Razer Blade 15 (RZ09-03017J02-R3J1)アドバンストモデルをレビューします。
購入したのは2019年モデルで、CPUはCore i7-9750H、GPUにはGeForce RTX2070を採用。今でこそ旧パーツにはなっていますが、2021年現在でもパフォーマンス的には十二分に通用します。シリーズに共通した精巧なアルミシャーシの筐体で、アドバンストモデルは240HzフルHD or 4K OLEDタッチパネルが選べます。
各ベンチマークやRAW現像、動画編集にかかった時間など掲載しておりますので参考にしてください。現行モデル・類似スペックのスコアも掲載していますので参考にしてもらえると嬉しいです。
Razer製品については「ドスパラ」「Ark」などのPCショップで購入が可能です。
目次
Razer Blade 15アドバンストモデルとは?
Razerと言えばゲーマー御用達のメーカーで、もはや説明不要なイメージさえあります。マウスやキーボード、マイクなどのデバイス類でお世話になっている人も多いのでは?
そんなRazerから発売されているゲーミングノートは、パフォーマンスの高さは当然として、コンパクトさや高速性を打ち出したたモデルも多いです。Windows版Macみたいなデザインは、とてもカッコいいですし、仕上がりの良さでは右に出るメーカーがいないのでは?と言えばやや大げさでしょうか?
国内販売価格は20~30万円と高めのお値段設定。やや覚悟や勇気が求められる存在かもしれません。そんな状態もあって、値段が落ち着きつつある旧モデルを選択するというのは悪手ではないしょう。
ちなみに2019年の初値で33万円前後。今回はセール特価だったモノをお安くゲットしました。
Razer Blade 15(RZ09-03017J02-R3J1)の特徴をまとめるとこんな感じです。
- 第9世代Intel CPU Core i7-9750Hを採用
- Ge Force RTX2070搭載で描画性能も高い
- 15.6型フルHD(240Hz)モニター
- デザインが洗練されていて美しい
- ゲーム、RAW現像、動画編集にもおすすめ
- 型落ちでも十分に通用する性能
現行モデルにはRTX3000シリーズや、Ryzen CPUを搭載したモデルもあります。よりパフォーマンスが必要でお金があり余って仕方ないよ…という人はどうぞ。
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Razer Blade 15(RZ09-03017J02-R3J1)のスペック・外観チェック
- OS:Windows 10 Home 64ビット
- CPU:Core i7-9750H
- GPU:GeForce RTX 2070 Max-Q
- メモリ:16GB(64GBまで拡張可能)
- SSD:512GB SSD
- 液晶:15.6型フルHDノングレア(240Hz)
- サイズ:235 × 355 × 17.8 mm
- 重量:約2.07-2.3kg
ベースモデルの上位的な存在であるアドバンストモデルですが、その中では中間的な位置づけのモデルです。RTX2060-RTX2080、144Hz-240Hz、OLEDタッチパネル搭載モデルなど、ラインナップは複数存在します。
化粧箱からちゃんとしてる。もうこれだけでも「買ってよかった」感じが全然違いますよね。ラップトップがスマートにおさまっています。
サイズは235 × 355 × 19.75 mm、重量は2kg強です。このパフォーマンスで20mm以下に収まっているのは薄型といって差し支えないでしょう。
陽極酸化処理仕上げのアルミシャーシ、エッジが効いたデザインでシャープさを演出。シリーズに共通していることですが、凸凹がないのも美しい。鉄板一枚に蛇をあしらったグリーンのロゴが映えます。
背面にはファンが2基と、給排気用の穴が用意。Blade Stealth 13、Blade 15(Late 2020/GTX1660Ti)よりもゴム足は高くなっている印象を受けました。
ファンの音に関しては、ブログを書く程度なら無音。ゲームなどの高負荷時には音が大きくなりますが、品のある音だと思います。ブオォオーーンじゃなくて、フイィィィーンという感じ。
ACアダプターとケーブルで800g近くありました。持ち歩くのはやや気後れするサイズでが、性能を考えると仕方がないです。
ACアダプター側のケーブルが布巻きで柔らかいかと思ったら、結構固くて配線にやや苦労しました。L型のプラグになっているので挿す方向を逆にするとUSBに干渉します。
15.6型フルHD液晶(240Hz)を搭載
15.6型フルHDモニターは、sRGB100%カバー、240Hzリフレッシュレートに対応。Razer製品は工場出荷前にキャリブレーション済みのため、届いた後も安心して使うことができます。
クリエイト系作業を行うには、やや解像度が不足している感じは否めなせん・・・が、色はめちゃくちゃきれいです!これsRGB領域超えているのでは…?
僕は外部モニター「LG 27GN950」に接続して使っています。27インチ 4K(3840 x 2160)解像度、144Hzリフレッシュレート、DCI-P3 98%の広色域、1msの応答速度、ハードウエアキャリブレーション対応…などなどスゴイやつ。
より忠実な編集作業を行う人は、別途カラーマネージメントディスプレイを用意したほうが良いかもしれませんね。
キーボード
キーボードは日本語配列タイプで、自然な配列で打ちやすいです。トラックパッドもスベスベして気持ち良いので、無駄にスベスベしちゃいます(笑)
世界で初めてラップトップ向けのオプティカルスイッチキーボードを採用しているのも注目です。ただし、RTX2070搭載のRZ09-03137E02-R3J1という型番のモデルのみです。
ちょっと期待したけど、残念ながら購入したのはオプティカルじゃありませんでした。
それでも十分にタイピングしやすいです。軽めのタイプで文字入力がはかどります。Razer Blade 15のアドバンストモデルはRazer Chroma対応となっており、キー単位でライティングを設定できます。マウスなどのデバイスと同調させれば、デスク上でイルミネーションを楽しめます。
インターフェース
- USB 3.2 Gen 2 (USB-A) x3
- Thunderbolt 3 (USB-C)
- HDMI 2.0B 出力
- Mini DisplayPort 1.4
数としては過不足なくちょうど良い感じがします。Thunderbolt3にも対応しているので、外付けGPU(eGPU)を使うのも良いかもしれません。
Razer Blade 15(アドバンスト)ベンチマークテスト
CPU(Core i7-9750H)性能チェック
6コア/12スレッドの第9世代Core i7-9750Hを採用しています。今でこそ第11世代CPUが登場していますが、個人的にはまだまだ現役で戦えると感じます。
参考までに他モデルと比較した例をご覧ください。(PASSMARKの公開スコアを掲載)
モデル | CPU | スコア |
Razer Blade 15(A) | Core i7-9750H | 11305 |
Razer Blade 15(B) | Core i7-10750H | 12728 |
Razer Blade Stealth 13(2019) | Core i7-1065G7 | 8847 |
Razer Blade Stealth 13(2020) | Core i7-1165G7 | 10592 |
DAIV 5N | Core i7-10875H | 15814 |
ROG Zephyrus M16 | Core i7-11800H | 22769 |
ROG Flow X13 | Ryzen 9 5900HS | 23101 |
※(A)Advanced、(B)Base
Core i7-9750Hは、Core i7-10750Hと比較しても約10%ほどの差にとどまります。
「CPU性能なんて少しでも良いに決まってる」っていうのは否めないのですが、10000超えのスコアならRAW現像や動画編集も十分こなせます。省電力タイプのCore i7-1065G7を採用しているRazer Blade Stealth 13ですと、動画編集などで待たされるシーンもありましたが随分解消しました。
個人的にはこのくらいの性能があれば十分なので、大切に使いたいと思います。
RAW現像の処理時間を計測
実行速度をテストするために、無料ソフトのRawTherapeeで100枚のRAW現像にかかった時間を計測しました。
モデル | CPU | スコア |
Razer Blade 15(A) | Core i7-9750H | 4分08秒 |
Razer Blade 15(B) | Core i7-10750H | 3分50秒 |
Razer Blade Stealth 13(2019) | Core i7-1065G7 | 5分18秒 |
Razer Blade Stealth 13(2020) | Core i7-1165G7 | 3分37秒(参考) |
DAIV 5N | Core i7-10875H | 3分23秒 |
ROG Zephyrus M16 | Core i7-11800H | 2分57秒 |
ROG Flow X13 | Ryzen 9 5900HS | 2分59秒 |
※(A)Advanced、(B)Base
Razer Blade 15(2019)のRAW現像処理時間は平均的ですが、作業はストレスなく行える水準です。
Core i7-10750Hのほうが確かに処理が速いですが、体感的に大きな差を感じるほどではありません。逆にCore i7-1065G7と比較すると「快適になった」と感じられるレベルです。
モニターの発色も良いので、テストのつもりでやっている編集作業も時間を多く割いてしまいました。それだけ作業が楽しいパソコンだと言えます。
高速なSSDを標準搭載
Cドライブには高速なSSDが採用されています。実測で3000MB/sを超える読み込み速度が出ていました。パソコンの起動も一瞬ですし、アプリのインストールなども速いです。時間の節約に貢献してくれると思っています。
GeFore RTX2070 Max-Q ゲーム性能
Razer Blade 15(Advanced/2019)は、GeForce RTX2070が搭載されています。重量級の最新タイトルも遊べると思います。
写真 | 動画編集 | ゲーム |
◎ | ◎ | ◎ |
FF15のベンチスコアを比較
重量級タイトルのFF15でゲーミング性能をチェックします。
モデル | 設定 | 結果 |
Razer Blade 15 (RTX2070) | 3840×2160(標準設定) | 3295(普通) |
1920×1080(標準設定) | 8573(快適) | |
Razer Blade 15 (GTX1660Ti) | 3840×2160(標準設定) | 2892(やや重い) |
1920×1080(標準設定) | 7690(快適) | |
Razer Blade 13 (GTX1650) | 1920×1080(標準設定) | 4271(普通) |
DAIV 5N (RTX3060) | 3840×2160(標準設定) | 4428(普通) |
1920×1080(標準設定) | 10532(とても快適) | |
ROG Zephyrus M16 (RTX3070) | 3840×2160(標準設定) | 4522(やや快適) |
1920×1080(標準設定) | 10186(とても快適) |
FF15のベンチ結果は、4K標準品質で「普通」という結果になりました。多くのタイトルで、さほど神経質になることなく遊べると思います。
本機は240Hzリフレッシュレートに対応しているので、設定次第で高フレームレートを狙う設定にして遊ぶこともできるでしょう。
激重で名高いサイバーパンクもこの通り。美麗かつ滑らかなグラフィックでゲームを楽しむことが可能。
ただし、長時間ゲームをプレイしているとサーマルスロットリングが発生するのか、一瞬大きくフレームレートが落ちる傾向にあります。ノートパソコンクーラーを用意するなど、対策を練ったほうが良いかもしれません。
こうした傾向が新モデルでも継承されているなら、本来の性能をフルに発揮できるのかな?と余計な心配をしてしまいます。もちろん潜在能力としては高いにこしたことはないんですが、高性能な分だけ熱との戦いも避けられませんからね…
動画編集性能もチェック
無料ソフトのResolve使って動画編集をテストします。ミラーレスカメラで撮影した5分程度の動画を書きだす時間を計測。
モデル | パーツ構成 | 時間 |
Razer Blade 15 | Core i7-9750H×RTX2070 | 3分36秒 |
Razer Blade 15 | Core i7-10750H×GTX1660Ti | 3分21秒 |
Razer Blade 13 | Core i7-1065G7×GTX1650 | 11分45秒 |
DAIV 5N | Core i7-10870H×RTX3060 | 2分05秒 |
G-Tune H5 | Core i7-10870H×RTX3070 | 1分55秒 |
ROG Flow X13 | Ryzen 9 5900HS×RTX3080 | 1分46秒 |
動画編集はストレスなく処理を行うことができ、性能をいかんなく発揮してくれていると感じます。高解像データ編集も扱えますし、Razer Blade 13でネックだった問題がクリアになったのは大きいです。(プレビューのカクつき、書出時間が遅い)
動画屋さんなら、現行モデルや、今後登場してくるであろうモデルを狙うメリットは大きいですが、一般的な使い方で困るということはまずありません。
Razer Blade 15(Advanced/2019)の総合パフォーマンス
モデル | Razer Blade 15(A) | Razer Blade 15(B) |
総合 | 2696 | 2778 |
CPU | 1329 | 1383 |
GPU | 876 | 954 |
RAM | 263 | 277 |
Disk | 228 | 164 |
Razer Blade 15(Advanced/2019)は、ラップトップとしては高いスコアをマークしています。しかし、Core i7-10750H×GTX1660TiのRazer Blade15に惜敗しています…
ベンチソフトの傾向やクセみたいなものが影響している可能性も高いですが、少し残念な結果かもしれません。体感的にはアドバンスドモデルの方が良いんですけどね。コスパ重視のユーザーならRazer Blade 15(Late2020)を狙うのもありなのかも?
Razer Blade 15(アドバンスモデル)感想・評価
メリット
- クールがすぎるデザイン!
- 処理能力の高さ!
- 最新ゲームもしっかり遊べる描画性能!
- ゲームもクリエイト作業もこなせる!
- キーパッド&トラックパッドが使いやすい!
Razer Blade 15(Advanced/2019)は、パフォーマンスの高さ、ルックス、高品質なキーボード&トラックパッド、滑らかで美しいモニター、などなど全方位に満足感を得られるパソコンだと思います。
旧モデルということで、将来的な不安(長持ちするか?サポート打ち切り?)も考えましたが、あまり不安視する必要はないかなと感じます。市場で販売されている多くのパソコンの中でも、上位に位置づけて差し支えない製品じゃないでしょうか。
自費購入しているので親心的な面もありますが、現行モデルと比較してもまだまだ戦える印象を持っています。
デメリット
- 汚れやすい
- 大きいACアダプター
- 熱対策
- 非常に高価
Razer製品に共通していることかもしれませんが、モノが良いだけに価格も高いです。ブラックのボディは指紋がつきやすく、神経質な人はこまめに清掃する羽目になるかも。また性能を発揮するためにACアダプターが大きいのはモバイルにとって弱点になります。
あとは熱(サーマルスロットリング)によるフレームレートの落ちですね。4Kモニターに接続してプレイしていますが、解像度を4K→WQHD→フルHDにしたりと工夫しながら使っています。それでもふとした瞬間にフレームレートが下がるので、競技性の高いゲームだと気になるかもしれません。
Razer Blade 15 をおすすめしたい人
- ルックスの良いPCが欲しい人
- あらゆる作業をノートPCでしたい人
- 満足度の高いWIN機が欲しい人
- 予算に余裕がある人
Razer Blade 15(Advanced/2019)をレビューしました。
Core i7-9750H×RTX2070の組み合わせは、パフォーマンス的にも現役でまだまだ使えます。アルミシャーシの本体は高級感がありますし、直接触れるキーボードやトラックパッドも使っていて楽しいです。強めのノートパソコンが必要だったり、並のパソコンではち満足できない人におすすめの製品です。
最新モデルをどんどん使っていくのも良いですが、たまには型落ちでお得感が出ているモデルを選択するのも楽しいですね(笑)
とは言え、Razerのノートパソコンは、お値段が高いので覚悟は必要…その分、得られる満足感も大きなものになっていますよ!
Razer製品についてはAmazon以外に「ドスパラ」「Ark」などのPCショップで購入可能です。