Intelが開発しているグラフィックボード「Intel Arc A750」を購入したのでレビューします。
あのCPUメーカー「Intel」が久しぶりに開発に携わったグラボとして結構話題を呼んだやつです。話題を呼んだ割にはドライバーとかソフトのチューニング、ゲームの相性あたりの仕上がりがイマイチで投げ売りされていたケースなんかもありました…ぶっちゃけ安定感を選ぶならGeforce RTX系やAMD Radeon系を選べばいいんですが、第三肢勢力として今後の活躍に期待しながら購入してみました。
今ではドライバの安定感も増してきているなんて話も耳にしますので実際のところどうなのかチェックしていきます。ちなみにパソコンパーツについては「ドスパラ」「パソコンショップアーク」などで購入が可能です。
目次
Intel Arc A750 レビュー
開発元は「Intel入ってる」で有名な半導体メーカーですが、実はインテルのグラフィックボードとしては24年ぶりに販売されるということで注目度は非常に高かった印象。今回購入したIntel Arc A750の上位にIntel Arc A770、下位にはIntel Arc A380(その他イロイロ…)なんてモノもあったりします。
このIntel Ark Aシリーズには、レイトレーシングやディープラーニングに特化したユニットが搭載されていたり、高画質でビデオエンコードが行える「AV1」に対応している点にも注目。もちろんゲームも遊べますし、Intel Arc A750の市場相場は3万円半ばからというコストパフォーマンスに優れているところも見逃せません。
ただやはりドライバが未成熟だったり、ゲームとの相性がまだまだだったりしてゲーマーからの評判は厳しい印象。発売からしばらく経ってはいますが、まだまだ見守る必要があるのかな…というのが正直なところです。(まだまだノビシロがあるってことに期待?)
個人的には最近ちょこちょこYouTubeの動画も作ったりしているので、ゲームよりもクリエイティブな領域での活躍を期待しています。それとモバイルゲーミングパソコンの「MSI Claw」を所有しているのでeGPUと接続して遊びたいってのが購入理由だったりします。この辺はまた別の記事で書きたいと思っているのでお待ちいただければ嬉しいです。
YouTube
動画でも解説しているので良かったら参考にして下さい。高評価、チャンネル登録もよろしくお願いします!
Intel Arc A750 性能・価格を比較
GPU | PASSMARKスコア | 価格 |
Intel Arc A770 | 12973 | 4.5万円~ |
Intel Arc A750 | 11939 | 3.5万円~ |
GeForce RTX4060Ti | 22889 | 6.0万円~ |
GeForce RTX4060 | 19890 | 4.5万円~ |
GeForce RTX3060Ti | 20497 | 5.5万円~ |
GeForce RTX3060 | 15371 | 4.0万円~ |
GeForce RTX3050 | 12809 | 3.0万円~ |
Radeon RX7600 | 16494 | 3.7万円~ |
Radeon RX6600 | 15151 | 3.0万円~ |
この表を作ってみて感じたんですが「あれ?Intelのスコア低くね?」「本当にコスパ良いのか…」って心配になりました(笑)いやきっとちゃんと動作してくれるはず…後ほどしっかりベンチは行うとして記事を進めていきましょう。
Intel Arc A750の立ち位置的にはミドルクラスだと思うので、Geforce RTX4060やRadeon RX7600あたりが競合になります。スコア的なところは一旦目をつむるとして(つむるな)、価格的なところでは調度RTX3050/RX6600~RTX3060の間という感じです。この辺りとしっかり戦えるのであれば、Intel Arc A750もそこまで悪い選択肢ではないはずです。
「5万円以下でグラボを更新したい」「できるだけ安く抑えたい」って人は少なからずいると思いますし、そのニーズは少なくとも満たしますね。僕は中古で2.5万円くらいで購入してきたので、もしGeforce RTX3060並みに働いてくれたなら御の字ってやつです。
まぁ正直リスクを取りたくないのであればGeforce RTX4060を買っておけばいいんですよ…でもソレを言っちゃうとこの記事の意味がなくなっちゃいますからね。(筆者もだんだん不安になってきた笑)
開封・組立
購入したのはIntelのIntel Arc A750です。ちょっとややこしいんですがIntel Arc Aシリーズは、ASRock、SPARKLEといったメーカーからも販売されています。でもIntelのやつが一番カッコイイと思ってる。この青い箱をデスク近くに飾っておくだけでテンション上がると思いません?僕だけなのかな…
では開封していきましょう。マットブラックな質感の本体が登場…めちゃくちゃカッコイイぞコレ!!!!過去イチと言ってもが過言ではないくらい素敵な本体です。買って良かったという満足感が押し寄せてきます。。最悪コレクターアイテムになってもいい(笑)
付属品は簡易説明書くらいですが、グラボなんてどこもそんなもんでしょう。それよりもこのルックスですよ(ウットリ)
ファンがついている裏側には「ARK A750」の文字があります。このシンプルさが潔くて良いですね!しかも全体がブラックで統一されているのがまた素晴らしい…インテルのこだわりを感じます。
インターフェースは、HDMI2.1、HDMI2.0b、DisplayPort2.0、eDisplayPort1.4です。プレートまでブラックだし、さり気なくintel ARCって入ってるところがニクイ!
8pin+6pinの2系統です。この製品の消費電力は225Wですから、NZXT H1(650W電源)でもきっと足りるはず。今はRadeon RX6650XTが挿さっているんですが、これも203Wだしまぁいけるでしょう。
組み込むのは、NZXT H1というコンパクトなケース。設置面積を抑えられるので狭いわが家にピッタリのケース…でもそろそこ大き目のやつも欲しくなってきたな。
ベンチテスト環境
CPU | Core i9-12900 |
GPU | Intel Arc A750 |
メモリ | 32GB |
ストレージ | 1TB |
電源 | 650W 80plus Gold |
ゲーミング性能チェック/比較
FF15
モデル(GPU) | 設定 | スコア |
Intel Arc A750 | 1920×1080(標準品質) | 11296(とても快適) |
3840×2160(標準品質) | 4685(やや快適) | |
GeForce RTX4060 | 1920×1080(標準品質) | 14500(非常に快適) |
3840×2160(標準品質) | 5000(やや快適) | |
GeForce RTX3060Ti | 1920×1080(標準品質) | 12658(とても快適) |
3840×2160(標準品質) | 5273(やや快適) | |
GeForce RTX3060 | 1920×1080(標準品質) | 11522(とても快適) |
3840×2160(標準品質) | 4274(普通) | |
Radeon RX6650XT | 1920×1080(標準品質) | 13858(とても快適) |
3840×2160(標準品質) | 4246(普通) | |
Radeon RX6600 | 1920×1080(標準品質) | 10638(とても快適) |
3840×2160(標準品質) | 3334(普通) |
Intel Arc A750は、フルHD(標準品質)でとても快適、4K(標準品質)でやや快適という結果が得られました。スコア的にはGeForce RTX3060とほぼ同等ですが、高解像領域ではIntelの方が結果を残しています。ただしRTX4000番台の安定感には適わない感じですね。そしてフルHDゲーミングであればRadeonで十分な気もしてきます。
Intel Arc A750のほうがGeforce RTX3060よりも数千円から1万円程度安く購入できるのでコスパは良い言そう。でもね…安定感も含めるて考えると無理をしてまでIntel Arc A750を導入するメリットは?ってなるのもわかる気がします。
1つ気になったのがこのシーンです。こんなに閃光が走るようなシーンじゃなかったような気がするんですよね。ちゃんと描画できていないというか、なんとなくこの辺の甘さみたいなものは潜んでいるのかもしれません。
でもね普通にフルHD~WQHDあたりの高設定で遊べると思ったら単純に悪くはないって思います。3万円前後で買えるんなら割とありでは?と思いますね。
エルデンリング
解像度 | 1920×1080 |
画質設定 | 最高 |
FPS | 60fps前後 |
エルデンリングはフルHD最高設定なら60fpsあたりをキープできます。WQHD最高設定にしても40fpsあたりなのでプレイ自体はできるかもなって感じですね。GPU温度も80℃いかないくらいなのでファンも静かでプレイに集中できました。
サイバーパンク2077
解像度 | 1920×1080 |
画質設定 | ウルトラ/レイトレオフ |
FPS | 80FPS前後 |
サイバーパンク2077では、フルHDのウルトラ設定で平均86fpsでした。最低も75fpsあたりだったのでプレイも普通にできますね。ただしレイトレーシングをオンにすると20fpsあたりになるので全く使えません。
BLUE PROTOCOL
解像度 | 1920×1080 |
画質設定 | - |
FPS | 70~80FPS前後 |
ブループロトコルは、フルHD設定で13000に迫るスコアが出ています。はじめておこなうベンチなのでよくわからないけどこんなもんなのかな?だいたい70~80は探偵して出ていましたが、集団で戦うレイドでは瞬間的に60fpsを切ることもありました。
パルワールド
解像度 | 1920×1080 |
画質設定 | 中 |
FPS | 60fps前後 |
パルワールドはフルHD中設定くらいでやっと60fpsをキープできる感じです。正直最高とまでは言わないまでも高くらいでは遊びたかったところですが、最新ゲームとの相性はちょっぴりイマイチなのかもしれません。来年発売されるモンハンとかどうなるんだろう…ちゃんとMSI Clawで遊べると良いんだけど…
7 days to die
解像度 | 2560×1440 |
画質設定 | 高 |
FPS | 60fps前後 |
ここ最近一番遊んでいるかもしれない7 days to dieは、WQHD高設定で60fpsをキープできそうな感じです。好きなゲームでちゃんと結果を残せているのが嬉しい!
Intel Arc A750 まとめ
メリット | ・フルHDなら割と問題なく遊べる ・音が静かで作業に集中できる ・コンパクトなPCに組み込める ・中古市場なら割と安い |
デメリット | ・やや挙動が怪しいシーンも… ・新品はコスパ悪いかも ・Geforce RTX4060/3060あたりを買ったほうが無難 ・フルHDゲーミングならRadeonの方が高コスパかも |
Intel Arc A750ですが、世間の評判ほど悪くないなというのが率直な感想です。フルHDゲーミングは快適ですし、とりあえず設定次第でどんなゲームもプレイできそうな印象を受けました。これが3万円前後なら検討しても良いし、以下なら買ってしまっても良い気がしています。思ってた以上に使えますよコレ(笑)
ハード自体の完成度は高いと思うのでポテンシャルさえ引き出せれば世間の評価はひっくり返りそう。とは言え、一部挙動が怪しいシーンもありましたので課題はソフト(ドライバ)周りという印象はぬぐえませんね…もう少し世代を重ねていけば化けてくれそうな期待感だけは伝わってきました。
それまではとりあえず青い箱を神棚にでも飾って奉りたいと思います(笑)
▼Radeon RX6600も安くておすすめ!
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