写真を愛する人にとって、編集用パソコンやモニターに関しても頭を悩ませるところです。カメラやレンズに予算がとられて、後回しになっているケースも少なくないでしょう。とは言え、編集環境を整えることも写真上達には欠かせないのは事実。
プロが求めるような機能を求めてしまうと高価になってしまうのですが、人によっては不要ということもあります。そこで必要なスペックだけを満たすことで価格を抑えているのがBenQの「SW240」です。
5万円台で購入できるカラマネモニターとして希少な存在。これからRAW現像を勉強したい人や、コスパに優れたカラーマネジメントディスプレイを探している人におすすめです!
コンパクトなので常用にも良いですし、置く場所を変えたり、しっかりと編集作業をするときだけ取り出したりといった取り回しの良さも魅力の1つ。今回BenQさんよりご提供いただきましたのでご紹介していきます。
目次
BenQ「SW240」の特徴
- 24.1型WUXGA(1920×1200)が絶妙
- アスペクト比16:10、ノングレア
- AdobeRGB99%カバーで発色が良い
- 10億色以上の10-bit対応でグラデーションが滑らか
- ハードウェアキャリブレーションに対応
- モノクロモードを搭載
- 3年間保証
- 遮光フードが別売り
BenQ「SW240」の外観デザイン
まずはSW240の外観を見てもらって、感じをつかんでもらえたらと思います。27型の「PV270」をレビューしたときと同様に、今回もBenQさんから機材協力をいただきました。通い箱がボロボロなので、写真はカットしますがそれなりに大きな段ボールなので注意。
SW240を開封していくと1枚の診断書が入っています。それは「工場出荷時に1台1台色の調整をしましたよ」という証拠で、キャリブレーションレポートと呼ばれています。この辺りも「こだわってるぜ」といったところ、普及型ディスプレイとの違いを感じます。
▼ベゼルレスがクール
このモニターで一番気に入っているところは発色の良さもですが、ベゼルが薄くて圧を全く感じさせないところです。デュアルディスプレイを予定している人も良いかもしれません。ノングレアタイプなので、目の負担が小さいのも嬉しいところ!
説明書を読むまでもなく、直観的に組み立てもできたのでそこは心配無用でしょう。重さが10kg近くありますが上部にハンドル(取っ手)がついているので、配置も楽でした。
▼上部のハンドル(取っ手)
▼ピボットも可能
モニターの可動域はかなり広く、ピボット表示も可能です。15cmほど上下に動き、首振りの角度も広いし、チルトもします。可動域は必要十分ではありますが、個人的にはもう少しだけ下げれたら良かったなと感じます。
▼電源・メニューボタンは下部に配置。欲を言えばあと数cm下げたいところ・・・
使ってみると感じるのですが、とにかくベゼルが狭く、下部も主張しないため作業に集中することができます。BenQの刻印は写真では目立ちますが、グレーぽい色で普段気になることはありません。(左のほうに寄っていれば言うこと無しだった)
▼インターフェース
DVI-DL / HDMI1.4 / Display Port1.2
USB3.1(down x 2、up x 1)/SDカードスロット
BenQ「SW240」の良いところ
SW240なら本格的な編集環境が整う
SW240はAdobe RGB99%をカバーしているモニターです。一眼レフなどで撮影したRAWデータはAdobeRGBを超える色情報をもっていますので、普通のモニターを使っても「リアルな写真」「本来の色」を見ることができません。そもそも間違った色でいくら編集しても思い通りの写真にはなりませんよね?そこでSW240のように色域の広いモニターで編集する必要があるんですね。
ハードウェアキャリブレーションに対応
モニターの状態というのは日々変化します。だんだんと色がズレてくることもあるので、それを調整してやる必要があります。それを「キャリブレーション」と呼びます。
一般の人なら半年に1回くらい調整すれば十分に感じますが、使用頻度が高いなら1~2か月でキャリブレーションをかけた場合がよいこともあります。
SW240では「Palette Master Element」というソフトと「キャリブレータ」を使用することで、ディスプレイのカラーパフォーマンスを最適な状態に調整、維持することが可能です。
▼Palette Master Elementの画面
24.1型WUXGA(1920×1200)が絶妙
フルHD(1920×1080)よりも少し広い、WUXGA(1920×1200)が絶妙に便利です。フルHDよりも縦に少し広いことで、ブラウザを並行して表示させても余裕がありますし、ソフト起動時に外枠にフォルダを置いておくなどの使い方が可能です。小さな差ではありますが、解像度が高いと作業の効率が劇的に変わります。
ただ27型の4Kディスプレイや、MacのRetinaに慣れていると物足りなく感じる可能性もあります。色が正確で、フルHDよりも少し広いというのがSW240の立ち位置でしょう。
BenQ「SW240」のイマイチなところ
遮光フードが別売り
外部の環境に影響されにくくするための遮光フードが別売りなところがネックではあります。と言いながら、僕はデスク上の圧迫感が苦手なので遮光フードはつけない派だったりします(笑)同じ理由で上位モデルの27型ではなく、24型をチョイスしています。
キャリブレータを別途用意する必要がある
写真編集用ディスプレイにはキャリブレーションが必要だと言うのはすでに述べた通りです。なのでこれをイマイチなポイントとして挙げるのはこじつけでしかないのですが・・・別途キャリブレータを購入しようとすると費用が発生します。安めのレンズなら買える値段なので、人によってはハードルに感じるかもしれません。
BenQ SW240で使う「Palette Master Element」は、X-Rite社と共同開発したキャリブレーションソフトウェアになります。なのでX-Rite社のキャリブレータを使うことを推奨、ほとんどi1 DISPLAY PRO一択と言っても良いでしょう。
対応キャリブレーションツール→X-Rtie i1 Display Pro / i1 Pro /i1 Pro 2 , Datacolor Spyder 4/5
こんな人におすすめ
- 写真編集用にコスパの良いディスプレイが欲しい人
- これからRAW現像をはじめようという人
- 必要な性能が備わっていれば十分な人
- 27インチは大きすぎるという人
- デュアルディスプレイ前提でベゼルレスが欲しい人
- ノートPCのサブモニターとして使いたい人
SW240について書いてきましたが、いかがでしたか?手元にきてから1か月ほど使ってみましたが、色々な面で取り回ししやすいモニターだと感じています。
僕のように27型が少し苦手だという人や、フルHDから置き換えたい人、どうせなら写真向けのヤツに買い変えたいなと思っている人なんかにおすすめできるかと思います。RAW現像のエントリーとしても最適ですね。
27型で価格を抑えたディスプレイが欲しいならSW2700PTもおすすめです!
もし他のディスプレイが気になるということなら「BenQのカラーマネジメントディスプレイ全比較」という記事も書いているので参考にしてください