マウスコンピューターのクリエイター向けノートパソコン「DAIV Z4シリーズ」(DAIV Z4-I7I01SR-A)をレビューします。(製品貸出元:株式会社マウスコンピューター)
14型WUXGA(1,920×1,200)モニターを採用しながらも、約975gという軽さを実現した超軽量モバイルノートです。マグネシウム合金製のボディは質感がよく、CPUも第13世代Core i7-1360Pが採用されておりパワフルに動作します!出先での映像編集にも対応でき、場所を選ばずに思い立った瞬間にアイデアを形にできるのが特徴です。
各ベンチマークの結果や、RAW現像、動画編集にかかった時間などものせていますので参考にしてもらえると嬉しいです。
目次
DAIV Z4シリーズとは?
マウスコンピューターが展開するブランドは、一般向けの「mouse」、ゲーミングの「G-Tune」、クリエイター向けの「DAIV」とあります。
DAIV Z4はDAIVブランド最軽量モデルとなっており、バッテリー駆動時間は約11時間を超えるなど「モバイル性の高さがウリ」です。従来モデルの「DAIV 4P」の後継モデルであり、ちがいはCPUが第12世代→第13世代へと変更されたことくらいです。
軽いからといってチープさもなく、非力なんてこともありません。CPU内蔵グラフィックには高めの描画性能を備えていることもあって、写真編集や動画編集、軽量設定ならゲームもなんとか…色々と楽しめるノートパソコンです。
DAIV Z4の特徴をまとめるとこんな感じです。
- Core i7-1360Pを搭載
- 描画性能もほんのり強め
- 14型で1kg切りの超軽量ボディ
- 約11時間のバッテリー持ち
- 写真編集やライトな動画編集にもおすすめ
- 税込¥199,800~
DAIV Z4 ラインナップ
モデル | パーツ構成 | 税別価格 |
DAIV S4-I7G60CB-B | Core i7-13700H/RTX4060/32GB/1TB | 249,800 |
DAIV S4-I7G50CB-A | Core i7-1260P/RTX3050/16GB/512GB | 169,800 |
DAIV Z4 | Core i7-13700H/RTX3050/32GB/500GB | 229,800 |
DAIV Z4 | Core i7-1360P/Iris Xe/16GB/500GB | 199,800 |
DAIV 4P | Core i7-1260P/Iris Xe/16GB/512GB | 149,800 |
DAIVの14型ノートパソコンには複数のラインナップが存在します。性能重視でGPUも搭載されている「DAIV S4シリーズ」、軽さ重視の「DAIV Z4」といった感じですね。「DAIV 4P」は型落ちにはいって価格が下がっているのも嬉しいです。
性能に大きな差がなければ旧モデルでも良いはずなので、その辺りもしっかりチェックしていきます。上位モデル「「DAIV Z4-I7G50SR-B」」も追加されたので別記事にまとめています。
YouTube動画レビュー
旧型「DAIV 4P」の紹介動画ですが良ければ参考にしてください。(チャンネル登録してもらえると喜びます!)
DAIV Z4 スペック・外観チェック
※シャーシが共通のため旧モデルの写真を使用しています
ポイント
- OS:Windows 11 Home 64ビット
- CPU:Core i7-1360P
- GPU: Iris Xe グラフィックス
- メモリ:16GB
- SSD:500GB Gen4 SSD
- 液晶:14型WUXGA(1920×1200)
- 重量:約975g
- 動作時間:約11時間
DAIV Z4は従来モデル(約997g)よりもさらに軽くなり、CPUの世代交代でパフォーマンスも引き上げられています。バッテリー駆動時間が約12時間→約11時間と短くなっていますが、実働時間だとそれほど大きな差にはならないはずです。SSDも爆速のGen4になっていますし、より性能にこだわりたいクリエイターにとっては魅力的なモデルに進化したと言えるでしょう。
筐体はマグネシウム合金製でよくある軽量モデルとは質感が別次元に高いです。質感の高さはそのまま満足感につながるケースも多いのですし、持ち歩いても壊れる心配が少ないのもありがたいです。性能と価格だけを考えると少しお高いような気がしないでもありませんが、日々の持ち歩きのストレスを軽減してくれると考えると安いくらいかもしれません。
この軽さ(過去モデルです)だけでも購入したいという気持ちになりますよね!僕もモバイル用に買いたいな~と考えています…
バッテリー駆動時間が約11時間もあるので持ち歩く必要はないかもしれませんが、ACアダプターもコンパクトで軽いです。さらにUSB PD入出力に対応するので対応機器を使えばもっとコンパクトに持ち運びが可能になるでしょう。
キーボード
キーボードは自然な配列で使いやすかったです。直接触れる箇所だからこそストレスがないのは価値があります。
バックライトもしっかり搭載されています。
かわいい電源ボタン…指の大きい人は推しにくいかもしれませんね。
14型WUXGA(1,920×1,200)モニターを搭載
14型モニターはWUXGA(1920×1200)解像度を採用しているので、フルHDよりも縦に長く情報を表示することが可能です。少しの差だと思うかもしれませんが、これが意外なほどに作業性が高まります。
sRGB約100%の色域に対応しているので、Webコンテンツ制作などで正確な作業を行えるのも特徴です。発色は自然だけど鮮やか、一言で言えばとても目映えの良いモニターだと思います。フォトグラファーの持ち歩き用としても結構おすすめですね。。
過去モデルのモニターを計測してみたところ、sRGB 98%、NTSC 72%、Adobe RGB 76%、P3 76%でした。環境や測定機材によって違いが生じる可能性がありますが参考にしてください。
忠実な編集作業を行う人は、別途カラーマネージメントディスプレイを用意したほうが良いかもしれませんね。
DAIV Z4 インターフェース
DAIV Z4のインターフェースは、HDMI、Thunderbolt 4、USB3.1、USB3.0、SDカードリーダーなどです。
Thunderboltに対応しているので、自宅では外付けGPUなどに接続するみたいな使い方も良さそうです。持ち歩く時は軽く、自宅ではしっかりと作業とメリハリのきいた2つの楽しみ方ができるのは面白いです。
ベンチマークテスト
Core i7-1360P 性能チェック
CPUには第13世代インテル Core i7-1260Pを採用しています。モバイル向けながら12コアの本格性能をもつ凄いやつ。
参考までに他モデルと比較した例をご覧ください。(PASSMARKの公開スコアを掲載)
モデル | CPU | スコア |
DAIV Z4 | Core i7-1360P | 19727 |
DAIV 4P(従来モデル) | Core i7-1260P | 17203 |
DAIV 4P(従来モデル) | Core i7-1165G7 | 10605 |
DAIV 5P | Core i7-10750H | 12728 |
従来モデルのDAIV 4Pに採用されていたCore i7-1260Pと比較すると約15%もスコアが高くなっています。
Core i7-1260P搭載モデルとの価格差(5万円)を埋めるほどとは思えませんが、Core i7-1165G7の2倍近いスコアだと考えるとすごいですよね。少しでも性能を確保したいクリエイターにとって、新モデルはなかなか魅力的なんじゃないでしょうか。
RAW現像の処理時間を計測
実行速度をテストするために100枚のRAW現像にかかった時間を計測しました。
モデル | CPU | 時間 |
DAIV Z4 | Core i7-1360P | 2分29秒 |
DAIV 4P(従来モデル) | Core i7-1260P | 3分11秒 |
DAIV 4P(従来モデル) | Core i7-1165G7 | 3分37秒 |
DAIV 5P | Core i7-10750H | 4分12秒 |
100枚のRAW現像にかかった時間は2分29秒でした。
Core i7-1260Pよりも40秒以上短縮、Core i7-1165G7よりも1分以上短縮していることを考えると、RAW現像目的で購入するのもおすすめということになるでしょう。写真だけでなくイラストやマンガを勉強するのにも「あり」だと思います。
高速なSSDを標準搭載
ストレージはGen4 SSDが採用されており、実測で3700MB/sの読み込み速度、3000MB/sの書き込み速度になりました。パソコンの立ち上げ、ソフトのインストール、データ転送などもサクサク行えます。
Iris Xe Graphics ゲーム性能チェック
DAIV Z4にはIris Xe Graphicsが搭載されています。CPU内蔵タイプとしては結構強力ですが、第13世代で進化は感じるのでしょうか?
FF15のベンチスコアを比較
重量級タイトルのFF15でゲーミング性能をチェックします。
1360P
1260P
モデル | 設定 | 結果 |
DAIV Z4 (Iris Xe/1360P) | 1280×720(軽量品質) | 3845(普通) |
DAIV 4P (Iris Xe/1260P) | 1280×720(軽量品質) | 4029(普通) |
DAIV 4P (Iris Xe/1165G7) | 1280×720(軽量品質) | 3500(普通) |
DAIV 4N (MX250) | 1280×720(軽量品質) | 3913(普通) |
DAIV 5P (GTX1650Ti) | 1920×1080(標準設定) | 3773(普通) |
さすがにFF15のような重量級タイトルだと動作自体が難しいです…720p軽量品質なら動かすこと自体は可能ですが、Core i7-1260Pにスコアで負けてしまいました。誤差範囲とは言え少し残念な結果ですが、GeForce MX250と同等クラスの処理は行えそうなので補助的に使うには良いかもしれません。
さすがにゲーム目的で選ぶのには厳しいような印象ですね。最低でもGeForce RTX3050あたりを搭載したモデルを選んでおくほうが後悔は少ないでしょう。
動画編集性能もチェック
無料ソフトのResolve使って動画編集をテストします。ミラーレスカメラで撮影した5分程度の動画を書きだす時間を計測しました。
モデル | パーツ構成 | 時間 |
DAIV Z4 | Core i7-1360P×Iris Xe Graphics | 3分17秒 |
DAIV 4P(従来モデル) | Core i7-1260P×Iris Xe Graphics | 3分25秒 |
DAIV 4P(従来モデル) | Core i7-1165G7×Iris Xe Graphics | 5分30秒 |
DAIV 5P | Core i7-10750H×GTX1650Ti | 3分20秒 |
フルHDクラスの動画編集なら書出速度もそこそこ速く、作業中の動作にも特に問題は感じません。
Core 7-1260Pとの差はわずかですのでどちらを選んでも良さそうな気がしますが、Core i7-1165G7搭載モデルより処理を短縮化できるのはメリットでしょうね。1kg以下もここまでやれる時代になったのか…
DAIV Z4シリーズの感想や評価
メリット | デメリット |
・高めのCPU性能 ・内臓グラも結構強め ・軽いは正義! ・静止画編集に特に強い | ・現行モデルはお値段高め ・コスパ重視なら第12世代CPUでOK ・ゲームはやや苦手 ・マルチ性能(CPU)は高くない |
DAIV Z4は、指先でつまめるほど軽いのに、軽めの編集作業なら問題なく行えるパフォーマンスが魅力です。軽さ×強さ×質感の3拍子がそろっているので満足度のいく買い物になると思います。フォトグラファー、ビデオクリエイターのサブPCとしても活躍できると思います。
LTEモジュールをカスタマイズで追加可能ですので、単体でインターネット通信に対応できますし、フルサイズのSDカードリーダーが搭載、USB PD対応などもポイントが高いですね、
ただし、第12世代Core i7-1260P搭載モデルが約15万円と考えるとコスパはやや悪いです。写真編集などの一部の作業以外に大きな差は見られませんしたので「旧モデルのDAIV 4Pで十分なのでは?」と個人的には思ってしまいました。
▼在庫が消える前に購入した方が良いかも??
16インチが許容できるならCore i7-12700H×RTX3050TiのDAIV 6P-RT(約1.5㎏)も個人的にはおすすめですね。→DAIV 6P-RT公式ページ
DAIV Z4をおすすめしたい人
- 軽いノートパソコンがほしい人
- 気軽にクリエイト作業を楽しみたい人
- モバイル環境での作業が多い人
- 20万円程度でパソコンを探している人
マウスコンピューターのDAIV Z4をレビューしてきました。
ちょっとしたクリエイト作業もこなせるほどパワフルなのに、1kg切りの軽さを実現した意欲的なモデルです。ゲームや高解像データ編集ではパフォーマンス不足を感じるでしょうが、それ以外の作業なら問題なくこなせます。「とにかく軽さを重視したい」というユーザーにはおすすめですが、コストパフォーマンスの悪さがやや目につきます。
コスパ重視の方は従来モデルの「DAIV 4P」を選択しましょう。(このモデルも売り出し当初は20万円くらいでした)ちなみに公式サイトでは「期間限定のセール品」「アウトレットモデル」のチェックもお忘れなく。
DAIVには他にも魅力的なパソコンがありますので、あわせて検討してみてくださいね。