「Core i3-12100Fを使って10万円以下でパソコンを組む」という記事を前回書きました。(使用したパーツが気になるという人はチェックしてみてください)
実際に組みあがったパソコンを使って、各種ベンチマークを回してみました。また、RAW現像や動画編集でも使えるのかもあわせてチェックしています。もちろん同価格帯や旧世代のライバル(Ryzenなど)CPUとも比較を行っています。
Core i3-12100Fでパソコンを組もうと思っている人は、ぜひ参考にしてくださいね。
目次
Core i3-12100Fの特徴
開発コードネームが「Alder Lake」と呼ばれるタイプで、インテル第12世代CPUになります。価格が1.5万円程度と手を出しやすく、エントリー(初心者やライトユーザー)向けのパーツとなっています。
詳細は他サイトでも出ていますので省きますが、4コア8スレッドの中では現状最強のCPUと呼ぶにふさわしいかもしれません。
プロセルルールが14nm→10nmへ、ソケットはLGA1700になったので旧タイプからの互換性はありません。マザーボードなどの買い替えが必要となる点には注意してください。DDR5/DDR4メモリ、PCle5.0へ対応しているので買い替え理由にもなるかと思います。
色々買いました…
「Core i3は性能が低い」というのが、これまでの定説ではありました。それなのに「なぜ、そこまで推すのか?」は気になりますよね。
このサイトでは、BTOパソコンメーカー各社から協力を得て色々なパソコンを使わせていただいています。そして第12世代インテルCPUを使うたびに「すげぇ…」ってなっている訳です。今もCore i7-12700搭載のパソコンを注文して到着を待っている状態です(笑)
ただ、Core i3-12100Fに関しては「思った以上に使えるな」と思う部分と、「こういう人は避けた方が良いな」っていうのも見えた気がします。そこら辺のラインを見極めるのが、この記事の目的です。
ということで、ここからは各種ベンチマークスコアの紹介です。(ちなみにこの記事も自作PCで書いています)
Core i3-12100F 性能・ベンチマークスコア
PASSMARKのスコア
CPU | スコア |
Core i7-12700 | 32016 |
Core i5-12400 | 19959 |
Core i3-12100F | 14442 |
Core i5-11400 | 17132 |
Core i5-10400 | 12476 |
Core i7-9700 | 13860 |
Ryzen 7 3700X | 22733 |
Ryzen 5 3600 | 17825 |
これは前回も紹介したPASSMARKのスコアなのですが、Core i3-12100FはCore i7-9700相当のスコアとなっています。
従来CPUとは言え、上位CPUに迫るスコアというのは実際大したものです。Core i7-9700って8コアのCPUですからね…コスパ番長のRyzen 5 3600のスコアには及びませんが、こちらは1万円ほど高いCPUになります。勝負するならCore i5-12400ということになるでしょう。
CPU-Zのスコア
CPU | シングル | マルチ |
Core i7-12700 | 750 | 8800 |
Core i5-12400 | 700 | 5000 |
Core i3-12100F | 637 | 3373 |
Core i5-11400 | 580 | 3600 |
Core i7-9700 | 550 | 3700 |
Ryzen 5 5600X | 630 | 6600 |
Ryzen 5 3600 | 510 | 4000 |
CPU-Zのスコアです。第12世代インテルCPUの特徴としてはシングル性能の高さがあげられます。
Core i3-12100Fも637と非常に高いスコアになっていますね。Ryzen 5 5600Xのシングル性能と比較しても遜色はありません。マルチスコアも1.5万円のCPUとしては上々でしょう。
第9世代Core i7-9700相当というのも伊達ではない気がしますし、なんならシングル性能はCore i3-12100Fの方が高いスコアとなっています。
ただし性能面で言うとCore i7-12700がぶっちぎりです。
CINEBENCH R20のスコア
CPU | シングル | マルチ |
Core i7-12700 | 725 | 6700 |
Core i5-12400 | 650 | 4700 |
Core i3-12100F | 612 | 3215 |
Core i5-11400 | 530 | 3200 |
Core i7-9700 | 480 | 3000 |
Ryzen 5 5600X | 590 | 4400 |
Ryzen 5 3600 | 450 | 3400 |
CINEBENCH R20のスコアも似たような傾向ですね。
最新世代のCore i7-12700やCore i5-12400と比較すると順当な差がついていますが、旧世代のCore i7-9700をCore i3-12100Fが抜いてしまっています…
Core i3-12100FでRAW現像
100枚のRAW現像にかかった時間を計測します。
CPU | 処理時間 |
Core i7-12700 | 2分16秒 |
Core i5-12400 | 2分24秒 |
Core i3-12100F | 2分02秒 |
Core i5-11400 | 3分03秒 |
Core i7-9700 | 3分20秒 |
Ryzen 5 5600X | 2分43秒 |
Ryzen 5 3600 | 3分59秒 |
あれ?なぜか最速になってしまった…なにか間違えた??と思うくらいの処理時間ですが、出てしまったものは仕方ないので掲載します。RAW現像は比較的シングル性能が高いほうが良い結果を出しやすいため、こうした結果が出たのでしょう。
価格から考えると思った以上に動いてしまったのには驚きを隠せません。正直予想のちょっと上をいってましたね…
高解像フルサイズ以上のカメラを使用しているような人には、こだわってCore i7-12700を使ってもらいたいですが一般ユーザーならCore i3で十分だとわかってしまう結果です。特に数枚をじっくり作りこむようなタイプなら十分だと思います。
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Core i3-12100Fで動画編集
Davinciを使って4K→フルへの書き出しテストを行いました。
構成 | 処理時間 |
Core i7-12700×RTX3060 | 1分12秒 |
Core i7-9700×GTX1660SUPER | 2分07秒 |
Core i3-12100F×RX6600 | 2分40秒 |
Ryzen 5 5600×GTX1650 | 1分47秒 |
Ryzen 7 3700X×RTX3060 | 1分36秒 |
動画の書き出し時間は2分40秒です。動画編集は組み合わせるグラボによっても変わるので参考程度にはなりますが、4コアということを考えても妥当な線はいってると思います。
むしろ「意外と使えるじゃないか…」とニンマリしてしまったのはここだけの話。
Core i3-12100Fの守備範囲を考えるなら「フルHD」というのが1つのボーダーラインでしょう。グラボはこれまたフルHDクラスのRX6600を組み合わせてみたのですが、4Kの書き出しにはかなり時間がかかってしまいました。
積極的に動画編集を行うのであれば、もう1つ上のCore i5-12400をおすすめします。(Core i7が理想)
内臓グラフィックなしのCore i5-12400Fにしておけば、現状2.3万円ほどで購入が可能なようです。プラス1万円でアドバンテージがとれるなら悪い選択ではないと思います。
Core i3-12100Fでゲーム
Core i3-12100F×Radeon RX6600の組み合わせでゲーミング性能をチェック。ソフトは定番のFF15です。
1920×1080 | 標準品質 | とても快適(10638) |
3840×2160 | 標準品質 | 普通(3334) |
あくまでもフルHDクラスをカバーしてくれたらOKという考えでしたが、4K解像度でも普通という結果が得られました。少なくとも大きくボトルネックになっているようには感じません。ただし解像度を上げるとキツイというのは間違いないはずなので、あくまでもフルHD推奨ですね。
パーツを吟味したら12~13万円程度でも、そこそこ快適に遊べるパソコンは作れるので試してもらいたいです。個人的にはかなり満足いく結果です。
Core i3-12100Fを選ぶべき人、避けるべき人
【おすすめできる人】
- 激安で自作パソコンを組みたい
- そこそこ遊べる性能は確保したい
- フルHDをカバーできれば問題ない
こういった人には、非常におすすめできるCPUだと思います。クーラーも標準で付属していますしコスト削減もできます。ゲームをしていても上がって70°くらいなので安心して見ていられますね。(ちょっと煩いので交換するけど…)
逆にRAW現像や動画編集をしっかり行いたいという人には、Core i5-12400にしておくことを推奨します。高解像度を狙ったり、処理能力優先ならCore i7-12700を買ってねという感じですね。
- 安くパソコン作りたい→Core i3-12100FでOK
- クリエイト作業もしたい→Core i5-12400Fにしよう
- 処理能力優先→Core i7-12700買ってね
Core i3-12100F…思った以上に遊べるCPUで満足いく買い物になりました。約1.5万円のCPUというのが信じられないほど、予想を良い意味で何度も裏切ってくれました。その度にニヤニヤしていたのは言うまでもありませんね(笑)
オフィス系作業はもちろん、軽めのRAW現像、フルHDクラスの動画編集やゲームには最適なCPUです!
参考になれば幸いです!