Intel製ノートパソコン「Intel NUC M15」(INT-BBC710ECJXBC9)を購入したのでレビューします。
あのCPUメーカー「Intel」が作っている高品質なノートパソコンが登場!15.6型フルHDタッチパネル式モニター搭載した、スタイリッシュな1台です。エンタメ、ビジネス、一般使いを快適にしてくれるインテルEVOプラットフォーム認証も取得しているため非常に使い勝手の良い1台となっています。
各ベンチマークの結果や、RAW現像、動画編集にかかった時間などものせていますので参考にしてもらえると嬉しいです。
目次
Intel NUC M15シリーズとは?
Intel NUC M15を語る上で欠かせないのが「インテルEVOプラット―フォームの認証」です。これはパフォーマンス、バッテリーの駆動時間、高速充電、レスポンス性の高さなど、一定の基準を超えていないと取得できません。逆に言うと、この認証を取得できていると言うことは快適で安心なパソコンということができます。
Intel NUC M15は9時間続くバッテリーを搭載し、30分で4時間分の急速充電ができます。忙しいビジネスパーソンやクリエイターの味方という訳ですね。
CPUは第11世代Core i7-1165G7ですので、場所を問わずにパワフルに動作します。ボディーの厚みは14.9mm、重さは1669gと比較的軽量に仕上がっているのもポイントでしょう。
Intel NUC M15 スペック・外観チェック
- OS:Windows 10 Home 64ビット
- CPU:Core i7-1165G7
- GPU: Iris Xe グラフィックス
- メモリ:16GB
- SSD:512GB NVMe SSD(Gen4)
- 液晶:15.6型フルHD(タッチパネル)
- 重量:1669g
- 動作時間:約9時間
スペックだけを見ると、同じようなスペックで軽いモデルは競合他社からも登場しています。中には1kgを切るようなモデルも登場しているので、そうしたモデルと比較すると「大きくて重たい」と言わざるを得ません。
でもそんなの関係ない。だってインテル入ってるを作っているインテルのインテルによるインテルのパソコンだから(意味不明)
さらっと小粋なジョークをかましたところで、いざ本題に入っていきましょう。
実際開封して本体を目の前にすると、その無駄のないデザインにうっとりしてしまう。ボディーは陽極酸化加工が施されたアルミニウム製ということで非常に高品質。あのリンゴ産のラップトップと比較しても引けを取らないと思う。
軽量モデルは軽くするために樹脂を多く採用したものも多いですが、個人的には高級感漂うモデルの方が好き。長く使うなら愛着をもてるほうが良いし、それで重くなってしまうのであれば受け入れたい。
物理的に大きいのはデメリットだけでなく、その分だけ冷却性や性能の維持というメリットにつながるはず。また大容量のバッテリーだって搭載可能だ。
スペックシートに現れにくい点としては、Thunderbolt 4を2基搭載している、超高速な転送速度を実現するM.2 PCIe Gen4 x4接続のSSDを採用しているなどもあげられます。
今回はNTT-X Storeのクーポンを活用して8万9800円で購入できたのですが、このクラスでこうした機能に対応しているモデルはほぼ皆無だと思います。(だから購入した訳ですが…)
バッテリーもちも良いので安心して持ち出せます。ACアダプターもコンパクトなので、出張や旅行にも小さい負担で持っていけそうです。
キーボード
キーボードは自然な配列で打鍵感も申し分ありません。タッチの感触としては普通ですが、素早いタイピングが行えると感じました。
一瞬搭載されていないかと思ったバックライトもありました。暗い場所でタイピングすることは少ないですが、日が落ちてきた夕方以降はなんだかんだあると助かったりします。
トラックパッドの上部は押し込めない仕様になっているので注意されたし。
15.6型フルHDタッチパネルモニターを搭載
モニターに関しては正直特筆すべきような点はないのですが、タッチパネルに対応しているだけ有利かな…とでも言っておきましょう。
タッチパッドってマウス無しの時や、外で使っていたりすると画面に直接ふれた方が楽なケースもしばしばあるんで助かるんですよね。プレゼン時なんかにも重宝するのでタッチパネルはあっても損はないと思う。
光沢パネルなので写真や動画もクッキリとした発色で美しいものの映り込みや反射の影響はあります。(画面左側)
また、本格的な写真・動画編集といった広い色域を必要とする作業では物足りなさを感じるかもしれません。そんな場合は、カラーマネジメントモニターなどにつないで使うと良いでしょう。
Intel NUC M15 インターフェース
Intel NUC M15のインターフェースは、インターフェースは、HDMI、Thunderbolt 4、USB3.2 Type-A、3.5mmコンボジャックなどです。
Thunderboltに対応しているので、外付けGPUに接続して簡単に描画性能を高めることも可能。外では軽めの作業しかしませんし、自宅では描画性能を高めてゲームを遊ぶといった使い方もできます。これも購入を後押しするポイントになりましたね。
ベンチマークテスト
Core i7-1165G7 性能チェック
CPUには第11世代インテル Core i7-1165G7を採用しています。今となっては第12世代が登場しているので、周回遅れ感は否めません。でも全く問題はなし!だって「インテル入ってるPCだから…」←自分に言い聞かせている
参考までに他モデルと比較した例をご覧ください。(PASSMARKの公開スコアを掲載)
モデル | CPU | スコア |
DAIV 4P | Core i7-1260P | 17203 |
Intel NUC M15 | Core i7-1165G7 | 10605 |
DAIV 5P | Core i7-10750H | 12728 |
Intel NUC M15に搭載されているCore i7-1165G7は、10000を超えるスコアで非力な印象は受けません。
一般的な作業、ビジネスワーク、動画視聴やコンテンツ消費は全く問題ありません。RAW現像やイラストをはじめとする、軽めのクリエイト作業、動画編集などにも対応できます。
RAW現像の処理時間を計測
実行速度をテストするために100枚のRAW現像にかかった時間を計測しました。
モデル | CPU | 時間 |
DAIV 4P | Core i7-1260P | 3分11秒 |
Surface Pro 8 | Core i7-1185G7 | 3分58秒 |
Intel NUC M15 | Core i7-1165G7 | 3分31秒 |
Razer Book 13 | Core i7-1165G7 | 3分52秒 |
DAIV 5P | Core i7-10750H | 4分12秒 |
100枚のRAW現像にかかった時間は約3分31秒でした。
Intel NUC M15は、同じCPUを採用したRazer Book 13より、上位にあたるSurface Pro 8(Core i7-1185G7)よりも短時間で処理を終えています。
さすがに最新世代と比較すると目劣りはしますが(それでもわずかな差)、同クラスのパソコンと比較するならトップクラスの性能を引き出せているということがわかります。
高速なSSDを標準搭載
ストレージには最新規格のGen4 NVMe SSDを採用しています。実測で3600MB/s前後の読み込み速度、書き込み速度は5000MB/sが出ていました。
パソコンの立ち上げ、ソフトのインストール、データ転送などもサクサク行えます。
Iris Xe Graphics ゲーム性能チェック
Intel NUC M15にはIris Xe Graphicsが搭載されています。CPU内蔵ですがかなり強力になったということで期待しています。
写真 | 動画編集 | ゲーム |
◎ | ○ | △ |
FF15のベンチスコアを比較
Core i7-1165G7
Core i7-1260P
モデル | 設定 | 結果 |
Intel NUC M15 (Iris Xe/1165G7) | 1920×1080(軽量品質) | 3168(普通) |
1280×720(軽量品質) | 4826(やや快適) | |
DAIV 4P (Iris Xe/1260P) | 1280×720(軽量品質) | 4029(普通) |
Razer Book 13 (Iris Xe/1165G7) | 1280×720(軽量品質) | 3440(普通) |
DAIV 4N (MX250/旧モデル) | 1280×720(軽量品質) | 3913(普通) |
DAIV 5P (GTX1650Ti) | 1920×1080(標準設定) | 3773(普通) |
ゲーミングパソコンではないので、重量級タイトルは動かすのがやっとというところ。それでも同クラスと比較しても非常に高いスコアが出ています。
軽めのゲームであれば動作させることは可能でしょう。個人的には満足できるスコアです。何気に音質も結構いい感じなんですよ!
とは言え、さすがにゲーム目的でこのような軽量モデル(内臓グラフィックス)を選ぶのには「荷が重い」ような気はします。最低でもGeForce RTX3050あたりを搭載したモデルを選んでおくほうが後悔は少ないでしょう。
動画編集性能もチェック
無料ソフトのResolve使って動画編集をテストします。ミラーレスカメラで撮影した5分程度の動画を書きだす時間を計測しました。
モデル | パーツ構成 | 時間 |
DAIV 4P | Core i7-1260P×Iris Xe Graphics | 3分25秒 |
Intel NUC M15 | Core i7-1165G7×Iris Xe Graphics | 4分30秒 |
Razer Book 13 | 5分46秒 | |
Prestige 14 | Core i7-1185G7×GTX1650MQ | 5分07秒 |
DAIV 5P(2021) | Core i7-10750H×GTX1650Ti | 3分20秒 |
書き出し時間もそこそこ速く、4分30秒で作業を完了しました。フルHDクラスの動画なら、よほど本格的なことを求めないのであれば足りるでしょう。
一部専用グラフィックを搭載したモデルよりも良好な結果ですし、同スペックのRazer Book 13より1分以上も速いです。とても良い…
Intel NUC M15 総合パフォーマンス
Intel NUC M15
モデル | Intel NUC M15 | DAIV 4P |
総合 | 2296 | 2858 |
CPU | 1294 | 1985 |
GPU | 443 | 379 |
RAM | 200 | 280 |
Disk | 359 | 214 |
第12世代Intel CPUを採用した「DAIV 4P」と比較すると、CPU性能で大幅に差をつけられています。
ただし実際の作業で大きな差がついたのは動画編集くらいです。逆にGPU性能やストレージなど有利に立っているシーンもあります。
DAIV 4Pは最新ということもあって価格が20万円近いですが、Intel NUC M15は特価ですが8万円台・・言うまでもありませんね(笑)
Intel NUC M15シリーズの感想や評価
良いところ
- 性能がクラストップクラス!
- 内蔵グラフィックも強め!
- 見た目も高品質で軽め!
- ライトゲーム、編集作業にもおすすめ!
Intel NUC M15は、高品質なボディーにハイパフォーマンスを詰め込んだモデルと言って良さそうです。このクオリティで格安というのはちょっとした事件です。
Intel製PCということで、手にする機会は少ないかもしれませんが検討に値するモデルだと思います。
ちょっとイマイチなところ
- マジで見当たらん…
- SDカードリーダーは欲しかった
さすがに良いことばっかり並べるのはアレだと思ったんですけど、弱点を探そうと思ってもそれらしいものが見つからないんですよね…
このクラスだったらボディが樹脂で安っぽいとか、キーボードの配列が悪いとか色々言いたくなりそうなもんですが本当に悪いところが見当たらない…
個人的には15万円を超えていてもおかしくないように感じます。比較テストで登場してきた「DAIV 4P」「Razer Book 13」は20万円クラスです。それらと渡り合っているだけでも十分買いなのではと感じます。
Intel NUC M15をおすすめしたい人
- ノートパソコンが欲しい全人類
- 気軽にクリエイト作業を楽しみたい人
- 高クオリティのパソコンが欲しい人
- MacライクなWindows機が欲しい人
Intel NUC M15をレビューしてきました。
第11世代CPUの発売からしばらくして登場。さらには第12世代も出てきている中での周回遅れ感はありますが、それでも十二分に魅力的なモデルだと思います。
ライバル機種と比較すると高めのパフォーマンスが出ていますし、スタンダードな15インチというのは使いやすいです。しかも軽めに仕上がっているときてる。
ここ最近触った中でもトップクラスにおすすめできるパソコンです。ぜひ早めの決断を!!