ソニーのショットガンマイクロホン「ECM-M1」の購入レビューです。
ソニーのαシリーズを始めとするミラーレスカメラやビデオなどで使えるショットガンマイクロホンです。世界初となる8つの収音モードを備えており、多数のシーンに対応できます。小型軽量で持ち歩きもしやすく、本体から電源供給も可能なので携帯性もバツグン!ダイヤルを切り替えるだけで収音モードも切り替え可能です。デジタル4chで保険もきくのでまず失敗がない…初心者やエントリー層にこそ使ってほしい。ソニーのマイクで悩んだらとりあえずコレと言えるくらい神アイテムです。
目次
SONY ECM-M1 レビュー
ポイント
- 8つの収音モードを搭載
- ダイヤルを切り替えるだけの簡単操作
- NC、LCノイズを低減する機能搭載
- 本体に4つのマイクを搭載
- 防塵防滴に配慮した設計
- カメラ本体から電源供給
- 重量約65gで携帯しやすい
- ウインドスクリーン付属
- 4チャンネル記録に対応(保険が効く)
ECM-M1は、豊富な収録モードを簡単に使えるのが魅力のショットガンマイクロホンです。難しい設定などをしなくてもカメラ本体などよりもずっと高音質で録音が可能ですし、本体もコンパクトなのでバックに忍ばせておくだけでいざという時に活躍してくれます。価格は4万円くらいするので簡単に買えるというシロモノでもないかもしれませんが、1つ所有しておくだけなので気になっている人は早めに購入しておくと良いかも?
僕はもともとソニーのステレオマイク「ECM-XYST1M」を購入して使っていたのですが、もっと高音質に対応したいという気持ちが芽生えてきたんですよね。これはこれで悪いモノではありませんでしたが、結局遠回りをしてしまった形です…この記事を読んでくれている人には遠回りして欲しくないというお気持ちで書いております(笑)
だってECM-M1のほうは値段が倍もするんだから音だってきっとすごいはず。。そう思った時には紙袋をぶら下げていましたよね。これはガジェット好きの宿命というか、習性というかあらがえないものだから仕方ない!
YouTube レビュー
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SONY ECM-M1 開封・外観チェック
知らない人からすると一見マイクとは思えないデザインをしていると思いませんか?クリっとしていてかわいい気がしないでもないです。サイズは、全長64.4mm、幅40.0mm、高さ72.2mm、質量は約65gで、非常にコンパクトです。
防塵防滴にも配慮されているとのことなので悪天候時の使用も想定された作りにはなっているようです。
感度を調整することで収音指向性を制御する「ビームフォーミング技術」とデジタル信号処理で4つのマイクカプセルから全8モードの収音パターンを選択することを可能にしています。目的方向の感度は高く、それ以外では低くすることで不要な音が入りにくくしています。遠方からの環境音は適度に残して録音されます。
本体背面には収音モードを切り替えられるダイヤルが設置されており、直感的にモードを切り替えることが可能になっています。収音されるスペースが白塗りで刻印されているのでイメージしやすいのもポイントです。また中央部分にはロックボタンがあるので不意に収音モードが切り替わることもありません。
サイドには「ノイズカットフィルター」「ローカットフィルター」も搭載しています。被写体の音以外のノイズとなるような雑音を除去したり、エアコンや風切り音、振動音といった低音域の不要な音を低減してくれます。被写体の声や音を強調してくれるような機能なので、僕は基本的にノイズカットフィルターは入れっぱなしにしています。
反対側にはアナログ、デジタルの切り替えボタンがあります。デジタルオーディオインターフェース非対応のカメラでもほとんどの機能(8つの収音モード、ノイズカットなど)が使えたりします。ただし記録方式は2chになります。
今もメイン機として活躍してくれているα7C IIに取り付けてみました。ソニーのカメラってコンパクトさが魅力でもあるので、そのメリットを生かしたまま高音質なマイクが使えるのは嬉しいですね。ジンバルとかにのせて使う人にも良いのかも!
煩わしいコード類や電源も心配する必要がない(カメラ本体から給電)ので初心者にも簡単に使えます。シンプルだからこそ自由度も上がっていますし「使ってみようかな」までの精神的ハードルが低いのが滅茶苦茶良いですね。
付属品・オプション
付属品は取説、保証書、ポーチとウインドスクリーンです。携帯するシーンが多くなりそうなのでポーチがついているのは嬉しいです。バックに裸のまま入れるのは流石にしのびないですからね。
SONY ECM-M1 使い方
8つの収音モードを搭載
鋭指向性 | 周囲の音を抑え、マイク正面の音を明瞭に記録します。 被写体が本機の正面で話すような動画の撮影/配信などにおすすめです。 |
単一指向性 | 前方の音を幅広く収音できます。会議や打ち合わせなどの収録におすすめです。 |
全指向性 | すべての方向の音を等しい感度で収音します。環境音を含めた収録などにおすすめです。 |
後方鋭指向性 | 前方の音を抑えつつ、後方の音を収録できます。 風景を撮影しながら、ナレーションを淹れたい場合などにおすすめです。 |
鋭指向性(前後) | 左右の音を抑えつつ、前方と後方の音を等しい感度で収音できます。 前方の被写体の音声を収録しながら、撮影者の音声も収録できるため、インタビュー撮影などにおすすめです。 |
鋭指向性 (前後セパレート) | 左右の音を抑えつつ、前方(1ch)と後方(2ch)にそれぞれ収音できます。 後から前方と後方それぞれの音量を調整できるため、収録した音声を編集したい場合におすすめです。 |
ステレオ | 左側(1ch)と右側(2ch)の方向性を強調することで、臨場感のある収録ができます。 レースや電車のような移動する被写体や、音楽ホールでのコンサートなどの撮影におすすめです。 |
超鋭指向性 | マイク正面(約30度範囲)の目的音を取り込むと同時に、周囲の環境音を動的に解析しながら正面以外の音をより効果的に抑制します。 常にマイク正面に被写体がいて、周囲の音をなるべく取り込みたくないインタビューや自撮りシーンなどの撮影におすすめです。 |
公式画像をそのまま表にしただけですが…これだけの収音モードがあるだけでも「様々なシーンに使えるぞ」というのは伝わるかと思います。カプセルマイクに届く音の時間差によって指向性を作り出す技術を利用しているそうです。
被写体に合わせたモードを利用することで、望む音は大きく、不要な音は小さく録音できます。ノイズカットと合わせることで背景音やノイズなどを極力入れずに録音できるので、聞く側にしても編集する側にしても良い素材が手に入ります。
4チャンネル記録は安心感がちがう
ECM-M1は4チャンネル記録に対応しています。カメラ本体にマイクを接続してから音声設定で48kHz/24bit 4chを選択するだけ。ちなみに対応カメラはα1 /α7R V /α7S III / α7 IV / α6700 / ZV-E1 / FX3 / FX30(2023年7月発表時点)となります。
MENU→音声記録→niシューの音声設定から選べばOKです。
編集ソフトでも4チャンネルで収録できていることが確認できました。チャンネルが分かれていることで任意の音を調整できるようになるんですね。例えばインタビューの音をちょっと大きくしたいな~とか、前後の音で後方だけ音を下げたいな~といった作業が行えます。
- 1チャンネル:選択した収音モード
- 2チャンネル:選択した収音モード
- 3チャンネル:全指向性(固定)
- 4チャンネル:全指向性(-20dB固定)
3、4チャンネルは基本的に予備みたいなものですが、全方位を収録してくれているので保険として働く場合があります。例えば環境音をもう少し入れたいな~といったシーンで使えるかもしれませんね。
つまり「失敗することがほとんどないマイク」がこのECM-M1なんですよね。自分の場合、この機能が購入ポイントとして大きかったですね。人によっては必要ないよ、使わないよってこともあると思いますけどね。たぶん僕も実際に使うことはほとんどないと思うんですけど、いざという時っていうのはいつくるかわかりませんからね。ないよりあったほうがいいよねって感覚です。
SONY ECM-M1 他マイクとのちがい・比較
ECM-M1 | ECM-B1 | ECM-G1 | ECM-XYST1M |
2023年7月 | 2019年9月 | 2022年8月 | 2013年2月 |
約38,000円 | 約42,000円 | 約15,000円 | 約15,000円 |
65g | 77.3g | 34g | 100g |
デジタルオーディオインターフェース | デジタルオーディオインターフェース | - | - |
・鋭指向性 ・単一指向性 ・全指向性 ・後方鋭指向性 ・鋭指向性(前+後) ・鋭指向性(前/後) セパレートSTEREO ・超鋭指向性 | ・鋭指向性 ・単一指向性 ・全指向性 | ・スーパーカーディオイド | ・指向性0度 ・指向性120度 |
・ノイズカットフィルター ・ローカットフィルター | ・ノイズカットフィルター ・ローカットフィルター | - | ・ローカットフィルター |
40 Hz – 20 000 Hz | 40 Hz – 20 000 Hz | 50 Hz – 20 000 Hz | 70 Hz – 20 000 Hz |
モノラル ステレオ | モノラル | モノラル | モノラル ステレオ |
アナログ 2ch デジタル 4ch | - | - | - |
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ソニーの主要なマイクや、僕が購入したECM-XYST1Mの比較表です。神マイクとも称される「ECM-B1」のほうが、単純な音質ではECM-M1よりも良いとソニーストアでは説明を受けましたが…ECM-B1は前方の収音を得意としたモデルなので広い範囲の音を拾うのは若干苦手にしています。YouTubeの解説、演者の声をしっかり拾いたいという目的にはピッタリという感じですね。
ただインタビューなど、質問者がカメラ側に陣取ることもあるでしょう。そうした際に質問者の声が拾いにくくなってしまうケースも発生してしまいます。そうした再には広い範囲の音が拾えるECM-M1の出番になります。設定モードを切り替えるわずらわしさはあるかもしれませんが、設定さえしっかりすればキチンとした音で残せるようになります。
ちなみにECM-B1の弟分的な存在の「ECM-B10」もあります。そちらは2.7万円くらいで購入できるみたい。前方の音しか録らないって人はその選択肢もありかもしれません。
SONY ECM-M1 メリット・デメリット
メリット | ・手軽に高音質が得られる ・使い方が簡単 ・保険がきく ・コンパクトで携帯しやすい |
デメリット | ・お値段がやや高い ・お仕事には使いにくいかも… |
ECM-M1はコンパクトながら多機能で、あらゆるシーンに対応できるのがメリットです。多機能と言っても一度設定をしてしまえば、ほとんど気にかけることもないレベルです。例えばノイズカットフィルターはON、オーディオレベルはAUTOでいつも使っていますし、モードもほとんどが前方60度くらいで録れる単一指向性を使っています。普通に便利ですよ。
ただお値段が4万円近くするので誰でも気にせず買ってねというのはちがうかもしれませんし、プロの現場で活躍するほど高音質で録れているかというと僕には判断ができません。あくまでも本体内蔵のカメラのステップアップとして…という印象ですね。
SONY ECM-M1 まとめ
ECM-M1は、直感的な操作で残したい音をクリアに残せるショットガンマイクロホンです。8つのシーンに合わせて収音が行えるので、僕のようにYouTubeでレビューを行う人、Vlog撮影に使いたい人、インタビューや音楽発表会に使いたい人など多くのユーザーにとって選択肢に入ると思います。とっつきにくいマイク関係のアイテムではありますが、だからこそ簡単に使えるこの製品を初心者に選んでもらいたい気もします。
より安価なマイクがあるのは事実ですが、どうしても音質に満足できなかったり、使えるシーンが限られたりするケースもあります。ECM-M1のようにセーフティ(4チャンネル)に記録が行えるモノばかりでもありません。僕のように結局買い替えて出費が増えるなんてケースもあるので、最初からそれなりのマイクに投資するというのも良い選択だと思いますよ…
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