しの短縮化にも期待がもてますよ。
DAIV Z9の感想や評価
DAIV Z9のメリット
- トップクラスの処理能力で超快適
- 写真、映像、ゲームなどこだわり抜ける
- CPU処理能力が特に高い
DAIV Z9はパフォーマンスだけを見ればトップクラスであることは間違いありません。仕事で使うから性能に不安は抱きたくないとか、高解像データを頻繁に扱うならDAIV Z9を採用するメリットは大きいでしょう。
トップクラスのパソコンだけが提供してくれる「どんな処理をしてもノンストレス」というのは本当に気持ちが良いです!
DAIV Z9のデメリット
- コスパが悪い
- 価格が高い…
- ミドルクラス(DAIV Z7)で十分かも?
DAIV Z9はその高い性能にこそ魅力があり、そこに着目している人は価格面をあまり意識しないかもしれません…が、やはり30万円超えは高いと思います。
第12世代Core i7とCore i9の性能差もそこまで大きいと感じなかったので、僕だったらCore i7-12700×RTX3060Ti搭載のDAIV Z7を購入しそうな気がしました。価格差が7万円ほどあるので、浮いたお金でカラーマネジメントモニターなどを購入したほうが環境が整うと思います。(すでに所有しているなら性能にふるのは有りです)
DAIV Z9をおすすめしたい人
- 圧倒的処理能力が必要な人
- グラフィック性能も求めたい人
- こだわりが強いクリエイター
- インテル入っているPCが必要という人
- 予算よりパフォーマンスを重視したい人
DAIV Z9を紹介してきました。
あらゆる用途で快適性を提供してくれるDAIV Z9なので、パフォーマンスを生かして専門性の高い作業に使いたいユーザーにおすすめですね。毎日RAW現像するとか、動画のエンコードをしっぱなしみたいな人なら作業の短縮化にも大きく貢献してくれるはずです。
特に第12世代インテルCPUの処理能力の高さは魅力ですので、第11世代を使っている人ですら購入検討しても良いレベルだと思います。
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