ASUS Vivobook Pro 16X OLED をレビューします。(製品貸出元:ASUS JAPAN 株式会社)
世界初となる16型4KのOLED(有機EL)ディスプレイを搭載!DCI-P3の広色域をカバーし忠実な編集作業を行うことが可能なクリエイト向けPCです。Core i7-11370H×GeForce RTX3050のパワフルな構成ですので、ミッションにフルコミットすることができるでしょう。
ベンチマークソフトを使ってのパフォーマンスチェックや、使い心地などをレビューしていきますので参考にしてもらえると嬉しいです。
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目次
ASUS Vivobook Pro 16X OLEDレビュー
ASUSのクリエイト向けノートパソコンVivobook Pro 16X OLED(N7600シリーズ)です。
冒頭に書いている通り、本機最大の特徴は超高品質なモニターを搭載していること。16型 3,840×2,400 4K UHD解像度で作業性は抜群ですし、OLEDディスプレイの発色の美しさやコントラストは一度味わってしまうと病みつきになってしまう魅力があります。しかも、100%DCI-P3色域をカバーするので色域の正確さもお墨付き。クリエイターにとって信頼のおけるパートナーになってくれること間違いなしです!
世界初という言葉にもあるように、こういった本格的なディスプレイを搭載したモデルがなかなか登場してこなかっただけに個人的にはかなりの期待感をもってレビューにあたっています。クリエイターさんなら「待っていました!」なんて人も多いのでは?
第11世代インテルCPUやRTX3000シリーズ搭載ですので、パフォーマンス面でも不足は感じません。文章やデザインなどクリエイティブワークを完璧にこなせる1台となってくれるでしょう。
特徴をまとめるとこんな感じです。
[topic color="yellow" title="特徴"]
- 最高クラスの色域をカバー
- Core i7-11370H(4コア8スレッド)
- GeForce RTX3050で描画性能もそこそこ高い
- 16型4K OLED(3,840×2,400)
- 薄型でサイズの割には軽い(1.95kg)
- プロクオリティのモバイル環境構築が可能
[btn]公式サイトでチェックする[/btn]
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ラインナップ
型番 | 構成 | 価格 |
16型3,840×2,400(OLED) Ryzen 9 5900HX×16GB×512GB×RTX3050 | 199,800 | |
16型3,840×2,400(OLED) Core i7-11370H×16GB×512GB×RTX3050 | 219,800 |
カラーリングはコメットグレー、クールシルバーの2色展開となっています。処理能力を求める人にはRyzen CPU搭載モデルがおすすめ!
他にも持ち運びに適した14インチモデルの「Vivobook Pro 14X(N7400シリーズ)」、よりプロフェッショナルな環境を構築できる「ProArt Studiobook Pro 16(W7600シリーズ)」が同時発売となっています。
YouTube動画レビュー
You Tube動画も作っていますので、合わせて参考にしてください。高評価、チャンネル登録してもらえると喜びます!
ASUS Vivobook Pro 16X OLED 性能(スペック)
[topic color="yellow" title="スペック"]
- OS:Windows 10 Home 64ビット
- CPU:Core i7-11370H
- GPU:GeForce RTX3050
- メモリ:16GB
- SSD:512GB SSD
- 液晶:16型3,840×2,400ドット(OLED)
- 重量:約1.95㎏
- サイズ:36.05 x 25.90 x 1.89 cm
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シルバーを基調としたデザインで、明るくスタイリッシュな印象を受けます。天面には凹凸のあるロゴがさりげなく存在感をアピールしています。性別を問わずにビジネスシーンでも使えるデザインだと思います。
ちなみにモニター上部にシールド付きのWebカメラが搭載、AIによるノイズキャンセリング機能にも対応しているのでリモートワーク中のビデオ会議も快適にこなせます。
16型大画面なのでボディサイズは大きくなるのは仕方ありませんが、厚みは2cmを切っておりイメージよりもコンパクトな印象を受けます。厚みがないからリュックへの収納も楽でした。
ASUS Vivobook Pro 16X OLEDは、2本のヒートパイプを備えたデュアルファン仕様となっています。いつでも最高のパフォーマンスを維持できるように高度な設定がされているのだとか…たしかにベンチマーク中でもそこまで「うるさい」という印象は受けませんでした。
外での作業に限らず「静音性」はパフォーマンスの維持という意味でも、集中力を切らさないという意味でも重要な要素ですよね。
付属品
付属品は各種取扱説明書、電源コード、ACアダプターなどです。(貸出機のため内容物は異なる可能性があります)
重量は442gとクラスの割には軽い方かなと思います。また96Whの大容量バッテリーを搭載しているので、軽度な作業だったら電源いらずというのもありがたい。
液晶モニター
液晶モニターについては、文句のつけようがありません。自分で撮影した写真を眺めていると、うっかり笑いが漏れちゃうレベルでキレイです(笑)
画面占有率は86%で映像に集中できますし、アスペクト比 16:10で縦に少し長いので表示領域が広いのもイマドキ感があります。応答時間0.2ms、最大輝度550nits、10.7億色、PANTONE認証などプロクオリティの表現力をもっているディスプレイだと思います。
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黒を黒として表現できるのはもちろん、明るい作品も鮮明に映し出してくれます。グレア液晶なので好みはあると思いますが、このモニターを手に入れるために購入するというのも全然ありです。
実際に色域を測ってみたところ、sRGB 100%、NTSC 95%、Adobe RGB 97%、P3 100%でした。(※環境や測定機材によって違いが生じる可能性があります)
他に専用のモニターを用意しようと思うと、10万円したって珍しくないので結果的に費用を下げられるかもしれません。
キーボード
キーボードはグレーベースで、ポイントととしてオレンジが使われています。さりげなくですが、どことなくメカニックなデザインですね。打鍵感はやわらかめで、静かにタイピングが行えます。タイピングに集中できるので良いと思います。
配列も自然ですし、テンキーも付いているのでオフィス系ソフトとも相性がよさそう。電源ボタンは指紋認証センサーになっておりセキュリティ面もバッチリです。
大きなトラックパッドはマウスなしで作業を快適に行えるので良いのですが、クリック感が深く質感としては普及機といった印象。これだけ整ったパソコンなので、Macみたいにもう少しこだわって欲しかったかな…
インターフェース
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- USB 3.2 Gen 1 Type-A×1
- USB 3.2 Gen 2Type-C×1(サポートディスプレイ/電力供給)
- USB 2.0 Type-A×2
- HDMI 1.4
- 3.5mmコンボオーディオジャック
- DC入力
- マイクロSDカードリーダー
急速充電をサポートしており、Thunderbolt 4にも対応しているので高速な対応デバイスを使えるのもクリエイターにとってはありがたいポイント。外付けグラボ(eGPU)を使って描画性能を強化するのも良いでしょう。
ASUS Vivobook Pro 16X OLED ベンチマークテスト結果
CPU:Core i7-11370H 性能チェック
4コア8スレッドのCore i7-11370Hを採用しています。
参考までに他モデルと比較した例をご覧ください。(PASSMARKの公開スコアを掲載)
モデル | CPU | スコア |
Vivobook Pro 16X(Intel) | Core i7-11370H | 12860 |
ROG Zephyrus M16 | Core i7-11800H | 22769 |
DAIV 5N | Core i7-10875H | 15814 |
DAIV 5P | Core i7-10750H | 12572 |
Vivobook Pro 16X(AMD) | Ryzen 9 5900HX | 23393 |
スコアは13000ほどですので、昨今のクリエイトPCとしてはやや控えめな数字ですね。第10世代のCore i7-10750Hと変わらないスコアです。
このクラスのパソコンならCore i7-11800Hあたりを採用してほしかった印象もありますが、性能を抑えることで軽度な作業をフルに回せるような製品に仕上げたかったのかもしれません。パフォーマンスが控えめといってもRAW現像や動画編集もこなせますし、排熱や音といった面でも良好な結果を得られます。
処理能力を優先するならAMD Ryzen 9 5900HX搭載モデルがおすすめですね。
RAW現像チェック
実行速度をチェックするため、無料ソフトの「RawTherapee」で100枚のRAWデータの変換にかかった時間を計測。
モデル | CPU | 時間 |
Vivobook Pro 16X | Core i7-11370H | 3分35秒 |
ROG Zephyrus M16 | Core i7-11800H | 2分57秒 |
DAIV 5N | Core i7-10875H | 3分23秒 |
DAIV 5P | Core i7-10750H | 4分12秒 |
ROG Flow X13 | Ryzen 9 5900HS | 2分59秒 |
なかなかどうして、RAW現像処理能力は優秀です。Core i7-10750Hよりも30秒ほど短い時間で処理を終え、Core i7-10875Hに迫る処理時間です。
これだけの処理能力があればRAW現像で不満を覚えることはまずないでしょうし、大画面かつ高性能なモニターのおかげで編集作業も効率的に行えます。大画面ならではの細かい気づきがありますし、色再現の素晴らしさから「写真うまくなった?」と錯覚できるメリットもあります(笑)
フォトグラファーにとっては楽しい時間になるでしょうし、ぜひ一度は体験してもらいたい気持ちがあります。
GPU:GeForce RTX3050 ゲーム性能
ASUS Vivobook Pro 16X OLED(RTX3050)のゲーミング性能をチェックしていきます。
FF15のスコアを比較
FF15でゲーミング性能をチェックします。
モデル | 設定 | 結果 |
Vivobook Pro 16X OLED | 3840×2160(標準設定) | 2157(重い) |
1920×1080(標準設定) | 5945(やや快適) | |
ROG Zephyrus M16 (RTX3070) | 3840×2160(標準設定) | 4522(やや快適) |
1920×1080(標準設定) | 10186(とても快適) | |
DAIV 5N (GTX3060) | 3840×2160(標準設定) | 4428(普通) |
1920×1080(標準設定) | 10532(とても快適) | |
TUF Dash F15 FX516PE (RTX3050Ti) | 3840×2160(標準設定) | 2852(やや重い) |
1920×1080(標準設定) | 7558(快適) |
4K解像度でのプレイは厳しく、フルHD画質にとどめておくほうが無難という結果ですね。ゲーミング性能としては決して高くはありませんが、設定にこだわらなければ大抵のゲームは遊べる水準だと思います。
有機ELモニターの美しさがあるのでRPGやオープンワールドの世界に没頭できそうな気はしますが、4Kモニターの解像度を生かし切るにはRTX3050では足りていない印象。ゲーマー目線になると、ややチグハグ感があって勿体ない気がします。もうワンランク上のGPUも選べると良かったかもしれません。
動画編集チェック
動画編集能力をテストするために無料ソフトのResolveを使いました。ミラーレスカメラで撮影した4Kデータを使って簡単な動画を作成→レンダリング(FHD)の時間を測定しています。
モデル | パーツ構成 | 時間 |
Vivobook Pro 16X OLED | Core i7-11370H×RTX3050 | 3分55秒 |
ROG Zephyrus M16 | Core i7-11800H×RTX3070 | 3分21秒 |
TUF Dash F15 FX516PE | Core i7-11370H×RTX3050Ti | 3分15秒 |
TUF Dash F15 | Core i7-11370H×RTX3070 | 2分35秒 |
DAIV 5P | Core i7-10750H×GTX1650Ti | 3分20秒 |
動画の書き出し時間は3分秒55です。動画の処理能力はゴリゴリに高いとは言えませんが、無難にはこなすという印象。フルHDクラスならつまづくこともなく快適に処理が行えますし、ライトな4K動画編集も何とかできるかなという感じです。
Blackmagic RAW SpeedTestの結果を見ても高解像データ編集は厳しそう…
TUF Dash F15(FX516PE)は、Core i7-11370H×RTX3050Tiと似た構成ですが40秒ほど差があるところを見ても、Vivobook Pro 16X OLEDの立ち位置がなんとなく伝わってくる気がします。編集能力(性能)そのものよりも、高品質モニターによる正確性と高効率をもとめたモデルで間違いないでしょう。
SSD転送速度チェック
実測で読込速度 3500MB/s,書込速度 3000MB/s程度のSSDを搭載しています。このクラスのパーツとしては上限あたりだと思いますし、起動も動作もサクサクしています。
ASUS Vivobook Pro 16X OLEDの総合力
続いては、CPU、GPU、メモリ(RAM)、ストレージのパフォーマンスチェックのために「Novabench」でテストします。
モデル | Vivobook Pro 16X | TUF Dash F15 FX516PE |
総合 | 2712 | 2824 |
CPU | 1325 | 1323 |
GPU | 838 | 949 |
RAM | 278 | 281 |
Disk | 271 | 271 |
ASUS Vivobook Pro 16X OLEDの総合的なスコアはトップクラスという訳ではないものの、十分に高いスコアです。Core i7-11370×3050TiのTuf Dash F15と比較しても同程度の数字ですので「性能が極端に低い」「理論値に届いていない」ということもありません。期待通りの働きはしてくれるでしょう。
ASUS Vivobook Pro 16X OLEDの感想・評価
良いところ・メリット
- OLEDによる圧倒的な表現力
- そこそこ高い処理能力
- 静音性に優れている
- 軽めの作業を鬼効率で回せる
- これ1台あれば良いのでは?
ASUS Vivobook Pro 16X OLEDの良いところは、バランスの良い性能に、超が付くほど高品質なモニターが搭載されていることです。
創造性をいかんなく発揮できる土台がしっかり整っているので、クリエイターやフォトグラファーには自信をもっておすすめできる製品だと思います。16インチの割には薄くて持ち出しもしやすいですし、モバイル環境下でもプロクオリティの編集環境が整うのはかなりのアドバンテージです。
スペース的な理由でデスクトップを置けない人や、ハイアマチュアにもぜひ手に取ってほしい製品ですね。
イマイチなところ・デメリット
- 動画編集能力がもう一歩
- ゲーミング性能も高くはない
ちょっとイマイチ・・なのは性能面ですね。Core i7-11370×RTX3050の組み合わせでは、高解像データ編集には堪えられないので「もう少し性能が高ければ…」というシーンがない訳ではありません。そういう意味ではRyzen搭載のM7600シリーズがおすすめということになるでしょうか。
グラフィックもRTX3050なのでゲーミング性能としても惜しい感じ。こだわりの強い人にはより強力なGPU搭載モデルをおすすめしたいところです。
ただ性能をもってしまうと、薄さや静音性というメリットが消えてしまうのでバランスだと思います。ちゃんとそういったことも理解して、性能が足りるという根拠がある(重量級データは扱わない)なら間違いなく買いのモデルです。
ASUS Vivobook Pro 16X OLEDをおすすめしたい人
[aside type="boader"]
- ビジネス、テキスト、写真などを頻繁に扱う人
- フォトグラファーのサブパソコンとして!
- モニター品質にはこだわりたい人
- 1台で色々できるパソコンが欲しい人
[btn]公式HPでチェック[/btn]
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ASUS Vivobook Pro 16X OLEDをレビューしてきました。
性能的には、高度な4K動画編集などはやや厳しいかも…と思う面もあるものの、作業効率性と十分すぎるパフォーマンスはビジネス、写真編集、息抜きのゲームといった広い範囲をカバーできるでしょう。16型4Kモニターは効率的にタスクをこなすには最適な印象を受けました。
カメラマン・ハイアマチュアのサブPCとしての選択肢もありですし、本格的な編集がコレ1台で行えるのは大きなメリットです。バランスの良い立ち回りができるので、モバイル用だけでなくメインパソコンとしても検討してもらいたいです。
ASUSは有機ELパネルを積極的に採用しているので、10万円程度の安価なモデルから本格的な性能をもったモデルまで幅広く選択できます。ぜひ一度「ASUSオンラインストア」をのぞいてチェックしてみてくださいね!