フルHDゲーミングを目的としたミドル帯の「Radeon RX 6600」を購入したのでレビューします。
2021年末頃に市場に投入されたRadeon RX6000シリーズの中核を担う存在で、先に販売されているRadeon RX 6600XTの下位モデルにあたります。価格は5万円前後で「どの程度遊べるのか?」をチェックしていきます。
各種ゲームのベンチマークや、実際に使ってみた感想を書いていますので参考にしてもらえると嬉しいです。パソコンパーツについては「ドスパラ」「パソコンショップアーク」などで購入が可能です。
目次
Radeon RX 6600とは?
Radeon RX6600は、7nmプロセスで製造されたミドルクラスのGPUです。上位モデルのRadeon RX6600XTとのちがいは、コンピューターユニットが32基→28基になっていたり、ストリーミングプロセッサが2048基→1792基へ、クロック周波数が抑えられているなど一言で言えば廉価版仕様です。
そのメリットとしては、価格が安くなる、サイズが小さくなる、少ない電源容量で動かせる、熱が抑えられるなど意外と多くあります。
性能だけなら上位モデルを選べばよいですが、お財布と相談しながら納得できるラインを見つけるのが自作の良いところですよね!
Radeon RX6600の詳細はについては、大手メディアががっちり紹介しているので、ここでは使ってみた実感をメインにお伝えしたいと思います。
Radeon RX 6600の価格帯
GPU | 価格 |
GeForce RTX3060 | 6.5~7.5万円 |
GeForce RTX3050 | 4.5~5万円 |
GeForce GTX1660SUPER | 4~5万円 |
Radeon RX6600XT | 5.5~6.5万円 |
Radeon RX6600 | 5~5.5万円 |
Radeon RX6500XT | 2.5~3.3万円 |
Radeon RX6600の価格は5万円前後で、競合だとGeForce RTX3050、GeForce GTX1660SUPERあたりとぶつかる形になります。
このあたりの(エントリーよりの)ミドルクラスでは、どれがコスパが良いのかを探るのも1つの目的だったりします。ところで、価格設定が5千円刻みで間をぬってくるのビジネスがうますぎやしませんかね…
ちなみに僕はというと、Radeon RX570から始まり、Radeon RX5600XT、Radeon RX5700などで自作を楽しんできました。不具合もあってRadeonには二度と手をださないつもりだったけど、性懲りもなく買ってしまった(笑)
ASUS DUAL-RX6600-8Gを購入
購入したのは、ASUS製のDUAL-RX6600-8Gです。
ヨドバシカメラでちょっと安くなっていて58,000円の10%ポイント、実質53,000円くらいで購入できました。この記事を書くために再確認したら74,280円になっているから意味不明…昨今の事情からも「グラボは在庫があってお財布が許すなら買え!」という姿勢は大事。
Radeon RX6600シリーズは、3月の中頃から5千円ほど値下がっているみたいですね。自分が購入した時期は値下がる直前じゃないか・・ギルティ!
NZXT H1という超ルックス重視のケースに組みこみます。このケースってCPUファンと、GPUのファンだけで廃熱をしないといけないので最初は三連ファンの「GIGABYTE GV-R66XTEAGLE-8GD」を検討していました。
でもRyzen 7 5800X×RTX3070で自作したときにこのシリーズ使ったので面白味がないので止めておきました。ちなみにRadeon RX5600XTを購入したのが2年くらい前ですが、その時は3.5万円くらいだったんだ。。本当に高くなったねグラボ…
話をASUS DUAL-RX6600-8Gに戻しましょうってことで、いざ開封!
AMD RDNA2アーキテクチャに対応した2ファン、2.5スロット占有のGPUになります。関係ないけど、新しいグラボのメカメカしい匂いって良いよね。
付属品は、ユーザーガイド、コードまとめるやつ、そこらのレアカードより入手が難しそうなカードです(笑)
フラッグシップグラフィックスカードから継承したという、2つのAxial-techファンで空気圧を高めてあります。0dB テクノロジーにも対応しており、GPUの温度が低く(52℃以下に)なると自動でファンの回転を止めてくれます。これのおかげで軽いゲームならほとんど無音で楽しむことが可能。
インターフェースは、HDMI 2.1 × 1、DisplayPort 1.4 × 3で、7680 x 4320までの解像度に対応。
補助電源コネクタは8ピン1系統です。RX6600の消費電力は132Wで、この製品の推奨電源容量(PSU)は500Wです。NZXT H1の電源が650Wなので、まだ少し余裕がありますね。
ベンチテスト環境
CPU | Core i3-12100F |
GPU | Radeon RX6600 |
メモリ | 16GB |
ストレージ | 1TB |
電源 | 650W 80plus Gold |
「Core i3-12100でコスパ抜群の自作PC組んでみた」の後編というか、GPU性能のチェック版にあたります。フルHDでの快適性を目的にしているので、この構成でもボトルネックにはならないはず。
ゲーミング性能チェック
FF15で性能比較
モデル(GPU) | 設定 | スコア |
GeForce RTX3060 | 1920×1080(標準品質) | 11522(とても快適) |
3840×2160(標準品質) | 4274(普通) | |
Radeon RX6600 | 1920×1080(標準品質) | 10638(とても快適) |
3840×2160(標準品質) | 3334(普通) | |
Radeon RX5700 | 1920×1080(標準品質) | 9860(とても快適) |
3840×2160(標準品質) | 3854(普通) | |
Radeon RX5600XT | 1920×1080(標準品質) | 9538(とても快適) |
当サイトで最もデータがそろっているFF15でテストしてみると、RX6600の性格が見えてきます。
4K解像度でも普通にプレイはできるものの、RTX3060や、旧モデルですが上位グレードのRX5700と比較するとどうしても劣ってしまいます。ただしフルHDでは大きな差がないため、自分がどの領域でプレイしたいか?が選択のカギになってきます。
予算に余裕があって1~2万円盛れるのであればGeForce RTX3060を選択したほうが無難です。。が、このクラスで1~2万円だと結構できることも多いですよね!ゲーミングモニターやマウスなどのデバイス類をそろえたり、ストレージやメモリを盛ったりするのも良さそう。
Valheim
解像度 | 1920×1080 |
画質設定 | High |
FPS | 60~80FPS前後 |
2021年2月にリリースされ、1ヶ月で500万本の販売本数を達成したヴァルヘイムです。比較的軽量なゲームですが、モバイル版GTX1650あたりでは設定を落としても苦しいこともありました。RX6600ならフルHD高設定で60fps以上をキープできます。
サイバーパンク2077
解像度 | 1920×1080 |
画質設定 | ウルトラ |
FPS | 60FPS前後 |
あまりの美麗グラフィックから超重量級とも言われる「サイバーパンク2077」です。フルHDならウルトラ設定でも60fps前後をキープすることが可能。ただしレイトレーシングはカットしています。
モンスターハンター アイスボーン
解像度 | 1920×1080 |
画質設定 | 最高 |
FPS | 60FPS前後 |
もはや説明不要の国民ゲー「モンスターハンター」(アイスボーン)ですが、フルHDなら最高設定で快適にプレイが可能でした。
The Witcher 3
解像度 | 1920×1080 |
画質設定 | 最高 |
FPS | 60PS前後 |
The Witcher 3の最高設定で60fpsをキープ。広大なオープンワールドを堪能することができます。
DARK SOULS Ⅲ
解像度 | 1920×1080 |
画質設定 | 最高 |
FPS | 60FPS前後 |
フロム・ソフトウェアより発売された「DARK SOULS Ⅲ」です。根強い人気のあるゲームですが、最高設定で快適にプレイ可能です。
エルデンリング
解像度 | 2560×1440 |
画質設定 | 高 |
FPS | 60FPS前後 |
死にゲーの呼び声高いエルデンリングでテスト。解像度を上げた高設定でも60fpsをキープすることができます。温度も65℃付近でキープできており、めちゃくちゃ静かです。
最初は脳筋でプレイしてたけど、スタイリッシュなプレイ動画に憧れて刀に持ち替えました(笑)
Radeon RX 6600の温度と静穏性
各種ベンチマークでGPU温度も同時に見ていたのですが、ほとんどが55℃前後で動作していました。たまに上がっても70℃をちょっと超えるくらいなので安心して見ていられます。ゲームプレイ時に気をそがれてしまうことがないんですよね。
GeForce RTX3070とかRadeon RX5700あたりは性能がしっかり出ましたが、動作音もしっかり出てしてしまいます。しばしばヘッドフォンをすることもありましたが、真夏とか蒸れるし結構きついんですよね…RX6600ならその辺は心配しなくてもよさそうです。
スマホで騒音をチェックできるアプリがあるのですが、それだと大体50dB(ささやき声)くらいです。別室で洗濯機がまわっている音や、空気清浄機の音、近所の工事の音とかのほうが大きいくらいです。
性能=快適というのもありますが、個人的には静穏性=快適と思う派です。性能が盛れるけどうるさいより、ほどほどの性能が出て静かなほうが心地良いんですよね。特にNZXT H1のようなコンパクトなケースだと、その特徴が生きると思います。
Radeon RX 6600まとめ
メリット | デメリット |
・フルHD高設定でしっかり遊べる ・5万円前後で購入可能 ・温度が上がりにくい(静か) ・コンパクトなPCに組み込める | ・高解像領域では性能が出ない ・予算に余裕があるならRTX3060が無難 ・レイトレーシングに弱い |
今回軽量~重量級タイトルまでテストを行いましたが、設定次第では60fpsを余裕でキープできる結果が出ています。フォートナイトやApex、レインボーシックスなども快適に遊べるでしょうし、もちろんマインクラフトなんかも快適にプレイできるでしょう。
コンパクトなPCケースに組み込んでも熱対策を考えなくて良いほどですし、ちょっと貧弱な電源でも増設できてしまえるのはメリットと言えるでしょう。個人的には動作音がめちゃくちゃ静かなところが気に入りました!モニター横に設置していてもほんとに気になりません。
発売直後は上位グレードのRX6600XTと価格差がなかったことから注目を集めませんでしたが、ジリジリと値段が下がって5万円前後になってきたところで人気も出てきているように感じます。最新のゲームを(フルHDで)プレイするには十分な性能があるのはわかりましたし、ぜひ検討に加えてもらいたいところです。
「グラボは買える時に買え!」これは今後しばらく変わらないでしょうからチャンスはしっかりモノにしたいですね。
パソコンパーツについては「ドスパラ」「パソコンショップアーク」などで購入が可能です。グラボの入手が困難な時期がまだまだ続きそうですので、各社チェックしてお得にゲットしてくださいね。