フルHDクラスでリッチな体験ができる「Radeon RX 6650XT」を購入したのでレビューします。
2022年春頃に市場に投入されたRadeon RX6650XTシリーズで、先に販売されているRadeon RX 6600XTにチューニングを施したマイナーチェンジモデルになります。ライバルのGeForce RTX3060(Ti)シリーズに近い性能を誇り、価格は5万円前後で販売されています。
各種ゲームのベンチマークや、実際に使ってみた感想を書いていますので参考にしてもらえると嬉しいです。パソコンパーツについては「ドスパラ」「パソコンショップアーク」などで購入が可能です。
目次
Radeon RX 6650XTとは?
Radeon RX6650XTは、AMDミドルクラスのGPUです。高速なGDDR6メモリとInfinity Cacheを備えており、快適な1080p(フルHD)ゲーミングを可能にする性能をもっているとされています。Radeon RX6600XTから1年を待たずしての更新ですので急いで乗り換える必要がある訳ではありませんが、Radeon 7000番台の値段が落ち着くまでの繋ぎとしては良いかもしれません。
市場では「GeForce RTX3060Ti並みの性能」という評価ですが、個人的にはその下位モデルのGeForce RTX3060に近い性能な気がしています。Radeon RX6650XTの細かい情報については、ネットのそこら中に落ちているので、ここでは使ってみた感想をメインにお伝えしたいと思います。
RX6000番台/RTX3000番台の価格を比較
GPU | 価格 |
GeForce RTX3060Ti | 6.5万円~ |
GeForce RTX3060 | 4.5~6万円 |
GeForce RTX3050 | 3.2~5万円 |
GeForce GTX1660SUPER | 2.5~3.5万円 |
Radeon RX6750XT | 6.5万円~ |
Radeon RX6650XT | 4.5~6万円 |
Radeon RX6600XT | 4.2~6万円 |
Radeon RX6500XT | 2~3万円 |
Radeon RX6650XTのメイン価格帯は5万円前後で、競合のGeForce RTX3060とほぼ横並びです。
ちなみに僕はというと、Radeon RX570から始まり、Radeon RX5600XT、Radeon RX5700などで自作を楽しんできました。年明け頃にRadeon RX6600を5.3万円ほどで購入しているので、その頃と比較すると「グラボもずいぶん安くなったな~」という印象です。
しかもRadeonについては処分価格なのか、各ショップで特価になっていることもしばしば…今回はなんと驚きの実質3.2万円ほどでRadeon RX6650XTが購入できてしまいました。RTX3060クラスで1~2万円安くなってるならそりゃ買っちゃうよねって話です(ポチポチ)
SAPPHIRE NITRO+ Radeon RX 6650 XTを購入
購入したのは、SAPPHIRE NITRO+ Radeon RX 6650 XTです。
PC4Uというショップがご乱心価格(失礼)で約35,000円プラスポイントで購入できました。その後価格は訂正されており、記事執筆時点では約5万円ほどになっています。これは良いタイミングで購入できた…
Twitterでもかなり騒がれていましたし、僕自身もアナウンスしていました。パソコン、パーツなどのお得情報を知りたい人は「はるか@はるふれ」(Twitterアカウント)をフォローしてもらえると嬉しいです。
ちなみに組み込むのは、NZXT H1というルックス抜群のケース。購入したグラボは、3スロット占有なので入るか正直不安…テンションで買い物するとこういうことになりがちなので皆は気を付けてね(笑)
おとなしく2スロット占有の「Sapphire PULSE Radeon RX 6650 XT GAMING」にしておけば良かった…もう少し安くなったし…でも見た目と雰囲気、そしてテンションで押し切ってしまったんだよなぁ。
メーカーの2年保証があるので安心。Radeonは過去2回不具合製品をつかまされているのですが、そのコスパについつい手を伸ばしてしまいがちです。
SAPPHIRE NITRO+は、高負荷時にも安定した電力供給を行える回路や、安定性に優れた設計をされています。BIOSスイッチ、LEDライティング機能、独自ユーティリティツール「TriXX」によるクーラーの制御に対応するなど付加価値を高めた上位モデルになります。
カラーはブラックとシルバーのツートンカラーになっています。グラボは黒を基調としたデザインが多いので、シルバーってだけでも目を引きます。サイズは約260×130×57.57mm。
バックプレートもシルバー…カッコいい。3スロット占有ということで厚みはありますが、思った以上に軽かったのが印象的でした。
インターフェースは、DisplayPort 1.4×3、HDMI 2.1×1です。
補助電源コネクタは8ピン1系統です。この製品の消費電力は203WでNZXT H1の電源が650Wですから、結構ギリギリになってきているかもしれない。
マザーボードと接続することでライティングを楽しめるのも本製品の特徴。
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ベンチテスト環境
CPU | Core i9-12900 |
GPU | Radeon RX6650XT |
メモリ | 32GB |
ストレージ | 1TB |
電源 | 650W 80plus Gold |
「Core i3-12100でコスパ抜群の自作PC組んでみた」という記事を書いたタイミングでインテル第12世代CPUの魅力にとりつかれてしまい、サクっとCore i3→Core i9への乗り換え。今回でGPUも強化できるので自分の望むスペックには到達できたかなといったところです。満足。
ゲーミング性能チェック
FF15で性能比較
モデル(GPU) | 設定 | スコア |
Radeon RX6650XT | 1920×1080(標準品質) | 13858(とても快適) |
3840×2160(標準品質) | 4246(普通) | |
GeForce RTX3060Ti | 1920×1080(標準品質) | 12658(とても快適) |
3840×2160(標準品質) | 5273(普通) | |
GeForce RTX3060 | 1920×1080(標準品質) | 11522(とても快適) |
3840×2160(標準品質) | 4274(普通) | |
Radeon RX6600 | 1920×1080(標準品質) | 10638(とても快適) |
3840×2160(標準品質) | 3334(普通) | |
Radeon RX5700 | 1920×1080(標準品質) | 9860(とても快適) |
3840×2160(標準品質) | 3854(普通) | |
Radeon RX5600XT | 1920×1080(標準品質) | 9538(とても快適) |
Radeon RX6650Xは、4K解像度/標準品質なら「普通」という結果が得られています。GeForce RTX3060とほぼ同等のスコアですね。ただしフルHDクラスだとRadeonのほうがスコアが出ています。
市場評価で同等クラスと言われるGeForce RTX3060Tiを見てみると、フルHDでは勝利するものの、解像度が高くなると大きく差をつけられてしまいます。また、リアルタイムレイトレーシングをRadeonが苦手としいることも考慮すると、RTX3060Tiと同等とは言えないような気がします。
もしも同じ金額で買えるのであれば、僕ならGeForce RTX3060を選択すると思います。が、今回は1.5万円ほど安かったこともあり満足のいく買い物ができたと考えています。
ここからは所有しているいくつかのゲームで遊んでみた結果を紹介します。
エルデンリング
解像度 | 2560×1440 |
画質設定 | 最高 |
FPS | 60FPS前後 |
死にゲーならではのクセが辞められないエルデンリングでテスト。WQHDで最高設定でも60fpsあたりをキープすることができました。温度も上がって70℃付近なのでめちゃくちゃ静かです。
サイバーパンク2077
解像度 | 2560×1440 |
画質設定 | ウルトラ |
FPS | 55~60FPS前後 |
あまりの美麗グラフィックから超重量級とも言われる「サイバーパンク2077」です。WQHDのウルトラ設定でも60fps前後をキープすることが可能。ただしレイトレーシングをオンにすると20fpsを切ってしまい全く使えません。
Ark
解像度 | 2560×1440 |
画質設定 | 高 |
FPS | 75FPS前後 |
恐竜が闊歩する世界でサバイバルを行う「Ark」では、WQHD高設定で75fps前後をキープ。最高設定にすると45fps前後になるので快適に遊びたいのであれば、このくらいに留めておくのが無難そう。
Skyrim
解像度 | 2560×1440 |
画質設定 | 高 |
FPS | 60PS前後 |
SkyrimもWQHD/高設定なら60fpsキープは余裕。広大なオープンワールドを堪能することができます。
7 days to die
解像度 | 2560×1440 |
画質設定 | 最高 |
FPS | 60~85FPS前後 |
ここ最近一番遊んでいるかもしれない7 days to dieは、WQHD最高設定で60~85fpsあたりをキープできました。設定をフルHD/高設定にしてやれば100fpsを狙えます。
Radeon RX 6650XTの温度と静穏性
各種ベンチマークでGPU温度も同時に見ていたのですが、ほぼ70℃以下で動作していました。長時間のゲームプレイ時もめちゃくちゃ静かなので、集中して遊ぶことができたのは本当にありがたかったですね。GeForce RTX3070とかRadeon RX5700あたりは動作音も結構していたので、ヘッドフォンをすることもありました。真夏だとコレ結構きついんですよね…汗とか蒸れとかたまらん。。
スマホアプリで騒音チェックをしてみたところ、大体55dB(ささやき声)くらいです。別室で洗濯機がまわっている音や、掃除機の音、工事の音とかのほうが全然大きいです。
RX6600の時にも同じことを言っていますが、個人的には静穏性=快適と思う派です。性能が盛れるけどうるさいグラボより、ほどほどの性能だけど静かなほうが心地良いんですよね。特にNZXT H1のようなコンパクトなケースだと、その特徴が生きると思います。
Radeon RX 6650XTまとめ
メリット | デメリット |
・フルHD/WQHD高設定で遊べる ・激安で買えるかも? ・温度が上がりにくい(静か) ・コンパクトなPCに組み込める | ・高解像領域では性能が出ない ・予算に余裕があるならRTX3060が無難 ・レイトレーシングに弱い |
今回、複数のタイトルでテストを行いましたが、WQHD高設定なら60fps、フルHD高設定なら100fpsくらいは狙えました。遊びたいタイトルに合わせて柔軟に設定変更ができると思います。
特別な熱/騒音対策は考えなくて良いほどですし、しっかりと性能を確保しながらも快適に遊べるのは有難いです。このくらいの性能があれば、一部のハードゲーマーを除いて、ほとんどの人が満足できる水準にあると思います。割とどんな人にもおすすめでくるグラボですね。ただし価格が同じならRTX3060が良いかもしれません。
ちなみにグラボは入りましたが、ケースに干渉して開閉不可能な状態に陥りました…これは面白くなってきた
▼Radeon RX6600も安くなってきてるのでおすすめ!
パソコンパーツについては「ドスパラ」「パソコンショップアーク」などで購入が可能です。グラボの入手が困難な時期がまだまだ続きそうですので、各社チェックしてお得にゲットしてくださいね。