ASUSのゲーミングノートパソコン「ROG Zephyrus M16 」 (GU603シリーズ)をレビューします。(製品貸出元:ASUS JAPAN 株式会社)
16型WQXGAの大画面は、DCI-P3領域をカバーし正確な編集作業が可能!Core i7-11800H×GeForce RTX3070の組み合わせで、とてもパワフルに動作します。言い換えれば緻密さと力強さを併せ持ったゲーミングパソコンです。
ベンチマークソフトを使ってのパフォーマンスチェックや、使い心地などをレビューしていきますので参考にしてもらえると嬉しいです。
目次
ROG Zephyrus M16 GU603レビュー
ASUSのゲーミングノートパソコンZephyrus M16 GU603 (GU603HR-I7R3070EC)です。
画面と本体の比率を94%の狭額縁とすることで、15型クラスに16型の大画面を搭載することを可能としました。さすがに存在感はあるものの、意外と薄型でリュックならすっぽりと入ってしまうくらいのサイズです。
Zephyrus M16 GU603の素晴らしさはモニターにあります。165Hzリフレッシュレート、3msの応答時間はゲームに最適です。もちろんそれをバックアップするパフォーマンスを備えているのも見逃せません。
また100%DCI-P3だけでなく、Pantone認証を受けるなど色精度でも安心感があります。ゲームからクリエイトまで、完璧にこなせると言っても過言ではないでしょう!
特徴をまとめるとこんな感じです。
- Core i7-11800H(8コア16スレッド)
- GeForce RTX3070で描画性能も高い
- 16型WQXGA(165Hz)
- 色精度、作業性に優れたモニター
- Thunderbolt 4、Type-C充電対応
- 最大10時間のバッテリー駆動時間
ラインナップ
型番 | 構成 | 価格 |
16型2,560×1,600(164Hz) Core i7-11800H×16GB×1TB×RTX3070 | 269,800 | |
16型2,560×1,600(164Hz) Core i7-11800H×16GB×1TB×RTX3060 | 239,800 | |
16型2,560×1,600(164Hz) Core i7-11800H×16GB×1TB×RTX3050Ti | 219,800 |
今回はシリーズの中でもハイエンド的な位置づけのモデルをお借りしました。(RTX3070搭載モデルは2021年秋に発売予定)
ROG SLASHシリーズ(グッズ)を同時発表!
ASUSは、M16/S17の発売に合わせてROG SLASHシリーズグッズ(バック)の発売を開始しています。万能なリュックタイプ、アクティブなシーンにもピッタリなメッセンジャー、日常使いにも最適なスリングバックなどを用意。ベルトのブルーとピンクが良いアクセントになっててカッコいいですね!
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YouTube動画レビュー
You Tube動画も作っていますので、合わせて参考にしてください。高評価、チャンネル登録してもらえると喜びます!
ROG Zephyrus M16 GU603 性能(スペック)
- OS:Windows 10 Home 64ビット
- CPU:Core i7-11800H
- GPU:GeForce RTX3070
- メモリ:16GB
- SSD:1TB SSD
- 液晶:16型2,560×1,600ドット(165Hz)
- 重量:約1.9㎏
- サイズ:幅355mm×奥行き243mm×高さ19.9mm
ゲーミングモデルとは思えないスリムな外観で、とてもスタイリッシュな印象を受けます。天面には光の加減で反射するプリズムのようなものが仕込まれいます。見るたびに表情が変わるので飽きがこない。
ブラックということで汚れが気になりますが、ソフトタッチコーティングなるものが施されており、指紋や汚れを最小限に抑えてくれます。
Zephyrus M16には、液体金属化合物を塗布しCPUを冷却するシステムを採用。6つのヒートパイプ、84のブレードをもつファンで強力に冷却します。長期的に使えるように、ほこりを取り除いてくれるセルフクリーニングつき。
天面角にロゴが入っただけのシンプルさ。ビジネスで使っても違和感はないと思います。
付属品
付属品は各種取扱説明書、電源コード、ACアダプターなどです。(貸出機のため内容物は異なる可能性があります)
液晶モニター
Zephyrus M16の素晴らしいところは、単にパフォーマンスが高いだけのPCではないところです。ゲームに最適な高リフレッシュレート、応答速度を持つだけでなく、プロクオリティにせまる色再現性で、積極的な制作活動を後押ししてくれます。
アスペクト比が16:10(2,560×1,600)と縦に長いため、より多くのコンテンツを表示することができます。とても作業性の良いモニターです。
一目見て一般的なモニターとはちがうと感じますし、発色も素晴らしい。一日写真を眺めているだけでも幸せになれそうな予感です(笑)
キーボード
キーボード配列は自然で、十字キーが本体サイズの割には小さいくらいでしょうか。打鍵間もよく、たわみも感じないのでタイプするのが気持ちよいです。
上部にはパフォーマンス切り替えスイッチなども装備され、シーンに合わせて簡単にモードが切り替えられるのも良かったです。
インターフェース
インターフェースは、LAN、HDMI、Thunderbolt 4(Type-Cデータ転送と映像出力、本機給電をサポート)、USB3.2 (Type-A)×2、USB3.2 (Type-C)×1、microSDカードリーダー、マイク、ヘッドホンジャックなどです。
ROG Zephyrus M16 GU603 ベンチマークテスト結果
CPU:Core i7-11800H 性能チェック
8コア16スレッドのCore i7-11800Hを採用しています。
参考までに他モデルと比較した例をご覧ください。(PASSMARKの公開スコアを掲載)
モデル | CPU | スコア |
ROG Zephyrus M16 | Core i7-11800H | 22769 |
TUF Dash F15 FX516PE | Core i7-11370H | 12860 |
ROG Flow X13 GV301QH | Ryzen 9 5900HS | 23101 |
DAIV 5N | Core i7-10875H | 15814 |
DAIV 5P | Core i7-10750H | 12572 |
スコアは22000オーバーで、デスクトップクラスの処理能力を発揮してくれそうです。ライバルのRyzen 9 5900HSと同等の数字ですね。
ここ最近のインテルはAMDに押されっぱなしのイメージもあったのですが、一矢報いることはできるのか注目です。
RAW現像チェック
実行速度をチェックするためにRAW現像にかかった時間を計測します。
テストの内容は、無料現像ソフトの「RawTherapee」を使って100枚のRAWデータの一括変換にかかった時間を計測。(設定はJPEG品質は90%、高画質です)
モデル | CPU | 時間 |
ROG Zephyrus M16 | Core i7-11800H | 2分57秒 |
ROG Flow X13 GV301QH | Ryzen 9 5900HS | 2分59秒 |
TUF Dash F15 FX516PE | Core i7-11370H | 3分21秒 |
DAIV 5N | Core i7-10875H | 3分23秒 |
DAIV 5P | Core i7-10750H | 4分12秒 |
RAW現像処理能力はとても優秀で、ノートパソコンとしてはトップクラスの性能を発揮しています。
モニター品質もあって編集作業は楽しいものになりますし、処理も速いとなれば言うことはありません。
GPU:GeForce RTX3050Ti ゲーム性能
ROG Zephyrus M16(RTX3070)のゲーミング性能をチェックしていきます。
FF15のスコアを比較
重量級タイトルのFF15でゲーミング性能をチェックします。
モデル | 設定 | 結果 |
ROG Zephyrus M16 (RTX3070) | 3840×2160(標準設定) | 4522(やや快適) |
1920×1080(標準設定) | 10186(とても快適) | |
TUF Dash F15 FX516PE (RTX3050Ti) | 3840×2160(標準設定) | 2852(やや重い) |
1920×1080(標準設定) | 7558(快適) | |
DAIV 5N (GTX3060) | 3840×2160(標準設定) | 4428(普通) |
1920×1080(標準設定) | 10532(とても快適) |
4K解像度でもやや快適という結果で、重たいタイトルも快適に遊べることがわかりました。
遊ぶゲームによって高いリフレッシュレートを得られる設定にしたり、美麗なグラフィック設定にしたりと色々楽しめそうです。
音質面でも妥協はしていないので、割と小さな音量でもしっかりと聞こえてくる感じも良かったです。
動画編集チェック
動画編集能力をテストするために無料ソフトのResolveを使いました。ミラーレスカメラで撮影した4Kデータを使って簡単な動画を作成→レンダリング(FHD)の時間を測定しています。
モデル | パーツ構成 | 時間 |
ROG Zephyrus M16 | Core i7-11800H×RTX3070 | 3分21秒 |
TUF Dash F15 FX516PE | Core i7-11370H×RTX3050Ti | 3分15秒 |
TUF Dash F15 | Core i7-11370H×RTX3070 | 2分35秒 |
DAIV 5P | Core i7-10750H×GTX1650Ti | 3分20秒 |
動画の書き出し時間は3分秒21で、性能の割にはかかってしまった印象を受けます。とは言え、遅いという訳でもありませんし、編集作業でもたつきや不満は感じないレベルです。
画面解像度のおかげで狭くなりがちな編集画面でも情報をたくさん並べられましたし、そういう意味ではストレスはなかったと言えます。
ただやはりCore i7-10750H×GTX1650Tiと同じ処理時間は気になります。補足しておくと高画素データになってくると差は如実に表れてくるはずなので、ROG Zephyrus M16を選択しておくというのは悪い判断ではありません。
SSD転送速度チェック
実測で読込速度 7000MB/s,書込速度 5000MB/s程度の爆速SSDを搭載しています。ちなみに一般的なHDDが100~200mB/sです。
ROG Zephyrus M16 GU603の総合力
続いては、CPU、GPU、メモリ(RAM)、ストレージのパフォーマンスチェックのために「Novabench」でテストします。
モデル | TUF Dash F15 FX516PE | ROG Zephyrus M16 |
総合 | 2824 | 3706 |
CPU | 1323 | 1988 |
GPU | 949 | 1065 |
RAM | 281 | 278 |
Disk | 271 | 375 |
ASUS Dash F15 FX516PE (i7×3050Ti)をと比較すると、グレードのちがいにきづくことができます。特にCPUとDiskの数値が高く、データ転送が多いクリエイト作業とも相性が良いことがイメージできます。
ROG Zephyrus M16 GU603の感想・評価
良いところ
- トップクラスの処理能力
- 高解像データ処理もこなせる性能
- ゲーム、写真、動画編集を完璧にこなせる
- モニター品質が良い
- これ1台あれば良いのでは?
ROG Zephyrus M16 GU603シリーズは、非常に完成度が高く、パフォーマンス面、表現力、サイズ感、インターフェースなど文句をつけるほうが難しいくらいです。
サイズが16インチなので、モバイル性はやや落ちるものの、リュックにも収まる薄さです。電車や自家用車での移動が中心なら、自宅⇔会社の往復も苦にならないのではないでしょうか。
デスクトップクラスの処理能力、ゲーミングやクリエイト系のモニターを買いそろえることを考えたらコスパは良いかもしれません。
ちょっとイマイチなところ
- 動画編集能力はもう一歩
- ACアダプターが大きい
あえてケチをつけるなら、動画の書き出し時間が振るわなかった点です。毎日編集作業を行うような動画クリエイターさんには、書き出し時間の短縮化で貢献できないかもしれません。
またパフォーマンスが高いので、ACアダプターも大きいです。Type-C給電も可能ですがパフォーマンスが落ちる可能性もあるため注意が必要です。
ROG Zephyrus M16 GU603をおすすめしたい人
- トップクラスのノートPCを求めている人
- ゲーマー、クリエイターなど本格派に!
- モニター品質にはこだわりたい人
- モバイル性より性能を重視する人
ROG Zephyrus M16 GU603シリーズをレビューしてきました。
パフォーマンスの高さを重視したモデルかと思いきや、モニターの表現力、音声、キーボード、デザインや仕上がりといった全ての完成度が高い製品です。
確かに価格面では高額であることは否めませんが、ここ最近レビューしたパソコンの中でも、頭一つ抜ける存在だと思います。
スペース的にどうしてもデスクトップが置けない人や、ノートパソコンで決めたい!というユーザーには良い選択になるでしょう。いやぁ・・これは欲しいぞ(笑)