富士フイルムのカメラを購入するときに、多くの人は標準ズームのXF18-55mmF2.8-4 R LM OISや、単焦点レンズのXF35mmF1.4 Rを手にするかと思います。そして、その次くらいに必要になるのが望遠レンズです。
望遠レンズがあると、子供の運動会や、お遊戯会、飛行機や野鳥といった被写体に使えます。標準レンズでは写せなかった物も、大きく写せるので楽しみが倍増します。ちょっとしたハンター気分と言ってもよいかもしれません。
そこで、望遠レンズの「XF55-200mmF3.5-4.8 R LM OIS」をご紹介します。多くの人が手に取る可能性の高いレンズですし、ネット上の評判も上々。CP+(カメラのイベント)では「富士フイルムで二番目に売れているレンズ」と紹介されるほど、実績のあるレンズです。
目次
XF55-200mmF3.5-4.8 R LM OISのレビュー
カメラを量販店などに見に行くと、標準レンズ+望遠レンズが抱き合わせで販売されています。ダブルレンズキットなどの名称で販売されているやつですね。コストを最低限に抑えることができるので、初心者の方に人気のあるセットです。
ただ、そうしたセットは写真に親しんでくると画質や性能的に満足できなくなってくるケースも多いのが実際のところです。最初に言っておくと、XF55-200mmF3.5-4.8 R LM OISに関しては、そうしたキットレンズよりも格上です。
解放F値が少し明るく、4.5段分の効果が期待できる手振れ補正も搭載、リニアモーター駆動でAFもそこそこ快適です。メイドインジャパン品質なのも嬉しいポイントでしょうか。
僕は富士フイルムにすっかりのめり込んでしまったので、今ではXF50-140mmに買い替えてしまいましたが、富士にマウント移行した際には真っ先に購入したレンズです。
XF55-200mmF3.5-4.8 R LM OISの特徴・外観写真
品質の良さが伝わる外観
手に取った第一印象は、しっかりとした作りだということ。マウント部が金属製なので剛性があり、カメラに取り付ける際にも安心感があります。
ズームリングはゴム製、ピントリングは金属製です。絞りのクリック感はやや軽め。
フルサイズ換算で84mm~305mmの焦点距離をカバー!
フルサイズ換算で300mmを超える焦点距離をカバーするので、結構伸びます。トルクはやや硬く、しっかりと狙った焦点距離でレンズを止めることができると思います。自重で垂れ下がってしまうこともありません。
個体差があるかもしれませんが、手持ちのXF16-55mmと比較しても、XF55-200のほうがトルクは強めでした。
手振れ補正スイッチはオンにしよう!
OISの表記は手振れ補正を意味しているので、ON方向にしておきましょう。三脚などで固定する場合はOFFにします。このスイッチのクリック感もしっかりしています。カチカチと気持ちが良い。
OISの右側にあるのは、絞りのスイッチです。Aにすれば絞りオートで撮影可能です。反対側にすればマニュアルで操作ができます。
重量は580g!フードをつけると存在感がさらにアップ
XF55-200mmF3.5-4.8 R LM OISは、手に持ってみると見た目よりもズシリとする印象を受けます。623gのX-H1につけると一気に重量が倍加します。それでも1Kg強なので、負担はそこまで感じません。
ただ、小さいカメラバックだと入りきらないことも多く、しっかりとしたカバンで「持ち歩くぞ!」という決意じみたものが必要な気もします(笑)
X-Pro2も所持していますが、このレンズを使うときにはX-H1やTシリーズを選択するほうが多いです。フードは気持ちゆるいですが、勝手に外れて落ちるなんてことはありませんでした。
XF55-200mm のフィルター径は62mm
XF55-200mmF3.5-4.8 R LM OISのフィルター径は62mmです。
富士フイルムのレンズだとXF56mmや、XF90mmあたりと同じサイズです。富士フイルムのレンズが増えると62mmのフィルターが増えるのはあるあるです(笑)
XF55-200mmF3.5-4.8 R LM OISのスペック・性能表
焦点距離 | 55~200mm |
開放F値 | F3.5~4.8 |
手ぶれ補正 | 約4.5段 |
防塵防滴 | ✖ |
レンズ構成 | 10群14枚 |
絞り羽枚数 | 7枚 |
最大撮影倍率 | 0.18倍 |
最短撮影距離 | 1.1m |
フィルター径 | 62mm |
重量 | 580g |
価格 | 価格を見る |
僕はエクステンションチューブを使って、マクロ的な撮影を楽しむこともあります。
ハーフマクロとまでいかないけど、かなり大きく写せるので撮っていて楽しいです。1万円前後で撮影の幅が広がるのでおすすめです!
もちろん純正品なので心配無用。レンズに手ぶれ補正が搭載されているという点も安心。
XF55-200mmF3.5-4.8 R LM OISの作例と感想
XF55-200mmF3.5-4.8 R LM OISは、解像度も十分だと感じます。2013年の発売なので、早くも5年以上が経過していますが古さなんてのは微塵も感じません。
さすがは富士フイルムという感じで色ノリも良く、赤や緑、青などもきれいに出ます。天気の良い日に撮影で使っていると、それだけでも気持ちが良かったです。
望遠側でゆるい描写なんて言われるそうですが、個人的には気になりませんでした。
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旅行のスナップ撮影にも良さそう
XF55-200mmF3.5-4.8 R LM OISは、望遠スナップとして使うのも面白いと感じました。
標準レンズでは警戒心の強い猫ちゃんだと逃げてしまいますが、遠くから望遠レンズで撮影したならこの通り。
旅行では荷物を軽くしたいのでXF55-200はどうかな?重いかな?と迷う部分もあります。しかし望遠レンズが必要になるシーンは少なからずやってきます。
そこで、XF18-55などの標準ズームレンズと一緒に持ち出せば、ほとんどのシーンを撮影することが可能です。写真は残らなければ意味がないので、ちょっした負担で思い出が手に入るなら安いくらいでしょう。
ふんわり写真もお手のもの
僕が大好きなハイキーの写真も、もちろん撮影可能です。
ハイキーな写真を撮るためには、たくさんの光が必要。スローシャッターになることも少なくありません。手振れ補正効果は約4.5段分ということでしたが、体感的には数値程の効果を感じなかったんですよね・・・
約5段の手ぶれ補正効果を持つXF18-135mmF3.5-5.6 R LM OIS WRのほうが、しっかりと効いてるという体感は得られやすかったです。
野鳥の撮影ではAFが少し気になるかも?
さすがに300mm近くの望遠だと、遠くの被写体でもばっちり撮影することができます。多くの人が、野鳥や運動会で使いたいと思っているのではないでしょうか?
公園で見かけるような鳥であれば、このレンズで対応できるかと思います。
ただ、使っていて「AFがもう少し速ければ・・・」というのがありました。予算をかけている高級レンズとちがい、スタンダードタイプのレンズに求めすぎるのは酷でしょうが本当にもう一歩と言う感じで惜しい気がしました。
個人的には動いている物に合わせるのは至難の業でした。(←単なる技術不足かも笑)
XF55-200mmF3.5-4.8 R LM OISのメリット
- 満足度が得られる高品質なつくり
- F4通しに迫る明るいレンズ
- 手振れ補正搭載
- 手ごろな価格
XF55-200mmF3.5-4.8 R LM OISのデメリット
- 気持ち大きい
- F値が通しじゃない
- AFや手振れ補正も求めすぎるのは酷
贅沢を言えばF4通しを実現して欲しかったなぁ・・・と思ってしまいます。設定がころころ変わるのが撮影時のリズム感を乱す要因になったりもしますからね。
あとは動いている物だったり、室内だとピントが追えないこともしばしばありました。手振れ補正効果も体感的に過信できませんし、もう一歩がすごく惜しいレンズなんですよね・・・逆に言えば、全部がそこそこ良いレンズなんですよ!
そのような理由があったので、僕は結果的にXF50-140mmF2.8 R LM OIS WRに買い替えました。当たり前だけど、すごくいい・・・
【比較】XF55-200、XF50-140、XC50-230どれにするか問題
検討対象になりやすい望遠ズームレンズを比較してみましょう。
名前 | XC50-230 | XF55-200 | XF50-140 |
用途 | カジュアル | バランス | フラッグシップ |
焦点距離 | 50-230 | 55-200 | 50-140 |
F値 | F4.5-6.7 | F3.5-4.8 | F2.8 |
手振れ補正 | 3.5段 | 4.5段 | 5段 |
重さ | 375g | 580g | 995g |
フィルター径 | 58mm | 62mm | 72mm |
価格 | 約3万円 | 約7万円 | 約15万円 |
商品リンク | カメラのキタムラ | カメラのキタムラ | カメラのキタムラ |
XC50-230mmは、エントリー向けの製品です。マウントにも樹脂が採用されていたりと、他のモデルに比べるとややチープな作りになっています。その分、重量も軽い点がメリットでしょうか。何気に望遠域が長いので、少しでも大きく写したい人や予算を抑えたい人におすすめです。
XF50-140mmはフラッグシップレンズらしい高性能さが光ります。画質は単焦点にせまると言われていますし、AF速度や、明るさ、品質などを求めるならコレを選択しましょう。とは言え、やはり高額商品・・・簡単には購入できませんよね。僕も最初はXF55-200mmから入り、ひっしこいてお金を貯めてXF50-140mmを購入しました(笑)
改めて考えるとXF55-200mmのバランスの良さは光るものがあると思えます。
XF55-200mmF3.5-4.8 R LM OISは、こんな人におすすめ!
▶【カメラのキタムラ】FUJIFILM XF55-200mmF3.5-4.8RLMOISをチェックする
- 画質や品質にはそこそここだわりたい人
- コスパの良いレンズが欲しい人
- XF50-140mmは重過ぎるし高すぎるという人
- 子供の運動会やお遊戯会で望遠レンズが必要な人
XF55-200mmF3.5-4.8 R LM OISは、F4通しに迫るレンズで、手振れ補正搭載、品質の良さ、描写の良さも相まってコストパフォーマンスが高い一本です。僕も所持している間は、このレンズを子供のポートレート撮影や、運動会、動物園、旅行、スナップにと使って撮影を楽しんできました。
優等生という言葉がぴったりでしょうか?ほとんどのシーンをそつなくこなせるので、もっと踏み込んで撮影をしたくなってきます。写真にのめりこめるという点では、間違いなく優秀なレンズだと思います。
ただ、そのもう一歩踏み込みたいを追求した時に、AFやF値、手振れ補正の点で気になるポイントが出てくる可能性も秘めています。その点を踏まえて検討されることをおすすめします。(だからこそフラッグシップレンズがある訳ですが…)
描写を含めてバランスの良いレンズですので、望遠ズームを検討されているならおすすめです!
関連リンク
- メーカー公式ページ
- XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR
- XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR
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