ASUSの超人気ポータブルゲーミングPC「ROG Ally X」(RC72LA-Z1E24G1T)をレビューします!(製品貸出元:ASUS JAPAN 株式会社)
7型 1,920 x 1,080(120Hz/タッチパネル)モニターを搭載したモデルで、CPUはAMD Ryzen Z1 Extreme プロセッサー据え置きとなっています。主な変更点は24GBメモリ、1TB SSD、大容量バッテリーに加えて、本体カラーがホワイトからブラックになっているのが特徴。さらにUSB4も追加されて拡張性もUPしています!
ベンチマークテストの結果や、使い心地などをレビューしていきますので参考にして下さい。
目次
ASUS ROG Ally X レビュー
CPU | AMD Ryzen™ Z1 Extreme |
GPU | AMD Radeon™ グラフィックス |
メモリ | 16GB→24GB |
SSD | 512GB→1TB |
画面 | 7型(120Hz) |
価格 | 139,800円 |
リンク | 販売ページ |
「ROG Ally X」はユーザーからのフィードバックを受けて従来モデルの弱点を克服、より完成度を高めたポータブルゲーミングPCです。大きな変更点はメモリやストレージ容量がアップしたこと、バッテリー駆動時間が伸びたことなどです。他にもインターフェースにUSB4が追加されていたりとマイナーチューンというよりも正当進化を果たした後継機という印象です。
メモリが24GBになったことでVRAMに8GBを振っても、残り16GBでデータ処理や読み書きなどを行える計算になります。パフォーマンスを維持したまま描画性能もキープできるっていうのは大きいですね。16GBだとほんの一瞬ゲームが止まったりしていましたからね。
CPUは8コア16スレッドのRyzen Z1 Extremeのまま据え置きではありますが、利便性というか使用感はかなり変わった印象ですね。かなり遊びやすくなっているなぁと感じました。ただし価格は10万9800円→13万9800円へと上がってしまいました…様々なアップデートを受けているので仕方ないかな…という気もしますが普通のゲーミングパソコンも購入できるから悩ましい。。
カラーリングもホワイトからブラックに変更されました。よりプロっぽい(?)見た目になったような気がします。白は白でかわいいんですけどね。エアフローも改善されていてタッチパネル面の温度を最大6℃低下、30db以下の動作音になっています。普通に使っていたらほぼ無音に感じるほど静かでした。
従来モデル
65W ACアダプターは付属していますが、HDMI+USB端子がついた「ROG Gaming Charger Dock」(ドック)を購入するのをおすすめします。モニターやキーボードをつないでデスクトップパソコンのように使えます。
ドックのほうはプラグを折り畳めるので持ち歩きにも便利ですし、純正品なので類似製品では得られない安心感があります。
YouTube 動画レビュー
You Tube動画も作っていますので、合わせて参考にしてください。高評価、チャンネル登録してもらえると喜びます!
ASUS ROG Ally X 開封
筐体はエルゴノミクスを重視したデザインを採用、長時間のプレイでも負担が小さく設計されています。本体単体で自立してくれるような仕組みがあればより最高だったんだけどな。
裏面も従来モデルよりも大き目に肉抜きがされていて冷却性がアップしている印象です。実際よほどの負荷をかけない限りは本体もほんのり温かいくらいでした。裏面にはマクロボタンも2つ用意されています。
モデル | 寸法 | 重量 |
ASUS ROG Ally X | 幅280.6mm×奥行111.3mm ×高さ24.7~36.9mm | 約678g |
Switch(有機EL) | 横242mm×奥行102mm×厚さ13.9mm | 約420g |
サイズはニンテンドースイッチ(有機ELモデル)を2周り大きくしたような印象。従来モデルよりもわずかに厚みが増しているのと70gほど重たくなっています。これは初代の2倍の容量(80Wh)のバッテリーによるところが大きいでしょう。個人的には従来モデルの電池もちは不満だったので、2倍使えるなら少しくらい重くなっても気になりません。
カラフルなボタンがかわいいです。グリップ部は滑り止め加工が行われていますが、親指の付け根あたりで支えていると気持ち滑りやすそうな印象を受けました。ちなみにスピーカーの音は迫力があってデフォだとうるさいくらいでした。
付属品は取扱説明書、電源コード、ACアダプター(65W)、スタンドです。
バッテリー駆動時間は高負荷ゲーミングで3時間、動画視聴が11.7時間です。以前は1時間もゲームをしていると不安になっていましたが、これくらい長持ちしてくれれば一区切りつくくらいは遊べそう!いや遊べました(笑)
7型フルHDタッチスクリーンで、リフレッシュレート120Hzに対応しています。最大輝度は500nitsと明るく、発色もクリアで見た目にも楽しめるようになっています。応答速度は7msとそれほどでもないので、本気のシューティングゲームとかそういった使い方は向いていません。あくまでも気軽にゲームを楽しむための製品です。
Windows11なのでモニターに接続すれば普通にパソコンとして使えます。キーボードやマウスを接続するとQOL爆上がり!自分の環境に合わせて周辺機器などをそろえていくのも楽しいと思います。
- 3.5mm コンボオーディオジャック
- USB4 (Type-C/Power Delivery対応)
- USB3.2 (Type-C/Gen2/Power Delivery対応)
- カードリーダー (microSD)
USB Type-Cが2つになったのは嬉しいですね。しかも1つはUSB4に対応しているので高速デバイス類と接続が可能になり、さらに利便性が高まりました。初代に搭載されていたROG XG Mobile インターフェイスは廃止…独自規格の外部GPUモジュール「ROG XG Mobile」は消えてしまうのでしょうか(たしかに最近全然売られていない気が)
ASUS ROG Ally X ベンチマークテスト
CPU:Ryzen Z1 Extreme
ROG Ally X | Ryzen Z1 Extreme | 1920 × 1080 / 50-60fps |
ROG Ally(RC71L) | ||
Legion Go | ||
Steam Deck | AMD APU | 1280 × 800 / 30-40fps |
ONEXPLAYER 2 | Ryzen 7 6800U | 1920 × 1080 / 40-50fps |
ONEXPLAYER mini Pro | Core i7-1260P | 1920 × 1080 / 30-40fps |
CPUは従来モデルから据え置きですが、メモリ容量がアップしている分だけ挙動にも余裕が感じられる気がします。この手の製品として、Ryzen Z1 Extremeはまだまだアドバンテージがあるので迷ったらコレを選んでおけば良いかと思います。
ちなみにレノボの「Legion Go」もレビューしているので参考にどうぞ。
GPU:ゲーム性能
モデル | 設定 | 結果 |
ROG Ally X | 1920×1080(標準設定) | 3926(普通) |
ROG Ally(30W/Turbo) | 3569(普通) | |
ROG Ally(25W/Turbo) | 3512(普通) | |
mouse K7 (GTX1650) | 5552(やや快適) | |
mouse K5 (MX550) | 3630(普通) | |
DAIV 4P (Iris Xe/1260P) | 1280×720(軽量品質) | 4029(普通) |
FF15は結構重たいタイトルなのですが、フルHD設定で普通という結果が得られています。しかも従来モデルより10%ほどスコアが上がっているのも好印象。重量級タイトルも結構動かせることがわかったので、ほとんどのゲームは動作するんじゃないでしょうか。ただしコントローラーや操作系のところで最適化されていないタイトルもあるので要注意。
ちなみに純正のACアダプターなら最大30W動作ですが、純正以外を使用すると25W制限にかけられます。ほとんど差はないので個人的には気にしなくても問題ないと思っています。
内臓グラフィックを利用するとバッテリー消費が早まるので、あえてクラウド系のサービスを利用するのも選択肢としてはありです。ちなみにXbox Game Passの3ヶ月利用権が同梱されているので試してから判断することもできます。
サイバーパンク2077
解像度 | 1920×1080 |
画質設定 | 軽(SteamDeck) |
FPS | 40fps前後 |
激重で有名なサイバーパンク2077は、フルHD軽量(SteamDeck向け)設定で40fps前後です。快適と言うにはもう一歩ほしいところですが遊べないことはないかなという感じ。
パルワールド
解像度 | 1920×1080 |
画質設定 | 中 |
FPS | 30fps前後 |
パルワールドも結構重たいのでフルHDだと30fpsくらい。もう少し画質を落として快適性を高めないとしんどい感じです。
7 days to die
解像度 | 1920×1080 |
画質設定 | 中 |
FPS | 30FPS前後 |
7 days to dieはフルHD中設定で30fpsあたり。画面をふったりすると気持ち悪い感じだったので画質はもう少し下げたほうが良さそうです。
いくつかのゲームを動かしましたがHD~フルHD軽量あたりにしないと快適に遊べない印象でしたね。ちなみにマインクラフトはデフォルト状態で60fpsをキープ、バッテリーは30分毎に20%程度消費していたので2時間半くらいは遊べそうな感じでした。
クリエイト性能チェック
RAW現像
実行速度をチェックするため、無料ソフトの「RawTherapee」で100枚のRAWデータの変換にかかった時間を計測。
モデル | CPU | 時間 |
ROG Ally X | Ryzen Z1 Extreme | 2分23秒 |
ROG Ally(RC71L) | 2分48秒 | |
DAIV 6シリーズ | Core i7-12700H | 2分41秒 |
DAIV 4P | Core i7-1260P | 3分11秒 |
Razer Book 13 | Core i7-1165G7 | 3分52秒 |
結果は2分23秒となかなか速いです。従来モデルよりも25秒くらい速いのはメモリ増加の恩恵でしょうか。撮影旅行にROG Ally Xを持って行けば、道中の暇つぶしもできるし、旅先でのRAW現像もできるしでスキはありませんね(笑)
動画編集
無料ソフトのResolve使って動画編集をテストします。ミラーレスカメラで撮影した5分程度の動画を書きだす時間を計測しました。
モデル | パーツ構成 | 時間 |
ROG Ally X | Ryzen Z1 Extreme×Radeonグラフィックス | 1分55秒 |
ROG Ally(RC71L) | 4分05秒 | |
DAIV 4P | Core i7-1260P×Iris Xe Graphics | 3分25秒 |
Razer Book 13 | Core i7-1165G7×Iris Xe Graphics | 5分46秒 |
mouse K5 | Core i7-12650H×MX550 | 1分53秒 |
フルHDへの書き出し時間は実用範囲内で、従来モデルの半分くらいで作業が完了しています。さすがにこだわった編集は難しいかもしれませんが、OBS経由のSwitch録画用としてとか結構使えるんじゃないかと思いました。なかなか遊べそうな製品ですよ。
ASUS ROG Ally X感想・評価
メリット・デメリット
メリット | ・従来よりも処理能力が上がっている ・ゲーミング性能は10%くらいUP ・24GBメモリの恩恵は大きい ・RAW現像や動画編集も楽しめる ・バッテリー駆動時間が伸びて遊びやすい |
デメリット | ・お値段がアップ ・最適化の問題 ・独自規格の消滅… ・ゲーミング性能に劇的な変化はナシ? |
従来製品はバッテリー駆動時間が短くて、1時間もしたら電源が切れるなんてこともしばしば…モバイルとうたいながらも積極的に持ち出して遊ぶということがしにくいところがありました。それがバッテリー容量が2倍になって弱点は克服されましたし、24GBメモリの恩恵もしっかり感じられるほどでした。
しかしゲーミング性能という意味では、従来モデルと別次元の体験ができるというほどでもありません。画質をかなり下げて遊ばないと難しいので、最初の1台として選ぶなら普通にゲーミングノートを買ったほうが良いと思います。従来モデルも値下がりが始まっているので、仮に10万円を大幅に割り込んできたとかなら選んでしまっても良いような気もするんですよね。例えば8万円とかならソレを買って、モニターとかにお金を回しても良いような気がします。
ASUS ROG Ally Xをおすすめしたい人
- 従来モデルに物足りなさを感じていた人
- 普通のパソコンじゃ満足できない人!
- モバイルゲーミングに興味があった人
- サブ使いでアレコレしたい人
ROG Ally Xをレビューしてきました。
従来モデルの弱点を克服し、さらに遊びやすくなったモバイルゲーミングPCでした。CPUこそ据え置きですが、メモリやバッテリー増量の恩恵は大きく、従来の不満点が解消しているのは好印象です。価格こそ13万9800円とあがってしまいましたが、スペックアップや昨今の物価高騰を考えたら妥当なところじゃないでしょうか。夏の帰省や旅行のお供に1台いかがでしょうか?(笑)
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