マウスコンピューターより「DAIV 7N」をレビューします。(製品貸出元:株式会社マウスコンピューター)
第10世代Core i7-10700×RTX2080 SUPER、Adobe RGB比100%液晶の色再現、17.3型 4K-UHDノングレア液晶、Killer Wi-Fiを搭載するなど全部盛り!まさにハイエンドに相応しいノートパソコンとなっています。写真編集や本格的な映像処理にも使いたいモデルです。
目次
DAIV 5Nの特徴とスペック
マウスコンピューターが展開するクリエイターモデルの「DAIV」から登場した新モデルです。2020年12月後半に登場していることから2021年モデルと言った方が相応しいのかも?
デスクトップ用のCPUを採用しており、写真や動画編集で最高クラスのパフォーマンスを発揮!カスタマイズでCore i9へとさらに処理能力を求めることも可能です。4.5kgを超える重量や、40万円近いお値段設定などなど、まさにノートパソコンらしからぬノートパソコンになっています。
DAIV 7N(2020-21)の特徴をまとめるとこんな感じです。
- Core i7-10700を搭載!
- リアルな映像体験が可能なRTX2080 SUPER 搭載!
- 17.3型 4K-UHDノングレア!Adobe RGB比100%!!
一般的なノートパソコンだとモニターの品質面でクリエティブ作業には物足りなさを感じることもありますが、本機は解像度(作業性)とともに色域もしっかりカバーされています。プロクオリティでの作業が可能なノートパソコンという訳ですね。(むしろ一般ユーザーで手を出す人はほとんどいないと思うけど…)
DAIV 5Nの性能(スペック)
CPU:Core i7-10700
グラフィックス:GeForce RTX2080SUPER
メモリ:32GB
ストレージ:1TB NVMe SSD
液晶:17.3型 フルHDノングレア(Adobe RGB比100%)
サイズ:399×319.8×44.5
重量:約4,65g
写真 | 4K動画編集 | ゲーム |
◎ | ◎ | ◎ |
DAIV 7Nはノートパソコンとしては最高峰のスペックですので、何をやらせても基本的には快適です。ただし液晶のリフレッシュレートは普通なので、ゲーミング目的でしたらリフレッシュレート240Hz対応の液晶パネルを採用したG-Tune H5などが良いかもしれません。
DAIV 7N(2020-21)レビュー
DAIV 7N(2020-21)外観デザイン
DAIV 7Nはブラックベースで主張はさほど激しくありませんが、随所に仕込まれたLEDの演出が楽しめます。
サイズは399×319.8×44.5mmで、重量は約4.65kgとなっています。運送会社のスタッフさんが「重さありますので気をつけてくださいね」と声をかけてくれるほどには重いです(笑)
裏面にはファンやスピーカーが設置されているのが確認できます。バッテリーは取り外しが可能なタイプでした。ちなみに駆動時間は約4.5時間とのことですが、実用レベルだともっともたないはずなので約1-2時間といったところでしょうか。
DAIV 7N 付属品(同梱品)
付属品は保証書や取説、ACアダプターなどです。性能を発揮するためにACは2個付属されますが、これはノートパソコンだよねって感じです(笑)
出荷前にディスプレイの色域を測定した「色域データシート」も同梱されます。
ACアダプターを二段構えにするアイテムも同梱されていました。こういうの地味に嬉しいですね。
280W×2=560W ACを2個ささなきゃいけないなんて「デスクトップで良いのでは?」なんて考えがちですが、高性能を持ち歩けるという意味で存在価値はあるはずです。
DAIV 7Nのキーボード
キーボードはゴムのような素材で、長時間のタイピングでも指の負担が小さいように感じました。ただし右側のShiftキーが小さくなるのと、指紋や汚れが目立つのが個人的にマイナスポイントです。
タッチパッドは大きくて指紋認証センサーを搭載。毎度のパスワード入力の手間を省いてくれます。精度もなかなか悪くない感じでしたよ。
バックライトも搭載しており暗い場所でもタイピングが可能。なぜかゲーミングのように鮮やかに光ります・・キー単位での設定も可能なので好みに合わせて変更しましょう。
DAIV 7Nインターフェース
インターフェースは、4K-UHD解像度に対応したMini DisplayPort ×2、HDMI ×1、Thunderbolt 3 ×1、Type-C ×1の合計5基の外部映像出力端子を搭載。 本体液晶を含めて最大4画面の4K出力に対応しています。
またUHS-Ⅲ対応のカードリーダーや、USB 3.1、USB 3.2など十分な数が装備されています。Killer Wi-Fi 6 AX1650 にも対応しているのもポイントでしょうか。
DAIV 7Nディスプレイ
17.3型の4K-UHDモニターは、Adobe RGB比100%に対応。クリエイターが必要とする作業領域や色域をしっかりと確保しています。現在のDAIVラインナップですとsRGB領域をカバーする製品が多く、本格的な性能を求めるユーザーにはやや物足りないですがDAIV 7Nはその点の心配がありませんね。
多くのことを求めなければゲーミングパソコンとしても実用レベル。色表現に優れているのでRPG系のゲームだったら没入感はかなり高い。
DAIV 7N 性能チェック
Core i7-10700の性能!CPU比較
第10世代Core i7-10700は8コア/16スレッドを採用するハイパフォーマンスなCPUです。Core i9-10900Kも選択できますので、よりパフォーマンスを求めることも可能。
参考までに他モデルと比較した例をご覧ください。(PASSMARKの公開スコアを掲載)
モデル | CPU | スコア |
G-Tune XM-Z | Core i7-10700K | 23162 |
DAIV 7N | Core i7-10700 | 17512 |
DAIV Z7 | Core i7-9700 | 13752 |
DAIV 5N(最新モデル) | Core i7-10870H | 16195 |
DAIV 5N(2020年前期) | Core i7-10875H | 15814 |
DAIV 5N(従来モデル) | Core i7-9750H | 11439 |
Core i7-10700はデスクトップCPUということもあり、スコアも流石に高いものになっています。ノートパソコン用のCore i7-9750Hと比較すると約53%も高いスコアということになります。
RAW現像や動画編集などにおいてはCPUパワーがモノを言うところもあるので心強いですね。実際に使っていてもモタつくようなシーンはあまりなく快適でした。
ただ第10世代のノートパソコンCPUと比較すると差は大きくなく、予算に余裕があるならCore i7-10700Kに変更して使う方が後悔は少ないような気がしました。
RAW現像の処理時間を計測
なかなか期待できそうだというのはわかりましたが、実行速度はどの程度なのか?RAW現像にかかった時間を計測します。
無料ソフトのRawTherapeeで100枚のRAW現像にかかった時間を計測しました。
モデル | CPU | 時間 |
G-Tune XM-Z | Core i7-10700K | 2分55秒 |
DAIV 7N | Core i7-10700 | 2分57秒 |
DAIV DGZ530 | Core i7-9700K | 3分30秒 |
DAIV 5N(最新モデル) | Core i7-10870H | 3分08秒 |
DAIV 5N(2020前期モデル) | Core i7-10875H | 3分23秒 |
DAIV 5N(従来モデル) | Core i7-9750H | 3分55秒 |
Core i7-10700のRAW現像処理能力は大変高く、第9世代CPUやノートパソコン用と比較しても30秒〜1分近く差をつける結果になっています。
写真編集だけに使うにはもったいないパフォーマンスですが、これだけ差がつくのであれば十分投資する価値はあるのかもしれません。
GPU:GeForce RTX2080SUPERの性能
DAIV 7Nに搭載されているのはGeForce RTX2080SUPERです。従来製品のRTX2080からSUPER付きモデルへと進化しました。これにより4K動画のレンダリング時間の短縮化にも繋がっていると公式サイトには説明がありました。
FF15のスコアを比較
重量級タイトルのFF15でゲーミング性能をチェックします。
モデル | 設定 | 結果 |
DAIV 7N (RTX2080S) | 3840×2160(標準設定) | 5380(やや快適) |
1920×1080(標準設定) | 13490(非常に快適) | |
DAIV 5N (RTX2060) | 3840×2160(標準設定) | 3301(普通) |
1920×1080(標準設定) | 9013(とても快適) |
RTX2080SUPERとRTX2060を搭載したDAIV 5Nを比較すると、FHDが約50%、4Kで約62%もスコアを伸ばしました。
特に高解像度での快適性が高まっているのが特徴的ですね。ゲーミングモニターに繋いで高リフレッシュレートで遊ぶみたいなことも十分に可能だと思います。
DAIV 7N 動画編集
動画編集は無料ソフトのResolve使って、ミラーレスカメラで撮影した4KデータをフルHDへレンダリングする時間を測定しています。
5分程度の動画を書き出すのに13分程かかってしまいました。
モデル | パーツ構成 | 時間 |
DAIV 7N | Core i7-10700×RTX2080S | 約13分? |
DAIV 5N | Core i7-10870H×RTX2060 | 約2分 |
Core i7-10875H×RTX2060 | 約2分 | |
DAIV Z7 | Core i7-9700K×RTX2060S | 約2分 |
動画編集中にもたつきを感じることもなく、快適に書き出し・・・といきたいところでしたが実際は相当時間がかかっています。このリストなら最短で終わっても良いはずなのに。。
特別なこともしていませんし何度か計測しましたが結果は変わらず。パーツ構成(デスクトップCPU×モバイルGPU)とかで最適化されていないとかあるんでしょうか。わかる人いたら誰か教えて欲しいです(涙)
SSD 転送速度
SSDは読込速度が約2400MB/sでした。(写真はDAIV 5Nのですが実測値は同等です)
せっかくのハイエンドモデルなので3000MB/sを超えるSSDを標準で搭載して欲しかったところですかね。
DAIV 7N(2020-21)のトータルスコア(総合力)
続いては、CPU、GPU、メモリ(RAM)、ストレージのパフォーマンスチェックのために「Novabench」でテストします。
モデル | DAIV 7N | DAIV 5N |
総合 | 3535 | 3281 |
CPU | 1755 | 1698 |
GPU | 1229 | 1044 |
RAM | 325 | 326 |
Disk | 226 | 213 |
DAIV 7Nのトータルスコアはハイエンドに相応しい高い数値になっています。特にGPUの数値が高く、CPUもカスタマイズで伸ばせることを考えるとまだ余力すら感じます。すごい・・
半額ほどのDAIV 5Nも十分に高い数値をマークしているので、コスパも含めて考えるとDAIV 7Nは微妙な立ち位置。コストを気にせずパフォーマンスを必要とする人向けと言う感じがしました。
DAIV 7Nのデメリットは?
- 大きくて重い
- ACアダプターが2つ必要
- コスパは悪い
パフォーマンスだけを考えると魅力的なDAIV 7Nですが、ノートパソコンのメリットであるモバイル性は犠牲になっています。重いし、ACアダプターも2つ必要(これも結構重い)と言うことを考えると「気楽にスタバで作業」みたいなことはできません。
制作活動発表に高性能なPCが必要な人や、短い時間で動画を編集して発表するといった婚礼用途には強い味方になってくれると思うのでプロ仕様のノートパソコンだと考える方が自然なのかも。
排熱のためにファンも割となりますが、ゲーム音を遮るほどではありませんでした。気になっていた熱ですが、ほんのり温かくなる程度だったので個人的にはデメリットにあげるほどではない印象です。
DAIV 7Nをおすすめしたい人
- 高性能なPCが必要なクリエイター
- 最高クラスのGPU性能を求める人
- 高性能×正義だと感じる人
- 予算に余裕がある人
- PCにロマンを求める人
DAIV 7N(2020-21年モデル)を紹介してきました。
高性能なデスクトップ並の処理能力や高品質なモニターを備え、プロクオリティで制作活動を行っているようなクリエイターにおすすめのノートパソコンでした。RTX30シリーズが登場した今では「4K解像度も普通に動いて当たり前」みたいになっていますがDAIV 7Nはノートパソコン。その点を踏まえてもトップクラスのノートPCだと考えて良いかと思います。
予算に余裕があるのなら検討する価値のある製品だと思います。特に短時間で勝負をかけたいクリエイターさんにはおすすめのモデルです!
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