マウスコンピューターのクリエイター向けノートパソコン「DAIV 5N」をレビューします。このモデルは「G-Tune E5」と外観や基本仕様が共通となっていますので、合わせて参考にしてください。(製品貸出元:株式会社マウスコンピューター)
インテルの第12世代CPU Core i7-12700HとGeForce RTX3060を搭載した高性能ノートパソコンです。!従来モデルよりも処理を高速化し、本格的なRAW現像や動画編集といった作業をモバイル先で可能にしてくれます。パフォーマンスは優秀ですが、いくつか気になった点がありました。
ベンチマークテストを行って、従来モデルともしっかりと比較しながらレビューしていきます。参考にしてもらえると嬉しいです。
目次
DAIV 5N/G-Tune E5 特徴とスペック
マウスコンピューターが展開するクリエイターモデルの「DAIV」から登場した新モデルです。
第12世代インテルCPUなどの最新パーツをしっかり取り入れ、高い負荷のかかるクリエイト作業にも耐えられる仕様となっています。下手をすればデスクトップパソコンに負けないほどのパフォーマンスをもっているので、出先での本格的な作業にも使える点が見事です。
ゲーミングモデルの「G-Tune E5」は、メモリ容量が16GB、価格が249,800円~と「DAIV 5N」(26万9800円~)より少しお安くなっています。ただし、モニターがWQHD→フルHDにスペックダウン(?)するなど気になる点もあります。(なにより重たくなったのが…)
DAIV 5N(2022)の特徴をまとめるとこんな感じです。
- Core i7-12700Hを搭載!
- GeForce RTX3060搭載!
- WQHD→フルHDへと変更!
- 1,73kg→2.07kgと重量がアップ!
従来モデルはコンパクトかつ作業性も確保できる完成度の高いモデルでしたが、現行モデルは処理能力をウリにして他の要素は一般的なスペックに留めた印象ですね。
YouTube動画レビュー
YouTubeでもレビューしていますので、よければ参考にしてください。高評価、チャンネル登録してもらえると喜びます!
DAIV 5N(2022)性能・スペック
CPU:Core i7-12700H
グラフィックス:GeForce RTX3060
メモリ:32GB
ストレージ:512GB NVMe SSD
液晶:15.6型 フルHD(sRGB比100%)
サイズ:359.5×238×24.5mm
重量:約2,07kg
写真 | 4K動画編集 | ゲーム |
◎ | ◎ | ◎ |
DAIV 5Nは用途を選ばずに使える高性能なパソコンです。4K動画をはじめとする高解像データ編集にも耐えられますし、最新ゲームも快適に遊べるでしょう。厚みが24.5mmで、重量もそこそこあるため、どちらかと言うと据え置きで使うのに向いている気はします。もちろん持ち歩きも可能ですが…
DAIV 5N/G-Tune E5 レビュー
DAIV 5N(2022)外観チェック
従来のガンメタシルバーチックなカラーから、渋めのブラウンへと変更されています。エレガントさが強調されていて悪くありません。光の加減で印象を変えるのも良いですね。
天面はDAIVのロゴが入っているだけです。落ち着いたデザインなのでビジネスシーンにも使いやすいと思います。「G-Tune E5」は、ロゴがG-Tuneに変更されるだけで基本的には同様の筐体となっています。
背面はしっかり冷却ができそうな作りになっています。サイズなりの重さは感じます。
付属品・電源アダプター
付属品は、保証書、電源ケーブル、ACアダプターなどです。
ACアダプターのサイズは、iPhoneを2つ重ねたくらいのイメージです。高性能PCを動作させるためにそこそこ大きい作りにはなっていますが、負担はそこまでではないでしょう。
キーボード
キーボードはゴムのような感じで、ソフトな打鍵感になっています。1つ1つのキーが独立しているため誤タイプ防止になります。
個人的には従来モデルのキーボードのほうが好みでした…
配列は割と自然ですが、十字キーが小さいのと、テンキー周りがやや独特な感じです。バックライトも搭載しています。
インターフェース
インターフェースはHDMI、 Mini DisplayPort、USB2.0、USB3.0、USB3.1 Type-C、micro SDカードリーダー(UHS-1)、ヘッドフォン・マイクなどです。Wi-Fi 6、Bluetooth 5、Thunderbolt 4にも対応します。
カードリーダーはなんだかんだで標準搭載されていると便利ですし、Thunderboltもあるので高速SSDなどの対応デバイスも使えます
背面にプラグや接続端子があるので、配線がスッキリと使えそうです。
ディスプレイ
新モデルになってWQHD→フルHDへと格下げされてしまったのが個人的に痛手です。高解像モニターはそれだけで作業性が良いですし、編集アプリも使いやすかったんですよね。フルHDだと正直ちょっと狭く感じます。
とは言え、見た感じは発色もきれいで使いやすいモニターだとは思います。メーカーの表記によるとsRGB100%カバーのパネルなので、WEBコンテンツなどの制作作業には耐えられそうです。趣味やちょっとした写真編集なんかにも良さそうです。
実際に色域を測ってみたところ、sRGB 96%、NTSC 70%、Adobe RGB 74%、P3 75%でした。(※環境や測定機材によって違いが生じる可能性があります)
従来モデルは、sRGB 100%、NTSC 72%、Adobe RGB 77%、P3 78%でしたので、モニターがスペックダウンしているのは間違いなさそうです。クリエイトモデルをうたうのであれば、致命的になりかねないというのが本音でしょうか。
必要に応じて「カラーマネジメントディスプレイ」を使うのを検討しても良いかもしれません。
DAIV 5N(2022)性能面チェック
Core i7-12700Hの性能!CPU比較
第12世代Core i7-12700Hは、14コア/20スレッドで、デスクトップCPUと比較しても目劣りしないパフォーマンスを発揮します。。
参考までに他モデルと比較した例をご覧ください。(PASSMARKの公開スコアを掲載)
モデル | CPU | スコア |
DAIV 5N(2022) | Core i7-12700H | 27450 |
DAIV 5N(2021) | Core i7-11800H | 21693 |
DAIV 5N(2020) | Core i7-10870H | 15544 |
DAIV 5P | Core i7-10750H | 12573 |
Core i9-11900K | 25539 |
Core i7-12700Hは、Core i7-11800Hと比較すると約25%も性能がアップ。これはデスクトップのCore i9-11900Kよりも高いスコアです。
これだけの処理能力があれば、ほとんどの作業を快適にこなせるはずです。メモリも標準で32GB搭載されていますので、余裕をもった作業ができそうですね。
RAW現像チェック
実行速度はどの程度なのか?RAW現像にかかった時間を計測します。
無料ソフトのRawTherapeeで100枚のRAW現像にかかった時間を計測しました。
モデル | CPU | 時間 |
DAIV 5N(2022) | Core i7-12700H | 2分29秒 |
DAIV 5N(2021) | Core i7-11800H | 3分04秒 |
DAIV 5N(2020) | Core i7-10870H | 3分21秒 |
DAIV Z7 | Core i7-11700 | 2分28秒 |
Core i7-12700Hは2分29秒で処理を完了しています。これは比較したCPUの中でもトップクラスで、旧世代のデスクトップと変わらない速度になってきています。
Core i7-11800Hを採用した「DAIV 5N」と比較すると、約30秒も短縮化しています。何千枚という処理を行うフォトグラファーなら決して無視できない時間ですよね。作業すればするほど時間を生んでくれるので、第12世代CPU搭載モデルは買い替えにもねらい目だと思います。
GPU:GeForce RTX3060 性能チェック
FF15のスコアを比較
重量級タイトルのFF15でゲーミング性能をチェックします。
モデル | 設定 | 結果 |
DAIV 5N(RTX3060) | 3840×2160(標準設定) | 3587(普通) |
1920×1080(標準設定) | 9781(とても快適) | |
DAIV 5N(RTX2060) | 3840×2160(標準設定) | 3301(普通) |
1920×1080(標準設定) | 9013(とても快適) | |
G-Tune H5(RTX3070) | 3840×2160(標準設定) | 5189(やや快適) |
1920×1080(標準設定) | 10935(とても快適) |
重量級タイトルもしっかりと動作させることが可能で、高設定でもしっかり遊べることができそうな感じです。
高リフレッシュレートをうたうモデルではないので競技系シューティングゲームなどは物足りないかもしれませんが、じっくり遊ぶ系のタイトルなら楽しめそうです。
DAIV 5N(2022)動画性能チェック
動画編集は無料ソフトのResolve使って、ミラーレスカメラで撮影した4KデータをフルHDへレンダリングする時間を測定しています。
5分程度の動画を書き出すのに2分05秒で処理が終わってしまいました。これはミドルハイクラスのデスクトップパソコンと同水準です。
モデル | パーツ構成 | 時間 |
DAIV 5N(2022) | Core i7-12700H×RTX3060 | 約1分30秒 |
DAIV 5N(2021) | Core i7-11800H×RTX3060 | 約2分 |
DAIV Z7 | Core i7-11700×RTX3060 | 約2分 |
動画編集中にもたつきも感じませんし書き出しも高速でした。パフォーマンス面は十分なので動画クリエイターさんにもおすすめできるモデルだと思います。これから動画編集を勉強したいという人にも良いでしょう。よほどのことをしない限りスペック不足に陥ることはないはずです。
SSD転送速度
SSDは、読込速度が3100MB/sと高速です。パソコンの起動やアプリのインストールもサクサク気持ちよくストレスを感じないレベルです。
DAIV 5N(2022) 総合力
続いては、CPU、GPU、メモリ(RAM)、ストレージのパフォーマンスチェックのために「Novabench」でテストします。
最新モデル
2021(前期)
モデル | DAIV 5N(2021) | DAIV 5N(2022) |
総合 | 3570 | 4041 |
CPU | 1984 | 2393 |
GPU | 1108 | 1083 |
RAM | 288 | 340 |
Disk | 190 | 225 |
全体的にスコアを伸ばしているものの、GPUのスコアは下がっています。実際にFF15のスコアも従来モデルよりも微妙に下がっていたのは気がかりです。とは言え誤差レベルですし、体感的にわかるほどではありませんでした。
DAIV 5N デメリット
- 重たくなった
- モニターのスペックがダウンした
パフォーマンス面を前面に押し出しているDAIV 5Nですが、従来モデルと比較すると重たくなってしまっているのは残念。持ち出す機会が多い人にとっては気になるポイントでしょう。また、クリエイター向けとしてはモニター品質も重要になると考えているのですが「フルHDになったこと」「色域が狭くなったこと」は大きなデメリットであるように感じます。
従来モデルなら在庫処分、公式サイトの「期間限定のセール品」「アウトレットモデル」に入ってくることもあります。20万円を切っていることもあるので、CPU性能はやや下がる(それでも十分高い)ものの妥協できるなら有りかもしれません。また軽量で作業効率性を求めるなら「DAIV 6P-RT」あたりを視野に入れるのも良いと思います。
DAIV 5Nをおすすめしたい人
- モバイル環境で成果を出したいクリエイター
- CPU処理能力を求める人
- RAW現像、動画編集、ゲームなど多用途に使いたい人
- デスクトップ並みのノートPCを探している人
DAIV 5N(2022年モデル)をレビューしてきました。
従来モデルよりも重量化して、液晶モニター品質が下がってしまったのは残念ですが、その高いCPU処理能力をいかしてゴリゴリに作業に使っていくことができるのは魅力です。デスクトップパソコン並みの性能といっても過言ではなく、多くの用途に対応できるモデルだと思います。
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