Leica SUMMICRON M35mm F2(3rd)を購入したのでレビューします。
コンパクトかつ軽量で、M型ライカのスタンダードレンズ的な存在。スナップやポートレートなど被写体を選ばず使えることから人気があり、1958年の初代登場から幾度もモデルチェンジを続けて現代にいたります。
オールドには伝説級のレンズが何本もありますが、ズミクロンの存在はそのどれもが伝説級に匹敵すると言えます。オールドとは言え、高コントラストでシャープ、絞り解放から使える銘玉です!
目次
Leica SUMMICRON M35mm F2 レビュー
僕が購入したのは、1980年前後に登場した第3世代(通称7枚玉)です。
標準レンズと言えば「35mmか50mmか?」みたいな話がありますが、富士フイルムのミラーレスカメラ(APS-C)で使いたかったこともあり35mmから検討。
ズミクロン M35mm F2は、日常を記録していくのにちょうど良く感じます。散歩にふらっと出かけたり、旅行の記録を残したり、子供のイベント(誕生日パーティーや七五三)なんかで使えると思います。50mmだと切り落としてしまう背景を残すことで、ストーリーを保ったまま写真に残せる感じがします。
ズミクロンM35mm F2の中でも最もコンパクト(たぶん)なので持ち運びも楽ですしカバンも選びません。そのせいもあってか「ライカだから」と気負うことなく使える点も気に入りました。
より明るいズミルックス35mmF1.4の存在も気になりますが、実直な写りという意味ではズミクロンに軍配が上がるかもしれません。
ズミクロン35mm F2 世代の特徴と選び方
ズミクロンに世代があることはわかったけど「どれを選べばいいの?」問題がありますよね。そこでざっくりとですが、各世代の特徴をまとめてみました。
世代 | 特徴 |
1st(8枚玉) | 1958年に登場したライカファンの中でも1、2位を争う人気レンズ。写りはオールドらしい柔らかな雰囲気で階調性も豊か。もはや神格化されてると言っても過言ではなく、伝説の幕開けにふさわしいレンズ。メガネ付きも存在する。 |
2nd(6枚玉) | 1969年のモデルチェンジでレンズ構成が4群6枚になったことから「6枚玉」と呼ばれる。初代に比べると現代的な描写で、中古価格も他に比べると手頃。鏡胴は初代のクロームから黒へと変更。価格重視ならコレ。 |
3rd(7枚玉) | 1980年頃に登場し、レンズ構成は5群7枚(7枚玉)前世代に比べ全体的に画質が向上し、より現代的な写りになった。新旧の良い所どりをしておりボケも特徴的。コンパクトで2ndよりもやや相場が高い。 |
現行(ASPH) | 現行のズミクロンで非球面レンズを採用し高画質を実現。新品で40万円、中古だと25万円くらいから見かける。近代的な写りを求めるユーザーにおすすめ。シルバーとブラックの2色展開。 |
つまりライカのレジェンダリーレンズを手にしたいなら初代を選ぶありません。コストを抑えたいなら第2世代か現行モデルを!この2つはオールド的な写りが好みか、近代的な写りを求めるかで答えが出ます。
僕が購入した第3世代を選ぶ理由ってなんだろう・・現行よりもコンパクトであることや、画質がオールドらしくも破綻しないところになるでしょうか。あとはぶっちゃけ見た目ですね(笑)
Leica SUMMICRON M35mm F2 外観
化粧箱やフードが付いた良品を運よくゲットできました。30年くらい前のレンズなのに箱があるって、ちょっとした感動を覚えます。
レンズは非常にコンパクトで190g程しかありません。予備として持ち歩いても負担がない重さなので、基本的にはカバンに常駐しています。
フォーカスレバーがあると引っ掛かりがよくてピント合わせも楽です。ちなみに製造はドイツ製でした。
プラスチックのフードも付属していました。ねじ込み式のメタルフードや収納式フードとはちがうタイプ。距離指標も装備しているので、おおよそのピント合わせはファインダーを覗かなくても可能。まぁ僕はまだまだ修練が必要ですが(笑)
フードのロック機構が絞り変更時に干渉するのがややネック・・・でも撮影中にはあまり気になりませんでした。
バツグンにカッコいい・・これだけでご飯三杯はいけますね。
フードを装備してもデッパリが小さいので取り回しがとても楽です。手持ちのレンズの中では最強にコンパクトなので、スナップとかひっそりしたいときはズミクロン35mmF2で決まりです!
軽量なシステムのおかげで疲労からくる撮影意欲の減少はありません。
Leica SUMMICRON M35mm F2 作例
開放からシャープで、古いレンズの割にはヌケ感も良好だと思います。フルサイズでこれだけコンパクトなサイズを実現しているのにも驚きですが、写りもしっかりしていて二度目の驚きが到来・・・写りも実直な感じで良いですね。
50mmより広く、最短も0.7mと短いので「一歩踏み込んだ作品作り」ができます。
ガラスとレースという異なる質感をうまく表現するな~と感じる1枚。
開放がF2と十分に明るいので、比較的証明が暗めの店内でも安心してシャッターが切れます。
開放+最短で撮影すると被写界深度はとても浅くなります。
7枚玉特有のボケが見られます。玉ボケも多く、賑やかなな印象を与えてくれるのでお花の撮影にぴったりではないでしょうか。
周辺はほどよく落ちる感じですね。
LEICA Elmar M 5cm F3.5と比較すると線は太い感じ。
柔らかさは損なっていないのが好印象。
逆光(強めの光源がある状況)でも派手なフレアは見られません。
ちょっとイエローがのるようなイメージかな?ノスタルジックなイメージです。
ライカ ズミクロン M35mm F2 感想
ライカユーザーの中でも、人気のあるズミクロン M35mm F2を紹介してきました。
各世代でファンを獲得しているレンズで、それぞれの世代で写りや作りがちがうのがユニークです。それゆえにレンズ選びの難しさはありますので、沼の深さを垣間見れるアイテムです(笑)
オールドレンズ特融のクセも強くなく、それでいて情緒は残した感じの写りがたまりません。ある意味では万人にすすめやすいレンズでもありますので、最初の1本としてもおすすめです。