マウスコンピューターのクリエイター向けノートパソコン「DAIV Z4シリーズ」をレビューします。(製品貸出元:株式会社マウスコンピューター)
14型WUXGA(1,920×1,200)モニターを採用し、重量を約1.12kg程度に抑えた軽量モバイルノートです。マグネシウム合金製のボディを採用し剛性と軽さを両立!記事内でもしっかりと比較していきますが、CPUはインテル Core Ultra 7 255Hや、AMD Ryzen Al 9 365が選べて従来よりもパワフルな処理を可能にしました!旧モデルではちょっとパワー不足と感じていた人は、新型をぜひ検討ください。
各ベンチマークの結果や、RAW現像、動画編集にかかった時間などものせていますので参考にしてもらえると嬉しいです。
目次
DAIV Z4シリーズとは?
DAIV Z4シリーズは、メーカーが「プロカメラマンのため」と言ってしまうほど、写真などの編集作業に長けたモデルとなっています。
もともとクリエイター向けにデザインされるDAIVとしては処理能力も重視されますが、DAIV Z4はその中でも「軽さ」「フットワーク」「駆動時間」などモバイル性の高さを重視したモデルになります。アイドル時の駆動時間は30時間にせまるほどで、バッテリーだけでも1日フルに乗り切れるほどのタフさを持ち合わせています。
DAIV Z4 ラインナップ
モデル | パーツ構成 | 税別価格 |
DAIV Z4-I7I01SR-B | Core Ultra 7 255H/Arc 140T/16GB/500GB | 199,800~ |
DAIV Z4-A9A01SR-B | Ryzen Al 9 365/Radeon 880M/16GB/500GB | 189,800~ |
DAIV Z4-I7I01SR-A | Core i7-1360P/Iris Xe/16GB/500GB | 169,800~ |
DAIVの14型ノートパソコンには複数のラインナップが存在していて、中でも最新モデルはインテルとAMDどちらも選べるのが特徴。Core i7-1360Pのラインナップには加わっていますが、立ち位置的には旧型というか値段も下がって(もともと20万円弱だったはず)処分価格に近い形になっています。
安定感、処理能力重視のインテルか?コスパのAMDか悩ましいですが「どっちがおすすめなのか?」この後しっかり比較して答えを出していきたいと思います。ちなみに今回は、グラフィック性能を引き出せるように32GBメモリ搭載モデルをレンタルしています。
▼旧モデルのレビュー
YouTube
旧型「DAIV 4P」のレビュー動画ですが良ければ参考にしてください。チャンネル登録してもらえると喜びます!。
DAIV Z4 スペック・外観チェック
DAIV Z4は従来モデル(約997g)よりも少し重たい約1.12kgです。重たくなったといっても100gちょっとですし、手に持ってみても「軽いな」という印象は変わりありません。それよりもCPUの世代交代でパフォーマンスも引き上げられており、より多用途に使えるようになった印象のほうが大きいです。
本体は変わらずマグネシウム合金を使用しているので質感も高いですし、デザイン回りも一新されているあたりも進化を止めない努力が感じられて好印象です。
本体サイズは311×225.5×19.5mmとコンパクト。背面に吸気口が1つしか見当たらないので、おそらくシングルファン仕様になっているものと思われます。高負荷作業時にはそれなりにファン音がするので注意。
底面も従来モデルからあまり印象は変わりません。
バッテリー駆動時間がアイドル時約29.5時間(インテル)もあるので、ほとんどの作業はバッテリーのみで乗り切れるはずです。充電器も100W USB PDタイプになっているので、従来のような重たい充電器を持ち歩く必要はありません・
ちなみにAMDのCPUを採用したモデルは、バッテリー駆動時間がアイドル時約19.5時間とインテルより短いです。バッテリーの駆動時間を重視するならインテルCPUを採用したモデルが良いでしょう。ちなみにAMD Ryzen AI9 365プロセッサーを採用したモデルのみCopilot+ PC対応になっています。
キーボード
キーボードは従来モデルから刷新されて、ボディーいっぱいまでキーボードが配置されています。キーサイズも無理をしていないのでタイピングもしやすく、長時間の作業も問題なく行えそうです。右側一列にキーが設置されているタイプになっています。タッチパッドも十分なサイズが確保されているので作業性は良かったです。
14型WUXGA(1,920×1,200)モニターを搭載
14型モニターはWUXGA(1920×1200)解像度を採用しているので、フルHDよりも縦に長く情報を表示することが可能です。少しの差ではありますが最近のコンテンツはスマホにも対応するためか縦長であるケースも多く、スクロール回数を減らすのに貢献してくれるのは意外と意味があります。
またsRGB約100%の色域に対応しているので、Webコンテンツ制作などで正確な作業を行えるのも特徴です。モバイル環境下で撮影を行うカメラマンにはうってつけのモデルといえそうです。
ただしAdobeRGBが必要な人は、別途カラーマネージメントディスプレイを用意したほうが良いでしょう。
ベンチマークテスト
CPU性能
モデル | CPU | PASSMARKスコア |
DAIV Z4 | Core Ultra 7 255H | 30486 |
Ryzen Al 9 365 | 29497 | |
Core i7-1360P | 19727 |
Core Ultra 7 255HとRyzen Al 9 365 は30000前後のスコアになっていて、かなり負荷の高い処理でも快適に行うことが可能でした。YouTubeではもっと細かく解説するつもりですが、結論を言えば「体感的な快適性は変わらない」と思いました。
流石にCore i7-1360P搭載モデルは処理能力が物足りなさを感じるかもしれませんが、Core Ultra 7 255Hよりも3万円安いことを考えると妥当な感じもします。
GPU(ゲーミング)性能
インテル(Arc 140T)
AMD(Radeon 880M)
モデル | 設定 | 結果 |
DAIV Z4 (Arc 140T) | 1920×1080(標準設定) | 3366(普通) |
DAIV Z4 (Radeon 880M) | 1920×1080(標準設定) | 3644(普通) |
DAIV Z4 (Iris Xe/1360P) | 1280×720(軽量品質) | 3845(普通) |
mouse K5 (MX550) | 1920×1080(標準設定) | 3913(普通) |
DAIV 5P (GTX1650Ti) | 1920×1080(標準設定) | 3773(普通) |
Arc 140Tのほうが少しスコアを落としていますが、フルHDで普通に遊べるという結果が得られています。Radeon 880Mが約8%ほど高いので結構無視できない差かもしれません。それでも映像はやや重たい印象でしたので、快適に遊ぶならもう少し設定を下げたほうがよさそうです。それでも専用グラフィックのGTX1650Ti近くまで出せているのはすごいんじゃないでしょうか!
ちなみにCore i7ー1360PだとフルHDじゃなくて、HDの限界ギリギリまで設定を下げてやっと普通っていう感じですので描画性能的には物足りなく感じるはずです。ゲームをやらない人や、静止画しか扱わない人だったら良いかもしれません。
ゲームや動画編集まで考えている人は、専用グラフィックスを採用したDAIV Z6シリーズがおすすめですよ!
クリエイティブ性能
RAW現像
モデル | CPU | 処理時間(100枚) |
DAIV Z4 | Core Ultra 7 255H | 2分18秒 |
Ryzen Al 9 365 | 2分08秒 | |
Core i7-1360P | 2分29秒 | |
DAIV 4P | Core i7-1260P | 3分11秒 |
Core i7-1165G7 | 3分37秒 | |
DAIV 5P | Core i7-10750H | 4分12秒 |
実行速度をテストするために100枚のRAW現像にかかった時間を計測しました。ここではインテルが勝利するかと思いきや、Ryzen Al 9 365が強かったですね…値段も安いしAMDにするのが最適解かのかもしれない。。
Core i7-1360Pでも10秒遅いくらいなので写真メインなら大きな差はないのかもしれません。ただフルサイズ高画素機とか本気の機材をお使いの人は少しでもパワーを確保しておいたほうが良いでしょう。
動画編集
無料ソフトのResolve使って動画編集をテストします。ミラーレスカメラで撮影した5分程度の動画を書きだす時間を計測しました。
モデル | パーツ構成 | 時間 |
DAIV Z4 | Core Ultra 7 255H×Arc 140T | 1分40秒 |
Ryzen Al 9 365 ×Radeon 880M | 1分33秒 | |
Core i7-1360P×Iris Xe Graphics | 3分17秒 | |
DAIV 4P | Core i7-1260P×Iris Xe Graphics | 3分25秒 |
Core i7-1165G7×Iris Xe Graphics | 5分30秒 | |
DAIV 5P | Core i7-10750H×GTX1650Ti | 3分20秒 |
元が4Kのデータということもあって、やや重たい印象も受けましたが作業は無事に完了。ここでもRyzen Al 9 365を搭載したモデルが強かったですね。とは言え、インテルの内臓グラフィックスも進化しているので、従来モデルに比べるとはるかに短時間で処理を終えています。
DAIV Z4 メリット・デメリット
メリット | ・高めの処理能力 ・内臓グラフィックも強化! ・軽くて持ち歩くのが楽 ・バッテリー駆動時間が長い |
デメリット | ・現行モデルはお値段やや高め ・軽さだけなら第13世代CPUでOK ・インテルCPU??? |
DAIV Z4は、1kgそこそこの軽さに長時間駆動のバッテリーでモバイル性能が高いのが特徴です。軽めの編集作業なら問題なく行える、高めのパフォーマンスも魅力で和製MacBookAirのような印象さえ受けました。少しお値段は高いものの仕上げも悪くありませんし、軽さ×タフさ×質感と3拍子がそろっているのも良いですね。
しかもWi-Fi7、USB4などの企画にもしっかり対応しているので不満の少ないモバイルノートパソコンと言えるでしょう。ただ体感的にはあまり感じないものの、性能的に劣るインテルCPU(Core Ultra 7 255H)搭載モデルが1万円高く、バッテリー駆動時間の長さがAMDより勝るという点だけで勝負になるのか疑問です。
▼1360Pの在庫が消える前に買っても良いかも??
DAIV Z4をおすすめしたい人
- 軽量でパワフルなノートパソコンがほしい人
- 気軽に写真編集やクリエイト作業を楽しみたい人
- モバイル性能を重視する人
- 20万円程度でパソコンを探している人
マウスコンピューターのDAIV Z4をレビューしてきました。
画像や写真編集、フルHDクラスのゲームや動画編集を快適に楽しめるパフォーマンスと、1キロ程度の軽さ、駆動時間の長さなど魅力的を感じるモデルでした。インテルのCore Ultra 7 255Hよりも、Ryzen Al 9 365 搭載モデルのほうが全体的にパフォーマンスが高く、Copilot+ PC対応とイマドキ感を演出できるのでおすすめかな。ただしAMDのほうがアプリの設定や立ち上がりの挙動で怪しいところもあり、全体的な安定感はインテルのような気もしました。正直細かく比較しないと体感差はほぼありませんので、好みで選んでしまってよいのかなという印象です。
コスパ重視の方はCore i7-1360P搭載モデルの「DAIV 4P」を選択しましょう。(このモデルも売り出し当初は20万円くらいでした)ちなみに公式サイトでは「期間限定のセール品」「アウトレットモデル」「限定クーポン」「シークレットモデル」なども取り扱っていますのでチェックをお忘れなく。
DAIVには他にも魅力的なパソコンがありますので、あわせて検討してみてくださいね。