コシナから発売になったNOKTON 35mm F1.2(Xマウント)をレビューします!
富士フイルムXマウント用に設計されたレンズで、フォクトレンダーとしては初めての試みとなります。開放F1.2という大口径レンズながらコンパクトさも実現しているのが特徴。マウントアダプターをかいさずにカメラ本体に取り付けできる点もすばらしいです。
今回はX-Pro1に組み合わせて写真を撮ってきましたので、作例を交えつつ感想を書いていきます。それではどうぞ!
目次
NOKTON 35mm F1.2レビュー!
コシナから9月28日に発売されたNOKTON 35mm F1.2は、開放F1.2の明るさをもった大口径単焦点レンズとなります。コシナによるとレンズ構成はダブルガウス型で、全レンズが球面で構成される8枚玉のスタイルをもち安定した描写を楽しめるとのこと。
想定よりも多く注文が入ったとして発売日が後ろ倒しになりましたが、それでも供給が追い付いていないのが現状で販売店での入手はかなり困難なようです。僕自身一度キャンセルを考えたのですが、気づいたら手元にあるんだから人生ってのはわからないもんです。。(確信犯)
富士フイルムのイメージセンサーに最適化された光学系で、電子接点による情報通信にも対応しています。これによりExif情報や、フォーカス、撮影距離連動、ボディ内手振れ補正、パララックス補正などにも対応できるとのこと。
ただしX-Pro1のような古いボディだと電気通信が行えないので注意が必要です。他にもX-T1、X-Pro2、X-E3、X-20あたりが対象となっており、最新モデルに近いモデルのみが対応している状況です。詳しくはコシナのホームページをご覧ください。
NOKTON 35mm F1.2はマニュアルレンズですので、気を抜くとピントを外してしまうこともしばしば…もともと個性として「あまさ」を残したレンズでもあると思うので、そういった面も愛してあげる寛容さは必要かもしれません。
X-Proシリーズのために生まれてきたようなデザインです。随所から加工精度の高さも伝わってくるので、眺めるだけでもニヤニヤしてしまいます(笑)
YouTube 動画レビュー
YouTube動画でもレビューしていますので参考にしてください。チャンネル登録もよろしくお願いします!
NOKTON 35mm F1.2 開封・デザインチェック
ここからは開封の様子をご覧いただきましょう。なにげにフォクトレンダーのレンズは初めてかもしれない…
付属品はマニュアル的なのや保証書など。
パカっとしたらレンズ本体とフードが登場です。
箱に隠された「…weil das Objektiv so gut ist」 のフレーズ。意味がわからなかったので検索してみると「なぜならレンズがとてもいいから…」という意味だそう。世界最古の光学メーカーとも言われるフォクトレンダーだからこその秘めたメッセージといったところでしょうか。
指でつまめてしまうほどコンパクトなレンズです。美しい…
NOKTON 35mm F1.2 サイズ感
NOKTON 35mm F1.2のサイズはφ59.6×39.8mmです。ブラックに赤のペイントがカッコいい…
絞りリングのカチカチとした触感、滑らかでトルク感もしっかりとしたピントリング。金属の外観すべてが高品質で伝統工芸的な良さを感じます。
NOKTON 35mm F1.2 フィルター径
NOKTON 35mm F1.2のフィルター径は46mmです。
NOKTON 35mm F1.2とX-Proシリーズの組み合わせ
Proシリーズに装着したらカッコよすぎませんかね?これだけコンパクトなレンズですのでレンジファインダータイプとも相性が良いのです。
どの角度から見てもカッコいい…小ぶりだから扱いにくいなんてこともありませんでした。特にピントリングは狙った位置でスッと止まります。マニュアルレンズにとって生命線とも言える機能には満点をつけたいと思いました。
上からも良い…純正レンズも最近は大きなサイズの製品が多くなってきていますから、これだけコンパクトだとそれだけで意味があるようにも思えますよね。
純正レンズだと絞りは手前に設置されていることから、最初は違和感を感じるかもしれませんがすぐに慣れました。
フードを装着してみましたが一体式でも良かったのでは?とふと思ったりもします。
200gを切る軽さなので一日中持ち歩いても疲れにくく撮影意欲も長続きする…というよりも扱っていて楽しいので撮影意欲がどんどん湧いてきます(笑)
NOKTON 35mm F1.2 スペック・性能
焦点距離 | 35mm(フルサイズ換算53mm) |
開放F値 | F1.2 |
手ぶれ補正 | × |
防塵防滴 | × |
レンズ構成 | 6群8枚 |
絞り羽枚数 | 12枚 |
最大撮影倍率 | 1:67 |
最短撮影距離 | 0.3m |
フィルター径 | 46mm |
サイズ(径×長さ) | 59.6x39.8 mm |
重量 | 196g |
>カメラのキタムラでチェックする |
NOKTON 35mm F1.2 作例
狙った被写体はしっかりと浮き上がりますが、全体的にどこか優しい雰囲気を感じるレンズです。ボケもなだらかで素直な印象です。正直もっと極端に滲んだりするのかと思っていました。
しっかりしたコントラストで色乗りも良いですよね。錆びや壁といった質感をしっかりと表現してくれます。
こちらは開放のF1.2で撮影した写真ですが、薄いベールをまとったような写真に仕上がりました。APS-Cセンサーを使っていることを忘れてしまいそうです。
うっすいピントに四苦八苦することもしばしば…それもマニュアルレンズの醍醐味です(笑)
このレンズ、モノクロとの相性もすごく良い気がします。
路地裏を歩いていると面白いシーンに遭遇、高くなった木を剪定している様子が撮影できました。こうした発見をマニュアルレンズで撮影するのって写真を楽しんでいる感覚がフルに味わえる気がします。
被写体を見つけるワクワク感やドキドキ感、どういった表現をしようか模索する時間、シャッターを切って出てきた写真を見た瞬間、その一瞬一瞬を味わいつくせるレンズです。
神様がいる場所。
やっぱりモノクロ良い…今回はレビューのために色々試しましたがモノクロしばりで1日撮り歩くのも良さそうです。
ピントむずかしい…(定期)
X-Pro1のファインダーだとピントを合わせるのが難しいと感じることも多かったですが、なんとか狙った位置にピントを合わせることができました。時々感じる難しさすらカメラとの対話を促しているようで前向きにとらえてしまいます。
オールド系のレンズとはちがって30cmの近接撮影ができるのも魅力的ですよね!
初期のセンサーだからこそ、このやわらかさが出るような気がする今日この頃です。
X-Pro1はXマウント初期のカメラということもあり、フィルムシミュレーションの数で言えば現行モデルに劣ります。それでも今回これだけ多彩な表現を楽しめたのはレンズの表現力もあるでしょう。
NOKTON 35mm F1.2 メリット
- 開放F1.2という明るさ
- カメラと対話する楽しさ
- 表現力が豊か
- 工芸品のような仕上がりの良さ
NOKTON 35mm F1.2は開放F1.2という明るさを持っていることから、じゃじゃ馬的なレンズとイメージしていましたが意外にも素直に受け入れられる描写をしているように感じます。
全体的にソフトな絵作りが得意な印象はあるものの、モノクロもいけるし、絞ればシャープさも増しますしハードな表現もいける。
レンズにも高級感がありガタツキを一切感じさせない操作系は「被写体を見つけてピントを合わせて撮る」その行為自体を極限まで楽しめるレベルに昇華している気さえします。機会があれば一度体験してほしいレベルですね。
NOKTON 35mm F1.2 デメリット
- 手に入らない…
- 玄人好み
NOKTON 35mm F1.2の最大の弱点は生産数が少なくて手に入らないことですね。軒並み納期は「問い合わせ」という状況で欲しくても変えないという人は少なくないでしょう。
またマニュアルレンズという特性から、便利になんでもカメラ(レンズ)側でやってほしいという人には向かないです。これはまぁ言うまでもないことですが…
NOKTON 35mm F1.2 感想まとめ
▶【カメラのキタムラ】NOKTON 35mm F1.2をチェックする
- 普通のレンズに飽きたという人!
- 開放F1.2の世界に浸りたい人!
- 個性的なレンズが欲しい人
- コシナのレンズが好きという人!
NOKTON 35mm F1.2は、とても個性的なレンズです。
やわらかい表現の中に、しっかりとした立体感をもたせることもできる。開放でふわっと、絞ってカリっともできる。そうした操作を高いレベルで実現できる操作系。とにかく撮影していて楽しいレンズであることは間違いありません。
どこか儚げであり、どこか妖艶でもあり、親しみやすいようでもある。そんな不思議な表現力をもったレンズだと思います。スナップにも最高ですし気になる人は手に入るうちにゲットしちゃいましょう!
おすすめ関連記事
スポンサーリンク