ASUS「ROG Zephyrus G14」を購入しましたのでレビューします。
14型(約1.65kg)にデスクトップを超える性能を凝縮! 約10時間のバッテリー駆動時間とType-Cでの給電もサポートするなど、モバイル環境下でのクリエイトワークにも最適なパソコンとなっています。しかも最安モデルなら12万円台と良心的な価格もうれしい。
故障したデスクトップPC用のグラボ(RX5700)が返却されてくる気配もないので必要にかられて購入しました。でも・・もうこれ1台でいい・・・そっとデスクトップの亡骸をタンスの奥底に片づけたことをご報告させていただきます。(笑)
それではレビューのほうをどうぞ!
目次
ROG Zephyrus G14の特徴
ASUSが販売するゲーミングブランドから登場したのがROG Zephyrus G14です。その筋では圧倒的な人気を誇っているブランドでもあります。
世界で初搭載となる8コア16スレッドのRyzen 9 4700HSを搭載しており、高負荷な作業も快適に処理します。そのパワーはミドルクラスのデスクトップパソコンを凌駕するほどでもあり「14型最強」という名誉を欲しいままにしています。
GPUは用途に合わせて選択できるようになっており、ライトユーザーからハードゲーマーまで満足できるラインナップです。CPUや画面解像度のちがいも選べる9モデルがラインナップされているので、お気に入りを見つけてもらえるとよいかと思います。
さらに動画を見てもらえばわかるのですが天面にLEDがしこんであり、電飾も管理ソフトで思うがまま。最高にドヤ顔をキメてくるモバイルノートPCだったりもします(笑)
ROG Zephyrus G14の特徴をまとめるとこんな感じです。
- 世界初!7nmプロセスCPU(8コア16スレッド)搭載
- リアルな映像体験が可能なRTX2060Max-Qを搭載!
- 1,65kgとモバイル可能!かつPD対応でバッテリー切れの心配なし
ざっとまとめると「軽くて強くてタフ」な製品です。ゲームをしない人なら、GPUにGTX1650を採用したモデルを選択すれば費用を抑えることができます。それでもFHD動画編集ができるくらいには強いので、旅先やホテルで作業したい人にもうってつけです。
ROG Zephyrus G14の性能(スペック)
CPU:Ryzen 9 4900HS
グラフィックス:GeForce RTX2060 Mav-Q
メモリ:16GB
ストレージ:512GB NVMe SSD
液晶:14型 FHD 120Hz
サイズ:324×222×17.9~18.9mm
重量:約1.7g
写真 | 4K動画編集 | ゲーム |
◎ | 〇 | ◯ |
僕が購入したのはフルHD液晶搭載モデルで、天面にLEDが仕込まれていないタイプです。
本当はWQHDモデルにしてサブモニターすら必要ない環境を作りたかったのですが、人気がありすぎるのかネットではどこにも売ってなかったです(涙)LED搭載モデルは見つかったのですが、5万円くらい高くなっちゃいます(それにたぶん使わないです)からね。
まぁフルHDでも作業できますしリフレッシュレートも120Hzと高い(WQHDモデルは60Hz)ので、ゲームは快適に遊べるかな~なんて思ってます。ないものは買えないし、解像度はモニター足して補います。
ということで製品到着!どどんっ(効果音)
モノクロのコントラストが美しい化粧箱です。早く会いたかったよ・・
付属品は取説、ACアダプターなどシンプルな感じで、おまけのステッカーとかはついてないです。ACアダプターのロゴがカッコいい・・これなら重くても持ち歩く!
ROG Zephyrus G14をレビュー
ROG Zephyrus G14の外観デザインをチェック
ROG Zephyrus G14のカラーは「エクリプスグレー」「ムーンライトホワイト」の2色展開です。早い話が白か黒か選べます。
僕はホワイトが好きなので、最初は白のモデルを購入するつもりでした。でも実機を見に行って、悩みに悩んだあげくにエクリプスグレーに決めました。決め手はキーボードが黒くてカッコよく見えたことです。
個人的な感想ですが「黒は自分で見て楽しい」「白は人に見せて楽しい」モデルかな~なんて思いました。
写真には写るかもですが肉眼で見ている限りは指紋や汚れは全く気になりません。大きくロゴなんかも入っていないので、パッと見でゲーミングモデルと思う人はいないでしょう。ビジネスでも使いやすいと思います。
モバイル可能な軽さが素敵!
ROG Zephyrus G14の重量は1,65kg(LEDモデルは1.7kg)と14型にしては重たいです。それでもゲーミングモデルとしては軽いですし、これだけの性能とトレードオフなら許容範囲だと思います。
サイズはMacBookPro 13インチよりわずかに大きいくらいです。厚みはそれほどないですし14型とコンパクトなので、割とすっぽりカバンに収まってくれます。
ACアダプターもちょっと控えめなサイズです。実際に量ってみると約530gでした。本体とACアダプターを合わせると約2.2kgになります。本体とACアダプターを2つ合わせて、15型のノートパソコンくらいの重量ですね。
バッテリーもちは良いので、ちょっとした作業だとACアダプターは不要です。カフェで2時間くらい作業して20%くらいしか減っていませんでした。
本体左側がType-C給電に対応しているので、対応機器(充電器やモバイルバッテリー)を使えばさらに軽量化ができそうです。
キーボード
キーボードの配列にはクセがなく、非常にタイピングしやすいです。キーが若干小さいかな?と思うこともありますが、実用では問題ありません。タイプ時のたわみもありませんし、タイプ音もほぼしない静かな設計が嬉しかったですね。
モニターを開けるとリフトアップして本体が浮き上がります。傾斜がついてタイピングがしやすくなりますし、デスクとの隙間ができて冷却性もアップします。
インターフェース
インターフェースは必要最低限という感じですが、個人的にはType-C(Gen2)が2つあるのが嬉しかったです。写真が好きな人間として欲を言えばSDカードリーダーも欲しかったですね。
ディスプレイ
14型のディスプレイ画面占有率は約85%で、色域はsRGBをカバーする程度です。Webコンテンツ作成などには問題ありませんが、本格的な編集作業をするなら「カラーマネジメントディスプレイ」を使うのもおすすめです。
実際に使ってみたところ発色が不自然だったりということはありません。むしろ文字もはっきり読めますし、視野角も広いIPSパネルなので不満は感じませんでした。
BenQの32型4KモニターのEW3280Uと接続して使ってみました。USB Type-C(60W)給電可能なモニターなのでケーブル1本で映像出力と給電ができます。
この状態でブログを書いていてもバッテリーが減ることはありませんでしたが、ゲームなど高負荷な作業をするならACアダプターで接続するほうが良いです。(PD給電だとパフォーマンスが落ちます)
ROG Zephyrus G14の性能面をチェック
Ryzen 9 4900HSの性能!デスクトップCPUとも比較
世界初搭載となる8コア/16スレッドのRyzen 9 4900HSを採用しており、デスクトップCPUにも負けないパフォーマンスを発揮します。
参考までに他モデルと比較した例をご覧ください。(PASSMARKの公開スコアを掲載)
モデル | CPU | スコア |
ROG Zephyrus G14 | Ryzen 9 4900HS | 19752 |
Ryzen 7 4800HS | 18833 | |
DAIV 5N(最新モデル) | Core i7-10875H | 15814 |
DAIV 5N(従来モデル) | Core i7-9750H | 11439 |
DAIV Z7 | Core i7-9700 | 13752 |
AMDのRyzen 4000シリーズの強さがわかってもらえるかと思います。インテルの第10世代Core i7-10875Hを搭載したDAIV 5N(2020)に感動したばかりですが、あっさりとスコアを上回ってしまいました。
デスクトップCPUのCore i7-9700より約43%も高いスコアを叩き出しているのには驚くしかありません。
RAW現像の処理時間を計測
実行速度はどの程度なのか?RAW現像にかかった時間を計測します。
無料ソフトのRawTherapeeで100枚のRAW現像にかかった時間を計測しました。
モデル | CPU | 時間 |
ROG Zephyrus G14 | Ryzen 9 4900HS | 3分30秒 |
DAIV 5N(2020) | Core i7-10875H | 3分23秒 |
DAIV 5N(2019) | Core i7-9750H | 3分55秒 |
DAIV Z7 | Core i7-9700K | 3分15秒 |
スコアでは大幅に上回るCore i7-10875Hに惜敗しています。もともとインテルCPUのほうがRAW現像に関しては得意なイメージがありますが、Ryzen 9 4900HSは完全に性能を引き出せていないのかもしれません。もしかするとサーマルスロットリング(熱による性能低下)が起きていたのかもしれません。
とは言え、14型のノートパソコンであることを忘れてはいけません。十分に高速な処理を実現しています。
GPU:GeForce RTX2060 Max-Qの性能
ROG Zephyrus G14に搭載されているのはGeForce RTX2060 Max-Qです。14型にこれほど強力なGPUが搭載される日がくるなんて夢のようです。Max-Qは通常のグラボよりも小さく薄型なので製品を小さくできるメリットがありますが、パフォーマンスは若干落ちるのが気になるところです。
FF15のスコアを比較
重量級タイトルのFF15でゲーミング性能をチェックします。
モデル | 設定 | 結果 |
DAIV 5N(2020) | 3840×2160(標準設定) | 3301(普通) |
1920×1080(標準設定) | 9013(とても快適) | |
ROG Zephyrus G14 | 3840×2160(標準設定) | 3006(普通) |
1920×1080(標準設定) | 8088(快適) |
RTX2060無印を搭載したDAIV 5Nよりも10%スコアを下げる形になりました。4K解像度でも普通という結果が出るのは驚きですね。何度でも言うけど14型のノートPCですよ?
フルHD環境で高設定にしてほとんどのタイトルで快適(60fps)に遊べる程度といった感じでしょうか。重量級タイトルなら中設定あたりに調整する必要が出てくるかもしれませんが遊べないことはないでしょう。
この結果から見ると、RTX2060Max-Qで2560×1440は厳しそうな印象を受けます。ゲーム目的で購入するならWQHDモデルよりもFHDモデルを選んだほうが幸せになれそうな気がします。
ACアダプター未使用時は性能が低下
ACアダプターを使わない場合はパフォーマンスが低下するのも要注意です。画面が見づらくて申し訳ないのですが、MHWで「Type-Cだと20~35fps程度」「ACで45~60fps」程度になりました。
軽いゲームなら大丈夫でしょうが、基本的にゲームにはACアダプターが必須だと思って間違いないと思います。モバイル時には注意してください。
ROG Zephyrus G14で動画編集を試す
動画編集は無料ソフトのResolve使って、ミラーレスカメラで撮影した4KデータをフルHDへレンダリングする時間を測定しています。
5分程度の動画を書き出すのに2分で処理が終わってしまいました。これはミドルハイクラスのデスクトップパソコンと同水準です。
モデル | パーツ構成 | 時間 |
ROG Zephyrus G14 | Ryzen 9 4900HS×RTX2060Max-Q | 約2分 |
DAIV 5N | Core i7-10875H×RTX2060 | 約2分 |
DAIV Z7 | Core i7-9700K×RTX2060S | 約2分 |
編集作業中にもたつきやストレスを感じるようなシーンはほとんどありませんが、編集を長くやっているとたまに引っ掛かりを感じるシーンはありました。あまり気にならないレベルですので、動画編集能力も高いと思います。
デスクトップ並みの処理能力が14型にと思うとワクワクしてきますよね(笑)もちろん冷却性やカスタマイズ性の点で劣るとはいえ、持ち歩けるというメリットは補って余りあると思います。
SSD(Cドライブ)の性能
CドライブのSSDは読込速度が1800MB/s程度でした。超高速という訳でもありませんがサクサク感は得られます。パソコンの起動も速いしノンストレスです。
ROG Zephyrus G14のトータルスコア(総合力)
続いては、CPU、GPU、メモリ(RAM)、ストレージのパフォーマンスチェックのために「Novabench」でテストします。
モデル | DAIV 5N(2020) | ROG Zephyrus G14 |
総合 | 3249 | 3449 |
CPU | 1734 | 2135 |
GPU | 1057 | 889 |
RAM | 265 | 273 |
Disk | 193 | 152 |
ROG Zephyrus G14と同クラスのDAIV 5Nを比較しました。
RAW現像やゲーミング性能ではDAIV 5Nが良好な結果を出しましたが、総合的にはROG Zephyrus G14が勝っています。やはりCPUのスコア差が効いている感じがします。
パフォーマンスに少しでもこだわるならDAIV 5N(2020)、軽量でバッテリー回りの柔軟さも兼ねそろえたバランス感覚を重視するならROG Zephyrus G14がおすすめですね。
ROG Zephyrus G14のデメリットは?
- 熱を持ちやすい
- インターフェースが少ない
パフォーマンスの期待値(潜在能力)が高いROG Zephyrus G14ですが、熱や音の問題は避けられません。
触れないほどではないものの高負荷時に本体はかなり熱くなりますし、ファンの音もそれなりにします。計測アプリを使ったところ90dbに達することもありオートバイ並みの騒音になることもあります。
「ぶおおぉぉーーん」ではなく「しゃあぁぁぁーー」という音なので、耳障りに感じるほどではありませんでした。ゲームの妨げになる・・ということもありません。(個人の感想です)
あまり気になるようだったら管理アプリでパフォーマンスも簡単に調整できます。電源ボタン横に設置されたボタン1つでアプリを立ち上げられるので、カフェなどで素早く切り替えられるのはうれしいです。
液晶チラつき問題が発生中
ASUS g14 モニターのチラつき。
動画開始直後、12秒、25秒あたりがわかりやすいです。
まだ購入から3日…もちろん今朝も元気に発動してました😭 pic.twitter.com/m4TsxaxDgY— はるか(悲運の星もち)@はるふれ (@harucamera3) August 5, 2020
なんと液晶が一瞬チラつくという現象が起きてしまいました。スリープ回復後5分程度で起こりやすく原因は不明です。
ASUSサポートに連絡したところBIOSリセットを案内されました。それでもダメならWindowsを初期化してくれとのこと。それでもダメならハード的な不具合の可能性が高いそうです。
両方試したところ改善しないので、これはASUSサポートに直送する形になるかもしれません。毎日パソコンを使っているので、なくなると困ってしまいます・・・
販売店とも相談して今後の流れがわかり次第報告したいと思います。
ROG Zephyrus G14をおすすめしたい人
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- モバイル環境で戦いたいクリエイター
- 最高クラスの処理能力が欲しい人
- 高性能×軽い×長時間駆動を求める人
- ゲーミング性能をそこそこ求める人
- 最高にドやれるパソコンが欲しい人
ROG Zephyrus G14を紹介してきました。
Ryzen 9 4900HS×RTX2060MQを14型に詰め込み、モバイル環境下でのゲーム、写真編集、動画編集にも使える強強なモバイルノートパソコンでした。
実行速度で潜在能力ほどの高スコアを叩き出せないという弱点はあるものの、トップクラスの性能であることは間違いありません。それにルックスやバッテリー周りの使いやすさで十二分にカバーしているとさえ感じます。
実際に僕のデスクからデスクトップを取っ払うまでのパフォーマンスを見せ、満足度も非常に高いです。あまりに気に入りすぎてムーンライトホワイトモデルを追加購入しようかと考えるほど・・・(やばい思考)
処理能力×駆動時間×軽さを高い次元で兼ねそろえたパソコンって他にありませんし、Ryzen CPU搭載のノートパソコンが気になっている人は検討の余地ありかと!
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