※2023年4月11日より型番が「G-Tune FZシリーズ」へと変更になりました。
マウスコンピューターのゲーミングモデル「G-Tune EP-Aシリーズ」(6700XT)をお借りしたのでレビューします。G-Tune フラグシップモデルの「MASTERPIECE」の流れを組むデスクトップPCです。
爆発的な処理能力を誇るRyzen 7 5800XとRadeon RX6700XTの組み合わせで、従来モデルよりも一回りパワーアップしています。本格的なゲーミングモデルとして使えるだけでなく、クリエイト作業にも抜群の強さを見せます。
各ベンチマークテストの結果や、RAW現像、動画編集など色々試していますので参考にしてください。
目次
【X570シリーズ】G-Tune EP-Aをレビュー
マウスコンピューターが展開するブランドは、一般向けの「mouse」、ゲーミングの「G-Tune」、クリエイター向けの「DAIV」とあります。
ゲーミングモデルは、もともと性能が高めになっているのでクリエティブな作業にもそのまま転用が可能だったりします。今回紹介するG-Tune EP-Aシリーズも例外ではありません。
- 抜群の処理能力!Ryzen 7 5700Xを搭載
- 描画性能に優れたRadeon RX6700XTを搭載
- Gen4×4接続の超爆速SSDが選べる
- ゲームの最新タイトル、RAW現像、4K動画編集までこなせる
G-Tune EP-A-6700XT 性能(スペック)
- OS:Windows 10 Home 64ビット
- CPU:Ryzen 7 5700XT
- GPU:Radeon RX 6700 XT
- メモリ:32GB
- SSD:1TB NVMe SSD
- 電源:800W (80PLUS TITANIUM)
- 重量:約17.7㎏
- サイズ:215(幅)×490(奥行き)×481(高さ) mm
G-Tune EP-Aの性能をチェック
G-Tuneの中でも上位モデルに相当するので、その性能面にはおのずと期待してしまいます。内部には十分なスペースも確保されており冷却面でも心配なし!
Ryzen CPUはintelと比較しても互角以上の性能
最近絶好調のRyzen CPU(Ryzen 7 5800X)を採用しています。これまで苦手と言われていた、ゲームやクリエイト系への親和性がかなり高まっています。
参考までに、一部のCPUと比較した例をご覧ください。PassMarkのデータを参照しています。
CPU | スコア |
Ryzen 7 5800X | 28495 |
Ryzen 5 5600X | 22168 |
Ryzen 7 3700X | 23857 |
Ryzen 9 3900X | 31914 |
Core i7-11700 | 21306 |
Core i9-9900K | 18834 |
レビュー機に搭載されているRyzen 7 5800Xは、Ryzen 9 3900Xに迫るスコアです。ライバルのCore i7-11700と比較しても約34%ほど高いスコアとなっています。
従来モデルだとRyzen 7 3700Xが採用されており、価格も20万円前後でした。最近は半導体の供給不足や運送費の高騰で、PC関連部品も高騰傾向ですが性能を見ればある程度納得できる部分もあります。
このスコアはあくまでも参考レベルで、インテルCPUのほうが良い働きをするケースはもちろんあります。そのままスコアを鵜呑みにしないよう注意しましょう。とは言え、ベンチテストなどを積み重ねてやっと性能差が分かる程度です。
RAW現像チェック
実行速度をチェックするためにRAW現像にかかった時間を計測します。
テストの内容は、無料現像ソフトの「RawTherapee」を使って100枚のRAWデータの一括変換にかかった時間を計測。(設定はJPEG品質は90%、高画質です)
モデル | CPU | 時間 |
G-Tune EP-A | Ryzen 7 5800X | 2分39秒 |
G-Tune EP-A(旧) | Ryzen 7 3700X | 3分12秒 |
自作PC | Ryzen 5 5600X | 2分41秒 |
DAIV A7(カスタム) | Ryzen 9 3900X | 3分03秒 |
raytrek ZF | Core i9-10900K | 2分59秒 |
G-Tune XM-Z | Core i7-10700K | 2分55秒 |
DAIV Z9 | Core i9-9900K | 3分20秒 |
RAW現像では、ついに3分の壁をやぶり2分39秒で処理が完了しました。
従来モデル(Ryzen 7 3700X)から30秒ほど速くなっているだけでなく、ライバルのIntelにも有利な立ち回りを見せています。
これまでRAW現像はIntelのほうが有利な面がありましたが、この結果を見ると敬遠する理由はもう見当たりません。トップクラスの処理能力と言って良いでしょう。大量のRAW現像を行うフォトグラファーにも選んでほしいですね。きっと多くの時間を生んでくれるはずです。
Gen4対応SSDにカスタムで超爆速に!
レビュー機
Gen4
標準搭載されているSSDは2500MB/sの読込速度で、標準的な速度と言えます。パソコンの起動や、アプリのインストールなどサクサク使えます。
G-Tune EP-Aシリーズは、Gen4対応により読込速度は最大で5000MB/sも狙えます。大容量のデータを扱う、ゲーマー、クリエイターにとっては読み書きが速いにこしたことはありません。カスタマイズ費用はかかってしまいますが、こだわり派は狙ってもらいたい気がします。
Radeon RX6700XTの性能をチェック!
GPUはRadeon RX6700XTで、AMDづくしのパーツ構成になっています。個人的には結構好きなのでテストするのが楽しみです。
スコアの目安としては以下のような感じです。
RAW現像 | 動画編集 | ゲーム |
◎ | ◎ | ◎ |
FF15のゲームスコア
モデル(GPU) | 設定 | スコア |
G-Tune EP-A (RX6700XT) | 1920×1080(標準品質) | 15430(非常に快適) |
3840×2160(標準品質) | 5477(やや快適) | |
G -Tune EP-Z (RTX3080) | 1920×1080(標準品質) | 18538(非常に快適) |
3840×2160(標準品質) | 8564(快適) | |
raytrek ZF (RTX3070) | 1920×1080(標準品質) | 16658(非常に快適) |
3840×2160(標準品質) | 6646(快適) | |
XA7R-R36 (RTX3060) | 1920×1080(標準品質) | 11387(とても快適) |
3840×2160(標準品質) | 4249(普通) |
FF15でチェックしたところ、G-Tune EP-Aは4K解像度(標準品質)で「やや快適」という結果になりました。性能的にはRTX3070とRTX3060の間といったところですね。
RAW現像などの静止画に使うにはオーバースペックすぎますが、最新ゲームや動画編集も楽々こなせる性能を備えていると感じました。
動画編集チェック
動画編集能力をテストするために無料ソフトのResolveを使いテストを行いました。
ミラーレスカメラで撮影した4Kデータを使って簡単な動画を作成→レンダリング(FHD)の時間を測定しています。
モデル | 構成 | 処理時間 |
G-Tune EP-A | Ryzen 7 5800X×RX6700XT | 1分25秒 |
GALLERIA XA7R-R36 | Ryzen 7 3700X×RTX3060 | 1分36秒 |
raytrek ZF | Core i9-10900K×RTX3070 | 1分15秒 |
G-Tune XM-Z | Core i7-10700K×RTX3070 | 1分35秒 |
DAIV Z9 | Core i7-10700K×RTX2080S | 1分34秒 |
動画編集の処理能力は高く、Ryzen 7とRX6700XTの組み合わせがしっかりと生きた結果だと思います。
フルHD動画編集は頭打ちなところもあるのですが、4K動画編集でも安心して作業を行うことができました。ちなみに同じデータを4Kで書き出したところ約3分ほどで完了しました。
G-Tune EP-Aのトータルスコア(総合力)
続いては、CPU、GPU、メモリ(RAM)、ストレージのパフォーマンスチェックのために「Novabench」でテストします。
モデル | raytrek ZF | G-Tune EP-A |
総合 | 3968 | 4631 |
CPU | 2108 | 2710 |
GPU | 1250 | 1289 |
RAM | 323 | 369 |
Disk | 287 | 263 |
raytrek ZFは、Core i9-10900K×RTX3070を搭載したドスパラのクリエイター向けPCです。かなり高いスペックに仕上がっているのですが、ベンチテストの結果は全体的にG-Tune EP-Aが高い数値を示しています。
各ベンチテストでも良好な結果となっていますし、G-Tune- EP-Aは良い選択肢になるのではないでしょうか?
G-Tune EP-Aの感想や評価
良いところ
- CPUの処理能力がすごい!
- グラフィック性能も比較的高い!
- 存在感のある筐体がカッコイイ!
- ゲームだけじゃなくクリエイティブ用途でも使える!
やりたいことができないというのは大きなストレスになりますが、よほどのことがない限りG-Tune EP-Aで不満を感じることはないでしょう。処理面では安心して見ていられます。
従来モデルよりも大幅に価格が上がってしまっているのは残念ですが、パフォーマンス面を見ると心理的な負荷は小さく感じます。
ベンチテスト中でも割と静かで、しっかりと熱対策も済んでいる印象をもちました。
ちょっとイマイチなところ
- サイズが大きい(フルタワー)
- 内部へのアクセスがしにくい
性能に信頼がおける代わりといってはあれですが、サイズは大きいです。重量は15kgを超えているので、体力に自信がないと設置は厳しいかもしれません。説明書には2人で開封するように注意書きがありました。
もう1点はサイドからのアクセスが悪いことです。ネジ2本でサイドパネルが外れるようになっているのですが、指を引っ掛けるスペースがありません。ネジを途中まで回して(残して)引っ張って外してやるのがミソです。
サイドパネルが完全に埋まっているタイプなので、スライドで外れたりすると良かったんですけどね。ちょっとパーツを交換したいとか、メンテナンスなんて時に面倒くささを感じてしまいそうな作りですよね。
ガラスサイドパネルに変更することで、ワンタッチで着脱可能になりますので変更するのがおすすめ!
G-Tune X570シリーズをおすすめしたい人
- そこそこ高い処理能力が必要な人
- 快適サクサクなパソコンが欲しい人
- AMDが好きな人
- 20万円前後の予算で考えている人
- 長く使えるモデルが欲しい人
マウスコンピューターの「G-Tune EP-A」を紹介しました。
高いパフォーマンスであらゆる作業に快適性をもたらしてくれるゲーミングパソコンです。グラフィック性能がトップクラス!というほどではありませんが、写真も動画編集もこなせる利便性の高いパソコンに仕上がっています。
マウスコンピューターのデスクトップの中でも存在感が際立っている気がします。さすが上位モデルといったところでしょうか。