LeicaのELMAR-M F3.8/24mm ASPH.を購入しましたのでレビューします。
優れた描写性能をもちながら、明るさをF3.8に抑えた(無理をしない)ことでコンパクトさを実現。風景写真や旅先でのスナップにも最適なレンズとなっています。写りはシャープながら繊細さも併せ持っており、ライカらしい描写を味わえます。
拙いながら作例ものせてありますので、検討されている方の参考になれば幸いです。
目次
Leica ELMAR-M F3.8/24mm ASPH.レビュー
ライカの長い歴史の中でも「エルマー」と言えば定番シリーズという印象。スーパーなどを冠さないエルマーは、今のライカのラインナップではこの24mmのレンズだけです。(たぶん)
35mmや50mmは所持しているため、スナップに使えるレンズをもう1本追加しようと画策。本レンズは新品なら35万円、中古でも25万円前後が相場とあり「常用するかわからんレンズにその値段出すのはどうなの?」と躊躇せざるを得ません。
ところが「カメラ愛好家の防湿庫」とも呼ばれる某カメラ屋さんが意味不明の半額セールを開催していたため運よく手にすることができました。
スナップレンズと言えば28mmあたりを使う人も多いと思いますが、個人的にとても苦手な焦点距離なんですよね・・・
28mよりもう少し広い画角が欲しいと思うシーンも多かったですし、これ以上広いとかえって使えるシーンが限定的にもなりかねない。24mmにしておけば、ズームレンズの広角側にも採用される焦点距離ですから使い勝手が悪いなんてこともありませんし安心して使えます。
むしろ「コンパクトなのによく写るな」という印象。
Leica ELMAR-M F3.8/24mm ASPH.の外観
ELMAR-M F3.8/24mm ASPH.は金属の外観で手に持ってみるとズッシリとした質感を感じることができる。チープさは微塵も感じさせないところが、いかにもライカらしいと感じます。実際に重量を測ってみるとフード付きで279gほどでした。
開放値がF3.5などのレンズは、フィルム時代でこそ多く見られました。最近ではズームレンズですらF2.8通しが当たり前になってきていますし、単焦点レンズの開放値はどんどん明るくなっています。そうしたレンズ達は高画質で素晴らしいのですが、どうしても軽快さが犠牲になっているケースも見られます。
そういう意味では、軽快さを保ちつつ広角の世界を楽しめるELMAR-M F3.8/24mm ASPH.は貴重なレンズと言えるかもしれません。個人的に小さいシステムは大好物ですし、予備のレンズとしてカバンに忍ばせておいても負担は感じません。
フォーカスリング部には、指かけがついているのでピント合わせがしやすいです。また距離指標、被写界深度目盛もあるので、おおよそのピント合わせも可能。とりあえずリングを左右にクルクルしているだけで楽しい(笑)
ちなみに絞り羽根は9枚。
レンズフードはねじ込み式で、こちらも金属製で決まった位置で固定されるのがさすが!切り欠けがあるので、ファインダーを覗いても視界を妨げにくくなっています。
まぁフードだけでウン万円は痛い・・・けどね。
後玉はけっこう出ているので、マウントアダプター経由で取り付けの際には干渉に注意したほうがいいのかな。現行レンズなので6bitコードも装備しており、Exif情報の記録や、画質の調整もしているはず。気合いの入った人だと自作することもあるって言うんだから驚き。
Leica M10に着けたらこんな感じ。取り回ししやすくて良い。
M型ライカのファインダーは、28mmまでしか対応しないのですが「目の前に見えてるものが全部写る」と考えたら意外と外付けファインダーなしでも使えました。電柱や枝一本切りたいとか、なかなかに無理ですが、そういうのはライブビューに任せるか、なんなら諦めて使おうと思ってる(笑)
思いがけないものが写った=なんて幸運なんだ! この考え方できっと幸せになれる。
このサイズだからこそ1日撮り歩いても疲れないし、レンズもあと1本加えようかという余裕が生まれる。早く旅行に連れて行ってあげたい!
Leica ELMAR-M F3.8/24mm ASPH.の作例
画面周辺まで解像度を保っており、コントラストも高くてシャープ。広角らしい広々とした画角に、スッキリとした空気感が気持ち良いレンズです。
作例ではわかりにくいかもしれませんが、シャドー部には人が数人います。生データだと表情もわかるくらいで階調の豊かさってこういうことなんだなと思いました。
ライカの広角側のレンズって、マゼンタ被りとかの問題があるらしく慎重に選ばないと痛い目を見ます。実は一度別のレンズをポチったんですが、それが懸念されたのでキャンセルをお願いしたなんて経緯もありました。
ELMAR-M F3.8/24mm ASPH.を選んだのは、そうした問題がなさそうなのも1つ。曇天でも逆光でも神経質にならないで済むのは、近代的なレンズだからだろうか?オールドに比べてコーティングもしっかりしているだろうし、6bitコードでうまく調整しているんだろうな~なんて勝手に推測しています。
開放付近で撮影すれば自然なボケと立体感を味わうこともできる。
開放値がデメリットに感じないくらいには満足のいく描写を得られる。買って良かった・・・
広角ということもあってか、空などの明るさに露出はひっぱられがちな気がします。露出補正を+に振った方が失敗は少ない印象で、場合によっては空を飛ばしてしまうような選択をするのもありなのかも。
広く写るだけに背景に配慮しなければ散漫な写真になりがちだが、ストーリーがちらほら見えると楽しい。
オールドレンズのようなあまい描写も魅力的だが、シーンによってはその選択は少し違うのでは?と感じることもある。特に広角側だとそうした傾向を強く感じるので、ELMAR-M F3.8/24mm ASPH.ではしっかりとした写りを楽しみたいと思っています。
エルマー M F3.8/24mm ASPH.の感想
開放からハイコントラストでシャープな描写で、コンパクトさを武器にガシガシと使っていきたい魅力のあるレンズです。
風景や旅行スナップにはもちろん、身構えないポートレート(子供の記録写真など)や建築写真などジャンルを選ばずに使っていきたいです。明るさとか価格だけで判断すると途端に魅力を失うかもしれませんが、実際に使ってみるとなかなかに使いやすく感じるので不思議です。
ライカ+広角ということで手にする人は少ないのかもしれませんが、常用レンズに加えて、こうしたレンズを1本プラスしてみる楽しさはあると思います。意外にも24mは使いやすいですし、次の旅行にはELMAR-M F3.8/24mm ASPH.を必ず持っていこうと考えています。
また撮影したデータは作例に追加していきたいと思っていますのでお楽しみに~!