富士フイルム「X half」(X-HF1)を購入したのでレビューします。
ハーフサイズカメラに着想を得た、個性的なコンパクトデジタルカメラになります。たった240gの軽量コンパクトなボディー、レトロな見た目、新感覚の撮影体験が楽しめるとあってバカ売れしそうな予感がします。価格は10万円台と、コンデジにしてはチョッピリお高い気もしますが若い世代を中心に人気が爆発しそうです。
最近のカメラは当然のように品薄、売切れになりますので気になっている人は「カメラのキタムラ」など専門店をチェックしましょう!
目次
FUJIFILM X half(X-HF1)レビュー
今回は話題沸騰中の「X half」の情報をお届けします。このカメラ、発表された瞬間から話題に事欠かないわけですが、内容を見てみると賛否両論って感じですよね。実際に購入したカメラを手にして街中で撮影してみたので、画質、デザイン、操作性、そしてなにより撮影体験のあたりにフォーカスして全部書いていこうと思います。
「ハーフサイズカメラを現代に再現する」という試みが非常にチャレンジングですし、スマホにその撮影機械を奪われて等しいコンデジのことを考えても「よくやるな…」というのが一番最初に頭を過りました。
家電量販店を見に行ってもコンデジなんて一列、二列陳列があれば良いほうだし、ミラーレスカメラを探すよりもずっと難しい状況だったりします。そんな中で新たにコンデジを?しかも10万円もするの!?という疑問をもつ人も少なくはないでしょう。
もともとハーフカメラって1枚のフィルムで2枚の写真が撮影できて、現像代とか写真代とかがかかっていた時代では経済的だった訳です。デジタル時代でそれを再現したところで「データに入れてしまえば何枚だって撮れてしまうし関係ないじゃん」って思いますよね。僕にもそういう時代がありました(笑)
イマのデジタル時代において経済的なんて関係ないけど、コンパクトで持ち運びやすく、いつでも撮影ができるカメラというのは写真愛好家にとってはかけがえのない存在だったりします。重たい一眼レフをもって歩くのも疲れるけど、できれば毎日のようにカメラは持ち歩いていたい。そんな贅沢な欲求が心の奥底に住んじゃっているんですよ我々キャメラマンは…
シャッターを切る、ファインダーで被写体をのぞく、そんな当たり前の体験がスマホにはないから満足もできない。かと言って普通のコンデジでは満足できないって・・もうこじらせまくりの趣味嗜好を富士フイルムさんが解決してくれたって訳です。
昔のカメラを彷彿とさせるデザイン、フイルムを巻き上げて1枚1枚手中におさめていく感覚、現像までどんな写真があがってくるかわらかないドキドキ感、そして富士フイルムの得意技でもあるフィルムシミュレーション、その全てがあって普通のカメラでは真似できない独自の撮影体験を提供してくれます。
フイルム時代には叶わなかった「気になったモノ全てを写真におさめていく」なんてことも可能なので、気軽についついシャッターを切りがち…これがまた良い写真が撮れていたりして家に帰っても二度楽しめちゃう訳です。楽しさは2倍ということは・・つまり半額・・これはもう買うしかありませんね!(ポチっ)
YouTube 動画レビュー
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開封・デザインチェック
真っ白でかわいい箱でやってきました。ようこそ我が家へ
本体のほかに、保証書、ストラップなどが付属します。最近は充電器が付属しないカメラが増えたんですけど純正のType-C充電ケーブルくらいはほしくないですか?変なケーブルつけちゃってカメラをこわしたくないですし…
サイズは、約105.8x64.3x45.8 mm、総重量は240gです。小さくて軽いけど質感もしっかりしていてます。X100シリーズのような高級さはないけど、レトロさと現代的な部分がマッチして良い感じですね。レンズの焦点距離は”写ルンです”と同じで、どこか懐かしい記憶、体験が蘇ってくるようです。修学旅行とかに親がもたせてくれたよね~なつかしい。
背面には珍しい縦型モニターが搭載。操作もタッチやスライドで行う訳ですが、操作性が良いとは言えません。特に目に自信がなくなってくるお年頃にはツライかも…メニューや設定もかなり省かれている印象で「ややこしいことは抜きました」というメッセージすら感じます。
こだわり抜いた設定を試したい人には物足りないでしょうが、呼吸するように写真を撮っていくスタイルを目指すならこれくらい割り切ったほうが良いのかもしれません。実際あまり深いことは考えずにシャッターを切るほうが馴染むカメラな気はしましたね。
ところで「X half」の字体がかっこよすぎない?ボディは左側が割とフラットで右側(持つ方)は丸みをおびたデザインになっています。やるね富士フイルム。
電源ボタンをスライドしてやると電源が入ります。レバーがピコっと飛び出してくるのがカワイイ。電源を切るときには自分で押し込んでやる必要があるのはご愛嬌…
モニター横にはフィルムシミュレーションを表示してくれる窓もあり、スライドで設定を入れ替え可能です。フィルムを入れ替えるように・・というソレとは違うとは思いますが、視覚的にも触感的にも楽しめる工夫があるのは素晴らしいです。
縦構図向けのファインダーも新鮮味があって面白いですね~!素通しでざっくりと構図を決めるくらいしかできないものの、気張った自分から解き放ってくれますし、意味もなくファインダーをのぞくことに意味があるというか・・写真撮ろうぜ!って気持ちになる。なんかそんな感じ。
フロント側にはLEDフラッシュも搭載されています。光量が不足しているときや動画時に便利そう。あと動画と写真を一発で切り替えれれるレバーがあるのも便利。
バッテリーはX100Ⅵと共通。受け取ってからすぐに撮影に行きたかったので充電済みのものを持って行きました(笑)
X half(X-HF1) 作例
最初は独特なスタイルに戸惑うこともありましたが、割り切ってシャッターを切るようにするとテンポよく撮影が楽しめました。ハーフなので縦構図がスタンダードになります。
フィルムシミュレーションの細かい設定がいじれないのが個人的にはネックなんですが、クラシッククロームやノスタルジックネガで撮影をすれば当たり前の日常がドラマチックになる。インスタなんかでエモちらかした写真を投稿したい人には最高じゃないですかね。個人的にはREALA ACEが好きなので、それが使えるのも良さだと思ってます。
ライトリークはどこに発生するか予測できない面白さがありますが、常に狙ってやる表現でもないかもしれない。設定を変更するにも何段階かあるので撮影のテンポが悪くなるんですよね…ところで日付はどうやって消せるの?
グレインエフェクトを強めにかけてあげると、まさにフィルム調‥とでも言えばいいのかレトロな表現になってくれます。フィルムシミュレーションもスライドで簡単に切り替えられるがめちゃくちゃ良くて、アレもコレも試してみようって気になるんですよね。作例もどれを使っているのか想像してもらったら楽しく読めるかもしれません(笑)
画質は正直めちゃくちゃほめられたものではないと思うし、10万円でミラーレスカメラでも買ってる方が高画質だし色々使える可能性だって全然あります。(ネット上では画質は1/4とか言われちゃってるくらい)でもこのカメラのミソは撮影体験であって、高画質ではないんです。
ピクセル単位でこだわりたいって人には向かないけど、雰囲気重視で楽しみたいって人にはありだと思うんですよね。なんなら最近のカメラにはその辺が足りないとすら思ってたくらい!ほんとついつい急ぎ足で素材集めばっかりしていた気がするんですよね。。
この辺まで読んでもらってあることに気づきませんか?そう、やたらノイジーな写真が多くなっています。これはフィルム調を狙ってグレインエフェクトをかけているからなんですが、切るタイミングを見失ってしまったから。本当はもっと素の写真も撮りたかったのに小さなモニターでは気づきにくいんです…もうこれは慣れというか、構造上仕方ないことのように思います。
正直、2-in-1とかフィルムカメラモードは使いませんね。面白いとはおもうけどメンドクサイが勝っちゃう。
AFは割といい加減で、この写真も中央の花にピントがきているように表示されます。「10万円のカメラでこのレベル?」ってなるので本当にまともな使い心地を期待している人はやめたほうがいい。
あと電源入れてから撮影できるまで少し時間かかるし、記録にも時間がかかって「この辺がコンデジだな」と感じさせる一幕も。半額だったら手放しでほめられたし、7~8万円くらいならフォローする気にもなるけど10万円こえたら流石に頑張ろ?ってなる。でもXF10を使った時よりもはるかに満足度は高いかもしれない、
X half(X-HF1) まとめ
X half(X-HF1)をレビューしてきました。
正直機能的によくわからないところもあったけど、はじめてコンデジを手に入れたときのような高揚感に似たものを感じました。写真の入り口に立って、これからどういう表現ができるのか?カメラを使ってどんな写真に出会えるのか?そういったワクワク感をもたらしてくれるんですよね。写真をはじめたときなんて画質のこだわりよりも撮影の楽しさのほうが何倍も勝っていたし、X halfはそういったところを目指したカメラなんじゃないかなと思います。
ポケットやカバンに入れて、気になるものがあればサクっと撮る。日常や旅行にも最適だと思うし、写真の楽しさを思い出したい人、フィルムカメラのノスタルジックさを再体験したい人、SNSでエモい写真をあげたい人には良いんじゃないかなって感じです。高画質さを求めたり、使い込んで味が出るカメラって訳でもないけど、傍らにおいておきたいカメラって感じですね。
たぶん富士フイルムのことだから在庫はないと思いますが、購入したいなら「カメラのキタムラ」など専門店を定期的にチェックするのがおすすめですよ!ラインやメルマガに登録しておくと入荷のお知らせが届くかもしれません。
X half スペック・性能比較表
モデル名 | X half |
有効画素数 | 1774万画素(有効画素) |
センサー | 1インチ |
レンズ | 10.8mmF2.8(フルサイズ換算32mm) |
シャッタースピード | 30~1/2000 秒 |
標準ISO感度 | 通常:ISO200~12800 |
動画 | 2160x1440(24fps)最長95分 |
液晶モニター | 2.4型(インチ)92万ドット |
撮影枚数 | 880枚 |
サイズ | 105.8x64.3x45.8 mm |
重量 | 約191g(総重量240g) |
価格 | >カメラのキタムラでチェックする |