ASUSのゲーミングノートパソコン「TUF Dash F15 FX516PEシリーズ」 (FX516PE-I7R3050TECG)をレビューします。(製品貸出元:ASUS JAPAN 株式会社)
Core i7-11370H×GeForce RTX3050Tiの組み合わせで、しっかりとゲームが遊べる性能!15.6型フルHDモニターは144Hzリフレッシュレートに対応し、滑らかで迫力のある映像を楽しめます。またRAW現像や動画編集などにも十分対応できるパフォーマンスを備え、静音性やデザイン面での優秀さも伝わってきました。
ベンチマークソフトを使ってのパフォーマンスチェックや、使い心地などをレビューしていきますので参考にしてもらえると嬉しいです。
目次
TUF Dash F15 FX516PE (FX516PE-I7R3050TECG)レビュー
ASUSのゲーミングノートパソコンTUF Dash F15 FX516PE (FX516PE-I7R3050TECG)です。
公式サイトによると、Core i7-11370Hは省電力Uシリーズと比較して約29%も性能が高く、ゲームや動画配信の快適性が高いとのこと。またRTX3050Tiシリーズは、よりリアルな映像体験ができるリアルタイムレイトレーシング技術や、フレームレートの向上にも期待がもてるDLSS技術にも対応。簡単に言うと「きれいなゲーム画面をより良い条件でプレイ可能」になったという訳です。
過去実売15万円クラスのゲーミングパソコンだと、多少条件を整えてプレイしてきた背景がありますが、TUF Dash F15 FX516PE のように新技術を採用することで「現実的な価格帯でもしっかり遊べる」条件が整ってきたと言えます。またRAW現像や動画編集といった高負荷作業にも期待がもてるので、幅広いシーンで活躍してくれるマシンと言えそうです。
特徴をまとめるとこんな感じです。
- Core i7-11370Hで従来モデルより性能UP!
- GeForce RTX3050Tiはライトユーザー希望の星?
- 15.6型フルHD(144Hz)
- 静音性に優れる
- 19.9mmとスリムな設計
- 約14.3時間のバッテリー駆動時間
ラインナップ
型番 | 構成 | 価格 |
15.6型1,920×1,080(144Hz) Core i7-11370H×16GB×1TB×RTX3050Ti | 154,800 | |
15.6型1,920×1,080(144Hz) Core i7-11370H×16GB×1TB×RTX3050Ti | 154,800 | |
15.6型1,920×1,080(144Hz) Core i7-11370H×16GB×512GB×RTX3050Ti | 149,800 |
メインマシンで選ぶなら1TB SSDを搭載したモデルがおすすめ!今回はエクリプスグレーをお借りしましたが、カラーリングとしてはムーンライトホワイトも存在します。
また、上位クラスにはRTX3060、RTX3070を搭載したモデルもあります。過去にレビューし他モデルもあるので、合わせて参考にして下さい。
YouTube動画レビュー
You Tube動画も作っていますので、合わせて参考にしてください。(高評価、チャンネル登録してもらえると泣いて喜びます)
TUF Dash F15 FX516PE (FX516PE-I7R3050TECG) 性能(スペック)
- OS:Windows 10 Home 64ビット
- CPU:Core i7-11370H
- GPU:GeForce RTX3050Ti
- メモリ:16GB
- SSD:512GB SSD
- 液晶:1,920×1,080ドット(144Hz)
- 重量:約2.1㎏
- サイズ:幅360mm×奥行き252mm×高さ19.9~20.9mm
ゲーミングモデルらしさいタフさを感じさせるようなデザインで、実際に米国軍用MIL規格に準拠しており堅牢性も完璧。グレー基調のカラーリングも悪くありません。サイズは幅360mm×奥行き252mm×高さ19.9~20.9mmで、狭額縁採用なので実寸以上にコンパクトに感じます。
なんとなく米軍を彷彿とさせるロゴですよね。
実際に使ってみて感じたのは「とても静か」だということ。高性能なPCってどうしても熱が課題なので、排熱用のファンが大きくうなりをあげるケースが多いです。本機は5本のヒートパイプや4つのヒートシンク、83ブレード構成のファンを2基備えて、冷却性をしっかり確保しています。ゲーム音の妨げにもならずに集中できると感じました。
付属品
付属品は各種取扱説明書、電源コード、ACアダプターなどです。(貸出機のため内容物は異なる可能性があります)
液晶モニター
液晶モニターは15.6型フルHDモニターですが、発色もきれいなので写真や動画の編集用途などにも十分使えると思います。文字も割とくっきり見えましたし、モニターサイズも大きいので目の負担も小さく感じました。
キーボード
キーボード配列は自然で、たわみもほとんどなくタイピングしやすいです。上部にはよく使う音量ボタンやパフォーマンス切り替えボタンが用意されています。
タッチパッドはコンパクトですが、精度もよくストレスは感じませんでした。長時間の作業ならマウスを使いたいところですが、ちょっとした作業なら十分にこなせると思います。
ゲームで移動によく使うWASDはクリアで視認性バッチリです。バックライトもグリーンでいい感じ!
インターフェース
インターフェースは、LAN、HDMI、Thunderbolt 4(Type-Cデータ転送と映像出力、本機給電をサポート)、USB3.2 (Type-A/Gen1)×3、マイク、ヘッドホンジャックなどです。
TUF Dash F15 FX516PE ベンチマークテスト結果
CPU:Core i7-11370H 性能チェック
4コア8スレッドのCore i7-11370Hを採用しています。最近のインテルの傾向としては、シングルスコアを高めてゲーミング性能をあげているイメージがあります。ただしコア数が4と少なめなのでマルチスコアは控えめです。
参考までに他モデルと比較した例をご覧ください。(PASSMARKの公開スコアを掲載)
モデル | CPU | スコア |
TUF Dash F15 FX516PE | Core i7-11370H | 12860 |
ROG Flow X13 GV301QH | Ryzen 9 5900HS | 23101 |
DAIV 5N | Core i7-10875H | 15814 |
DAIV 5P | Core i7-10750H | 12572 |
スコアは12000オーバーで、Core i7-10750Hと同等の数字を叩き出しています。
僕は写真や動画編集も行うので「素直にCore i7-10750Hじゃだめなの?」という疑問が素直に湧いてしまいましたが、ゲームに最適化されたモデルということ思い返したのでこの言葉は飲み込みます(笑)
RAW現像チェック
実行速度をチェックするためにRAW現像にかかった時間を計測します。
テストの内容は、無料現像ソフトの「RawTherapee」を使って100枚のRAWデータの一括変換にかかった時間を計測。(設定はJPEG品質は90%、高画質です)
モデル | CPU | 時間 |
TUF Dash F15 FX516PE | Core i7-11370H | 3分21秒 |
DAIV 5N | Core i7-10875H | 3分23秒 |
DAIV 5P | Core i7-10750H | 4分12秒 |
RAW現像処理能力はとても優秀で、今回比較していく中では最短で処理が完了しました。編集作業中のもたつきや待機時間はほぼなく、作業に没頭できるパフォーマンスはしっかりあります。発色のきれいなモニターも合わせて現像作業は楽しいものになるでしょう。
Core i7-10750Hじゃだめなの?とか言ってゴメン・・・
GPU:GeForce RTX3050Ti ゲーム性能
TUF Dash F15 FX516PE(RTX3050Ti)のゲーミング性能をチェックしていきます。
FF15のスコアを比較
重量級タイトルのFF15でゲーミング性能をチェックします。
モデル | 設定 | 結果 |
TUF Dash F15 FX516PE (RTX3050Ti) | 3840×2160(標準設定) | 2852(やや重い) |
1920×1080(標準設定) | 7558(快適) | |
DAIV 5N (GTX3060) | 3840×2160(標準設定) | 4428(普通) |
1920×1080(標準設定) | 10532(とても快適) | |
TUF Dash F15 (RTX3070) | 3840×2160(標準設定) | 4364(普通) |
1920×1080(標準設定) | 8383(快適) |
フルHD標準設定では7558(快適)という結果が得られました。おそらくほとんどの国内タイトルを遊ぶのには十分なパフォーマンスでしょう。
この数字はGeForce GTX1660Tiを搭載したノートパソコンと同等ですが、個人的にはもう少し出てくれると嬉しかったというのが本音です。GTX3060搭載のゲーミングパソコンでも同価格帯に存在するので、ゲームをしっかり遊ぶのならそうしたモデルを選ぶほうがコスパはいいかもしれません。
動画編集チェック
動画編集能力をテストするために無料ソフトのResolveを使いました。ミラーレスカメラで撮影した4Kデータを使って簡単な動画を作成→レンダリング(FHD)の時間を測定しています。
モデル | パーツ構成 | 時間 |
TUF Dash F15 FX516PE | Core i7-11370H×RTX3050Ti | 約3分15秒 |
TUF Dash F15 | Core i7-11370H×RTX3070 | 約2分35秒 |
DAIV 5P | Core i7-10750H×GTX1650Ti | 約3分20秒 |
動画の書き出し時間は3分15秒で、十分に納得できるパフォーマンスです。ですが・・Core i7-10750H×GTX1650Ti搭載のDAIV 5Pとほぼ同等というのはやや気になります。やはりコア数の少なさが足をひっぱっている可能性はありますね。
そして4Kデータを扱うには、ギリギリ片手が届くかなくらいの印象で、快適というにはもう一歩欲しい気もしました。フルHDクラスなら拘った編集も可能でしょうが、4K動画編集には過度な期待は禁物だと思います。
SSD転送速度チェック
実測で読込速度 3500MB/s,書込速度 3000MB/sに迫る高速SSDを搭載。パソコンやゲームの起動、インストールも速いので不満はありません。
Dash F15 FX516PE (FX516PE-I7R3050TECG)の総合力
続いては、CPU、GPU、メモリ(RAM)、ストレージのパフォーマンスチェックのために「Novabench」でテストします。
モデル | TUF Dash F15 FX516PE | DAIV 5P |
総合 | 2824 | 2560 |
CPU | 1323 | 1369 |
GPU | 949 | 773 |
RAM | 281 | 239 |
Disk | 271 | 179 |
GPUがIris Xeグラフィックスと表示されていますが、これだとGPUスコア380前後になるので、RTX3050Tiでしっかりと計測できているようです。
ASUS Dash F15 FX516PE (FX516PE-I7R3050TECG)を総合的に見ると、価格なりか少し上のパフォーマンスという印象です。同価格帯でCore i7-10750H×GTX1650Ti搭載のDAIV 5Pと比較しましたが、全体的にスコアは高くコストパフォーマンス面での優秀さが光ると感じました。
Dash F15 FX516PE (FX516PE-I7R3050TECG)の感想・評価
良いところ
- 標準以上の処理能力
- フルHD環境では強さを見せる
- 表現力豊かな15.6型モニター
- 静かで作業に集中できる
全体的に処理能力は高めで、専門的な作業を行わない限りは不満のでないパフォーマンスと言えるでしょう。ゲーミングだけでなく、RAW現像などにも強さを見せますし、動画編集も現実的に作業が行えるレベルです。負荷がかかっても割と静かで、となりで回っている換気扇のほうが気になるレベルでした。映像表現も得意ですし、広い用途で使える楽しいパソコンに仕上がっていると思います。
ちょっとイマイチなところ
- 動画編集能力は並
- 描画性能がもう一歩ほしい
多用途に使えるパソコンではあるのですが、ゲーミングマシンとしては描画性能がもう一歩という印象を受けました。RTX3050Tiで色々できるようになれば、低コストで遊べるじゃん!みたいに考えていたのですが、実際はGTX1660Tiに近い性能。動画編集(4K)でもやや物足りなさを感じました。
まだまだ登場したばかりというのもありますが、同価格帯にRTX3060という「より仕事ができるヤツ」がいる以上、コスパ面では劣ると言わざるを得ないのが現状です。
Dash F15 FX516PE (FX516PE-I7R3050TECG) をおすすめしたい人
- ストレスない性能を求める人
- フルHDクラスのデータしか扱わない人
- 写真編集、軽めの動画編集もしたい人
- 多用途で使えるパソコンが欲しい人
ASUS Dash F15 FX516PE (FX516PE-I7R3050TECG)をレビューしてきました。
全体的にパフォーマンス面は高めで、ゲームはもちろん、RAW現像や動画編集といったクリエイト領域もカバーできます。作業中はとても静かですし、発色のきれいなモニターも良かったです。打ちやすいキーボード、デザイン面の優秀さもあって、幅広く受け入れられるモデルだと思います。