ASUS Zenbook SORAをレビューします。(機材貸出元:ASUS JAPAN)
Qualcomm Snapdragon X Eliteプロセッサーを搭載した、1kgを切る超軽量Copilot+ PCです。最新のAI対応プロセッサ「Qualcomm Snapdragon X」シリーズを搭載しており、スピードやセキュリティ面を強化。それでいてバッテリー駆動時間は最大30時間にせまるほどでネクストレベルのAI体験を提供してくれます。
発売開始予定日:2025年2月5日(水)
目次
ASUS Zenbook SORA レビュー
ディスプレイ | 14型 1,920×1,200 (OLED/60Hz/DCI-P3 100%) |
CPU | Snapdragon X Elite X1E-78-100 |
チップセット | Qualcomm® Hexagon™ NPU 45TOPS (Qualcomm® AI エンジン 最大計75TOPS) |
GPU | Qualcomm® Adreno™ GPU (CPU内蔵) |
メモリ | 32GB(LPDDR5X-8448) |
ストレージ | 1TB Gen4 |
リンク | ASUS Store |
スペックシートを見てみると見慣れない用語が並んでいますが、最大の特徴はIntelやAMD製のCPUを搭載しないことでしょう。OSはWindows 11 Home 64ビットですがArm版となるため、一部アプリなどは使えないなど一般的な使い心地とは異なる点に注意が必要です。
また標準的なノートパソコンと本製品がちがうのが「AI機能」が搭載されていること。AI機能自体は我々の生活でどんどん身近になってきていますし、これからの時代においては無視できない存在にまでなっています。昨年はじめてCopilot+ PCを触ったときには「時代の時代の転換期が来たな…」と感じるほどでした。
AI機能は翻訳や画像生成などに加えて、日常のタスクをサポートしてくれるので期待している人も多いはずです。
You Tubeレビュー動画
ASUS初のCopilot+PC「ASUS Vivobook S 15 S5507QA」をYouTubeでも解説しています。よければ参考にしてください。高評価やチャンネル登録もお願いします!
▼レビューはこちら
ASUS Zenbook SORA 開封・外観チェック
化粧箱からお洒落なライトグレー…この瞬間からもう虜になってしまいました。。(返却したくない)
サイズは幅310.7mm×奥行き213.9mm×高さ13.4~15.9mm、重量は約980kgです。めちゃくちゃ軽い…二度目の恋に落ちた瞬間でした(まじで返却したくない笑)カラーはアイスランドグレー、ザブリスキーベージュの2色です。まるで砂や石のようなマットな質感もたまりません。
急速充電にも対応しており49分で60%ほどの充電が可能。めちゃくちゃスピーディーに充電できますし、実機でベンチマークを回していた時にはほぼ充電が完了するほででした。いざって時に心強い機能でしょう。
筐体は樹脂製になっているおかげで軽さにつながっています。米国国防総省が定める軍事規格のMIL規格(MIL-STD 810H)にも対応しているので、見た目以上にタフな製品になっています。ちなみにWi-Fi 7にも対応。
バックライト機能つき日本語キーボードが搭載されています。大きいタッチパッドにはフリック機能も搭載されており、音量や明るさ調節、動画の早送りなどが可能です。
14型有機EL(OLED)ディスプレイを採用しており、表現力に優れている点も見逃せません。写真編集なども試しましたがとにかく発色が美しいですし、作業が楽しいものになりました。今回お借りしたモデルはグレアパネルだったので、反射による映り込みはそれなりにありました。
90WのACアダプターが付属。
インターフェースは、、本体給電をサポートするUSB4(Type-C/Power Delivery対応)ポート×2、USB3.2(Type-A/Gen2)×1、HDMIなどです。この超がつくほど軽量モデルにフルサイズのHDMIポートが搭載されていることに驚きました。ビジネスシーンなどでも活躍が期待できそうですね。
ASUS Zenbook SORA 性能・ベンチマーク
CPU(AI)機能
キーボードにAI機能がすぐに使えるようになる「Copilotキー」を搭載しています。ユーザーのアイデアの処理や整理、生産性や創造性を高めてくれます。
- Recall:定期的に自動でスクリーンショット
- Cocreator:ペイントでイメージクリエーターを使用してAIアートを生成
- Live Captions:音声をリアルタイムに書き出し(難聴者のサポートや議事録作成)
他にもASUS AIノイズキャンセリング機能が搭載されており、不要なノイズをカットしてくれます。WEBミーティングの機会などが増えてきているので、こういった縁の下の力持ち的な機能は本当に助かりますよね。
RAW現像
実行速度をテストするために無料ソフトのRawTherapeeを使って100枚のRAW現像にかかった時間を計測しました。
モデル | CPU | 時間 |
ASUS Zenbook SORA | Snapdragon X Elite | 3分24秒 |
Vivobook S 15 S5507QA | Snapdragon X Elite | 3分26秒 |
Zenbook S 13 OLED | Core Ultra 7 155U | 3分08秒 |
DAIV Z4 | Core i7-1360P | 2分29秒 |
ZenBook 13 OLED | Core i7-1165G7 | 4分43秒 |
G-Tune E5 | Core i7-13650HX | 2分24秒 |
RAW現像処理時間は100枚で3分24秒で処理を完了しています。Core Ultra 7 155Uや、Core i7-13650HXには適いません。Snapdragon X Elite X1E-78-100プロセッサーは、AI処理向けに設計されたCPUなので味付けが違うのかもしれません
それでも十分に快適な処理が行えると感じましたし、OLEDモニターの美しさは写真編集との相性も抜群に良かったりします。
ゲーム性能/FF15
モデル | 設定 | 結果 |
ASUS Zenbook SORA (Snapdragon X Elite) | 1920×1080(標準品質) | 2431(重い) |
1280×720(標準品質) | 4838(やや快適) | |
Vivobook S 15 S5507QA (Snapdragon X Elite) | 1920×1080(軽量品質) | 3007(普通) |
Zenbook S 13 OLED (Core Ultra 7) | 1920×1080(軽量品質) | 2716(やや重い) |
DAIV Z4 (Core i7-1360P) | 1280×720(軽量品質) | 3845(普通) |
ZenBook 13 (Core i7-1165G7) | 1280×720(軽量品質) | 3117(普通) |
Razer Blade 13 (GTX1650) | 1920×1080(標準品質) | 4271(普通) |
FF15はフルHD標準設定でやや重いという結果になりました。軽量品質にまで落とせば普通に遊べる可能性はありますが、720pあたりで遊ぶのが無難という感じかもしれません。CPU内蔵グラフィックスにしては高めの性能だとは思いますが、本格的にゲームを遊ぶなら専用グラフィック搭載モデルを選ぶほうが良いというのは変わりませんね。
マイクラなどの軽めのゲームなら録画しながら遊べたりもするので、目的に合わせて選択することをおすすめします。
▼AIと一緒にマイクラを攻略してみた
ASUS Zenbook SORA メリット・デメリット
メリット | ・AI機能で新時代を先取りできる ・美しすぎる有機ELディスプレイを搭載 ・外観がオシャレ ・超軽量でロングバッテリー |
デメリット | ・CPUの最適化が心配 ・AI機能のセキュリティ面が心配 |
処理能力的にはゲームやクリエイトなどの高負荷作業には向かないものの、一般的な作業や簡単な画像編集なら十分に対応できるほどです。AI機能の目新しさ、デザインの良さ、急速充電でスピーディーに活動できるなどなどメリットは大きいですね。
一方でAI機能を必要としないなら選ぶメリットがないのも事実…特に互換性や最適化のあたりでは課題もある印象です。
これはSnapdragon X Eliteを搭載した「ASUS Vivobook S 15 S5507QA」のレビュー時の画像ですが、ARMベースだと使えないアプリがあるんですね。これまでのインテルプロセッサー(x86)と異なる規格(ARM)で設計されているので取り扱いが少し違います。今回ベンチマークで利用したソフトの中にも動作しないものがあったのも事実です。
特に自社ソフトなんかを使っている場合には注意が必要で、このソフトだけは動かしたいみたいな人は絶対に確認をしたほうが良いです。なんなら避けたほうが無難かもしれません…今後も最適化は進んでくるとは思いますが、個人的には思ってた以上に進んでいない印象もあります。
エンタメ消費やWEB閲覧がメインみたいなライトユーザーなら大きな問題にはならないのかもしれませんが、現時点ではIntel CPUなど標準的なCPUを採用したモデルを購入したほうが無難です。
ASUS Zenbook SORAをおすすめしたい人
- モニター品質(OLED)にこだわりたい人
- モバイル性、長時間バッテリーを重視する人
- AI機能を積極的に使いたい人
- おしゃれなPCを選びたい人
ASUS Zenbook SORAをレビューしてきました。
AI機能がウリのモデルだとは思いますが、まだまだ実用レベルに至っているかと言えばそこまででもありません。もちろん画像生成や翻訳などの分野で活躍が期待できますが、互換性などの面などをはかりにかけるとデメリットの方が上回ってしまっている印象もあります。ただこうした新しいジャンルは既に使っている人とそうでない人の開きが出てくるものです。感度の高い人、企業やビジネス分野において模索を進めたいなんて人には結構おすすめできるかもしれません。