ASUSの「Zenbook Pro 14 Duo OLED」(UX8402シリーズ)をレビューします。(製品貸出元:ASUS JAPAN 株式会社)
世界初となる120Hz対応の14.5インチの有機ELディスプレイを搭載しています。 またScreenPad Plusにより、メイン画面とサブ画面を切り分けて使ったり、1枚の大きな画面として操作することも 可能。CPUは第12世代インテルCPUが採用されパフォーマンスも目を見張るものがあります。
各種ベンチマークや使い心地などをレビューしていきますので参考にして下さい。
目次
Zenbook Pro 14 Duo OLED(UX8402シリーズ)レビュー
ASUSのクリエイター向けノートパソコン「Zenbook Pro 14 Duo OLED」(UX8402シリーズ)です。
14インチクラスのコンパクトな筐体に、なんと驚きの2画面(デュオスクリーン)を搭載ノートパソコンです。ディスプレイには美麗なOLED(有機EL)が採用され、タッチパネル(ペン)対応、120Hzリフレッシュレート対応、100% DCI-P3、おまけにPANTONE認証とこだわっているところもポイント。
RAW現像や動画編集といったクリエイト作業も正確に行えますし、息抜き程度のゲームなら問題なくプレイも可能です。(ただし今回お借りしたのは内臓グラフィックス採用モデル)
Zenbook Pro 14 Duo OLED(UX8402シリーズ)の特徴をまとめるとこんな感じです。
- デスクトップ並みの処理能力
- 好みに合わせて液晶を選べる(2.8K/120Hz)
- シネマグレードの色域をカバー
- 2画面で効率的な処理が行える
- タッチパネル対応
- 独自性の強いノートPC
ラインナップ
型番 | 構成 | 価格 |
14.5型2,880×1,800(120Hz) Core i9-12900H×32GB×1TB SSD×RTX3050Ti | 399,800 | |
14.5型2,880×1,800(120Hz) Core i7-12700H×16GB×512GB SSD×Iris Xe | 329,800 |
一番大きなちがいはGPU搭載の有無です。個人的にはGPU搭載モデルのほうが色々できるのでおすすめですが、静止画中心でゲームはしないといったような人なら内臓グラフィックスモデルでも良いかもしれません。Iris Xeグラフィックスは意外と優秀ですからね。
Zenbook Pro 14 Duo OLED(UX8402シリーズ) 性能・スペック
- OS:Windows 11 Home
- CPU:Core i7-12700H
- GPU:Iris Xeグラフィックス
- メモリ:16GB
- SSD:512GB NVMe SSD
- 液晶:2,880×1,800ドット (120Hz)
- 重量:約1.7kg
- サイズ:
このスペックだけを見ると特別すごい訳でもないんですけど。見どころは何と言っても2画面を搭載しちゃっている変態仕様(褒め)ですよね。メーカーさんから「良ければ使ってみませんか?」とお声がけをいただき、そのあまりのロマン仕様に二つ返事してしまったのは記憶に新しいです(笑)
なんとなく化粧箱もリッチな感じというか、スタイリッシュなデザインな気がします。
天面にはロゴが入ります。ブラックカラーで落ち着きがありますので、どなたでも使いやすいんじゃないでしょうか。
裏面には各種シールがあります。意外だったのが高性能PCの割に思い切った肉抜きがされていなかったこと。もう少し欲張っても良さそうな気がしましたが、風の流れとかを計算してこうなっているんでしょう。
どうですかこの変態仕様・・ASUSくらいでしか見ることのできない存在感です。ScreenPad Plus部分はリフトアップされてメインモニターとシームレスに近くなるように設計されています。
ScreenPad Plusの下にファンが設置されており冷却性を発揮。従来モデルよりもマイナス7℃の冷却性能を発揮するそう。ただし高性能なこともあって熱はこもりがちに感じました。そう季節は夏です・・
付属品
貸出品のため付属品にはちがいがあるかもしれませんが、ASUS Pen、キャリングケースなどが付属しています。
もちろん保証書や電源ケーブル類もちゃんとついてきます。
面白かったのがリフトスタンドが標準で封入されていたこと。リフトアップすることで地面との隙間ができて冷却性をアップ、タイミングも行いやすくなるでしょう。これが入っているということはお察しなのかも…
液晶モニター
液晶モニターは14.5型OLEDディスプレイで、解像度は2,880×1,800ドットです。さすがの有機ELということもあって発色はとても良いですが、じっくり見るとドットが荒いような??タッチパネルにも対応するので、そのせいなのかもしれません。
ScreenPadPlusはASUSPenなどにも対応するので、打ち合わせをしながらメモをとったりすることも可能。写真のサムネイルを並べたり、編集画面を拡張させたりとアイデア次第で面白い使い方ができそうです。
社内ミーティングやってる最中にTwitterとか・・絶対やっちゃダメだぞ!ダメなんだぞ(笑)
キーボード
キーボードはScreenPadPlusがある関係で変わった作りになっていますが、イメージしていたよりずっとタイピングしやすいですね。
インターフェース
インターフェースは高速なデータ転送とフルレンジ充電が可能なThunderbolt 4が2基、、USB Type-A 、用インターフェースなどが装備されています。
Zenbook Pro 14 Duo OLED ベンチマーク・性能チェック
Core i7-12700H 性能
Core i7-12700Hは14コアのハイパフォーマンスCPUです。モバイル向けとしては最高クラスの性能で、デスクトップCPUにも負けない処理能力を発揮してくれます。
参考までに他モデルと比較した例をご覧ください。(PASSMARKの公開スコアを掲載)
モデル | CPU | スコア |
ROG Flow Z13 GZ301ZE | Core i9-12900H | 31073 |
Zenbook Pro 14 Duo OLED | Core i7-12700H | 27186 |
ROG Flow X13 GV301QH | Ryzen 9 5900HS | 23101 |
ROG Zephyrus G14 | Ryzen 9 4900HS | 18833 |
DAIV 5N | Core i7-10875H | 15814 |
ASUSでここ最近使わせていただいたCPUを中心に集めてみましたが、その中でも高いスコアをマーク。一般用途で使うだけではもったいないくらいで、ゲームとかクリエイト向け作業にも積極的に使いたくなります。
RAW現像チェック
実行速度をチェックするためにRAW現像にかかった時間を計測します。
テストの内容は、無料現像ソフトの「RawTherapee」を使って100枚のRAWデータの一括変換にかかった時間を計測。(設定はJPEG品質は90%、高画質です)
モデル | CPU | 時間 |
ROG Flow Z13 GZ301ZE | Core i9-12900H | 2分15秒 |
Zenbook Pro 14 Duo OLED | Core i7-12700H | 2分33秒 |
ROG Flow X13 GV301QH | Ryzen 9 5900HS | 2分59秒 |
ROG Zephyrus G14 | Ryzen 9 4900HS | 3分30秒 |
TUF Dash F15 | Core i7-11370H | 3分31秒 |
DAIV 5N(2020) | Core i7-10875H | 3分23秒 |
RAW現像は2分33秒で処理能力としては十分すぎますよね。上位のCore i9-12900Hとも18秒くらいの差しかありません。これはフォトグラファーのメインマシンとしても通用するくらいのレベルだと思います。
ゲーム性能チェック
Zenbook Pro 14 Duo OLED(UX8402シリーズ)のゲーミング性能をチェックしていきます。
FF15のスコアを比較
モデル | 設定 | 結果 |
Zenbook Pro 14 Duo OLED (Iris Xe) | 1920×1080(標準設定) | 2613(やや重い) |
ROG Flow Z13 GZ301ZE (RTX3050Ti) | 1920×1080(標準設定) | 3961(普通) |
ROG Flow X13 GV301QH (GTX1650) | 1920×1080(標準設定) | 5083(やや快適) |
さすがにCPU内臓グラフィックスモデル(Iris Xe)だと本格的にゲームをプレイするのは困難。軽量クラスのゲームならなんとかなるかもしれませんが、ゲーム目的ならRTX3050Ti搭載モデルを選んだほうが無難です。
動画編集チェック
動画編集能力をテストするために無料ソフトのResolveを使いました。ミラーレスカメラで撮影した4Kデータを使って簡単な動画を作成→レンダリング(FHD)の時間を測定しています。
モデル | パーツ構成 | 時間 |
Zenbook Pro 14 Duo OLED | Core i7-12700H×Iris Xe | 2分07秒 |
ROG Flow Z13 | Core i9-12900H×RTX3050Ti | 1分41秒 |
TUF Dash F15 | Core i7-11370H×RTX3070 | 2分35秒 |
ROG Zephyrus G14 | Ryzen 9 4900HS×RTX2060Max-Q | 2分 |
動画編集も4Kなどの高度な編集は厳しいですが、フルHDクラスの簡単な編集作業なら問題なくこなせるという印象。Zenbook Pro 14 Duo OLED・・思った以上にアレコレ使えて便利ですね。
SSD転送速度チェック
実測で読込速度 6700MB/s,書込速度 5000MB/sのNVMe SSDを搭載。ラップトップでは最高クラスの転送速度を実現しています。サックサク!
Zenbook Pro 14 Duo OLEDトータルスコア
続いては、CPU、GPU、メモリ(RAM)、ストレージのパフォーマンスチェックのために「Novabench」でテストします。
モデル | Zenbook Pro 14 Duo | ROG Flow X13 |
総合 | 3480 | 3871 |
CPU | 2382 | 2552 |
GPU | 443 | 764 |
RAM | 295 | 336 |
Disk | 360 | 219 |
全体的なスコアになると、GPU意外のスコアは高く、高度な処理意外なら十分に活躍してくれるはずです。ただし価格を考えると専用グラフィック搭載モデルにも手が届くため、あえてZenbook Pro 14 Duoを選ぶ価値を見出せるかが鍵になってきそうです。
Zenbook Pro 14 Duo OLED(UX8402シリーズ) 感想・評価
良いところ
- オリジナル感の強いデザイン
- 2画面の利便性・効率性
- 人とかぶらない
薄型軽量でハイパフォーマンス、これならどこでもよくある製品になっていたでしょう。その点、本機はセカンドディスプレイを搭載しておりオリジナル感が非常に強いモデルとなっています。
自宅や職場でもノート+モニターなどデュアルスクリーン環境で作業を行っている人も多いでしょう。そうした人が環境を極力こわすことなく、モバイル環境下で最大限のパフォーマンスを発揮できます。一度使ってしまうともう戻れないといったような声もよく聞かれるそうですよ!
ちょっとイマイチなところ
- GPU搭載モデルが欲しい
- 熱が気になる
- 値段が高い
CPU処理能力やSSD転送速度などトップクラスの性能を見せてくれただけに、使える範囲を強化する意味でも専用グラフィック搭載モデルを選ぶほうがおすすめです。CPU内臓のIris Xeグラフィックスも決して悪い訳ではないのですが、簡単な動画編集や軽量クラスのゲームにとどまってしまうでしょう。
またこだわりぬいたモニターが2枚も採用されているだけあって価格も高いです。
Zenbook Pro 14 Duo OLED(UX8402シリーズ) をおすすめしたい人
- オリジナル感の強いPCを求めている人
- 軽くて作業性の高いモデルが欲しい人
- モバイル環境でクリエイト作業を行う人
- 面白いパソコンがほしい人
Zenbook Pro 14 Duo OLED(UX8402シリーズ)をレビューしてきました。
薄型軽量でハイパフォーマンスかつ効率性も担保できる素晴らしい製品でした。セカンドスクリーンはアプリによって適正な表示がされますし、アイデア次第で様々な可能性を感じさせる面白い仕様だと思います。キーボードは狭くて使いにくいかと思ったら意外とそうでもありませんでしたし、これはこれで大いに有りな気さえします。どちらかと言うとクリエイト向きでしょうが、ゲームで使っても楽しいかもしれませんね!