Lenovo Yoga Book 9i Gen 8をレビューします。(機材貸出元:Lenovo)
2枚の13.3型OLEDディスプレイを搭載した、見た目にも新しい製品がレノボから登場!これまでのパソコンスタイルを一変するような画期的なモデルで、ディスプレイを広げて作業領域を拡大したり、ノートやスケッチブックのようなスタイルでも使用可能になります。もちろんパフォーマンスが足を引っ張るようなこともなく、パワフルに処理を行えるのもポイントです。
目次
Lenovo Yoga Book 9i Gen 8レビュー
YouTube動画レビュー
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スペック・外観
- 液晶:13.3型 2.8K (OLED/100% DCI-P3/タッチ対応)
- CPU:Core i7-1355U
- GPU:Iris Xe(CPU内蔵)
- メモリ:16GB
- SSD:1TB
Lenovo Yoga Book 9i Gen 8は、インテル第13世代プロセッサーを搭載しています。CPU内蔵グラフィックも強力に働くタイプですので、画像や動画のちょっとした編集作業にも耐えられるほどです。2画面あるということは、それだけ要求も高くなるということですが性能面での心配はしなくても良さそうでしたね。
本体サイズは約 299.1x203.9x15.95mm、重量は約1.34kgです。ただしこれは本体だけのお話、付属キーボード(約240g)を加えると一般的なノートパソコンと変わらないくらいの重さになります。
2枚のディスプレイを装備しているということで厚みがもっと出て重くなるのかと思いましたが、一般的なPCと変わらないのは逆にすごい気もしますね。仕様を知っていたら驚くと思います…まさかそんな変態スタイルのPCが登場するなんて思えないほどです…(褒)
Lenovo Yoga Book 9i Gen 8 の底面には、一般的なモデルのようにファン用の空気穴なんかもありません。まるで本でも開いているようなフラットなデザイン。これは本当に苦労したんじゃないかと思います。見た目は高級タブレット2枚をガッチャンコさせたような感じですね。
360°回転するヒンジで様々なスタイルを提供してくれるのが本機の魅力!モバイルノートの画面が小さい(狭い)と感じていた人や、もともと2画面で作業している人みたいな作業領域が必要というユーザーの要望を叶えてくれます。それぞれの画面に別のアプリを立ち上げたりといったことも可能なので、アイデア勝負のクリエイターの創作意欲もモリモリ湧いてきそうですね。
ヒンジ部には、4つのBowers & Wilkins(バウワース アンド ウィルキンス)スピーカーを装備し、本格的で迫力のある音を楽しむことができるのも特徴です。もちろんDolby Atoms対応、ツイーター、ウーファーも装備しているというんだから驚きですよね!ノートPCとしては最高クラスの音質かもしれません。
キーボード
キーボードはおまけレベル…と思いきやスタイリッシュで格好良い!他の機器にも接続して使いたいレベルなので別売りしてほしいくらいです。ただし充電を別に行わないといけないのがちょっと面倒でした。
この手のキワモノというかクセモノ系アイテムは使い勝手面で不便だったりすることもあるんですが、上部のショートカットキーがうまくサポートしてる印象を受けました。
画面にキーボードとトラックパッドを呼び出せるので物理キーボードを持ち出さない・・なんてアクロバットなワザも使えるかもしれません(笑)光沢画面なので反射はちょっと目立ちますね。
モニター
2つの13.3型ディスプレイは有機EL(OLED)なので発色などの表現力は申し分ありません。それぞれ別の画面にアプリを立ち上げたり、資料を開いたりといった使い方ができるのは便利です。ただ中央にヒンジがあるので一体感、没入感はイマイチ。
編集アプリでも編集画面と操作画面を分けて使えたりすると便利そうですが、2画面を前提としているアプリは少ないはず。意外と画面2つというメリットを生かしきるシーンは少ないのかもしれません。
インターフェース
Lenovo Yoga Book 9i Gen 8のインターフェースは、Thunderbolt 4が3個ですね。高速なデバイス類と接続できるので利用用途はまだまだ広がりを感じます。ちなみに縦置きしてしまうとポートをつぶしてしまうので、ハブなどの周辺機器はあったほうが良さそうですね。レノボさんでは周辺機器も充実しているので購入時に合わせて検討しておくと良いでしょう。
ベンチマークテスト
CPU性能
CPU | PASSMARK スコア |
Core i7-1355U | 15260 |
Core i7-1360P | 19176 |
Core i5-1340P | 19524 |
Core i7-13700H | 29810 |
Ryzen 7 PRO 7840U | 24833 |
CPUは Core i7-1355Uが搭載されています。10コアのうちパフォーマンスコアが2、高効率コアが8となっています。本格的な処理能力をもたせているという訳ではないものの、オフィス系ソフト、軽めの編集作業など多用途につかっていけるでしょう。
スコアは15000ほどで、高いパフォーマンスを求める人には正直やや物足りないかもしれません。Core i7-1360Pと比較しても約8割ほどの性能なので過度な期待は禁物かもしれませんね。少なくとも性能を前面に出して語るもモデルではありません。
ゲーム性能
モデル | 設定 | 結果 |
Yoga Book 9i Gen 8 (Iris Xe/1355U) | 1280×720(軽量品質) | 3656(普通) |
ThinkPad X1 Nano (Iris Xe/1340P) | 1280×720(軽量品質) | 3558(普通) |
DAIV Z4 (Iris Xe/1360P) | 1280×720(軽量品質) | 3845(普通) |
ThinkPad T14s Gen 4 (Radeon 780M) | 1920×1080(軽量品質) | 3944(普通) |
DAIV 5P (GTX1650Ti) | 1920×1080(標準設定) | 3773(普通) |
FF15のベンチでは720p軽量品質で普通という結果が得られました。ゲームやクリエイター向けモデルのように専用グラフィックは搭載しないので描画性能に優れている訳ではありませんが、カジュアルに遊ぶくらいなら設定次第で可能という感じですね。音は良いので迫力だけは滅茶苦茶ありました。
▼ゲーミング性能が欲しいならこのモデル!
クリエイト性能
RAW現像
実行速度をテストするために、無料ソフトのRawTherapeeで100枚のRAW現像にかかった時間を計測します。
CPU | 時間 |
Core i7-1355U | 3分38秒 |
Core i7-13700H | 2分29秒 |
Core i5-13500H | 2分42秒 |
Core i7-1360P | 2分29秒 |
Ryzen 7 PRO 7840U | 2分50秒 |
100枚の現像処理にかかった時間は3分38秒でした。処理速度としては十分だけどちょっと物足りないかもって感じはします。ペンを使って直感的に操作ができたりはするので、持ち出し用としては案外悪くなさそうな気がします。100% DCI-P3の広い色域にも対応しているのもありがたいですね。
動画編集
無料ソフトのResolve使って動画編集をテストします。ミラーレスカメラで撮影した5分程度の4K動画をフルHDで書きだす時間を計測しました。
モデル | パーツ構成 | 時間 |
Yoga Book 9i Gen 8 | Core i7-1355U×Iris Xe Graphics | 4分07秒 |
ThinkPad T14s Gen 4 | Ryzen 7 PRO 7840U×Radeon 780M | 2分53秒 |
DAIV Z4 | Core i7-1360P×Iris Xe Graphics | 3分17秒 |
ThinkPad X1 Nano | Core i5-1340P×Iris Xe Graphics | 4分41秒 |
DAIV 4P | Core i7-1260P×Iris Xe Graphics | 3分25秒 |
DAIV 5P | Core i7-10750H×GTX1650Ti | 3分20秒 |
内蔵グラフィック搭載モデルとしては高めの処理能力を持ってはいますが、フルHDクラスの動画編集にとどめておいたほうが無難な印象ですね。最近はRyzenの内蔵グラフィックも強力なので、なかなか悩ましいというのが本音でしょうか。まぁ本格的な動画編集をするならスペックはもう少し上を狙ったほうが幸せになれると思います。あくまで対応できるというレベルかな。
Lenovo Yoga Book 9i Gen 8シリーズ 感想/評価
メリット | ・フレキシブルなディスプレイ! ・音質が素晴らしい ・軽めの編集作業も可能 ・持ち歩くのが楽しくなる |
デメリット | ・お値段が高い ・性能はもう一歩というところ ・ディスプレイがシームレスだったら最高だった ・メモリやストレージ容量が変更できない |
Lenovo Yoga Book 9i Gen 8 は、やはり2画面を駆使していけるかどうかが評価の別れ目になりそうですね。ギミックは面白いですし、カフェなんかで開くとインパクトもあるので持ち歩くのは楽しいと思います。もちろん2画面の実用性は高いです。
デメリットはお値段ですね…記事執筆時点で38万円台なので誰でも購入できるというモノでもないでしょう。2画面の割には現実的なお値段だとは思いますが、それでも使う人は選びそうな印象ですね。あと性能面は本格的な編集に使うにはやや物足りないです、せめてメモリも32GBが選べたりするとマルチタスクにも強くなって良かったような気もします。
Lenovo Yoga Book 9i Gen 8をおすすめしたい人
- 出先で作業することが多い人
- アイデアを速攻で形にしたいクリエイター
- 性能よりフットワーク重視の人
- 予算に余裕がある人
Lenovo Yoga Book 9i Gen 8をレビューしました。
性能面はそこそこですが、2画面という独自性はインパクトがあると思います。日常的に2画面で作業していて、持ち出し用にどうしてもこういったノートPCが必要という人にはぶっ刺さる製品なんじゃないでしょうか。性能面だけを考えると10万円そこそこで手に入るスペックではあるので2画面をどこまで活用するか?ロマンをどこまで追い求めるか?が問われる製品だと思います。
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