マウスコンピューターより「DAIV 5D」をレビューします。(製品貸出元:株式会社マウスコンピューター)
デスクトップ用Ryzen CPUにGTX1660Tiを搭載!従来モデルよりもパフォーマンスが大幅に向上!Ryzen 5搭載モデルなら税別10万円台から購入可能という相変わらずコスパやばいモデルになっています。(褒め言葉)
「デスクトップパソコンから置き換える」ことを目指してデザインされた異色のノートパソコンといった印象です。実機をメーカーさんよりお借りしましたので詳しくレビューしたいと思います。
目次
DAIV 5D(R5/R7)の特徴とスペック
マウスコンピューターが展開するクリエイターモデルの「DAIV」から登場した新モデルです。
デスクトップ向けのCPUをノートパソコンに採用しパフォーマンスを向上!RAW現像や動画編集などのクリエイトワークにおいて、デスクトップ並みの処理を可能にしています。さらに色再現に優れたパネルを採用し、忠実な編集作業を後押ししてくれるモデルです。
DAIV 5D-R7はCPUにRyzen 7を採用した上位モデルになります。メモリ容量も多く、どちらかと言うとこちらがスタンダードな機種というイメージです。どっちにしようか迷ったらコチラがおすすめですね。
もう一方のDAIV 5D-R5はRyzen 5を採用しており、税別109,800円からとお得に購入が可能です。予算を抑えたい人や、ライトユーザーにおすすめのモデルと言えます。
最近のDAIVは1モデル展開になってきていますが、DAIV5Dには2モデルを用意したあたりにメーカーさんの期待が伝わってくるようです。この後で「DAIV 5D-R5」「DAIV 5D-R7」どっちがおすすめか?についても解説しますので読み進めてもらえると幸いです。
ざっくりとDAIV 5D(2020)の特徴をまとめるとこんな感じです。
- デスクトップRyzen CPUを搭載!
- GTX1660Ti採用でフルHD環境が快適に!
- NTSC比 約72%(sRGB比換算 約102%相当)液晶搭載!
従来モデルではGPUがGeForce MX250だったので、動画編集時やゲームで不満を感じることもありました。その辺をしっかりと解消してきているのは好印象ですね。
実はこれまでのDAIVのラインナップではGTX1660TiあたりのミドルクラスGPUが採用されてこなかったので、ある意味待望のモデルとも言えます。僕は割と待ち望んでいた勢ですね。
またキーボード配列も自然な感じになるなど、従来の課題をしっかりと解消してきており、満足度の高いモデルになっていることは間違いありません!
DAIV 5Dの性能(スペック)
写真 | 動画編集 | ゲーム |
◎ | ◎ | ◯ |
DAIV 5Dはほとんどのユーザにとって十分な性能をもっており、写真編集や動画編集、ゲームなど多目的に使えるノートパソコンだと思います。
ただし高解像データになってくると苦しくなるスペックなので、よりパフォーマンスを求める人にはDAIV 5Nをおすすめします。(しかも1,77kgと軽いです)
それではDAIV 5D(R5/R7)それぞれのちがいについて見ていきます。
DAIV 5D R5/R7のスペック比較
モデル | DAIV 5D-R5 | DAIV 5D-R7 |
CPU | Ryzen 5 3500 | Ryzen 7 3700X |
GPU | GeForce GTX 1660Ti | |
メモリ | 8GB | 16GB |
SSD | 512GB NVMe SSD | |
液晶 | 15.6型 フルHDノングレア | |
サイズ | 361×258×33 | |
重量 | 約 2.62kg | 約 2.63kg |
価格 | 109,800円 | 139,800円 |
リンク | >公式サイトへ | >公式サイトへ |
外観デザインや重量、パネルなどの主要部にほぼ差はありません。ちがいはCPUとメモリ、それから価格と考えて良いでしょう。
しっかりとクリエイト作業で使いたいなら、DAIV 5D-R7のほうがコスパが良いかなと思います。下位モデルをカスタマイズするくらいなら、最初から上位モデルを選んだほうが良いと思います。
Ryzen 5 3500と8GBメモリはクリエイト目的ならやや物足りないですが、一般的な作業や、カジュアルにゲームを楽しみたいという人ならDAIV 5D-R5で必要十分かもしれないなという印象。
DAIV 5D(R5/R7)を紹介
DAIV 5D(R5/R7)の外観デザインをチェック
DAIV 5D(2020)は黒を基調にしたデザインです。ちょっと指紋や手の油などが付きやすいかもしれません。
サイズは361×258×33mmで、重量が約2.63kgです。ひと昔前のパソコンのサイズ・・もしくは17型クラスを相手しているようなイメージです。高性能化したのは嬉しいですが、こっちも大きくなってしまったか・・という印象。
DAIVのむこうに「Ryzen入ってる」シールが貼ってあります(笑)
電源端子は裏側に設置してあります。個人的にはサイドにあるよに裏側にあるほうが嬉しいタイプ。Type-CやHDMIも確認できますね。
左右に大き目の吸排気口があります。割とガッツリと空気を取り込んでいる印象はありますが、高負荷時は音もそれなりにします。ゲームプレイ中でも少しは気になるレベルかもしれません。
重量とバッテリー持ちが弱点か?
ACアダプターは約600gあります。本体と合わせて約3.2kgを持ち歩くのは骨が折れます。
公式サイトの仕様を確認したところ、バッテリー駆動時間は約1,5時間とありモバイル環境下においてACアダプター無しでの動作は現実的ではありません。
潜在的にモバイル用途があるノートパソコンでこの仕様にしたのは謎です。はっきりいって弱点以外のなにものでもありません・・・
バッテリーは自分で取り付けるタイプです。ネジを2本つけるなので難しくありませんが、ひと手間かかるこの仕様は個人的にあまり好きじゃないんですよね・・・1回つけたら終わりなんですけど(笑)
実際に電源を抜いて10分ほどゲームベンチを動かしただけで20%消費していました・・・ノートパソコンとしては致命的ですが、デスクトップのように据置で使うこと前提なら問題ないでしょう。DAIV 5DはそういうPCです。
キーボード
従来モデルはキーボードの配列に違和感がありましたが、現行モデルになってスッキリしました。これならストレスなくタイピングができそうです。まだテンキー周りがちょっとアレですが、課題をしっかりとクリアしてきたあたりは好感がもてます。
過去に登場したモデルでは「バックライトがブルーに光るのが良い」という声が多数あったそうですよ。
インターフェース
インターフェースはHDMI、Mini DisplayPort、Typ-C、USB2.0、USB3.1、micro SDカードリーダー(UHS-1)、ヘッドフォン・マイクなどです。高速なWi-Fi 6にも対応しています。
横から見てもわかるように分厚いです。片手でヒョイと持ち上げると手を滑らしそうな重さ・・両手でしっかり扱ってください。
ディスプレイ
15.6型のモニターはNTSC比 約72%(参考値 sRGB比換算 約102%に相当)の広色域に対応。一眼レフやミラーレスカメラの撮影データを豊かな色合いで楽しめます。
メーカーによるとsRGB比の色域に対応したデータは、広い諧調に対応した液晶パネルにする事で色潰れなどを起こしにくく、正確な色表現を行う事が可能となり、より色域豊かで優れた作品を仕上げる事が出来ますとのこと。
従来モデルはNTCS比94%、リフレッシュレートは120Hzにも対応していたのでスペックダウンしているのがやや残念ポイントですね。
DAIV 5D(R5/R7)の性能面をチェック
※実機がさわれていないのでスコアや処理時間は別モデルのものを掲載しています。実機もテストする予定ですので届き次第レビューしたいと思います。
Ryzen 5 3500とRyzen 7 3700Xを比較
参考までに他モデルと比較した例をご覧ください。(PASSMARKの公開スコアを掲載)
モデル | CPU | スコア |
DAIV 5D-R5 | Ryzen 5 3500 | 12780 |
DAIV 5D-R7 | Ryzen 7 3700X | 22760 |
DAIV 5N | Core i7-10875H | 15814 |
Ryzen 5 3500はいわゆるエントリーモデルになりますが、ライバルで同じ6コア6スレッドのCore i5-9400より約32%ほど高いスコアを見せています。
また第10世代Core i7-10875HよりもRyzen 7 3700Xのほうがより高いスコアを示しています。
ノートに搭載されていることを考えると実際の処理能力はやや制限がかかりそうではありますが、それでも高いパフォーマンスを維持していることには変わりありません。
どちらのモデルを選んでもコスパは良いですが、長く使いたい人や、快適性を求める人にはRyzen 7搭載のDAIV 5D-R7がおすすめという感じですね。
RAW現像の処理時間を計測
なかなか期待できそうだというのはわかりましたが、実行速度はどの程度なのか?RAW現像にかかった時間を計測します。
無料ソフトのRawTherapeeで100枚のRAW現像にかかった時間を計測しました。
モデル | CPU | 時間 |
DAIV 5D-R7 | Ryzen 7 3700X | 3分18秒 |
DAIV 5N(2020) | Core i7-10875H | 3分23秒 |
G-Tune PL-B | Core i5-9400 | 4分02秒 |
DAIV 5D-R5 | Ryzen 5 3500 | 4分27秒 |
DAIV 5D-R7に採用されているRyzen 7 3700Xだと、なんと3分少々で処理が完了します。価格帯以上の性能を備えていると考えて間違いなさそうですね。
Ryzen 5 3500を搭載した別モデル(G-Tune PM-A)の処理時間になりますが、Intel CPUのCore i5-9400に惜敗。とは言え体感ではわからない程度の差だと思います。
気軽にRAW現像を試してみたいという人なら下位モデルでも十分と感じるかもしれません。
GPU:GeForce GTX1660Tiの性能
DAIV 5D(2020年モデル)に搭載されているのはGeForce GTX1660Tiです。ここは従来モデルのMX250から大きくジャンプアップしています。
個人的にはミドルクラスが搭載されることを切望していたので密かに喜んでいたりします。
FF15のスコアを比較
重量級タイトルのFF15でゲーミング性能をチェックします。
モデル | 設定 | 結果 |
DAIV 5N(2020) | 3840×2160(標準設定) | 3301(普通) |
1920×1080(標準設定) | 9013(とても快適) | |
DAIV 5D(2020) | 3840×2160(標準設定) | 2900(やや重い) |
1920×1080(標準設定) | 8000(快適) | |
DAIV 5D(従来モデル) | 3840×2160(標準設定) | 動作困難 |
1280×720(軽量品質) | 8173(快適) |
GTX1660TiになったことでフルHDクラスのデータなら快適に扱えるようになりました。標準設定なら支障なく遊べるレベルです。
従来モデルに搭載されていたMX250は補助的なGPUに過ぎず、ゲームや動画編集時にはやや物足りない部分もあったんですよね。
高解像データでより快適性を求めるならRTX2060を搭載したDAIV 5Nのようなモデルを検討するべきです。
DAIV 5D(2020)の動画編集性能は?
動画編集は無料ソフトのResolve使って、ミラーレスカメラで撮影した4KデータをフルHDへレンダリングする時間を測定しています。
モデル | パーツ構成 | 時間 |
G-Tune PM-A | Ryzen 5 3500×GTX1650S | 3分24秒 |
G-Tune PL-B | Core i5-9400×GTX1660Ti | 4分02秒 |
DAIV 5D-R7 | Ryzen 7 3700X×GTX1660Ti | 1分40秒 |
DAIV 5D-R7の処理時間が異次元すぎてビックリしますね。わずか1分40秒で処理が完了しました。
デスクトップパソコンに負けないというのは嘘でも偽りでもありません。頻繁に動画を書き出す人にはRyzen 7 3700X搭載の上位モデルをおすすめします。
Ryzen 5 3500を搭載したデスクトップ「G-Tune PM-A」の結果も割と良く、3分半ばでレンダリングが完了。
どちらのモデルも4K解像度はやや厳しい印象がありますが、フルHDの動画編集ならもたつきやストレスもなく作業に集中できると思います。
SSD(Cドライブ)の性能
CドライブのSSDは、読込速度が2000MB/sを超えています。トップクラスという訳ではありませんが、十分サクサク感を得られる速度です。パソコンの起動もアプリのインストールも快適でした。
DAIV 5D(2020)のトータルスコア(総合力)
続いては、CPU、GPU、メモリ(RAM)、ストレージのパフォーマンスチェックのために「Novabench」でテストします。
モデル | DAIV 5N(2020) | DAIV 5D-R7 |
総合 | 3249 | 3465 |
CPU | 1734 | 1957 |
GPU | 1057 | 1035 |
RAM | 265 | 280 |
Disk | 193 | 193 |
価格 | 179,800 | 139,800 |
DAIVのラインナップの中では、上位モデルに位置するDAIV 5Nに迫る・・・というか総合では追い抜いちゃうほどの性能です。
価格差が4万円あるにも関わらず、これだけ近いパフォーマンスを見せるのは良い意味で悩ましいです。
持ち運ぶことまで含めて考えるとDAIV 5Nに軍配が上がると思いますが、家でほぼ据え置きで使うというような人にはDAIV 5D-R7がコスパ良さそうな印象です。
DAIV 5D(R5/R7)のデメリットは?
- 重い(約2.63kg)
- バッテリーがもたない(約1.5時間)
もはや致命的な弱点と言ってよいくらい重くてバッテリーが持たないです。
実際に使ってみると印象が変わってくるかもしれませんが、公式サイトに公表されているデータ通りだとすると「ノートパソコンとしては使えないな」という印象です。
デスクトップを置く場所はないけど、処理性能には妥協したくない!そんな人が選ぶモデルなんだと思います。
DAIV 5D(R5/R7)をおすすめしたい人
- デスクトップ並みの性能を求める人
- フルHD環境で快適なグラフィック性能が欲しい人
- コスパに優れたノートPCが欲しい人
- ゲームをカジュアルに楽しみたい人
- 持ち運びしない人
DAIV 5D(2020年モデル)をレビューしてきました。
デスクトップ用のRyzen CPUを搭載し処理能力が高く、GPU性能が従来よりも大きく向上したのがグッドポイント!用途に合わせて選べる2モデル展開もユーザーにとっては嬉しいでしょう。
個人的にはRyzen 7 3700Xを搭載したDAIV 5D-R7がおすすめですね。
ただし重さやバッテリー容量など、ノートパソコンらしさは皆無。スタジオ移動なんかで使うなら便利そうですが、外に持ち出して使うとかなら「DAIV 5N」や「DAIV 4N」をおすすめします。
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