ASUSの「ROG Zephyrus G15 GA503RW」(GA503RW-R96R3070TEW)をレビューします。(製品貸出元:ASUS JAPAN 株式会社)
Ryzen 9 6900HS×RTX3070Tiを搭載した、ハイスペックゲーミングマシンです!15.6型(2,560×1,440/240Hz)ノングレア液晶で、作業性と高いリフレッシュレートを確保している点も魅力!デザイン性もよく、バッテリー駆動時間は約11.2時間と余裕があります。
市場に投入されているモデルの中でも、ほぼ完璧なゲーミングノートと言って差し支えないでしょう。
ベンチマークソフトを使ってのパフォーマンスチェックや、使い心地などをレビューしていきますので参考にしてもらえると嬉しいです。
目次
ROG Zephyrus G15 GA503RW (GA503RW-R96R3070TEW)レビュー
ASUSのゲーミングノートパソコンROG Zephyrus G15 GA503RWです。
15.6型というスタンダードな使いやすさを備えた筐体に、性能を盛り盛り詰め込んだモデルです。Ryzen 9 6900HSはデスクトップクラスの処理能力がありますし、組み合わせれたGPU(RTX3070Ti)強力です。240Hzリフレッシュレートもしっかり活かせるスペックなので、ゲーマーにとって大きな誘惑でしょう。
解像度もWQHDで作業性が良く、RAW現像や動画編集といったクリエイト系アプリで効率的に作業も行なえます。
ROG Zephyrus G15 GA503RW (GA503RW-R96R3070TEW)の特徴をまとめるとこんな感じです。
- デスクトップ並みの処理能力
- 描画性能に優れている
- WQHDで作業性が抜群
- 240Hz対応で滑らかな映像が楽しめる
- スタイリッシュでかっこいい
- 究極のゲーミングノートパソコンかも?
ラインナップ
型番 | 構成 | 価格 |
15.6型2,560×1,440(240Hz) Ryzen 9 6900HS×32GB×1TB SSD×RTX3070Ti | 339,800 | |
15.6型2,560×1,440(165Hz) Ryzen 9 5900HS×32GB×1TB SSD×RTX3080 | 329,800 | |
15.6型2,560×1,440(240Hz) Ryzen 7 6800HS×16GB×512GB SSD×RTX3060 | 229,800 |
※価格は変更される可能性があります
どのモデルもゲーマーだけでなく、クリエイターが使って満足できそうなスペックになっていますね。CPUの世代が古いですがRTX3080搭載モデルも魅力的に見えます(笑)
またタイプは異なりますが、インテル第12世代CPUを搭載した「ROG Flow Z13シリーズ」も存在します。
YouTube動画レビュー
動画でも紹介していますので、よければご覧ください。高評価、チャンネル登録してもらえると喜びます!
ROG Zephyrus G15 GA503RW 性能(スペック)
- OS:Windows 11 Home 64ビット
- CPU:Ryzen 9 6900HS
- GPU:GeForce RTX 3070Ti
- メモリ:32GB(DDR5-4800)
- SSD:1TB NVMe SSD
- 液晶:15.6型2,560×1,440ドット (WQHD/240Hz)
- 重量:約1.99㎏
- サイズ:幅355mm×奥行き246mm×高さ19.9mm
ROG Zephyrus G15 GA503RW (GA503RW-R96R3070TEW)は、ハイエンドと呼ぶにふさわしいほどのスペックです。一般ユーザーなら持て余してしまうほどですが、こだわり派のゲーマー、クリエイターには満足の得られるモデルに仕上がっていると感じます。
今回お借りしたのはホワイトモデルで、筐体は樹脂製ですが安っぽさはなく軽量化につながっています。厚みが19.9mm、重さが19.9kgと比較的コンパクトなので持ち運ぶのも可能です。
ゲーミングモデルですがデザインはゴテゴテしておらず、非常にシンプルにまとまっています。光の当たり具合で表情を変えるのも面白いです。
底面は樹脂感が強いですが、使用中は見ることがありませんので問題ないかと。
使ってみて気に入ったのが「静音性」です。クラスから考えてもうるさくなっても仕方ないと思っていたのですが、高負荷時でもファンが静かで作業に集中できたのは良かったです。
付属品
付属品は、保証書、電源ケーブル、ユーザーマニュアルなどです。(貸出品は製品版と頃なる可能性があります)ACアダプターが大きいので持ち歩くのはしんどいかもしれません。
液晶モニター
15.6型2,560×1,440ドット (WQHD)で、240Hzリフレッシュレートにも対応しています。さらにDCI-P3の色域を100%カバー、PANTONE認証も取得するなど色再現性にも優れています。
一瞬で勝負を分けるゲーミングでも、映像制作の現場でも使えるクオリティが持ち運べるのは強いです。
キーボード
キーボード配列は自然で、タイピング時のたわみも感じません。もちろんバックライトにも対応しています。広めのトラックパッドも良いですね。
上部にはよく使う音量設定ボタンのほか、パフォーマンスの切り替えが可能な専用アプリの立ち上げボタンも装備されています。いちいち探さなくてもいいのは助かります。
この付近は、高負荷時には高熱になるので注意してください。数秒くらいで触っていられなくなります。キーボード全体にも熱は伝わってきますが、FPSでよく使うWASD周辺はファンが設置されているあたりなので不快感なくプレイできます。
インターフェース
インターフェースは、HDMI、マイクロホン/ヘッドホン・コンボジャック、USB3.2 (Type-C/Gen2) ×2、USB3.2 (Type-A/Gen2)×2、マイクロSDカードリーダーが装備されています。
左側にインターフェースが集約されているのが個人的にはポイントで、マウスとデバイスが干渉しないのは良いアイデアだと思いました。
ASUS ROG Zephyrus G15 GA503RW ベンチマークテスト結果
CPU:Ryzen 9 6900HSの性能
8コア16スレッドのRyzen 9 6900HSを採用しています。モバイル向けのCPUとしては最高クラスの性能を誇り、デスクトップCPU並みのパフォーマンスを見せてくれます。先に断っておくと理論値ほどの性能が出ていません…自身の環境のせいかもしれませんし、製品版では改良される可能性もあります。
参考までに他モデルと比較した例をご覧ください。(PASSMARKの公開スコアを掲載)
モデル | CPU | スコア |
ROG Zephyrus G15 GA503RW | Ryzen 9 6900HS | 24820 |
ROG Flow X13 GV301RE | ||
ROG Flow X13 GV301QH | Ryzen 9 5900HS | 23101 |
ROG Zephyrus G14 | Ryzen 9 4900HS | 18833 |
TUF Dash F15 | Core i7-11370H | 12800 |
DAIV 5N | Core i7-10875H | 15814 |
DAIV A5 | Ryzen 7 3700X | 22803 |
Ryzen 9 6900HSは、約25000近いスコアをマーク。
従来モデルから大幅に進化しているとまでは言えませんが、ノートパソコンではトップクラスの処理能力をもっていることはまちがいありません。なんなら並みのデスクトップ以上の性能があるので、編集作業などでバリバリ使っていきたい人にもおすすめです。
RAW現像チェック
実行速度をチェックするためにRAW現像にかかった時間を計測します。
テストの内容は、無料現像ソフトの「RawTherapee」を使って100枚のRAWデータの一括変換にかかった時間を計測。(設定はJPEG品質は90%、高画質です)
モデル | CPU | 時間 |
ROG Zephyrus G15 GA503RW | Ryzen 9 6900HS | 3分46秒 |
ROG Flow X13 GV301RE | Ryzen 9 6900HS | 2分35秒 |
ROG Flow X13 GV301QH | Ryzen 9 5900HS | 2分59秒 |
ROG Zephyrus G14 | Ryzen 9 4900HS | 3分30秒 |
TUF Dash F15 | Core i7-11370H | 3分31秒 |
DAIV 5N | Core i7-11800H | 3分04秒 |
DAIV A5 | Ryzen 7 3700X | 3分12秒 |
100枚のRAW現像にかかった時間は3分46秒です。同じCPUを採用しているROG Flow X13に1分近く差をあけられているのが気になります…
とは言え、普通に処理は行えますし、高解像+広色域モニターのおかげで作業性も抜群です。
ゲーム性能チェック
ROG Zephyrus G15 GA503RW (GA503RW-R96R3070TEW)のゲーミング性能をチェックしていきます。搭載されているGeForce RTX3070Tiは、重量級タイトルもしっかり遊べる性能です。
FF15のスコアを比較
重量級タイトルのFF15でゲーミング性能をチェックします。
モデル | 設定 | 結果 |
ROG Zephyrus G15 GA503RW (RTX3070Ti) | 3840×2160(標準設定) | 4851(やや快適) |
1920×1080(標準設定) | 7568(快適) | |
ROG Flow X13 GV301RE (RTX3050Ti) | 3840×2160(標準設定) | 2327(動作困難) |
1920×1080(標準設定) | 6343(やや快適) | |
ROG Flow X13 GV301RE (eGPU RX6850M XT) | 3840×2160(標準設定) | 4431(普通) |
1920×1080(標準設定) | 11838(とても快適) | |
ROG Flow X13 GV301QH (eGPU RTX3080) | 3840×2160(標準設定) | 5832(やや快適) |
1920×1080(標準設定) | 12674(非常に快適) | |
DAIV Z7 (RTX3060) | 3840×2160(標準設定) | 4274(普通) |
1920×1080(標準設定) | 11522(快適) |
GeForce RTX3070Tiだと、4K解像度でもやや快適という結果を得られました。その割にはフルHDのスコアが振るわないように感じました。もう少し伸びても良さそうな気はするのですが…
もちろんフルHD標準設定で快適という結果なので、動作は問題ありません。様々なタイトルを高設定で遊べるとパフォーマンスにはなっていると思います。あくまでも期待値からの印象です。
動画編集チェック
動画編集能力をテストするために無料ソフトのResolveを使いました。ミラーレスカメラで撮影した4Kデータを使って簡単な動画を作成→レンダリング(FHD)の時間を測定しています。
モデル | パーツ構成 | 時間 |
ROG Zephyrus G15 GA503RW | Ryzen 9 6900HS×RTX3070Ti | 4分18秒 |
ROG Flow X13(新) | Ryzen 9 6900HS×RX6850M XT | 1分40秒 |
Ryzen 9 6900HS×RTX3050Ti | 2分01秒 | |
ROG Flow X13(旧) | Ryzen 9 5900HS×RTX3080 | 1分46秒 |
Ryzen 9 5900HS×GTX1650 | 12分35秒 | |
TUF Dash F15 | Core i7-11370H×RTX3070 | 2分35秒 |
ROG Zephyrus G14 | Ryzen 9 4900HS×RTX2060Max-Q | 2分 |
フルHDへの書き出しでも4分を超える時間がかかってしまいました。スペックからすると正直遅いです。同じ動画で4Kへの書き出しも行てみましたが10分近くかかってしまいました。
高解像データ編集も問題なく行えるのですが、時々つまったような挙動を見せるのが気になります。やはり理論値ほどの性能が出ていないような気がします。
SSD転送速度チェック
読込速度 3600MB/s,書込速度 2800MB/sのNVMe SSDを搭載。動作もひじょうにサクサクとして気持ちが良いです。
ROG Zephyrus G15 GA503RW トータルスコア(総合力)
続いては、CPU、GPU、メモリ(RAM)、ストレージのパフォーマンスチェックのために「Novabench」でテストします。
モデル | ROG Flow X13 | ROG Zephyrus G15 |
総合 | 4104 | 3740 |
CPU | 2630 | 2384 |
GPU | 846 | 683 |
RAM | 338 | 340 |
Disk | 290 | 333 |
ROG Zephyrus G15 GA503RW (GA503RW-R96R3070TEW)は、ゲーミングノートとしては高い水準にあります。。が、Ryzen 9 6900HS×RTX3050Tiを採用したROG Flow X13に目劣りしてしまっているのが残念です。
ROG Zephyrus G15 GA503RW 感想や評価
メリット
- デスクトップ並みの処理能力
- モバイル可能なコンパクトさ
- 多用途に使える高品質モニター
- スペックからすると超静か
- 1台で多くの作業をこなせる
処理能力の高さと、高品質なモニターを生かして、1台でプロレベルの仕事をこなせてしまうのがROG Zephyrus G15 GA503RWのメリットです。
コレがあればデスクトップも必要ないかもしれません。僕のように無駄に(無駄ではないんだけど…)パソコンやモニターを複数使っている身からすると潔さにはうらやましさを覚えるレベル。作業中もめちゃくちゃ静かだし、ほぼ理想のモデルと言っても良いかもしれません。
デメリット
- 理論値に届かない処理能力
- 大きなアダプター
- 価格が30万円を超える
弱点は何といっても「理論値に届かない処理能力」でしょう!30万円を超える製品でありながら、しっかりと性能が引き出せていないのは気になりました。熱も比較的こもりやすいので製品寿命的なところも気になります。
もちろん僕の環境次第というか設定を追い込めていない部分もあるでしょうし、製品版ではしっかりと改善してくれる可能性が高いです。ROG Flow X13のレビューが理論値としては参考になると思うので、そのあたりも一緒に検討してもらえたらと思います。
ROG Zephyrus G15 GA503RW おすすめしたい人
- 1台で完結させたい人
- 液晶モニターにこだわりたい人
- モバイル環境で本格的な作業を行う人
- カッコいいパソコンが欲しい人
ROG Zephyrus G15 GA503RW (GA503RW-R96R3070TEW)をレビューしてきました。
圧倒的な高性能を備えながら、イマイチ伸び悩んでいる印象を受けます。ドラゴンボールの最長老様よろしく、潜在能力を引き出せるユーザーなら満足度はとても高い製品だと思います。もともと完成度が高い製品ですからね。
個人的には心配材料もあったので、購入を考えるならもっと情報が出てきてからでしょうか。時間がたてば公式サイトのセール対象に入ってくるかもしれません。ぜひ参考にしてください。
参考
最後までお読みいただきありがとうございました。