富士フイルムの「X-T5」を購入したのでレビューします。
有効画素数4020万画素、X-Trans CMOS 5 HR、5軸7段のボディー内手振れ補正などなど、X-T4から大幅なブラッシュアップが行われました。さらには被写体検出AFに加え、伝家の宝刀と言わんばかりのピクセルシフトまで搭載。もう「買わない理由が見つからないよね?」って感じなので買いました。だからレビューさせてください…
市場在庫はかなり少ないようですので、年内に必ず手に入れたいという人は「カメラのキタムラ」あたりで早めにチェックしておくことを強くおすすめします。
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目次
FUJIFILM X-T5レビュー
富士フイルムと言えば、フラッグシップの「X-H2S」「X-H2」を発売したばかりですが、早くも新モデルが登場。しかも富士ユーザーの大本命とも言える「X-T5」ですよ。そんなん不可避ですよね。あまりに早すぎてお父さんの財布はカラッカラです…
富士フイルムの市場在庫はかなり乏しく、ほとんどの製品が終了の状態。現状ではX-S10一択みたいな状況が続いています。そりゃぁ何かしらのモデルを投入しないと売り上げも作れませんよね。応援してます。だから買います。カラッカラです。
これで来年頭にProシリーズが来たらと考えるだけで怖いです・・恐怖です絶対破産します。嬉々として破産します。だから出してください…お願いします。。モニターはパカパカしないヤツがいいです。
話がそれたのでX-T5に戻すと、これまでの機種に比べて明らかに存在感のある写真が撮れるような気がする・・これが高画素の世界か・・・素晴らしい。
約4020万画素のX-Trans CMOS 5 HRと、新世代の画像処理エンジンX-Processor 5のおかげでレスポンスもサクサク。それもそのはず、上位機種のX-H2と同等スペックになります。
高画素だから少し扱いがシビアなのかな?なんてイメージしていましたが従来の撮影スタイルを崩すことなく移行できました。しかもX-T4より軽い約550gくらいだから嬉しい。軽さは正義です。
Twitterで次のProシリーズのテーマは「原点回帰」になる!って話をしていたらX-T5につきました。どうも預言者です(笑)
退化では無い原点回帰だ(´^ω^`)ブフォwww
— はるか@はるふれ (@harucamera3) November 10, 2022
確かにモデルチェンジを繰り返すうちに機能がアップされるかわりに大きさや重さは犠牲になっていました。X-T5は、X-T2よりも小型化(高さ、幅が小さい)されています。コンパクトで上質な写真を吐き出すというミラーレスカメラの原点に立ち戻ったと言えるのかもしれません。
YouTube動画レビュー
動画でも紹介していますので参考にしてください。チャンネル登録もよろしくお願いします!!
X-T5 開封・外観チェック
開封の様子
それでは開封していきましょう。ボディーがそうであるように化粧箱もコンパクトでした。
この瞬間のためにやってるところありますよね。
付属品はバッテリー(NP-W235)、ACアダプター、プラグ各種(海外用も)、USBケーブル、ストラップ、ボディーキャップ、使用説明書、保証書などです。肉厚のストラップが入るのはTシリーズでは初めてでは?このストラップなかなか良いんですよね!
別売りのチャージャー(BC-W235)で早速エネチャージ。
安心感さえ覚えるデザイン
X-T5はもはや伝統的とも言えるダイヤルを装備します。フラッグシップらしい丁寧な作りにも思わずにっこりしてしまいます。最近の富士らしい直線を利かせたデザインでスマートさが演出されています。
サイズは幅 129.5mm×高さ 91mm×奥行き 63.8mm、重量は約557g(バッテリー、メモリーカード含む)です。重さは先に発売されたX-H2シリーズよりも100gほど軽く、厚みもずいぶん薄く感じます。
サブモニターで設定を確認するのも良いけど、ダイヤル類で自分の意図が確認できるのは楽しいです。
3方向チルト式モニター
背面には3方向チルト式モニターが採用。X-T4含め、最近では動画勢の声が大きいのでバリアングルモニターが採用されていましたが、写真中心のユーザーには軸上にモニターがあるほうが安心するでしょう。
個人的にはバリアングル、チルト式両方にメリット・デメリットがあるので「どっちが良い」みたいな意見はありません。友人にも「バリアングルが良いからX-T4を選んだ」って人もいるので、決め手になるほどの大事な要素だというのも理解しています。でも僕は付いているものを付いているように使うだけです。
X-H2シリーズが動画にウエイトを置いた機種なら、X-T5は間違いなく写真を強く意識したモデルでしょう。もともと写真を撮るためにカメラを始めた自分としては、ホッとするというのはあります。
ファインダーも進化
EVFは0.5型有機ELファインダーで約369万ドットになっています。ファインダー倍率は0.8倍で、X-T4の0.75倍よりも進化した形になります。言うまでもないですが明るく、発色も素晴らしいですし視認性も悪くありません。
さすがにX-H2シリーズには一歩及ばないものの、使い勝手の面で大きく損なうか?と言われるとそんなことありません。
操作系
感度、シャッタースピード、露出の3つのダイヤルがある・・これこそ富士フイルムらしさでもありますよね。X-H2シリーズの操作性も悪くはないのですが「富士フイルムのカメラを使っているんだ」という実感はX-T5のほうが得られます。ガチャガチャするだけで幸福感に満たされます。
ダイヤル類は気のせいでしょうか?若干背が高くなったような気もします。リア/フロントダイヤルは従来よりも飛び出した印象も受けます。押し込むことでISO感度を変更するように設定できたりもするので自由度も高いです。X-H2Sにはなぜなかった??
電子シャッターは1/180,000秒という超高速で切れますので大口径レンズを積極的に使えます。解放ジャンキーにはありがたい仕様です。
小型ながら握りやすいグリップ
グリップの山がしっかりあるので、指のひっかかりは良いです。大型のレンズを常用する人や、手の大きな男性なら外付けのグリップが欲しくなるかもしれませんが、僕個人としてはこのままで十分に使えそうです。ちなみに単焦点や軽いレンズを使うことが多いです。
デュアルSDカードスロット
X-T5は静止画メインでの設計ということもあってか、CFexpress Type Bカードには対応しません。2枚のSDカードに対応したダブルスロットを採用しています。こだわった動画を撮影しないのであれば書き込み速度的にも問題がないという判断でしょう。
X-T4からバッテリー(NP-235)は継承
バッテリーはX-T4、X-H2シリーズと共通となるNP-W235です。最大で約740枚もの写真が残せるようになっており、これはX-H2シリーズの最大約720枚よりも多い数です。(誤差範囲かもしれませんが…)
一般ユーザーなら普通の撮影なら1個で足りるでしょうが、イベントや旅行のためにも追加でもう1個あると安心できると思います。
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X-T5/X-T4/X-H2S/X-H2 性能比較表
X-T5 | X-T4 | X-H2S | X-H2 |
40MP | 26MP | 26MP | 40MP |
X-Trans CMOS 5 HR | X-Trans CMOS 4 | X-Trans CMOS 5 HS | X-Trans CMOS 5 HR |
X-Processor 5 | X-Processor 4 | X-Processor 5 | X-Processor 5 |
5軸7段 | 5軸6.5段 | 5軸7段 | 5軸7段 |
3インチ(162万ドット) | 3インチ(162万ドット) | 3インチ(162万ドット) | 3インチ(162万ドット) |
0.5型有機EL(369万ドット) | 0.5型有機EL(369万ドット) | 0.5型有機EL(576万ドット) | 0.5型有機EL(576万ドット) |
約580枚 | 約500枚 | 約580枚 | 約580枚 |
129.5 x 91 x 63.8mm | 134.6×92.8×63.8 mm | 136.3x92.9x84.6 mm | 136.3x92.9x84.6 mm |
476g | 526g | 579g | 579g |
X-T4をよりスリムにして、最新技術を詰め込んだのがX-T5というイメージでしょうか。手振れ補正効果などはX-Hシリーズと共通ですが、EVFはX-T4から引き継がれる形となるなど差別化はされています。富士フイルムのカメラをけん引してきたTシリーズですが、フラッグシップという役割は一旦終わりとなりそうです。
▼X-T4レビュー
X-T5 作例紹介
作例は基本的にJPEG撮って出しで、露出補正やトリミング意外は大きく触っていません。
撮影を続けていくうちに繊細な写真が積み重なっていくことに心地良さを感じるようになります。最初は「APS-Cに高画素なんて無理(無駄)じゃないか」と思ってましたが、実際に使ってみると富士フイルムならではの画作りに納得させられてしまいます。
X-T1から積み重ねた経験からきている慣れもあるでしょうが、やっぱりダイヤルはコレがいいなと感じます。大げさに言えばカメラに意図を伝える瞬間が、まるで写真に魂を吹き込んでいるような感覚なんですよね。
撮らされているんじゃなく撮っている感覚を得られるという感じでしょうか…
AFもすこぶる快調で狙ったところにピタっときてくれます。ディープラーニングを活用したという被写体検出AFで、鳥や乗り物を撮影していくのも楽しそうです。
これは光の横断歩道
ボディー内5軸手振れ補正の効果は、最大7段ということもあって薄暗い場所でも安心してシャッターを切れます。ファインダーを覗いていても止まっている安心感があります。
この日は気持ちがつい大きくなってしまい、カツだけでなくチーズまでトッピングしてしまいました…謹んでお詫び申し上げます。。
X-T5 メリット・デメリット
メリット | デメリット |
・上位モデルと同等の写真/AF ・多彩なフィルムシミュレーション ・強力な手振れ補正 ・安心の3ダイヤル方式 | ・X-H2と中身の変化は少ない ・X-H2から早すぎる発売時期 ・従来よりお値段がかなり高い |
上位モデルであるX-H2と機能や画作りの面で同等というのは心強いですね。多彩なフィルムシミュレーションや安心の手振れ補正、実績の3ダイヤル方式、チルト式背面液晶など、懐かしさと新しさが上手にミックスされたモデルだと感じました。
一方でデザイン意外はX-H2とあまり変わらないので、直近でX-H2を購入した人からすると微妙な存在かもしれません。またX-T4は初値で20万円を切るくらいで出ていたと記憶しているのですが、ご時世もあって23万円前後での販売。安いレンズ1本分くらいは差がつきそうなのは悲しいです…富士の課題はプロモーションにあるのかもしれません。。
X-T5の感想まとめ
原点回帰という言葉がうまく当てはまっているのかはわかりませんが、ミラーレスカメラが登場してきたころのような「コンパクトでキレイな写真が撮れる」という環境を存分に提供してくれます。動画を横目で意識したモデルではないので、純粋に写真を愛したユーザー達の心をくすぐることは間違いないでしょう。
モデルチェンジまで愛用できそうですし、今後登場してくるモデルにも期待感をもたせてくれる結果だと思います。X-T5は間違いなく「買い」のカメラですよ!ぜひご検討ください。
ここ最近の事情もあって、富士フイルムのカメラは市場在庫が少なくなっています。必ず手に入れたいという人は「カメラのキタムラ」あたりで予約しておくことを強くおすすめします。
参考リンク
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