街着でも山でも大人気のARC'TERYX(アークテリクス)。街で見かけない日はないのでは?と思えるほどの人気ぶりを誇ります。
そんなARC'TERYX(アークテリクス)の中でも、入門着にピッタリな「アトムフーディー」と「プロトンフーディー」(旧アトムLTフーディー/プロトンLTフーディー)を紹介します。まじでどっちもスゴイ製品だから…両方購入してその素晴らしさをお伝えします。
なんとなく似てるけど、確かなちがいがある両者をじっくり比較して、メリット・デメリットやどういった人におすすめなのかを考えたいと思います。
目次
「アトムフーディー」VS「プロトンフーディー」
(左)アトムLTフーディー/Anecdote、(右)プロトンLTフーディー/Microchip
ここ最近、軽量で保温性や透湿性に優れたインサレーテッドジャケットが注目されています。ダウンとちがって洗濯が可能で、アウターとしてサッと羽織ったり、ミッドレイヤーとして体温調節に使ったりできます。1枚あると生活がぐっと快適になり、おしゃれで汎用性も高いことからマストアイテムと言って良いレベルです。
その中でもひときわ注目をあびているのが、ARC'TERYX(アークテリクス)のアトム(SL/LT/AR)シリーズです。あまりに人気がありすぎて、希望のカラー/サイズを手に入れることが困難になるほど…僕自身も複数の店舗を何日もかけてまわってやっと購入にいたりました。
公式オンラインの在庫も少なめ…
実はアークテリクスには、もう一つ隠れた存在ともいえる「プロトンシリーズ」があります。
アトムシリーズと同様に化繊で扱いやすく、保温性やデザインもどこか似ている両者。アトムに比べてプロトンは影の薄い存在に見えますが、実はかなり「デキル」アイテムだったりするのです。なにを隠そう僕自身はプロトンLTを購入し、あまりの着心地の良さにどっぷりとアークテリクスの沼へと引きずりこまれたのです(笑)
建前はほどほどにして、そろそろ本題(比較)に移っていきましょう。
「アトムLTフーディー」「プロトンLTフーディー」比較表
ロゴはアトムが刺繍、プロトンがプリント
モデル名 | Atom LT Hoody(24108) | Proton LT Hoody(24007) |
構造 | ■厚みのある、柔らかいTyono™ 20 ■弾力性のあるコアロフト™コンパクト60インサレーションがボリュームを保持 ■ストレッチの効いた高機能フリースサイドパネルで換気 | ■通気性と耐候性、軽さと耐久性をバランスよく備えたフォーティアス™ エア 20素材 ■通気性に優れたコアロフト™ コンパクト 80 インサレーションが、微気候を快適に調整 ■コアロフト™ コンパクト 60 断熱ヘルメット対応フードが暖かさを強化 |
機能 | 耐湿性の表綿素材、透湿性、インシュレーティッド、軽量、圧縮できて荷造りしやすい、汎用、防風性 | 空気透過性、耐摩耗性、防水、防風性 |
フィット | トリムフィット(普通) | トリムフィット(細め) |
重さ | 375g | 355g |
価格 | ¥35,200 | ¥33,000 |
保温力や重さ防水性などに関しては、実際に着ていても大きなちがいは感じません。かなり大雑把な言い方をすれば似たような使い方は可能です。ただし、特徴的な部分を赤色で示した通り、汎用性ならアトム、透湿性ならプロトンといった役割分担があります。
後ほど解説しますが、プロトンは腰回りがタイトな作りになっているので注意してください。アトムよりも1サイズあげて選ぶほうが無難です。
「アトムLTフーディー」「プロトンLTフーディー」デザインのちがい
ここからは作りのちがいを細かく比較していきたいと思います。ざっくりと見たら似ているアトムとプロトンですが、かなりちがいがあることに驚きましたよ…
フード
フードの作りは似たような感じですね。アトムのほうが張りがある生地を使っていて、よりアウターっぽい仕上がりになっていると感じます。フードがついていることで首回りをスッポリと覆えるため、両者ともにジャケットタイプよりも温かいです。
調節可能なドローコードが付属しているのは両者一緒、風や雨をシャットダウンできる作りになっています。フードだけでは見分けがつかないかも…
サイドパネル
アトムのサイドパネルはフリースになっており保温力を高めてあります。伸縮性が高く着こんでも膨らみ過ぎないのでスマートな印象をあたえます。プロトンは全体を通して同じ素材が使われていますね。
腰回りにもドローコードが装備されています。裏地を見た方が起毛しているのがよくわかりますね。
ポケット
胸ポケットはアトムがジャケットの内側、プロトンがジャケットの外側に装備されています。
アウターでの着用を想定しているアトムでは貴重品などを隠せるように内部に、ミッドレイヤーでシェルを着込むことも想定しているプラトンは外側からアクセスしやすいように外に配置されているのかと思います。
ハンドポケットはアトムのみマイクロフリースが張られており、ハンドウォーマーとしての機能を持たせてあります。これもアウター仕様という感じがしますよね。
袖口
袖口はストレッチがきいており、調整しないでも着たままでフィットします。プロトンのほうがストレッチ部分を広めにとっており、よりフィット感を高めてある印象を受けます。
ヒップ
写真を見比べてみると、プロトンは腰回りがタイトに作られているのがわかるかと思います。またお尻まですっぽりと覆えるようになっています。
背中側から見てると一目瞭然ですね。今回は同じSサイズの比較をしていますが、アトムがゆとりのある着心地に対し、プロトンは窮屈に感じました。
一応どちらも中にライトダウン程度は着こめますが、冬場にフリースなど厚めの服を着込みたい場合は注意が必要。プロトンはアトムより1サイズあげると考えて良いと思います。
「アトムLTフーディー」「プロトンLTフーディー」役割のちがい
保温力のアトムLTフーディー
アトムシリーズはプロトンに比べて保温力が高いため、特にアウターとしての利用を考えている人におすすめです。
「アークテリクスのスタッフが全員所有している」とまで言われるほど定評のあるアトムは、ミッドレイヤーとしてもアウターとしても着られて汎用性が高いです。プロトンよりもゆったりとした着心地(シルエットはだらんとしません)のため、体への圧を感じずに使えるのもメリットでしょう。
サイドパネルはストレッチ性のあるフリースで汗抜けも悪くありませんが、プロトンよりは透湿性が劣りますしオーバーヒートしやすい傾向にあります。同じ環境で着てても「あつい」と感じるシーンが多くなるのはデメリットでしょうか。
寒さに関してはプロトンよりも不安感がありませんし、5℃くらいの気温でTシャツ+薄手のフリース+アトムでいけました。ただし止まっていると寒いので、5℃を大きく下回る気温では両者ともに注意が必要なイメージです。
寒がりな人や、保温力を優先したい人、街着(アウター)としての利用を考えている人にはアトムがおすすめです!
透湿性のプロトンLTフーディー
プロトンシリーズはアトムに比べて透湿性が高いため、ミドルレイヤーとしての利用がおすすめです。
通気性のある保温素材を使っているので汗抜けがよく、熱がこもるという不快感がないのがプロトンの特徴です。また、業界基準の60倍もの摩耗性を誇るタフさも持ち合わせています。ストレッチ性もあって体にフィットする馴染みよさと、タフさを両立している点が素晴らしいです。
素材自体はアトムと同等の保温力ですが「湿気が抜ける=風が抜ける」でもあるので、寒さにはやや弱くなっているのが弱点かもしれません。とは言え、山での行動なら風や雨を止めるシェルは所持しているはずなので、そこまで弱点を感じさせないです。透湿性はプロトンに任せて、シェルで風を止めるといったメリハリの効いた使い方ができるのもプロトンを選ぶメリットでしょう。
汗っかきな人や行動着としての着用を考えている人にはプロトンがおすすめですね!
「アトムLTフーディー」「プロトンLTフーディー」どっちがおすすめ
アトムLTフーディー | 保温性、汎用性、寒がり、街着 |
プロトンLTフーディー | 透湿性、摩耗耐久性、暑がり、アクティブ |
結論を言うと、個人的にはプロトンLTフーディーがおすすめです。
街着でとくに難しいこと考えないならアトムが使いやすいですが、保温力・透湿性が中途半端という見方もあります。それなら生地が強くてしっかり汗が抜けてくれるプロトンに軍配が上がる気がするんですよね。
アークテリクスのショップ店員さんにも聞いてみましたが「機能面への感度が高い方はプロトンを選ばれています」という風にもおっしゃっていました。僕も同意見ですし、プロトンのほうが機能面では優れている気がするのですが、価格はアトムのほうが高いんですよね…不思議。
もちろんどちらも明確な区別をつけようとしなければ似たような用途で使えますし、実際にどちらも人気があって山でも街でもマッチします。アトムもプロトンの真の保温力(真冬に着る)という意味では足りませんし、中であれこれ調整するならどちらでも一緒という見方もできます。それなら希望のサイズとカラーがあるほうを購入するというのも手でしょう。
この記事でアトムLTフーディーとプロトンLTフーディーのちがいを理解してもらえたと思います。目的や体質、お手持ちのギアなどを思い返しながら検討してみてください。
アークテリクスは偽物も出回っていますので、絶対に公式オンラインストアや信頼できるショップで購入するようにしてくださいね!