「いつかはライカ」
写真を愛する人間なら、そんな言葉を耳にしたことがあるかもしれません。ライカのシステムはご存知のように、大変高価であります。ごく普通の、僕みたいな人間には一生縁がないものだと思っておりました。ライカなど意識にあがらないままの生活になに1つ不満はありませんでした。
その日が来るまでは・・・
目次
はじめてのライカを買いました
写真好きの人には、多少の無理をしてでも高価な機材が欲しいという欲求があります。「実質無料」だとか「シャッターチャンスは待ってくれないから」などと嘯いては、経済を回してます。それはもはや本能に近いモノでしょう。
最初に断っておくと、僕自身はライカに特別な思い入れや、知識があるわけではありません。
でもいつか「ブログで上げた収益でライカを購入できるといいな~」そんな夢を見ていたのは事実です。月間20万PVを超えたら買ってやるんだ!という目標をたてていたこともあります。その目標に対して努力した結果、2018年の9月には数字は達成されました。奇しくも富士フイルムのX-T3が発売となった時期でもあります。しかもこの時期を境にジワジワとライカが高騰していくではありませんか。。
新しいカメラと、ライカを同時に買うなんて資金もなく、この時は見送りとしました。しかし、2019年1月ついに憧れのライカを入手できたのです。
夢がかなった瞬間です。
こういう時にこそ使うのでしょう。
平成も最後だから・・・・という言い訳は。
僕のライカを見て!!
あまり引っ張ってもしかたないので、購入したものを発表しますと「Leiva X Vario」というコンデジを購入しました。検討段階から買うならこいつにしようと思っていました。中古市場の価格は15~20万円といったところでしょうか?これでもライカにしては安いんです。
X Varioは、有効画素数1620万画素のAPS-Cサイズのセンサーを搭載し、ライカとしては珍しいズームレンズを搭載しているのが特徴です。ライカらしいクラシックな外観は、無駄を省いた完璧なスタイル。発売されてから数年経過していますが、古めかしさは一切感じません。
箱あり完品、美品での販売だったので「これを逃したらもうない!」と飛びつくようにポチっとしました。シルバーは一応限定色とのことで、開封した時の美しさに思わず震えました。
開封の様子
それでは震える前の感動をじっくりたっぷりねっとりお届けします(笑)
箱は一見どこにでもあるような感じですが・・・ここから意外すぎる方向に展開していきます。
よくある上部がパカっと開くタイプではありませんでした。まるでバナナの皮をむくように上下左右に開封していきます。いや・・そんな庶民じみた例えは止めましょう。「お花が開花するように」とか「ふろしきをあけるように」といった例えのほうが正解でしょう。
あっ!Leicaの文字が!!
外箱は少しイタミがありましたが、それより中は「買ったまま保管してたの?」ってくらい本当にきれいでした。
この時点でかなり気持ちは高まっていましたが、ここから先も楽しすぎる仕掛け万歳でした。ユーザーを喜ばせる仕掛けがあるのは、あっさりしている日本企業も見習って欲しいところ。
マグネット式で上下に開封ーー!!!
「キッキタキタキタキターーァァ!!」
いや、実際カメラはまだ見えてないんですけれど、気持ち的には「この中にあるぞ!」という確信があったのと、変なテンションでこうなっています。お察しください(笑)
引き出しタイプ!!なんだか「お重」みたいなたたずまいです。ライカって日本製だっけ??引き出しの中には、取説や、バッテリー、ストラップといった付属品が入っていました。
気をとりなおして、いよいよカメラの開封へと移りましょう。人生でたった一度、はじめてのライカとのご対面の瞬間です。
「パカッ」
落ち着いたシルバーと、Leica X Varioの文字に感動。シャッターボタンは鏡面仕上げで、キラキラと美しいです。(指紋はふいてて欲しかったケド)最近のカメラでは考えられないくらいシンプルな操作性。この美しすぎる軍幹部に惚れました。
シルバーだからか、赤バッチが映えます。サイドのRにもライカ特有のこだわりを感じます。なぜか握っただけでニヤニヤしてしまう魔法がかかっています。ストラップ取り付け部は、ややレンズ方面を向いています。
レンズはフルサイズ換算で28-70mm。望遠側の開放絞りがF6.4とやや暗めです。欲を言えばF5.6にとどめて欲しかった。しかしそこはライカ、僕のような凡人が理解及ばない理由があるのでしょう。
背面も限られたボタン類しかありません。これらのボタンを駆使しながら作品を仕上げていくことになります。あまり余計なことは考えすぎず「構図とシャッターチャンスを貪欲に狙いなさい」と言われているような気さえします。これが「GERMANY」魂ってやつでしょうか?
はれてライカユーザーとなったので「僕のライカを見て」と言えます。「ボクのライカ・・・」なんて甘美な響きなのでしょう。。なんて妄想に浸っていると、ドアに手をはさみました。
ライカで試写・作例
X Varioの写りを見てみると、特段解像度が高いわけでもありませんが、ほんのりと柔らかさとぬくもりを感じます。
このシルバーの質感サイコーすぎやしませんかね??見てしまったら最後、虜になるのは時間の問題です。一応ポップアップ式のフラッシュも搭載されています。
ぶっちゃけてしまうと新品のカメラが買える値段で、今更数年前のライカを買うのってどうなの?と思うわけです。でもそこを平気で覆してくるわけです。ライカだから・・・
レンズはフルサイズ換算で28-70mm F3.5-6.4と平凡です。無理をしていない設計に加えて、レンズ一体式なので、高画質を実現。画面全体がなだらかで均一な表現をしていると思いませんか?
ライカのレンズを、単焦点でそろえるとなるととんでもないお値段になります。X Varioはズームレンズですから「28」「35」「50」「70」の4本が入っていると考えればもはや無料でしょう。暗いことを除いても描写力はライカのそれですから期待感しかありません。
写真に期待感があるってプライスレス・・・それはライカだから。。。
均一と言っても、立体感を損ねることのない表現力には「さすがライカ」と言ったところでしょうか。開放値の暗いレンズの割には、適度なボケ感も得られます。大型のセンサーを搭載した恩恵でしょう。
【作例】ライカとめぐる京都
京都のデートスポットの定番「鴨川」です。水量が豊富で、魚や野鳥などを見ることができますが、一定間隔で座って楽しそうにしているカップルの様子を眺めるのが僕のスタンダード。大丈夫・・今日も元気です!
天気の良い日はポカポカして気持ちが良いですし、家の近くにもこういう川が欲しい。最近では整備も進んできて、水路としての機能だけでなく、景観として良くなってきている気がします。脇にはおしゃれな飲食店もあるので、川を眺めながら食事なんていう素敵な時間を過ごすこともできます。
ここから少し歩けば、人気の観光エリアへと入っていきます。
上のシーンでは、ハイライトからシャドーまでかなり明暗差があります。大抵は空が白く飛んでしまったり、影がつぶれてしまいます。Leica X Varioの写真は空の青さを残しながら、影の中にいる人の表情まで読み取れます。コンデジサイズでこれだけ決めてくれれば不満はありません。
優秀なので、そのままライカの描写を楽しむのも良いのですが、それだとカメラに使われてしまいます。ちょっと小細工(悪あがき?)をして、ホワイトバランスを青緑に振ることで雰囲気を強調しています。(カメラの個性をつかむために現像処理はしていません。)
京都は平日と言えども人気の観光地なので人が多いです。ゆっくりとした写真を撮って楽しみたいのであれば、午前中の行動をおすすめします。
京都で草間彌生さんの作品にふれる
フォーエバー現代美術館では、草間彌生さんの作品が期間限定で展示されています。←終了しました
Leica X Varioのレンズは、フルサイズ換算で28-70mmのズームレンズです。広角から中望遠までカバーするので大抵の撮影はこなせます。あえて50mm付近で撮影するというしばりを設けて撮影するのも楽しいかもしれません。最短撮影距離はテレ(望遠)側で30cmとなっており比較的寄れるのも魅力的に感じます。
1600万画素なので、解像感は最近のカメラに劣るのは事実でしょう。僕も使ってみるまでは少し不安がありました。しかし実際に使ってみると「写真」としての仕上がりの高さ(まとまり)に感動させられます。本当に買ってよかったです。
空を撮るのが楽しくなる
Leica X Varioを使っていると「空」をたくさん撮りたくなります。この日は快晴でしたが、撮影してみると青の中にもグラデーションがあるのがわかります。とても自然で滑らかですし、そのやわらかさに反するかのように建物が立体的なので意図がはっきりした写真になります。
晴天だと真っ青になりがちで、塗ったような表現になってしまうことも少なくありません。それはそれで目が覚めるようで好きですが、表情のある写真のほうが眺めていたい気持ちにならなくもないです。これまでの僕にはなかった引出しをあけてしまった気もします。
お茶漬けの食べ放題「阿古屋茶屋」へ
おなかが空いたのでランチに入ります。ちょっと珍しい「お茶漬けの食べ放題」にチャレンジしてみました。阿古屋茶屋は、二寧坂を登りきる少し手前にあります。お茶漬けと言っても、雑穀米やお粥、お味噌汁、約20種類のお漬物、もなか、などが楽しめます。
とても美味しかったので、遠方から来てくれる人を案内するときはこれからここにしよう・・・混雑必死の人気店なので、オープン直後か、少し時間をずらしていくとスムーズかもしれません。(平日は13時前には行列が解消していました)
ブレてる漬物ですが、さつまいもやゴボウ、長芋などもあり、意外とお腹にたまります。お肉や揚げ物類はありませんが、男性でもきっと満足できると思います。
Leica X Varioの作例
最後に一言:僕たちは急ぎすぎてるのかも?
▶【カメラのキタムラ】Leica X Varioをチェックする
X Varioは決して快適なカメラではありませんが、写真に温度を与えてくれるます。表情と言いかえてもいいかもしれません。
高速なAFや、手振れ補正といった技術は、確かに撮影を快適にしてくれました。僕だってできることなら、その恩恵にはあずかりたいと思うほうです。せっかくのデジタル世代ですから、技術にあまえて気楽に写真を楽しめば良いと思うんです。
しかしX Varioはそれを許しません。だってその機能がないんです(笑)でもだからこそ、シャッタースピードの意味を考えたり、むやみに開放絞りで撮影することを避け、1枚1枚の写真をじっくり考えることができるのかなとも思う訳です。構図をあまくしてしまえばたちまち面白くない絵になりますからね。シャッターを切る意味をちゃんと考える訳です。
だからこそ写真にちゃんと向き合っていけるんじゃないのかな?画素数やスペックにとらわれて、僕たちは急ぎすぎているのかもしれません。そんなことを考えさせられるカメラです。
とまぁ、舞い上がってしまっている感じが丸出しの記事になってしまいました。作例や、細かな使い心地などは後々追記していきたいと思います。記事が育っていく様子を楽しみにおまちいただければ幸いです。
高いカメラでしたが、握りしめる度に「買ってよかった~」という実感がわいてきます。
だからみんなも「ライカ買おう!!」いつかはライカを叶えるのは今かもしれません~。