※2023年4月11日より新筐体を採用した「DAIV FXシリーズ」へと変更になりました。
マウスコンピューターの「DAIV FX-A5G60」「DAIV FX-A5G6T」(旧DAIV A7)をレビューします。(製品貸出元:株式会社マウスコンピューター)
DAIV FXシリーズはRyzen 5 7600Xを採用したモデルで、GPUがRTX3060 or RTX3060TIから選べるような形になっています。写真の現像、動画編集といったクリエイト作業を想定してデザインされています。高性能で高解像データ領域にも対応できるほどの性能を誇ります。
各ベンチマークテストの結果や感想、RAW現像、動画編集の処理時間なども掲載しているので参考にしてください。またラインナップが複数存在していますので採用される可能性のあるパーツのスコアもできるだけ掲載するようにしています。
※記事では独自に集計したデータを活用する場合があります
目次
DAIV FX-A5G60/DAIV FX-A5G6T レビュー
マウスコンピューターが展開するクリエイターモデルが「DAIV」です。
DAIVのRyzen CPU採用デスクトップパソコンとしては、エントリーモデルにRyzen 5 7600が、上位モデルにRyzen 7 7700Xが採用さsれたモデルがあります。この記事で扱うのは、そのちょうど中間的な位置にあるRyzen 5 7600Xを採用したモデルです。
「DAIV FX-A5G60」「DAIV FX-A5G6T」の特徴をまとめるとこんな感じです。
- Ryzen 5 7600Xを搭載!
- GeForce RTX3060(Ti)搭載!
- 高解像データ編集にも最適!
エントリークラスだとちょっと物足りない、ハイエンドは持て余すといったミドル層にあてたモデルと言っても良いでしょう。
従来モデルではRyzen 5000番台が搭載されていましたが、刷新されたことでパフォーマンスがかなり向上しています。より成果にこだわりたいユーザーにとっても魅力的なモデルでしょう。
ラインナップ
モデル | 構成 | 価格 |
DAIV FX-A9G80 | Ryzen 9 7900X/RTX4080/32GB/2TB | 539,800 |
DAIV FX-A7G7T | Ryzen 7 7700X/RTX4070Ti/32GB/1TB | 419,800 |
DAIV FX-A5G6T | Ryzen 5 7600X/RTX3060Ti/32GB/1TB | 304,800 |
DAIV FX-A5G60 | Ryzen 5 7600X/RTX3060/32GB/1TB | 294,800 |
DAIV FX-A5G1B | Ryzen 5 7600/RTX3050/16GB/500GB | 249,800 |
DAIV FX-A5G1B | Ryzen 5 7600/GTX1650/16GB/500GB | 219,800 |
DAIVのデスクトップはコスパ面よりも性能、品質、サポートがなど重視しています。特にメーカー3年保証が最初から無料でついてくるのはありがたいです。とは言え、エントリークラスでも20万円超えはちょっとお財布に優しくはありませんよね(苦笑)
公式サイトの「期間限定セール」「特別クーポン」「アウトレットモデル」「店舗即納モデル」を狙って少しでもお得に購入するのがおすすめです!
DAIV FX-A5G60/DAIV FX-A5G60T 性能(スペック)
CPU: Ryzen 5 7600X
GPU:GeForce RTX3060(Ti)
メモリ:32GB
ストレージ:1TB Gen4 SSD
電源:750W 【80PLUS BRONZE】
サイズ:約220×510×525
重量:約11.8kg
「DAIV FX-A5G60」「DAIV FX-A5G6T」は、旧モデルだとDAIV A7にあたります。CPUにRyzen 5 7600XをGPUにGeForce RTX3060シリーズが採用され、クリエイターにも割と人気の構成です。メモリも32GBが標準なのでマルチタスクをこなしたい人にも良いんじゃないでしょうか。
筐体はメンテナンスが行いやすい工夫がされており、愛機を常にきれいな状態で使えるのもポイント。底面フィルターが設置や移動時に外れやすかったので、マグネットはもう少し強力なやつを採用してもらいたかったかも?
新旧ではシャーシのデザインが変わっただけでなく、サイズもかなり大きくなっています。大型化していくグラボに対応するためには仕方のないことかもしれません。
CPUクーラーは240mmラジエーターの水冷式となっているので、静音性、冷却性に期待ができます。暑い時期でもしっかりと性能を維持し続けることが可能でしょう。CPUクーラーはカスタマイズできないケースもあるので、最初から高性能なパーツが載っているのは良心的だと思います。
ケースファンは最大6個搭載可能で、電源部分は専用の吸気・排気口を備えたチャンバー構造で熱源を分断しています。
ベンチマークテスト
CPU性能:Ryzen 5 7600X
参考)PassMarkが公開しているデータを参照
モデル | CPU | スコア |
DAIV FX-A7G7T | Ryzen 7 7700X | 36452 |
DAIV FX-A5G60 | Ryzen 5 7600X | 28705 |
DAIV A9 | Ryzen 7 5700X | 26578 |
DAIV A5 | Ryzen 5 5600X | 22168 |
DAIV Z7 | Core i7-12700 | 31282 |
Ryzen 5 7600Xは旧世代のRyzen 5 5600Xと比較すると約30%ほど高いスコアになっています。従来のRyzen 7 5700Xを凌駕するスコアになっており、より高負荷作業にも耐えられるようになっています。
インテル第12世代Core i7-12700あたりがライバルになってくるかと思いますがスコアは少し及ばずといった感じです。
SSDの転送速度
ストレージはGen 4 SSDということで起動も速く体感的にもサクサク動いてくれて気持ち良いです。ただし3700MB/sというのは理論値的にも物足りない気はします。速度にこだわりたいならカスタマイズでグレードの高いパーツに切り替えたほうが良いでしょう。
【転送(読み込み)速度理論値】
- HDD→200MB/s
- SATA SSD→600MB/s
- 一般的なNVMe SSD→3500MB/s
- 高性能なNVMe SSD/Gen 4→7000MB/s
GPU性能:GeForce RTX3060/RTX3060Ti
FF15のゲームスコア
モデル(GPU) | 設定 | スコア |
DAIV FX-A5G60 (RTX3060) | 1920×1080(標準品質) | 11855(とても快適) |
3840×2160(標準品質) | 4344(普通) | |
DAIV FX-A5G6T (RTX3060Ti) | 1920×1080(標準品質) | 14500(とても快適) |
3840×2160(標準品質) | 5500(普通) | |
raytrek ZF (RTX3070) | 1920×1080(標準品質) | 16658(非常に快適) |
3840×2160(標準品質) | 6646(快適) | |
G -Tune EP-Z (RTX3080) | 1920×1080(標準品質) | 18538(非常に快適) |
3840×2160(標準品質) | 8564(快適) |
FF15のスコアは4K標準設定でも普通という結果になりました。
GeForce RTX3060TiのほうがフルHDで約22%、4Kで約27%ほど高いスコアが出ています。ゲーミング性能にこだわるならGeForce RTX3060Ti搭載の「DAIV FX-A5G6T」を選ぶのをおすすめします。価格差は1万円ほどですがゲーミング性能は結構ちがいます。
クリエイト性能チェック
RAW現像
「RawTherapee」を使って100枚のRAW現像にかかった時間を計測したデータです。
モデル | CPU | 時間 |
DAIV FX-A7G7T | Ryzen 7 7700X | 1分59秒 |
DAIV FX-A5G60 | Ryzen 5 7600X | 2分06秒 |
DAIV A9(旧) | Ryzen 7 5800X | 2分39秒 |
DAIV A5 | Ryzen 5 5600X | 2分43秒 |
DAIV Z9 | Core i9-12900 | 2分13秒 |
DAIV Z7 | Core i7-12700 | 2分16秒 |
DAIV Z9(旧) | Core i7-11700 | 2分58秒 |
Ryzen 5 7600Xは2分06秒で処理を完了。意外にもCore i9-12900やCore i7-12700よりも短時間で処理を終えています。また上位モデルのRyzen 7 7700Xとの差もわずかになっていますので、RAW現像が主な目的であれば悪い選択ではありません。
動画編集
Resolveを使って動画編集のテストを行った参考データです。ミラーレスカメラで撮影した5分程度の4Kデータをレンダリング(フルHD)の時間を測定しています。
モデル | 構成 | 処理時間 |
DAIV FX-A7G7T | Ryzen 7 7700X×RTX4070Ti | 1分02秒 |
DAIV A9 | Ryzen 7 7700X×RTX3070 | 1分05秒 |
DAIV FX-A5G60 | Ryzen 5 7600X×RTX3060 | 1分20秒 |
GALLERIA XA7R-R36 | Ryzen 7 3700X×RTX3060 | 1分36秒 |
DAIV Z7(新) | Core i7-12700×RTX3060 | 1分12秒 |
DAIV FX-A5G60の処理時間は1分20秒で、フルHDクラスの書き出しなら余裕をもって行えます。ここで見て欲しいのは、40万円を超える上位モデルとの差はわずかということです。動画編集においてはRTX3000番台でも十分に戦えますし、よほど高度な作業を行わない限り不満もないはずです。もちろん高解像データ編集も対応できます。
DAIV FX-A5G60/DAIV FX-A5G60T 感想/評価
メリット | デメリット |
・CPU処理能力が高め ・インテルCPUに負けない ・クリエイティブ作業も快適に行える ・高解像データ編集にも使える | ・SSDの速度が心配 ・コスパはよくない ・付属品がほぼ皆無 |
CPUがRyzen 7000番台になったことでパフォーマンスは大幅にアップしましたが、従来のRyzen 搭載モデルのようなコスパは期待できません。ゲームはもちろん動画編集、RAW現像をはじめとしたクリエイティブな作業でもしっかりと結果を残しているのは好印象でしたね。
デメリットはコスパの悪さだけでなく、ストレージ速度の物足りなさ、付属品が少ないといったところですね。電源もBRONZEではなくGOLDだったら「品質にとことんこだわった!」と言い切れそうなのですが惜しいです。
DAIV A7をおすすめしたい人
- ほどよい処理能力を求めている人
- グラフィック性能も必要な人
- 写真、動画、イラストなどのクリエイター
- AMDが好きだ!という人
- 30万円前後の予算で考えている人
「DAIV FX-A5G60」「DAIV FX-A5G6T」をレビューしてきました。
Ryzen 7000番台 CPUを採用したことによりパフォーマンスが高まり、旧世代よりも使えるモデルに仕上がっていると感じます。全体的にスキのない性能ではあるもののコストパフォーマンスの悪さがやや目につきます。もしも検討されるのであれば公式サイトの「期間限定セール」「特別クーポン」「アウトレットモデル」「店舗即納モデル」を狙って少しでもお得に購入するのがおすすめです!
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