マウスコンピューターの「DAIV S4」(DAIV S4-I7G60SR-C)をレビューします。(製品貸出元:株式会社マウスコンピューター)
14型WQXGA+(2,880×1,800)モニターを採用したコンパクトなノートPCです。CPUにはAI処理専用のNPUを登載した、インテル Core Ultra 7 プロセッサー 155Hを登載し高まるAIニーズに対応!もちろんパフォーマンスも高くて高負荷作業に耐えられます。バッテリーの駆動時間も最大約10.5時間と長く、Thunderbolt 4に対応するなど使い勝手の良さも備えています。まさに外で戦うクリエイターの強い味方と言えるでしょう。
各ベンチマークの結果や、RAW現像、動画編集にかかった時間などものせていますので参考にしてもらえると嬉しいです。公式サイトの「期間限定セール」「限定クーポン」「アウトレットモデル」「店舗即納モデル」を狙って少しでもお得に購入するのがおすすめです!
目次
DAIV S4-I7G60SR-Cとは?
マウスコンピューターが展開するブランドは、一般向けの「mouse」、ゲーミングの「G-Tune」、クリエイター向けの「DAIV」とあります。
今回紹介する「DAIV S4-I7G60SR-C」は、DAIVシリーズの中でも上位モデルに位置します。CPUは最新のCore Ultra7 155H、GPUはGeForce RTX4060という構成です。もともと人気がある構成だったこともあり、DAIVのノートパソコンをけん引するような存在と言えるでしょう。
DAIV S4の特徴をまとめるとこんな感じです。
- 旧世代に比べてAI処理が得意になった
- GeForce RTX4060を搭載
- 14型で約1.76kgと軽量
- 最大約10.5時間のバッテリー持ち
- 写真・動画編集、ゲームにもおすすめ
- デスクトップ並みの処理能力!
YouTube動画レビュー
▼従来モデル
動画でも解説していますので参考にしてください。チャンネル登録も是非お願いします!最新モデルの動画は作成中ですので楽しみにお待ちいただければ幸いです。
DAIV S4 スペック・外観チェック
- 液晶:14型WQXGA+(2,880×1,800)
- CPU:Core Ultra7 155H
- GPU:GeForce RTX4060
- メモリ:16GB
- SSD:500GB SSD
従来モデルと比較するとGPUはGeForce RTX4060据え置きのまま。描画性能は維持したまま、CPUがCore i7-13700H→Core Ultra7 155Hへと変更。モニターもフルHDからWQXGA+へと大幅に解像度がアップして作業性も良くなりました。
ただしメモリが32GB、ストレージ容量が1TBだったのに半減しているのがいただけません…価格は約27万円と結構お値段するモデルなので、ここは無理してでも維持して欲しかったですね。クリエイター向けのDAIVのこだわりというか意地を見せてほしかった印象です。
背面は外気をしっかり取り込めるように空気穴が広い範囲で設けられています。ゴム足も高さがあるので冷却性はなかなか高そうです。ただしファン2基は右側よりになっているみたいなので全体的に冷やせるのかが心配。
※従来モデル
実は従来モデルを所有しているほど、このシリーズのファンだったりもします。軽いのに専用GPUを搭載しているのが気に入っています。最新モデルはちょっとしたデスクトップ並みの処理能力があるので魅力に磨きがかかりました。
ACアダプターもよりコンパクトになっており持ち運びもしやすいと感じました。バッテリー駆動時間は約10.5時間と長く、この手のモデルにしては長寿命と言えるでしょう。大抵のワークフローはこなせる気がします。USB Power Deliveryにも対応しているのもグッド!
キーボードは自然な配置で打鍵感も絶妙に良かったです。どう表現したらよいか難しいのですが、ゴムのようなフニャフニャでもなく、プラスチックの軽い感じでもない絶妙な打ち心地なんですよ(笑)またタッチパッドもサラサラしていて軽いタッチでグンと動いてくれるのが気持ちよかったです。ちょっとピーキーすぎるくらいですね。
14型モニターは、sRGB 100%の広色域をカバーします。出荷時にカラーキャリブレーションを行ってくれるため、モバイル環境でも正確な編集作業を可能にしてくれます。一眼レフやミラーレスで撮影したデータをその場で編集するなどといった楽しみも提供してくれます。
DAIV S4のインターフェースは、HDMI、Thunderbolt 4、USB3.1、USB3.0、microSDカードリーダーなどです。カメラをよく扱う人間としてはmicroでもSDカードが読み込めるのはありがたいです。
Thunderboltに対応しているので、外付けGPUなどに接続して描画性能を高めることもできそうです。軽量さを生かしてモバイルできるだけでなく、自宅ではしっかりと動画編集作業をしたり、ゲームで遊んだりという2つの楽しみ方ができるのはポイントが高いです。
ベンチマークテスト
Core Ultra7-155H 性能チェック
モデル | CPU | PASSMARKスコア |
DAIV S4 | Core Ultra7 155H | 25092 |
DAIV S4(旧) | Core i7-13700H | 29810 |
DAIV S4(旧) | Core i7-1260P | 17203 |
DAIV 4N(2021) | Core i7-1165G7 | 10605 |
DAIV 4N(2020) | Core i7-10510U | 6960 |
CPUはCore Ultra7 155Hを採用しています。これまでこのシリーズは軽量さをウリにしていたので、Core i7-1260OやCore i7-1165G7あたりのCPUも採用されていましたが、最近は高性能CPUを搭載しているので性能面に不安はありません!
従来モデルに採用されていたCore i7-13700Hと比較すると、Core Ultra7のスコアは少し下がってしまっています。個人的には両方のCPUを採用したモデルがバリエーションとして選べると良かったのになと感じました。
高解像モニターで効率よく処理がしたいんだ!と言う方には、DAIV 6Pシリーズもおすすめです。
RAW現像の処理時間を計測
実行速度をテストするために、無料ソフトのRawTherapeeで100枚のRAW現像にかかった時間を計測します。
モデル | CPU | 時間 |
DAIV S4 | Core Ultra7 155H | 3分12秒 |
DAIV S4(旧) | Core i7-13700H | 2分29秒 |
DAIV S4(旧) | Core i7-1260P | 3分59秒 |
DAIV 4N(2021) | Core i7-1165G7 | 4分58秒 |
DAIV 4N(2020) | Core i7-10510U | 5分58秒 |
100枚の現像処理にかかった時間は3分15秒でした。これまでのモデルと比較すると速いほうですが、やはりCore i7-13700Hよりも時間がかかってしまいました。
旧モデルの省電力タイプのCPUに比べたら良い結果が出ていますが、やはり最新モデルとなってくると要求も高くなってしまいます。カスタマイズで両方選べる…なんてことには……ならないでしょうね。。
GeForce RTX4060 ゲーム性能チェック
FF15のベンチスコアを比較
モデル | 設定 | 結果 |
DAIV S4-I7G60SR-C (RTX4060) | 1920×1080(標準設定) | 9490(非常に快適) |
3840×2160(標準品質) | 3925(普通) | |
DAIV S4-I7G60CB-B (RTX4060) | 1920×1080(標準設定) | 12910(非常に快適) |
3840×2160(標準品質) | 4457(普通) | |
DAIV S4-I7G50CB-A (RTX3050) | 1920×1080(標準設定) | 7131(普通) |
DAIV S4-I7G1BCB-A (GTX1650) | 1920×1080(標準設定) | 5119(やや快適) |
GeForce RTX4060はフルHDなら非常に快適、4K解像度で普通という結果が得られました。ただし従来モデルと比較すると約8割くらいのパフォーマンスしか出せていないのが気になります…
AI的な処理が働いているのか、それとも冷却の偏りが出てしまっているのかは不明ですが、せめて従来モデルと同程度のスコアは意地してほしかったように感じます。従来のモデルにはGTX1650~RTX3050を登載したモデルもあったので、それよりはだいぶ良くなっているんですけどね…
動画編集性能もチェック
無料ソフトのResolve使って動画編集をテストします。ミラーレスカメラで撮影した5分程度の動画を書きだす時間を計測。
モデル | パーツ構成 | 時間 |
DAIV S4 | Core Ultra7-155H×RTX4060 | 2分57秒 |
DAIV S4(旧) | Core i7-13700H×RTX4060 | 1分24秒 |
DAIV S4(旧) | Core i7-1260P×GTX1650 | 4分09秒 |
DAIV 4N(2021) | Core i7-1165G7×GTX1650Ti | 7分35秒 |
動画編集も十分処理が快適な水準にはいます…いますが、旧世代よりもかなり時間がかかってしまいました。DAIV S4のCPU調整がそうなっているのかはわからないのですが、どうもマルチ性能が低めに出ているようなんですよね。従来モデルだと軽々行えてた動作が普通にできるというのはメリットでもなんでもないですからね。
DAIV S4シリーズ 感想/評価
メリット | ・高めの処理能力! ・そこそこ軽くて作業性も良い ・クリエイティブ作業も快適 ・高解像データ編集にも使えるスペック ・バッテリーもちも悪くない(PD対応) |
デメリット | ・従来より性能が低い ・メモリ、SSD容量が半減 ・それなのに約27万円?? |
DAIV S4はミドルクラスのデスクトップ並みの性能を持っています。現像処理や動画編集、ゲームも十分に遊べる水準にあり、軽量で持ち運びがしやすいのはメリットです。しかもモニターの作業性、正確性も良いですし、筐体も金属仕上がりで剛性が高くて満足度が得られるのも間違いありません。
ただし従来モデルよりもパフォーマンス面では魅力が薄れてしまっているのは事実で、約27万円という価格に見合っているのかと聞かれると頭を抱えてしまいます。予算に余裕があるとか、欲しい!って人はもちろん買ってもらって大丈夫ですが比較検討すると他の選択肢もあるような気がします。
例えば最近レビューした「G-Tune E5」なんかも悪くないと思います。
お値段に関しては、公式サイトの「期間限定セール」「限定クーポン」「アウトレットモデル」「店舗即納モデル」を上手く活用してやればお得に購入できる可能性があるかもしれません!
DAIV S4をおすすめしたい人
- フットワーク重視のクリエイター
- 高級感のあるモデルが欲しい人
- モバイル環境での作業が多い人
- 保証面やアフターサービスが気になる人
マウスコンピューターの「DAIV S4-I7G60SR-C」をレビューしてきました。
デスクトップに負けない処理能力を持っており、それを気軽に持ち歩けるというのはメリットです。フットワーク重視の人や、機材が重くなりがちでなんとかしたいと考えているクリエイターさんにはおすすめです。ただし従来モデルよりもパフォーマンス面で不安が残るのがネック…なんならこの筐体で再販してほしいとさえ感じてしまいました。3年保証が標準でついていたり、アフター面にも定評があるので、そのあたりを重視している人にも良いと思いますよ。