msiの「Prestige 14シリーズ」(Prestige-14-A11SCX-049JP)を購入したのでレビューします。
14型4K(3,840×2,160)ノングレア液晶は、Adobe RGB相当をカバー!Core i7-1185G7×GeForce GTX1650のパワフルさながら、軽さは約1.29kgを実現。モバイル環境課で本格的なRAW現像や動画編集作業を行うことができます。
性能×作業性×軽さ×正確性の四拍子をそろえたパソコンは、クリエイターにとって理想的といっても過言ではないでしょう。
Prestige 14シリーズ自体はいくつかのモデルが存在しており、Amazonや公式認定ショップ(Ark)で購入が可能です。
目次
msi Prestige 14 特徴
MSIはキヤノンと直販サイトにて連携を強化するなど、競争力と実績をかねそろえたメーカーです。Prestigeシリーズは、薄型軽量のPCとしてロングセラーを続けているモデルです。→MSIジャパンとキヤノンMJが直販ECサイト「MSIストア」で提携強化
14インチクラスの筐体に、厚みが15.9mm、重量約1.29㎏という軽さを実現!これだけのコンパクトさに独立グラフィックまで搭載しているのだから驚き…さらにAdobe RGB相当の4Kモニターまで搭載しちゃってるんだから事件ですよ(笑)
Prestige-14-A11SCX-049JPの特徴をまとめてみました。
- Core i7-1185G7を搭載!
- GeForce GTX 1650 Max-Q搭載!
- 14型4Kノングレア液晶、Adobe RGB相当!
- 1,29kgとモバイルノート並みの軽さ!
パフォーマンス的には「並」という感じですが、なんといっても軽さと4Kモニターを搭載しているところが強い。このクラスのモニターを単体で購入したら10万円くらいしてもおかしくないのでは?と思ってしまうほどです。
YouTube動画レビュー
YouTubeでもレビューしていますので、よければ参考にしてください。高評価、チャンネル登録ポチっとしていただけると泣いて喜びます!
msi Prestige 14 スペック
OS:Windows 10 Pro
CPU:Core i7-1185G7
GPU:GeForce GTX 1650 Max-Q
メモリ:32GB
ストレージ:1TB SSD(PCIe Gen4)
液晶:14型 4Kノングレア(Adobe RGB相当)
サイズ:319×219×15.9mm
重量:約1,29g
実売価格が20万円を超えるということもあり、かなり本格的な仕様となっています。4K解像度の動画編集やオンラインゲームはやや厳しいですが、ブログ用の写真編集やフルHDクラスの動画編集なら快適にこなせます。
現在はRyzen 7 5800X×RTX3070の自作パソコンと4Kカラーマネジメントモニターで作業していますが、Prestige 14を購入したおかげでモバイルでもかなり近い環境を手にすることができました。
RAW現像 | 動画編集 | ゲーム |
◎ | ○ | △ |
フルHDモニターでは作業性が落ちるので、腰をすえて作業しようという気持ちになかなかなれないのですが、本モデルは積極的にパソコンを使いたいという気持ちにさせてくれます。
msi Prestige 14レビュー
msi Prestige 14 外観チェック
サンドブラスト加工(つやけし)が施され、縁取りにはダイヤモンドカットデザインを採用。ブルーの差し色も入っておりエレガントさを演出しています。
化粧箱には「Business & Productivity Laptops」の文言があり、プロフェショナル、ビジネスを強く意識していることが伝わってきます。
背面には大き目に穴が設けられていますが、熱はややこもりがちになっています。薄型でパフォーマンスも高いので仕方ないですがちょっと残念なポイント。
msiと言えばドラゴンの刻印が定番でしたが、ビジネス向けだからかロゴのみのシンプルなデザイン。これはかなり好印象でした。
少し不自然にはなりますが、画面をほぼフラットに倒すこともできます。写真を共有したり、ビジネスだったら資料で説明なんてことも考えられそうですよね。
付属品・電源アダプター
付属品は、保証書と電源ケーブル、ACアダプターくらいのシンプルさ。Type-Cyでコンパクトなのが良いです。
バッテリーは最大10時間とのことですが、ブログ執筆で3~4時間もつかな?というくらいの感じでした。ちょっとした作業なら大丈夫そうですが、ACアダプターは持ち歩いたほうが無難でしょう。USB PDにも対応しています。
キーボード
バックライト付きキーボードは、静かな打鍵感でタイピングもしやすかったです。
msiは右側縦一列にキーが配置される配列を採用しているので慣れが必要かもしません。個人的にはテンキーがある感覚に近いからあまり気にならない方です。
インターフェース
インターフェースはThunderbolt 4 Type-C(USB4、USB PD対応)×2、USB 2.0 Type-A ×1、ヘッドホン出力 (Hi-Res対応)/ マイク入力 コンボジャック ×1です。
microSDXC対応のカードリーダーも備えています。
ディスプレイ
3,840×2,160解像度(220ppi)Adobe RGB相当の広色域、ΔE <2、CalMAN VERIFIED、MSI独自のTrue Color テクノロジーを盛り込み、優れた映像表現を実現する「True Pixel Display」となっています。
フルHDの4倍もの解像度を誇るので、このようにページを2つ並べることも可能。ブログの下書きと確認が同時画面でできるのは効率的ですし、写真編集や動画編集での作業性も確保できるのでありがたいです。
Adobe RGB相当のパネルなので、一般的なノートパソコンと比較にならないくらい映像がきれいです。明るさや発色、コントラストなど申し分ありません。
実際に色域を測ってみたところ、sRGB 98%、NTSC 91%、Adobe RGB 97%、P3 85%でした。(※環境や測定機材によって違いが生じる可能性があります)
モバイル環境でこれだけの広色域が確保できるのは素晴らしいです。クリエイターの概念というか行動を変えそうなレベルです。
msi Prestige 14 性能チェック
※熱が課題だったのでCPUクーラーを使ったところスコアが改善しましたので追記しました。
Core i7-1185G7の性能!CPU比較
CPUは第11世代Core i7-1185G7が搭載されています。4コア8スレッドと控えめなのでマルチ処理性能とかはそこそこという感じ。それでも十分なパフォーマンスはあります。
参考までにPassMarkのデータを掲載しましたので参考にしてください。
CPU | スコア |
Core i7-1185G7 | 11260 |
Core i7-10750H | 12577 |
Core i5-10300H | 8825 |
Core i7-7700HQ | 6953 |
スコアだけならCore i7-11750Hと同等クラスということになります。実感的にも処理が遅いという感じはしません。
RAW現像チェック
実行速度をテストするためにRAW現像にかかった時間を計測します。無料ソフトのRawTherapeeで100枚のRAW現像にかかった時間を計測しました。
モデル | CPU | 時間 |
Prestige 14 | Core i7-1185G7 | 3分59秒 |
Prestige 14(Fan) | 3分46秒 | |
mouse K5 | Core i7-10750H | 2分29秒 |
DAIV 4N | Core i7-10510U | 5分58秒 |
GF63 THIN | Core i5-10300H | 5分08秒 |
RAW現像はCPUの性能がモロに反映される作業ですが、Core i7-10750Hと比較するとやはり目おとりする結果になってしまいました。
かと言って、軽量クラスのDAIV 4Nと比較すると1分ほど速いタイムです。Core i7-10710Uのような省電力タイプのCPUでは心もとない、もう少し処理能力が欲しいというなら良いチョイスでしょう。
軽いのにそこそこ処理能力があるというのがPrestige 14のミソな部分です。
GPU:GeForce GTX1650 性能チェック
Prestige 14はGeForce GTX1650 Max-Qが搭載されています。16㎜ほどの厚さでGPUを搭載するようになったのですからすごいです。
FF15のスコアを比較
重量級タイトルのFF15でゲーミング性能をチェックします。
モデル | 設定 | 結果 |
Prestige 14 (GTX1650MQ) | 1920×1080(標準設定) | 3419(普通) |
Prestige 14 (FAN) | 1920×1080(標準設定) | 4241(普通) |
GF63 THIN (GTX1650Ti MQ) | 1920×1080(標準設定) | 4283(普通) |
mouse K7 (GTX1650) | 1920×1080(標準設定) | 5552(やや快適) |
DAIV 5D (GTX1660Ti) | 1920×1080(標準設定) | 8000(快適) |
FF15 フルHD(標準設定)は普通という結果を得られました。1,29㎏でこれだけしっかりゲームが動くなら御の字ではないでしょうか。
ゲームを「動かす」という目的なら、軽量品質にしてやればなんとかなりそうな気がします。ただし熱をもちやすく長時間のプレイにはあまり向いていないです。
外付けのパソコンクーラー(FAN)を使った場合にスコアが大幅にアップしました。簡易的なものでも良いので冷却面を少しサポートしてやると性能を十分に発揮してくれるようになります。
Valheimで設定を落としてみた結果は、30~40fpsをいったりきたりという感じ。モニターが4Kということもあってかフレームレートは上がりにくい印象も受けました。
ゲーム目的ならフルHDでGPUが強力なタイプを選んだほうが幸せになれるはずです。同じ価格帯なら選び放題のはずですからね。
msi Prestige 14動画編集能力チェック
無料ソフトのResolve使って動画編集をテストします。ミラーレスカメラで撮影した5分程度の4K動画をフルHDへ書きだす時間を計測しました。
モデル | パーツ構成 | 時間 |
Prestige 14 | Core i7-1185G7H×GTX1650 MQ | 5分07秒 |
(FAN) | 4分05秒 | |
GF63 THIN | Core i5-10300H×GTX1650Ti MQ | 4分43秒 |
mouse K7 | Core i7-10750H×GTX1650 | 2分47秒 |
DAIV 5N | Core i7-10875H×RTX2060 | 1分59秒 |
動画の書き出しは問題なく行えましたし、5分の動画を書き出すのに5分なら許容範囲という感じです。(なお外付けクーラーを使うと1分近く短縮化に成功)
Core i5-10300H×GTX1650Tiのゲーミングパソコン(GF63 THIN)に惜敗しているのは少々残念です…
フルHDクラスなら問題なく処理できますし、4Kの広い作業スペースやAdobe RGB領域の色域などの効率性や正確性を重視したモデルと言えそうです。処理能力を語るパソコンではありませんね。
SSD転送速度
SSDは、最新のPCIe Gen4 ストレージに対応し5000MB/sに迫る読み込み速度を実現。パソコンの起動も一瞬ですし、大容量データ転送の機会が多いクリエイターには魅力的に映るはずです。
1TBで容量もしっかりと確保されています。
msi Prestige 14 総合評価
続いては、CPU、GPU、メモリ(RAM)、ストレージのパフォーマンスチェックのために「Novabench」でテストします。
モデル | GF63 | Prestige 14 |
総合 | 1971 | 2365 |
CPU | 1011 | 1231 |
GPU | 635 | 657 |
RAM | 175 | 296 |
Disk | 150 | 180 |
動画編集やゲームテストでは、惜しくも負けてしまったGF63 THINに総合力で勝ります。さすがにリッチな価格帯ですからなんとか体裁を保ったという感じでしょうか。
Prestige 14の実行速度が遅くなる理由は、おそらく薄型化にともなる廃熱なんだと思います。ファンが一個しかないためか熱がこもりやすくキーボード側にも伝わってくる感じがあります。
ノートパソコン用のクーラーとか使ってみたら結果が変わってきそう。そのうち試してみたいと思います。
msi Prestige 14 デメリットは?
- 熱がこもりがち
- バッテリーがもたない
Prestige 14で一番気になるのは熱ですね。ちょっとブログを書いているだけでも熱くなってきます。負荷がかかるとファンは回りますが音は気にならないレベルでした。それよりも熱をとってほしい(笑)
あとはバッテリーもちですね。モバイルしやすい重量なんですが実際に使っていると3~4時間でタイムオーバーになります。せっかく軽いのでもう少し持ってほしかったというのが本音でしょうか。
msi Prestige 14をおすすめしたい人
- モバイルの多いクリエイター
- そこそこの性能が欲しい人
- 4Kモニターで作業したい人
- Adobe RGB相当の正確なモニターが欲しい人
- 1台でなんでもこなせるPCが欲しい人
msi Prestige 14(Prestige-14-A11SCX-049JP)をレビューしてきました。
処理能力こそ、そこそこ止まりではありますが、軽量さを考えると十二分に納得できるパフォーマンスです。4K解像度、広色域に対応している点では大きなアドバンテージですし、他に変わる製品もあまりないという意味では価値が高いです。
RAW現像やフルHD動画編集くらいなら対応できますし、息抜きに少しゲームをするなんて使い方も可能。性能だけなら13~15万円クラスという感じもしますが、4Kカラーマネジメントモニターを別途購入することを考えたら結果的には安いのでは?とさえ感じます。
個人的には「欲しい」が全てつまっている魅力的なパソコンだと感じました。(だから買ったんですけどね笑)人気もあってか在庫状況が厳しくはありますが、全クリエイターに一度は検討してもらいたいモデルです。