マウスコンピューターの「G-Tune P5」をお借りしたのでレビューします。(製品貸出元:株式会社マウスコンピューター)
Core i5-12500H×GeForce GTX1650搭載のエントリー向けのゲーミングパソコンになります。15.6型フルHDモニターは発色もよく、32GBメモリでマルチタスクに強いのも魅力です。大量のRAW現像やイラスト作業にもおすすめのモデルとなっています。ただしお値段は約20万円とお高めです…
ベンチマークソフトを使ってのパフォーマンスチェックや、使い心地などをレビューしていきますので参考にしてもらえると嬉しいです。
目次
G-Tune P5シリーズとは?
マウスコンピューターが展開するブランドは、一般向けの「mouse」、ゲーミングの「G-Tune」、クリエイター向けの「DAIV」とあります。
G-Tuneブランドはゲーミングブランドですので、基本的には高スペックなマシンが前提になっています。特に描画性能に優れているので、ゲームはもちろん動画編集などのクリエイト作業にもおすすめのブランドになっています。
G-Tune P5シリーズの特徴をまとめるとこんな感じです。
- CPUにCore i5-12500Hを採用
- GTX1650搭載で描画性に優れる
- 15.6型フルHDディスプレイを搭載
- 写真編集、動画編集もOKなパフォーマンス
- 税込¥199,800円~と強気のお値段…
YouTube動画レビュー
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G-Tune P5 外観チェック
貸出機のスペックを確認していきましょう。今回はクリエイティブ用途への適応力も見たかったので、メモリを標準構成8GB→16GBへと変更しています。
- OS:Windows 11 Home 64ビット
- CPU:Core i5-12500H
- GPU:GeForce GTX 1650
- メモリ:32GB
- SSD:512GB
- 液晶:15.6型フルHD
- 重量:約2.04㎏
- 動作時間:約7.5時間
15.6型フルHD液晶で約2.04kgのボディは、ゲーミングPCとしては一般的です。Core i5×GTX1650の組み合わせも珍しくはありませんが、メモリは大容量の32GBあって処理は快適です。リチウムポリマーバッテリー採用で、旧モデルよりも1時間ほど駆動時間がのびました。
サイズは359.5×238×23.2mmで最近のモデルにしてはやや分厚い印象ですが手に持って違和感を感じるほどではありません。モニターはベゼルレスなので枠に意識がもっていかれず、画面に集中できるのはありがたいですね。ゲーミングゲーミングしていないシンプルデザインも良きです。
裏側には肉抜きがしっかりとされており、内部には存在感のあるヒートパイプが確認できます。冷却性に期待ができそう。
本体は光の具合でブラックに見えたり、ブラウンに見えたりするカラーリングです。表情を変えるという意味では時間の移り変わりを楽しめますし、ちょっとした高級感も演出してくれます。相棒として使う感じならこうしたパソコンのほうが愛着がわきます。
120WのACアダプターは、iPhoneの倍くらいの厚みです。これくらいなら持ち運ぼうという気持ちにはなります。
実重量は467gです。(旧モデルのACアダプターで計測した数字)
キーボード
G-Tune P5のキーボードは、ゴムのような素材でできています。そのためやわらかくて静かなタイピングが可能になっています。もちろんバックライト付きなので、暗いシーンでも問題ありません。
15.6型フルHD液晶(ノングレア)を搭載
ベゼルレスデザインを採用したことで、画面への没入感がアップしています。
ディスプレイの品質に関してはいたって普通という印象。残念ながら高リフレッシュレートとか、広色域とかはうたっていません。その分、コストで還元している形ですね。だからといって見え方が不自然とか、辺な色になっているとかはありません。自然な発色で好感が持てます。
G-Tune P5のインターフェース
G-Tune P5のインターフェースは、UHS-I対応のカードリーダー、HDMI、Mini DisplayPort、USBポートが搭載。USB3.1はType-Cになっていますが、残念ながらThunderboltには未対応。
無線はWi-Fi6にも対応しているので、対応機器を所有している人なら高速インターネットが楽しめます。ゲーマーにとってはネット環境(ラグ)だけでは負けたくないはずなので結構大きなポイントになりそうです。
G-Tune P5ベンチマークテスト
CPU:Core i5-12500Hの性能チェック
搭載されているCore i5-12500Hは、エントリー向けのノートパソコンとしては高性能なCPUになっています。
参考までに他モデルと比較した例をご覧ください。(PASSMARKの公開スコアを掲載)
モデル | CPU | スコア |
G-Tune P5(新) | Core i5-12500H | 21754 |
G-Tune P5(旧) | Core i5-11400H | 15843 |
Razer Blade 15 | Core i7-10750H | 12728 |
DAIV 5N | Core i7-10870H | 15544 |
G-Tune P5(旧) | Core i7-9750H | 11439 |
Core i5-12500Hは、Core i7-11400Hと比較しても約37%も高いスコアです。
従来のCore i7を凌駕するほどのスコアですので、RAW現像、動画編集、ゲームといった高付加作業でも期待がもてます。数年前のちょっとしたデスクトップパソコンよりも処理能力は上だと思います。
RAW現像の処理時間を計測
実行速度をテストするためにRAW現像にかかった時間を計測します。無料ソフトのRawTherapeeで100枚のRAW現像にかかった時間を計測しました。
モデル | CPU | 時間 |
G-Tune P5(新) | Core i5-12500H | 2分40秒 |
G-Tune P5(旧) | Core i5-11400H | 3分10秒 |
mouse K7 | Core i7-10750H | 3分32秒 |
G-Tune H5 | Core i7-10875H | 3分23秒 |
DAIV X7 | Core i9-10900X | 3分00秒 |
G-Tune P5はストレスなく作業に没頭できる水準というだけでなく、処理時間の短縮化にも貢献してくれるでしょう。趣味で現像作業を楽しんでいる人なら間違いなく満足できると思います。従来のデスクトップPCと比較しても遜色ないレベルまできています。
ストレージ転送速度も高速化
ストレージはNVMe SSDが採用されており、読み込み速度はこの規格としては上限に近いスコアをマーク。従来モデルはSATAタイプで550MB/s程度しか速度が出なかったことを思うと、実に5~6倍は速くなったということです。
GPU:GeForce GTX1650のゲーミング性能チェック
G-Tune P5にはGeForce GTX1650が搭載されています。フルHDゲーミングでの動作を目的としたエントリークラスで、多くのタイトルは遊べると思います。ただし最新の重量級タイトルは厳しいでしょう。
写真 | 動画編集 | ゲーム |
◎ | 〇 | 〇 |
FF15のベンチスコアを比較
重量級タイトルのFF15でゲーミング性能をチェックします。
モデル | 設定 | 結果 |
G-Tune P5 (GTX1650) | 1920×1080(標準設定) | 5378(やや快適) |
Razer Blade 15 (GTX1660Ti) | 1920×1080(標準設定) | 7690(快適) |
DAIV 5P (GTX1650Ti) | 1920×1080(標準設定) | 3773(普通) |
Tuf Dash F15 (RTX3050Ti) | 1920×1080(標準設定) | 7558(快適) |
FF15のベンチ結果は、フルHDでやや快適という結果を得られました。画質やフレームレートを気にしないのであれば十分なゲーミング性能だと思います。設定次第で様々なタイトルを動かせるはずです。
ちなみにライトゲーマーから支持を集めていた、GeForce GTX1050Tiだとスコアは3800程で「普通」という結果です。FF15に限って言えば、約40%ほど従来品よりも高性能だということができます。
動画編集性能もチェック
無料ソフトのResolve使って動画編集をテストします。ミラーレスカメラで撮影した5分程度の動画を書きだす時間を計測。
モデル | パーツ構成 | 時間 |
G-Tune P5(新) | Core i5-12500H×GTX1650 | 1分45秒 |
G-Tune P5(旧) | Core i5-11400H×GTX1650 | 2分33秒 |
Razer Blade 15 | Core i7-10750H×GTX1660Ti | 3分21秒 |
DAIV 5P | Core i7-10750H×GTX1650Ti | 3分20秒 |
DAIV 5N | Core i7-10870H×RTX3060 | 2分05秒 |
動画編集もフルHDクラスのデータであれば問題ありません。書き出し速度も高速ですし、編集作業でもたつくシーンも感じませんでした。
Core i7-10750H×GTX1660Tiよりも速い書き出し速度ですが、より高度な編集作業をするならRTX3000系を搭載したパソコンを選ぶほうが幸せになれると思います。
G-Tune P5シリーズの感想や評価
メリット
- CPUの性能が高い!
- クセのないスタンダードな安心感!
G-Tune P5シリーズの良い所は、スペックなりのパフォーマンスがしっかり得られることです。特にCPUの性能が高く、従来のCore i7やデスクトップCPUを凌駕している点はポイントです。15.6型の標準的なスタイルで、クセがないという意味でも安心して使うことができると思います。
デメリット
- クセはないが個性もない
- 高すぎるんじゃぁぁ…
ゲーミングモデルにしては、GPUが採用されているという意外にコレといった特徴が見られません。高リフレッシュレートモニターでもなければ、キーボードも普通。ゲーミングと言うよりも、ライト向けのクリエイターPCのような印象を受けました。
それにしても20万円に迫る価格というのは強気が過ぎます。国産組立でサポートも手厚いとは言え、もう2~3万円安くないと検討にも加われない気がします。外資系メーカーなら13万円くらいからRTX3000搭載モデルも選べてしまいますからね…
G-Tune P5をおすすめしたい人
- スタンダードなPCが欲しい人
- CPU処理性能を求めたい人
- フルHDクラスのデータしか扱わない人
- ライトゲーマー、写真・動画編集をしたいクリエイター
マウスコンピューターのG-Tune P5を紹介しました。
15.6型スタンダードサイズに、CPUの高パフォーマンスや国産のサポート力は魅力的!他にもWi-Fi 6に対応するなど使い勝手の良い1台になっているとは感じました。ライトユーザーや趣味使いのクリエイターにとって不満が出ることはないでしょう。
ただし価格面での心理的ハードルは高いです。20万円出せるならRTX3070あたりの高性能ゲーミングモデルも手に入りますので、あえてスタンダードモデルに留める理由は…せめて「期間限定のセール品」「アウトレットモデル」「店舗即納モデル」などお得に購入できるチャンスを活用されるべきです!